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No.2074ファンタジー世界における民主政について

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よくファンタジー世界で民主政治を立ち上げるお話があったりしますが、実際にそれが可能かどうかというと実は疑問です。

理由としては民主政治を立ち上げるためには幾つか要素が必要であると思うからです。

フランス革命は何故起こったのか。

①王政の腐敗により、国民の負担が大きくなった。
これはまあ、ほとんど大前提ですw

②知識人が増え国の現状を憂う書物等を多く出している。
フランス革命前後で知識人が多く出てきているのは事実で、インテリとよばれるようになったのもこの頃ではないかと思われます。
また、少し違いますが日本の明治維新でも似た傾向があります。
吉田松陰の元にいた下級武士が多く活躍していたりしますしね。

③貨幣経済が村などの末端まで行き届いている。
田舎の村まで知識がある程度入り込むには、経済の流通が届いている必要があると思われます。
王政が全盛期である頃は、村の税金を米や麦といった穀物で支払っている事が多く、貨幣経済があまり浸透していないことが多いです。

④貴族の支持。
フランス革命において、勝利したのは貴族のちからが大きいと思われます。
彼らが軍事力を王に向けた事で、軍事力の比率が大きく傾いたわけです。
貴族は当然利権を守るために動いたわけで、彼らに利益を与えない革命が成功する可能性は低いでしょう。

つまり、転生者やら召喚者なんかが騒いで、軍事力でゴリ押しして民主制を作ったとしても、自治はできずその時点の指導者が王となるだけのことです。
また、一部貴族を巻き込んだとしても、一気に領土の広がった貴族達が国全体を収めきれるかは疑問です。
それにやはりそういった人達が特権階級になるのは仕方ないでしょう。

経済という概念がある程度浸透し、貴族等の勢力を抱き込み、知識の拡散をしっかり行っていることが下地にないと民主制への移行は難しいと思われます。
ギリシャ等でも民主制はありましたが、あれは奴隷という労働力があってこそです。
ある意味、民衆全員が貴族であったともいえます。
そんなものを、現代社会出身者が民主制と言うとは思えませんから、作り出す難度は結構高いのではないかと思われます。

もっとも、それらを上手くすりあわせた作品の登場を期待しているのが私なのですがw
まー自前では無理くさいので、誰か期待しますw

黒い鳩 - 騎士王レベル30(269回)

2016/05/12 (Thu) 18:35

No.2075Re: ファンタジー世界における民主政について

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ども、なかなかに難しい問題を出してきましたな。そこでこちらも少々考察してみます。
ファンタジーとしてもリアルとしても民主制国家はかなりの試行錯誤と何より時間が必要な政治体制です。中南米の左翼と称する反米(なだけ)の政治体制、中近東のアラブの春を代表する国家転覆の顛末を考えれば転生者やチート、そっして革命と言う暴力一つでできる代物ではないと思われます。
本来人間の集まりが代表者政治という古代民主制、そこから危急時の対応に特化した元首制、民衆の生産力を底上げして多数の生存を追求しようとした封建制、それを国家思想や神権思想で纏めた領邦制(絶対王政がその終着点)、そこまできて初めて民衆が政治と言う者に口を出せるだけの余裕(お金)と頭(教養)が身に着けられ身分によらない学徒としての政治家が誕生できるようになるのではないか?と思われます。その上でいらぬ干渉を受けない軍事力と経済力を構築できる官僚制度、試行錯誤を可能とする啓蒙主義エトセトラ……それでやっと民主制の基本たる国民国家の下地になるわけです。一世一代でやれるものではありません。

とバカみたく不可能事を書いてみましたがファンタジー世界なら裏技もあってもよいはず。一つは魔法による通信速度の加速による古代ギリシャ直接民主制の最大化ですね。直接民主制がなぜ廃れたかと言いますと地域同士の通信格差が大きくなりすぎ国を広くしてもそれが国や民の利益にならないジレンマがあったからだと思います。だからこそ初めにその格差を平均化し相応の人数でもよいので国全体をグローバルな視点で議論する機関を作っておく。そしてそこに出席する人々を各地方の民衆が己の手で選べるようにする。(選挙はその一手段に過ぎない)そうすれば寡頭制ではある物のまだしも民主制の萌芽を持つ政治体制が可能になると思います。これでも地球人類が試行錯誤してきた2000年余りを半分短縮できそうな気がフェリはするのです。

ますますネタに走ってしまったので……もう一つばかり
フェリの拙作の舞台であるメルキア帝国ですがこれは国家主導による「共産主義」に近いものがあります。「勇者」が解りやすい世界観故、国家生存のため力ある者を積極的に選抜して国家に取り込み彼らの「指導」によって国民の最大公約数的幸福を追及するといったイメージで書いています。もちろんこんな制度が長続きするわけがありません。いくら国家の敵が多数かつ凶悪で人が纏まらなくてはならなくても国民の欲に際限がありませんから最後には破たんします。ただここにも民主制に似た政治形態へ移行できるチャンスがあるとフェリは見ています。「勇者」と「国民」の棲み分けと言葉による闘争と妥協からなる疑似的な議会政治、つまり民主制の第一歩となるわけです。目下主人公がその反対方向に向かって驀進しているので実現は疑問ですけど(←殴w)

結局ネタの坂道転げ落ちって行ってどうするんだフェリ(←激殴ww)
それでは

フェリ - 村人改(6回)

2016/05/12 (Thu) 21:34