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No.2078黒パンについて。

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中世ヨーロッパのような世界観の話が増えていますが、黒パンを質の悪いパンとして出している作品が多いようです。
確かに、硬いのですが、健康にはとても良いパンなのです。
黒パンが何かと言いますと、ライ麦パンの事ですから。
ライ麦パンは今でもドイツではよく食べられています。
不味いのは、作り方がまだ甘かったと言う面が大きいと思われます。

ただ当然、ライ麦パンを作るにはライ麦を作っている必要があります。
では、どうして小麦ではなくライ麦を育てる農家が多かったのか。
理由は簡単で、小麦よりも耐性が強く、小麦が作れない寒い土地や栄養の少ない土地で栽培するのに向いていたからです。
今は土壌改良も進んだため小麦が増えていますが。

結果として、ライ麦を沢山作り黒パンが一般向け、小麦の白パンは金持ち向けとなったわけです。
つまり、黒パン=駄目なパンというわけではなく、作り方次第で美味しいパンも作れます、ドイツでパンといえば黒パンなのもそれが理由ですね。

因みに、石粒入りパンを作中で出しておられる方もいます。
石粒入りパンというのは石臼が無かった時代、平な石の上で石の棒を使ってローラー式で小麦を轢き潰していた頃のものです。
有り体に言うと、壊れやすい石だったのか、潰しているうちに小粒の石が小麦に混ざりこんでしまい、振るいにかけても同じようなサイズのものが残るらしいのです。
古代エジプトのやり方なので、中世を舞台にしてるなら古すぎるやり方ですがね(汗

黒い鳩 - 騎士王レベル30(271回)

2016/06/05 (Sun) 13:24

No.2079Re: 黒パンについて。

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ども、興味深い話なのでお返事をば

どうやらライ麦は中世においてスペイン北部、フランス中部、ライン川以東では一般的なものだったようですね。パン屋はパン屋でも小麦パンを扱わずライ麦パンを専門に扱うパン屋もあったそうです。しかも内陸では塩分の摂取が難しいことから塩マシマシのパンが多かったそうでラードをパンに塗るのはこの塩気をごまかす為といった説もあるそうですよ? (ドイツ内陸部ザルツブルグが神聖ローマ最大規模の都市だったのもわかります。岩塩の主生産地ですし。)

@面白いのは中世ではパンは食品としての規格を定められていたようで衛生管理、物流管理、環境管理が事細かに定められていたそうです。(罰金を初めとした刑罰付き)製造業その他でよく見かける欧州生まれのISOはもしかしたらこのパンの規格政策が源流なのかもしれません。

石粒入りパンは古代エジプトでは砂も影響も大きかったようでそのころのエジプト人の6割近くが歯槽膿漏と歯の摩耗に悩まされていたそうです。某少年王のミイラにもその痕跡があったようで昔は大変だったなぁ。でもエジプトってローマ帝国時代は帝国全土への主要穀物(高品質の小麦)生産地だったんですよね。石粒入りの小麦をどう高品質な小麦にしていたのか興味はあります。

それでは

フェリ - 力自慢の村人(7回)

2016/06/09 (Thu) 20:31