インビジブル |
作者: ルルア 2012/12/18(火) 16:03公開 ID:RItx1.5P32Q |
インビジブル 何だろう。これは。 流れていく人、人、人の波。 僕はその中に立っていた。 だけど、誰一人として僕のほうを見る人はいない。 ドンッと、僕の方に、サラリーマンらしき人の肩がぶつかった。 サラリーマンの男性は、僕に何も言うことはなかった。 彼は、周りを見回して誰がぶつかったのかを確認している。 けれど僕のほうは見ない。 まるで。 まるで、僕のことなど最初から見えていないとでもいうかのように。 とんでもない。 なにやら、僕は透明人間になったようで。 誰にもその姿は見えていないようで。 声は聞こえてもその存在には誰も気づいてくれなくて。 最初は楽しかったさ。 原因推測をぶちまけて、煩悩妄執もハツラツとさ。 でもでもでもでも。 聴きたくなかった悪口が聞こえてさ。 彼女が誰かとキスをしててさ。 あぁ、なんだか。 頭が痛いよ。 僕のことが見えてますか?? 嫌いで嫌いで大嫌いな僕のことが。 楽観?楽観?達観?楽観?達観?楽観視? 僕はダレニモミエナイダロウ? そこに僕がいないことに誰も気づいちゃいないでしょう? あぁ、そうか。 いないほうが当たり前なのか。 誰か覚えているかい? 嫌いで嫌いで嫌いで嫌いな僕のことが。 楽観?楽観?達観?楽観?達観?楽観視? 僕のことなんてダレモオボエチャイナイダロウ? あぁ、気づかなかったよ。 みんなありがとう。 届かない ありがとう お願い僕を忘れないで。 ごめんねごめんね?それでも、 端っこでもいいから座らせて? 交差点の中をただ呆然と歩いていた。 人ごみの真ん中を急ぐように走るサラリーマン。 だけど僕はもう避けようともしなかった。 すれ違いざまのこと。 いま。 半身で確かに避けてった。 いま。 ぼくはここにいるんだ―――――。 |
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テキストサイズ:1960 |
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