作者:棗
2011/10/22(土) 16:12公開
ID:j2l8cAcYAC.
朝靄が森を白く染めていた。
枝葉の隙間から射し込む光が木陰に残る夜の気配をサッと拭い去る。賑やかな小鳥たちの囀りが聞こえてくる頃には、金色の朝陽が森の隅々まで染み渡っていた。
――しかし、清々しいその光景の中に異質な存在が紛れ込んでいた。
逞しい幹を持つ大木の根元に、一人の少女が横たわっていた。力なく手足を投げ出し、長い胡桃色の髪は無惨に乱れている。そして、その白い素肌を覆う物は何一つなかった。
微かな呼吸に合わせて浮き沈みする豊かな双丘。今にも零れ落ちてしまいそうな果実は、柔らかな円を描いたまま奇跡のように少女の胸に収まっている。サクランボ色の小ぶりな乳首は、誰かの接吻を待っているかのようにぷっくりと立ち上がっていた。
ほっそりとした腰、肉づきのよい桃のような尻。正に世の若者が夜の夢に描く艶めかしい肢体は、しかし生々しい陵辱の残滓に塗れていた。
少女の肌という肌にはベッタリと白濁した粘液がこびりつき、足の付け根には痛々しい血の色が残っていた。青ざめた頬に幾筋も刻まれた涙の痕。辺りには、様々な体液が混ざり合ったむっとするような臭気が立ち込めている。
「ん……」
ふと、少女――ティルデの可憐な唇が小さな声を洩らした。瞼が震え、長い睫毛がゆっくりと上を向く。煙水晶を嵌め込んだような濃灰色の瞳がぼんやりと宙を泳いだ。
(……眩しい)
キラキラと瞬く木漏れ日にティルデは目を細めた。全身を包む冷たい空気にふるりと体が震える。
(わたし……生きてる?)
何度も瞬きを繰り返し、ティルデは周囲を見渡した。呑み込まれてしまいそうな暗い闇も、恐ろしい蔦の化け物も幻のように消え、穏やかな朝の森が優しく微笑みかけてくる。
ティルデはのろのろと起き上がった。泥のように絡みついてくる倦怠感、身動く度に疼く下腹部の痛み。強烈な喉の渇きを感じた瞬間、どっと涙が溢れた。
(全部、全部夢じゃない……本当にあったことなんだ。あんな化け物に犯されて、玩具にされて……それでも生きてる)
喜びと悲しみと恐怖がグチャグチャに混ざり合い、嵐となって胸の中で渦巻いた。美しい、それ以上にいやらしく様変わりした自分の姿は、笑いたくなるほど魔物と交わった女に相応しかった。
ティルデは暫く声を詰まらせて泣いていたが、ザワザワと風に揺れる木々のざわめきにハッと顔を上げた。朝を迎えたとは言え、ここはまだ森の中――どこに魔物が潜んでいるか分からない場所なのだ。
(早くここを離れよう。森を出て……家に帰らなきゃ)
きっと祖母が心配しているに違いない。ティルデは力の入らない足を叱咤し、大木に縋ってなんとか立ち上がった。光の射す方へよろよろと歩き出す。
足を動かす度、とことん貪られた秘所が快感の余韻に震える。たぷたぷと揺れる乳房が二の腕の内側で擦られ、徐々に凝っていくのがいやというほど分かった。
魔物はティルデの中に快楽の火種を植えつけたらしい。燻る熱は単純なことで呆気なく高まり、少女を苛んだ。
零れる吐息が切なく掠れ、必死に前を向く瞳は劣情に潤んでいる。朦朧とする意識の中、ティルデは歯を食い縛って進み続けた。
やがて――木立が途切れた。
唐突に視界が開け、サアッと明るい光が広がる。思わず目を細めたティルデは息を呑んだ。
濃い緑の屋根にぽっかりと開いた天窓の向こう、青く高い空が見えた。そこから降り注ぐ陽光は大きな泉の水面に照り返され、一面を白銀の輝きで満たしていた。
湖とも見紛う泉は透き通った碧い水を湛え、舞い踊る妖精たちが笑うように光りさざめいている。ティルデは陶然とその幻想的な美しさに見入っていたが、べたつく全身の汚れを思い出した。
(体を洗いたい……喉も渇いてるし、少しくらいなら休んでも大丈夫だよね?)
ティルデはよろめきながら水辺まで近づいた。澄み切った水は冷た過ぎず、肌に染みるように心地いい温度だった。
掌に掬った水を夢中で飲み干したティルデは、体中にこびりついた汚れを洗い始めた。何度も水をかけ、皮膚が赤くなるまでゴシゴシと擦る。汚れが落ちていくと、少しずつ疲弊した心も力を取り戻していく気がした。
丹念に手足を清めたティルデは、誇らしげに主張する胸元を困惑しながら見下ろした。二つの乳房はすっかり張り詰め、熱い母乳をたっぷりと蓄えている。硬く膨らんだ乳首は解放を急かすように鮮やかな薔薇色に染まっていた。
ティルデは濡れた手で双丘の片割れにそっと触れた。下から掬うように持ち上げると、その重さと大きさを改めて思い知らされる。はちきれんばかりの膨らみをなんとか両手で包み込み、ゆっくりと力を加えた。
「んっ!」
ビクンと細い肩が跳ねる。チュッ……と小さな音がして、乳頭から僅かな雫が飛んだ。
(もっと強く搾らなきゃ……)
ティルデは手を震わせながらぎゅっと乳房を握り潰した。途端に痺れるような快感が背筋を走り、彼女は短い嬌声を上げた。
「あぁ、ふ……くぅ」
ぺたんと草の上に座り込み、ティルデは大きく喘いだ。しかし乳房の張りはまだまだ弛まず、力強く掌を押し返してさえくる。
挫けそうになる精神を奮い立たせ、ティルデは搾乳を再開した。
「は、ふぁ、んく……ひあ、ぁあんっ!」
体重をかけて乳房を揉み解し、溜まりに溜まった母乳を搾り出す。真っ白なミルクが溢れる度、少女は背を震わせて上擦った悲鳴を洩らした。煽られるように下腹部が熱く疼き、柔らかな茂みの奥はしっとりと濡れ始めていた。
やがて両方の母乳を出し切る頃には、ティルデはぐったりとその場に倒れ込んでいた。あちこちに白い水溜まりが生まれ、甘い匂いにクラクラと眩暈がした。
どうにか呼吸を整えて体を起こしたティルデは、そろり水の中へ爪先を差し入れた。一々水をかけて洗うよりも泉に入った方が早いと思ったのだ。透明な水面を汚すことに微かな罪悪感を覚えたが、先ほどの搾乳で更に肌が汚れてしまっていた。
泉はティルデの鳩尾ほどの深さだった。やや軽くなった乳房をティルデは手早く洗った。膨らみを撫でたり胸の頂に触れたりすると、あっという間に双丘が硬くなり始めたのだ。与える子もいない乳を延々と出し続ける淫らな体に、ティルデは泣きたくなった。
(わたし……一体どうなちゃったんだろう)
水面に映るティルデの姿はとても十五歳の少女とは思えない。辛うじて髪と瞳の色はそのままだが、本当にこれが自分の顔なのかと疑ってしまう。大きく黒目がちな瞳にあどけなさを残しながらも匂い立つように妖艶な面立ち――。
(あの化け物はわたしのもう一つの姿だって言ってたけど……もしもわたしが今とは違う環境で育っていたらこうなっていたかもしれないってこと?)
記憶も朧気な母は中々の美人だったそうだ。その面影が見当たらないかと目を凝らしたその時、ティルデの足首に何かが絡みついた。
「きゃあっ!」
激しい水飛沫を上げてティルデは水中に引きずり込まれた。無我夢中でもがくが、グイグイと足を引っ張られて浮上することができない。吐き出した空気が白く泡立ちながら目の前を覆う。
見えざる魔手は他の手足にも伸び、ティルデは完全に自由を奪われてしまった。息苦しさがガンガンと殴りつけられるような頭痛に変わり、すうっと意識が遠ざかっていく。
(もう息が……)
気を失いそうになった刹那、一気に水面へ引き上げられた。口の中に雪崩れ込んできた空気にティルデは激しく噎せた。
「はぁ、はぁ……ぁえ?」
ようやく我を取り戻したティルデは、飛び込んだきた光景に言葉を失った。
エメラルドグリーンに輝く泉の水面が激しく波打っていた。風が吹いているのではない――まるで水が意思を持っているかのようにグニャグニャとうねっているのだ。泉の中心は大きく盛り上がり、ティルデはその頂に仰向けの姿勢で浮かんでいた。四肢は半ばまで水に呑まれ、ブヨブヨとしたゼリーで固められたようだった。
「いっ、いやぁぁっ! 放してぇぇっ!」
あまりに唐突な悪夢の再来にティルデは絶叫した。しかし、少女の哀願は容赦なく切り捨てられた。
斜面の一部がにゅるりと伸び上がった。青みがかった透明な触手は水蛇のようにくねりながら近づいてくると、ティルデの口の中に押し入ったのである。
「んぐっ!?」
丸々とした触手は、小さく窄めた先端を器用に使って口腔を撫で回した。歯列をなぞり、内壁を擽り、逃げ惑う少女の舌を柔らかく搦め捕る。恋人の口づけのように舌を愛撫され、ティルデは背筋を震わせた。
溢れた唾液が頤を伝い、仰け反った喉元から深い胸の谷間まで滑り落ちる。ティルデの動きに合わせて弾む乳房はすっかり張りを取り戻し、高々と突き上げた頂まで悦楽の予感が漲っていた。
「ふぅんっ!」
熱く熟れ切った果実をひんやりと包み込んだ感触に、鼻にかかった嬌声が洩れた。新たに伸びた二本の触手がそれぞれの膨らみを下から持ち上げ、先端を大きく広げてすっぽりと覆い被さったのである。
水色の触手が滑らかに蠢き、ゆっくりと双丘を揉み始めた。やわやわと絶妙な力加減で全体を刺激され、媚薬漬けにされた少女の体はいとも容易く陥落した。
「んん――っ!」
ぷしゃっと触手の内側が白く染まった。ティルデはビクビクと体を震わせ、濃厚な母乳を迸らせた。待っていましたと言わんばかりに触手の表面が膨れ上がり、乳白色の濁りが溶けるように吸い込まれていく。
触手はすっかり母乳を吸収すると、息をつく間もなく動き出した。触手の内側は皮膚にピッタリと張りつき、真っ赤に凝った乳首を真綿のように咥え込んでいる。柔らかく揉みしだかれる度にそこだけチュウッと吸い上げられ、ティルデは潤沢なミルクを惜しみなく噴き出した。
「ふっ、くぅ……はふぅんんっ!」
長く緩やかな搾乳はティルデへ細波のような絶頂をもたらし、ひたすら子宮の熱を高ぶらせる。綻んだ秘所はとろとろに蕩け、雪より白い太股を艶めかしく濡らしていた。
蜜の香りに誘われるように、また別の触手が少女の股間に群がった。触手はぐにゃりと形を歪めると、柔軟に蜜壺の中へ侵入した。
「んふっ!」
まるで粘り気のある冷たい水を流し込まれたような感覚が女の道を遡ってくる。ティルデは腰を高く腰を浮かせ、ブルブルと乳房を揺らした。
触手はあっという間に最果てまで辿り着くと、溶かした体をドロドロとティルデの胎へ注ぎ込んだ。白く薄い腹部がみるみるうちに丸く膨らんでいく。
「ひぃうぅ……」
膨張した触手で子宮が満たされた頃には、ティルデの腹は臨月を迎えた女のように大きく迫り出していた。みっしりと詰まった圧迫感にティルデは大きく喘いだ。
「ふぁ、く……はふんっ!」
不意に、胎内の触手が大きく波打った。水気をたっぷりと含んだ粘土のように動き回り、子宮の内壁を撫で擦る。
そればかりか産道を塞ぐ部分がズリュズリュと上下し、何度も最奥を突き上げてくる。重い衝撃が深々と突き刺さる度、声にならない悲鳴が少女の喉を震わせた。
(あぁ……おっぱいが……お腹を打ちつけられて止まらない!)
ズンッ、ズンッ、と子宮から響いてくる振動に乳房が揺さぶられ、勢いを増して母乳が爆ぜる。緩やかな打ち込みに合わせて捏ねくり回される膨らみはますます張り詰め、ティルデの胸を押し潰してしまいそうなほどだった。
「ひぅっ、ぁ、くぅ、ふぁうんっ!」
うねる触手を突き立てられた秘所からは濁った水音が零れ、濡れそぼった花弁がヒクヒクと震えた。母乳と共に快感が迸る瞬間、キュッと産道が縮んで触手を締めつける。それが男の精を搾り取ろうとする女の催促だといやでも理解してしまい、ティルデは思わず涙を零した。
(お願い、もう許して……!)
しかし彼女の願いも虚しく、触手は更なる試練を強いてきた。
「ふくぅっ!」
いきなり乳首を摘まれ、ティルデはビクンッと腰を跳ね上げた。触手は双丘を揉みしだきながら、まるで栓をするように両方の頂を握り潰したのだ。
「ひ、あぐ、ふんんぅっ!」
溢れ続ける母乳は出口を失い、ギュウギュウと内側から押し上げてくる。触手の動きは弱まるどころか一層ティルデの性感帯を責め立て、しなやかな肢体は瘧のように戦慄いた。
(いやぁっ……おっぱいが、おっぱいが破裂しちゃうぅぅ!)
鮮やかな桃色に染まった乳房は大きく浮き上がり、今にも弾け飛んでしまいそうな危うさで触手の無体に打ち震えている。気が狂いそうな焦燥感に、ティルデの意識は焼き切れる寸前だった。
「ふぃ、ぅあっ、ひ、は……んぐぅっ!?」
鉛のように一際重い衝撃が脳天まで貫いた。子宮が震える。そして止めの如く、揺すり上げられた双丘を一気に押し潰された。
「く、ぁ、ひゃふぅぅぅ―――ッ!」
乳頭が解放された瞬間、ぶしぁッ! と真っ白な水柱が触手を突き上げた。灼熱の快楽が脳裏を焼き尽くし、ティルデは糸が切れた操り人形のようにガクガクと震え続けた。
母乳の噴出はしばらく止まらず、触手は激しく身をくねらせながら飛び跳ねる乳房にむしゃぶりついた。秘所からは愛液が滝のように流れ落ち、子宮の奥深くまでジュプジュプと蜜壷を掻き混ぜられる。
「ふ、ぅ、ひ……ぁ」
雪空色の瞳はとろんと潤み、触手にされるがまま恍惚の海を揺蕩っている。口一杯に濃厚な愛撫を頬張りながら、ティルデはぼんやりと遠い空を見上げた。
(ああ……わたし、もう二度と帰れないのかもしれない)
澄み渡った蒼穹は、まるで光が射し込む水面のようだ。絶え間ない快感の波が押し寄せる度、透き通るように青い色もゆらゆらと揺らめく。
「はぅっ……ふぁん!」
再び穏やかで冷酷な律動が始まった。円い果実をゆったりと揉み潰され、音を立てて唾液を啜り上げられる。
底知れない欲望を孕んだ腹を揺さぶられながら、ティルデは泥濘のような暗い深淵へと沈んでいった。