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京都お庭番秘録 人間豹
作者:M4A3E4   2011/04/05(火) 20:37公開   ID:mPbgXOlmz3k
それはまだ江戸の名残りを色濃く残した明治のはじめ、ようやく春の気配が感じられるようになった、四月上旬のことである。
ここ三ヶ月ほど、京の都は恐るべき連続婦女暴行殺人犯の脅威に晒されていた。
狙われるのは若く美しい娘ばかり。
ある日ふっと姿を消し、一週間ほどたって落花狼藉の限りを尽くされた無残な亡き骸が発見されるといった事件が立て続けに起こっていたのである。
勿論警察が手をこまねいているはずもなく、懸命の捜査が行われているのだが、犯人の目星すらついていない有様であった。
そんなある日のこと−

京の町の南のはずれ、東寺から東へ五町ほどはなれたところに、春日森(かすがのもり)と呼ばれる森がある。
その森を通る細道を、一人の男が歩いていた。
それは黒のインバネスコートを着た、ひどくやせ型の足の長い男だった。
顔はトルコ人のようにドス黒く、頬が痩せて鼻が高く、びっくりするほど大きな、何かネコ科の動物を連想させる両眼が、普通の人間よりもずっと鼻柱に近くせばまって、ギラギラと光っていた。
風が吹きすぎるたびごとに、ゆったりとした足取りで歩く男のインバネスのすそやそでが、コウモリの翼のようにひるがえっている。
ゆっくりと大股で歩く男の前に、突然一匹の犬が飛び出して、けたたましく吠えはじめた。
男は手を振り回し、足を上げて小癪な犬めを追い払おうとしたけれども、何をいきり立っているのか、犬は一層猛り狂って吠えたてる。
するとなんとしたことか、男はやおら恐ろしい叫び声をあげたかと思うと、バッとインバネスの羽を広げ、興奮しきった犬に組み付いた。
そして押さえつけた犬の上に馬乗りになると、両腕を上下の顎にかけ、恐ろしい力を発揮して、一転して哀れな鳴き声をあげる犬の口を、バリバリと引き裂いてしまった。
ぐったりとした犬を血溜りのなかに残し、男は何事もなかったかのように歩み去る。
その惨劇の一部始終を、物陰に潜んでじっと見ていた女がいた。
女は葵屋という料亭の仲居で、名をお近という。
お近が尾行を続けていると、やがて男は道から横に逸れ、森の奥へ姿を消した。
男を追って森に入ったお近は、さっと木陰に身を隠した。
日本髪に結った髪を解くと、艶やかな黒髪がバサリと広がる。
ついで手早く帯を解き、身に纏っていた着物を脱ぎ捨てた。
再び木陰から現れたお近は、その姿を一変させていた。
腰まで届く長い髪を背中に流し、額には頭部を保護する薄い鉄板を縫いこんだ鉢巻を締めている。
男を誘う成熟した肢体を包む濃紺の忍び装束はノースリーブのうえ、スカート部分の両サイドには腰まで届くスリットが入っているという大胆なもの。
動き易さを重視した薄手の生地は凹凸豊かなプロポーションを少しも隠さず、腰に巻きついた暗灰色の帯が淫靡な曲線を描くウエストのくびれを強調し、バレーボールほどもある乳房と、プリッと引き締まった臀部の張り出し具合を際立たせている。
肌理の細かい肌は透き通るように白く、瑞々しさに満ち溢れ、すらりと伸びた手足には、革製の手甲と脚絆が装着されていた。
普段は葵屋の仲居として働くお近のもう一つの姿、それは徳川の時代より京の都の治安を影から守ってきた京都御庭番衆の女忍び「近江女」である。
近江女となった彼女を見て、葵屋のひょろりと背ばかり高い地味な仲居と同一人物だと見破ることが出来るものはそうはいないだろう。
大胆に素肌を露出させた忍び装束に豊満な肢体を包んだ近江女は、匂い立つような成熟した大人の女の色香を放っていた。
闇の奥を見据えた近江女の身体が、女豹のように跳んだ。
腰まで届く長い髪がうねり、深いスリットの入った忍び装束から覗く白い腿が艶めかしい。
近江女が忍び装束に着替えている間に、男は随分と先を行っていた。
男の黒いコウモリのような姿が、森のなかを大股に歩いていくのが見える。
月のない暗い夜であったが、幼少のころから忍びの術の修行にきたえられた近江女の眼力は、常人のそれとはまったくちがう。
近江女は男を追って、山林のなかを音も無く走った。

お近が男と遭遇したのは、たまたま所用で外出した帰りであった。
くだんの連続婦女暴行殺人犯の噂が市井の人々の口にのぼらぬ日がないだけに、万一に備え普段着の下に忍び装束を着込んで外出したお近は、偶然擦れ違った男から濃密な死の匂いを感じ取ったのである。
それは幕末の人斬りに代表されるよく訓練された殺人者が纏う冷徹な気配とはまた別種の、もっとどろどろとした得体の知れない情念であった。
さきの野犬を相手取っての立ち回りでますます疑惑を深めた近江女は、なんとしても男の正体を突き止めるつもりであった。
だが森を抜け、荒れ果てた草むらに出たところで、男の姿がかき消すように消えてしまった。
男を見失った近江女は、これは尋常ならざる相手であると悟り、一層慎重な足取りでそろそろと歩を進める。
そのとき二、三間向こうの草むらからサワサワという音が聞こえてきた。
音のした方角に目を凝らすと、草むらのあいだに、燐のように青く底光りする二つの目玉があった。
はたしてそれは、草むらに身を横たえ、じっと女忍びをにらみつける怪人の瞳であった。
しばらくの間、異様な睨み合いが続いた。
獣のように草むらに伏した男も、案山子のように立ち尽くす近江女も一言も発さず、ぴくりとも動かなかった。
どれほどの時がながれたであろうか?
十秒だったかもしれぬし、十分だったかもしれぬ。
だしぬけに、男はニャッと笑った。
「僕と遊んで欲しいのかい?」
大きな口から覗く真っ赤な舌−肉の表面に針を植えたような一面のささくれを持つ猫属の舌−をヘラヘラと動かしながら、男は言った。
近江女はぱっと跳び退ると同時に、ふところの武器をつかみ出した。
それは苦無(くない)と呼ばれる忍び道具であり、あるときは短剣として、またあるときは投げナイフとして、またまたあるときはスコップやハーケンとして使用できる細長い両刃の多目的ツールである。
「おお、こわいこわい、そんなものはしまっておくれよ。さあ、何をして遊ぶ?鬼ごっこかい?それともかくれんぼかい?」
男は両手を地面につけて、獣のように四つ足で駆け寄ってきた。
「はっ!」
近江女は短い気合声を発して宙へ躍り上がった。
そして足元を走り抜ける黒い影を狙って、手にした苦無を「えい!!」と投げ撃つ。
怪人は野獣の素早さで苦無を避け、空中で一回転して地に降りた近江女に飛び掛る。
「つ〜かま〜えた!」
近江女は飛びついてきた男と組み合い、鞠のように転がった。
そのまま草むらを押し分けてごろごろと転がり続け、激しくもつれ合う男女が大きく弾んだと思うや、空中でパッと二つに分かれた。
猫のような身ごなしで両手足から着地した怪人は、再びニヤニヤと笑う。
一方の近江女は、組み合っている間に男の異常に伸びた爪で帯を切り裂かれ、忍び装束を剥ぎ取られてしまっている。
いまや厳しい表情を浮かべる女忍びのグラマラスな肢体を覆っているのは、レオタード状のインナーだけであった。
隠しようのない好色な笑みを浮かべ、舌なめずりする男に背を向け、猛然と走り出す近江女。
御庭番式格闘術の使い手であり、荒くれ男の四〜五人程度ものともせぬ近江女だが、さきの組み打ちで怪人の膂力と素早さは、到底自分の及ぶところではないと思い知らされている。
ならばここはなんとしてでも逃げ延びて、恐るべき怪人の存在を御庭番衆の仲間に伝えねばならぬ。
だが常人とは比べ物にならぬ脚力を誇る女忍びの逃げ足に、怪人は易々と追いついてくる。
いまやインバネスを脱ぎ捨て、身体にぴったりとした黒い洋服姿になった男が四足で駆ける様は、精悍なやせた四肢とあいまって獲物を狙う黒豹のようであった。
人間豹は近江女を追い抜くと、これをひといきに倒したりはせず、猫が鼠をもてあそぶようにじわじわと嬲りはじめた。
四方八方から襲いかかり、突き飛ばしたり足を払ったりしては、必死の抵抗を試みる近江女が繰り出す拳打や蹴りを避けてするすると退く。
そうして美しい獲物の気力と体力とをじわじわと奪っていくのだ。
やがてついに力尽きた近江女は、善戦虚しく捕らわれの身となってしまうのであった。

人気のない山道を、近江女を担いだ人間豹は歩いていた。
したたかに痛めつけられ、ぐったりと脱力した女忍びの身体は怪人の肩を支点にして、腰のところでくの字に曲がり、長い黒髪を背中側に、すらりと伸びた美脚を前側にして垂れ下がっている。
男は背中に当たる乳房の弾力を楽しむと同時に、顔の横で揺れる桃尻に手を伸ばし、むっちりと脂の乗った尻肉の感触を思う存分味わっていた。
やがて近江女を担いだ男の前方に、山林に囲まれた屋敷があらわれた。
屋敷の周囲には六尺におよぶ築堤がめぐらされ、築堤の外側には三間にもおよぶ深さの空壕が掘られている。
怪人は近江女を担いだまま壕の底に飛び降りると、しばらく呼吸をつめてじっとしていた。
やがて追跡者の気配は無しと判断すると身を起こし、壕の壁の一角に腕を差し込む。
そこにはからくり仕掛けを動かすための取っ手が隠してあり、取っ手を引くと壕の壁に二尺四方ほどの穴が開いたのである。
その小さな切り穴に二人の姿が吸い込まれると再び仕掛けが作動して、隠し通路の入り口はたちまち周囲の壁と一体になってしまった。
地下の通路を通って屋敷の中に出た怪人は、赤い絨毯を敷き詰めた洋室の床に、女忍びの体を乱暴に投げ落とした。
「おい、狸寝入りなんかやめたまえ。僕はね、目も耳も鼻も獣並みに鋭いのさ。さっきから君が目を覚ましているのも、気絶したふりをしてこちらの様子をうかがっているのもお見通しなのさ」
近江女は小さく舌打ちをして、ゆっくりと身を起こした。
室内にいたのは怪人と女忍びだけではなかった。
もう一人、髪も髭も真っ白の死神のようの風貌の老人が椅子に腰掛けていたのである。
「おかえり息子よ、また新しい玩具を捕まえてきたようだね?」
「ああ、でも今日の獲物はただの女じゃない、忍者なんだよ。話には聞いていたけど本物を見たのは初めてさ」
「ほう、そうかね」
絨毯の上に横たわり、半身を起こした近江女を間に挟んで会話する二人の姿は、それがごくありきたりの日常の出来事であるかのような態度であるだけにかえって異様であった。
「でもさすがは忍者だね、思わず本気を出しちゃったよ」
「ほう、私の作品に本気を出させるとは大したものだ。」
老人は女忍びの男を誘う豊満な肉体に粘ついた視線を向ける。
室内を埋め尽くす奇怪な標本と妖しげな実験器具。
大きな本棚には金文字のあせた古ぼけた洋書にレッテルを貼り付けた大小さまざまのガラス瓶。
見るものが見れば、直ちに中世期の錬金術師の仕事場を連想するであろう
そして老人が何気なく口にした「作品」という言葉。
ああ、ではそういうことなのか?
近江女の背中をつめたい汗が伝った。

怪しい錬金術師の老人と、その息子と称する恐るべき獣人が暮らす屋敷には、秘密の出入り口が設けられた地下蔵があった。
十坪ほどの広さを持つ空間の一角には、獣人が拉致した女性を監禁するための座敷牢が作られている。
近江女が連行されたのは、この地下蔵であった。
座敷牢は12畳ほどの広さがあり、牢の外側の空間には、これまでに人間豹の生贄となった娘たちの血と汗と涙をたっぷりと吸ったであろう、三角木馬や鎖付きの手錠、足錠といったSMプレイ用の道具がずらりと取り揃えられていた。
「さあ、そこにひざまずくんだ」
無言で従う近江女。
こうなったからには下手に反抗するよりも従順な虜囚を装い、相手の油断を待つのが得策。
そう考えてのことであった。
怪人は、命令されるまま板張りの床に膝をついた近江女の両腕を、ギロチン台に似た木製の拘束具に縛りつけた。
続いて首と腰にも革のバンドを巻きつけて、上半身を固定する。
そうして抵抗できない状態にした近江女の、成熟した男好きのする肉体をゆっくりと嬲りはじめた。
人間豹の鎌状に湾曲した爪が、レオタードの胸元にゆっくりと切れ目を入れていく。
切れ目がある程度広がったところで、押し込められた双房の弾力に耐え切れなくなった生地が音を立てて裂け、熟した果実のように形のよい乳房が拘束を解かれて弾けるように揺れながら左右に開いた。
インナーの裂け目は臍下まで走り、腹部のなだらかな起伏が露わになる。
獣人は両の掌を近江女の乳房に被せた。
五本の指を目一杯開いても余ってしまう、量感溢れる見事な乳房であった。
男の指が、マシュマロのような乳白色の乳房を絶妙な力加減で捏ね回す。
指の動きに合わせて自在に形を変える乳肉は柔らかく、それでいて確かな弾力があった。
艶と張りのある肌は肌理が細かく、瑞々しく、掌にピタリと吸いつく。
「ふぅあ……っ!」
グニグニと揉まれる乳房に快感が溜まる。
気がつけば声を漏らしていた。
近江女の乳房はたっぷりとしたボリュウムを誇りながらも、抜群の性感度をも併せ持っている。
薔薇の蕾のように愛らしい乳首をキュッと抓られると、堪らず熱い息が漏れ、肌理の細かい肌を桜色に染めて腰をくねらせてしまう。
込み上げてくる淫悦に、妖艶な女忍びは唇を震わせ、イヤイヤをするように首を振った。
ギュッと寄せられた眉根が、陶酔を乗せて開き始める。
獣人はニンマリと笑いながら、切ない吐息を漏らして身悶える近江女のうなじに唇を押しつけチュウチュウと音が立つほど強く吸った。
ときには自らの「おんな」を武器にして男を翻弄する近江女だが、人間豹の思いもよらぬ巧みな愛撫は、男女の駆け引きではプロの娼婦にもひけを取らぬ近江女を、初心な生娘のように翻弄し、いやおう無しに官能の坩堝へと引きずり込んでいく。
「い、いや…」
思わず拒絶の言葉を口にする女忍びを、獣人はギュッと抱きしめた。
「観念したまえ。君はもう僕のものだ、僕だけの性奴隷だ。これから君はずっとここで飼われるのだよ。そして僕の言うことはなんでも聞いて、僕に奉仕して生きていくんだ」
「ふ、ふざけないで…」
震える唇から抵抗の言葉を紡ぐ近江女。
だが乳房を責め立てる指が蠢くたび、背筋を快感電流が走りぬける。
気がつかないうちに、腰がゆるゆると回転運動をはじめていた。
(い…いけない…このままでは……ッ!)
知らず知らず頬が緩み、売るんだ瞳が焦点を見失って彷徨いはじめた。
苦悶の形に歪められた眉が陶酔に開き、赤みを増した唇から熱い吐息がこぼれ出
す。
獣人の愛撫が不意に止まった。
立ち上がった男は拘束台を回り込み、意思に反して込み上げてくる快感から開放され、ホッと息をつく近江女の眼前に、いきり立った肉欲棒を突きつける。
「まずはこいつを咥えてもらおうか」
男は両手で近江女の髪をつかみ、自分のほうにグイと引き寄せる。
「――うぐっ!」
口の中に熱く滾った剛直を頬張らされ、近江女は声にならない声をあげた。
舌の上に生温かい重みがのしかかり、亀頭の先からにじみ出るネバついた先走り液が口内を汚す。
「ほら、しっかり舌と喉を使わなきゃダメじゃないか」
怪人は勢いよく腰を振り、女忍びの喉奥を容赦なく蹂躙する。
観念した近江女は舌と唇を駆使して、男の肉欲棒に奉仕を始めた、
「んぶっ…じゅぷ、ぅンぱ……」
男の腰が動くたび、濡れた唇が淫靡な音を響かせる。
傍若無人に暴れる肉棒を、近江女は貪欲にしゃぶり、卑猥なチュパ音を鳴らして吸いたてた。
口腔内を満たす唾液は、肉棒に絡み付く舌に掻き回されて泡立ち、唇の端から溢れて顎を濡らす。
女忍びの嗜みとして、男を悦ばせるテクニックにも長じている近江女の口唇愛撫を受け、男はたちまち息を荒げはじめた。
「う、上手い!なんて舌使いだ…」
一声呻いた男が近江女の頭を離した途端、口から男根が抜けた。
そして次の瞬間、女忍びの美麗な顔に、夥しい量の白濁液が振りかかるのだった。
むせかえるほどに濃い栗の花の香りが、近江女の鼻腔を満たす。
獣人は大きく息をついた。
「凄くよかったよ、それじゃ今度は僕が君を気持ちよくさせてあげよう」
男は近江女の両膝に革製の膝当てを嵌め、膝当てに取り付けられた金具に木製の棒を取り付けた。
これで近江女は脚を閉じることが出来なくなってしまったわけである。
男は近江女の股間に顔を密着させるとレオタードのボトムをずらし、唾液を滴らせた舌を女忍びの秘裂に潜り込ませた。
「――ううっ!」
信じられないほど長い舌を挿入され、近江女は身体を仰け反らせる。
ウネウネとのたくる舌が蜜壷を掻き回し、濡れた音が響くたび、女忍びの息は上がり、身体がくねる。
ザラついた舌に肉襞を擦られるおぞましい感触に、近江女の下半身がブルブルと震えた。
「いいか?いいんだろう。な、そうだろ?はっきり言いたまえ」
「そ、そんな…こと……」
顔を熟れ柿のように赤らめて、切なげに身を捩る近江女。
だが否定する声には、力がまったくなかった。
膣内を掻き回す舌先の刺激に心奪われ、その身体は、すでに浮き立つような感覚で満たされていた。
身体中を駆け回る疼きに、近江女はアクロバットダンサーのように身体をくねらせて耐える。
柳腰の振幅に合わせ、お椀型に張り出した豊乳がぷるるん、ぷるるんと淫らに波打つ。
愉悦の波に首が揺れるたび、汗の飛沫が光の粒となって地下牢の暗闇に舞った。
長い黒髪は雨に濡れたように湿り気を帯び、赤らんだ額や頬、うなじに貼りついて妖しい模様を描く。
「我慢は体によくないぞ?」
男の指が、重たげに揺れる乳房への愛撫をはじめた。
柔肉に指を食い込ませ、グイグイと搾るように揉み込むと、近江女はたまらず声をあげた。
「あああっ!いっ!……あっああん……」
悲鳴にも似た女忍びの声が、微妙な鼻声に変わっていく。
男の舌が絶妙な動きで敏感な部分を刺激すると、熱湯のように湧き出た愛液が男の頤を伝い、ポタポタと床に滴り落ちる。
その間も男の両腕は、休むことなく乳房への愛撫を続けている。
乳房に食い込んだ指が、乳肉の麓から先に向け、ぐいぐいと搾乳の動きをした。
血流が先端に向けて流れ集まり、乳首が弾けんばかりに膨らむ。
たっぷりと嬲られ、辱められた双球は淫蕩な色に染め上げられ、香汗に濡れて扇情的に輝いている。
乳房と秘部への執拗な責めが、熱く蕩けるような愉悦を生む。
「はあっ……ああ……ああん……」
近江女の声が、いつしかすすり泣きへと変わっていた。
涙に濡れる頬には、苦悶と陶酔が交互に表れていた。
震える唇から憐れみを誘う切なげな声が漏れるたび、愉悦の表情が強くなる。
「さあ、そろそろ僕のものが欲しくなってきただろう?自分でおねだりしてごらん?」
近江女は「いや」と言おうとした。
だが「い」の声が出たところで、言葉が詰まった。
御庭番衆としてのプライドが、簡単に墜ちることを許さない。
だが熱く火照った身体は屈服したくてうずうずしていた。
硬く逞しい男のものを求め、牝汁のぬめりをたっぷりと含んだ秘肉がぐじゅり、ぐじゅりと蠢きはじめる。
男はここが勝負どころとばかりに、舌と指先による責めを加速させた。
長い舌が、淫猥な動きで近江女の秘部を揉み解す。
重そうに揺れる乳房の先では、硬く痼った紅い乳首が男の指に弄ばれ、浮き上がるような感覚を生んだ。
「ふぁ…んく…ぅうン…ああぅっ!」
喉を突いて息のような声が次々と溢れてくる。
男の舌に内臓を掻き回され、力強い指が乳房に食い込むたびに、息が詰まるほどの陶酔が湧く。
押し寄せるエクスタシーの大波が、かろうじて理性を繋ぎとめていた御庭番の矜持を、跡形もなく押し流した。
「も…もうイヤ……ッ!」
遂に近江女は墜ちた。
「お願いします!…い、い、入れて…入れてください!」
敗北を受け入れた女忍びの美麗な顔は、哀願と淫蕩の表情を作っている。
半ば閉じられた瞼の先では涙の珠を宿した睫毛が震え、紅く濡れ光る唇は艶っぽい嬌声を奏でながら虚しく喘いだ。
人間豹はニンマリとほくそえみ、近江女の耳元に口を寄せて囁く。
「メス犬みたいに後ろから犯して、と言うんだ」
近江女にはもう、オウム返しに答えることしかできなかった。
「メス犬みたいに…後ろから犯して……」
喉奥からクックックッと笑い声を漏らし、人間豹は近江女の拘束を解いた。
「さあ、可愛い声で鳴いておくれ」
犬のように床に這いつくばった女忍びの白い尻を抱え、バックから熱い剛直を突きいれる。
それまでの愛撫など比べ物にならない、強烈な快感が股間に生じた。
「ぁ、んン…ぅふぅ…はぅあっ!」
掠れた声で叫びながら、女忍びのグラマラスな肢体が反り返る。
「ああ、いい声だ。もっと強く動かしてあげよう」
近江女の丸いヒップと人間豹の腰がぶつかりあう音が、パンパンと座敷牢に響きわたる。
熱い愉悦が爆発的に膨らんで、思考を蕩けさせた。
「あうっ、ううぅーッ!」
近江女はもう、自分があられもない大声でよがり狂っていることすら気づいてはいなかった。
首を捻って、後背位で犯し続ける怪人の方に顔を向け、自分から舌を突き出してディープキスを求める。
人間豹もそれに応じ、獣人と女忍びは、互いをむさぼり尽くすかのように唇を重ねあった。
それはまさに牡と牝の、けだものの交尾であった。
「あっ、あっ、あああっ!」
熱い衝撃が熟れきった身体を駆け上がる。
全身の毛穴が開ききり、牝の匂いを含んだ汗を噴き出して桜色に火照った肌を濡らす。
揉み込まれた乳房は痛いほどに膨れ上がり、その先では薄紅色の乳首が弾けんばかりに勃起していた。
「ふぁっ!ああぅ…んくぅあっ!」
呼吸が乱れ、思考が白く痺れていく。
次々と押し寄せる津波のような快感が、女忍びの精神を切り刻み、掻き混ぜて溶解させた。
「あひ!?ひ、ひぃぃぃぃ――――――――――ッ!?!」
長く尾を引く悲鳴をあげて、近江女は意識を手放した。

それから一週間−人間豹は、広々とした屋敷の中を歩いていた。
廊下の突き当たりにある部屋に入り、壁際の本棚を横へスライドさせると、地下室へと続く階段が現れる。
獣人は石造りの階段を降り、ポケットから取り出した鍵で扉を開け、地下蔵に足を踏み入れる。
待っていたのは陵辱と調教の果てに、従順な牝畜に墜ちた女忍びであった。
「コレを着るんだ」
足元に跪いた近江女に、人間豹が革製の拘束具を掲げてみせる。
それは亀甲縛りの革ひもが、ワンピースの水着のように組まれたものであったが、水着とは違い乳房を絞り出し、局部をより露出させるためのものだった。
人間豹の手によって、拘束具が近江女の身体にまわされた。
革ひもが乳房と股間をギチギチと締め上げる。
「いいよ、凄く似合ってる」
獣人は、うっとりとした表情でボンデージ姿の女忍びを褒め称えた。
グラマラスな肢体に毒蛇のように巻きついた、黒光りする革ひもとのコントラストが肌の白さを引き立て、艶めかしさを強調する。
「さあ、今日はこちらから味あわせてもらうよ」
人間豹は近江女を後ろから抱えながら、あぐらを組む。
組んだ両脚の上に座らせるように、近江女の腰を降ろさせた。
獣人の、長さも太さも、そして硬ささえも常識の埒外にある男根が貫いたのは、近江女のアヌスだった。
「あうぅッ!」
髪を振り乱し、高ぶった声をあげて悶える近江女。
「おっ、おおう!」
人間豹のほうも唸り声をあげながら、猛り狂った肉槍を、女忍びの不浄に突き込んでいく。
(ああ、イイ……お尻、すごいィィ!)
呻きとも嗚咽ともつかない音だけが、虚しく喘ぐ唇からこぼれ出る。
意識は白濁し、衝撃に揺すられるまま声を漏らすことしかできない。
獣人と女忍びは、いつ果てるとも知れずひたすら肉欲を貪り続ける。
近江女が御庭番衆の仲間に救出されるまでには、まだ半月を待たねばならなかった。


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