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砂漠の陽炎
作者:M4A3E4   2011/10/09(日) 09:10公開   ID:RxXsYVs55no
街灯が寒々しい光を投げかける寂しい夜道を、ファミレスで編集とのネームの打ち合わせを終えた一人の女が歩いている。
女の名は宮前綺羅。
月刊シルフェニアに不定期連載の仕事を持つ、どこにでもいるスパークする成年コミック作家である。
二人連れの男が背後から近づいていることに綺羅が気付いたのは、東京中野区の、哲学堂に近い一角を一人で歩いているときだった。
男たちはどうやら酔っ払いのようで、ろれつのあやしい口調で喋り合っていた。
日付は十月四日、時刻は夜の九時過ぎで周囲には他に人通りはない。
住宅街だからその時間になれば滅多に人は通らないのだ。
酔っ払い特有のつんのめるような足取りでアスファルトを踏み鳴らす靴音が、背後でどんどん大きくなる。
二人の男は足を早め、綺羅との距離をぐんぐん縮めていく。
綺羅は歩調を崩さなかった。
二人の男がご機嫌のあまり、何かを話しかけるか、からむかしようとしていることは、気配でわかっていた。
「酔っぱらったってだ、なにも法に触れてるわけじゃねえや。そうだろうが」
すぐ後ろまで迫った足音の一人がだみ声で言った。
仲間に言ったのか綺羅に言ったのかはわからない。
それを聞いた綺羅は笑った。
唇の端を吊り上げる、あまり行儀のよろしくない笑いだった。
(私に触れたらタダじゃ済まさないけどね)
心の中でそう呟く。
宮前綺羅は美人である。
しかも“超”の付く美人であると自負している。
見栄や虚勢ではなく客観的に見ても男の目を惹き付けずにはおかない、そんな容姿をしている。
まずプロポーションが日本人離れしている。
脚が長く、尻の位置が高い。
胸は豊かで腰は細く括れている。
髪は脱色を重ねて金髪と見紛うほど薄い茶色であり、肌は大理石のように滑らかで新雪のように白い。
そして彫りの深い端正な顔立ち。
これらが相俟って、黙って立っているだけで北欧出身のポルノ女優のような怪しい色香を醸し出している。
人気の無い、暗い夜道で女一人、背後から近づく酔っ払いときては警戒しないはずがない。
だから酔っ払いが不埒な真似に及んでくることはある程度覚悟していた。
だが乱れた足音を立てて綺羅の両脇を擦り抜けようとした二人が、胸や尻を触ってくるのではなく左右の腕を同時に押さえてきたときは、酔っ払いとは思えぬ素早く連携の取れた動きに虚を突かれた。
そして左の脇腹に鋭い痛みが走る。
左側の男の、自分の腕を押さえているのとは反対側の手に注射器が握られているのを、綺羅は見た。
ただの痴漢ではなかった。
男たちを振り払おうと綺羅は体を捻った。
綺羅は女性にしては長身で、それなりに荒事にも場慣れしていた。
だが二人の男は明らかに暴力の行使に熟達しており、巧みな体捌きで綺羅の抵抗を音もなく、吸い込むように殺いでしまった。
綺羅は体を沈めた。
沈めた反動で相手の鳩尾に肘を突き立てる、腕が緩んだらすかさず金的蹴りを…。
そう考えたものの、沈んだ体は自らの意思に反して起き上がろうとはしない。
注射は即効性で体が重くなると同時に意識が朦朧としてきた。
二人がぐったりと脱力した綺羅を両脇から抱え、何事もなかったかのように歩き出した。
「いい体を、しているじゃないか」
男の片方がそう呟き、服の上から綺羅の乳をまさぐっていた。
もう片方は無言でスカート越しに尻たぶを掴み、グニグニと揉んでいた。
やがて夥しい光が網膜を埋めた。
それが自分たちに近寄ってきた車のヘッドライトだということはかろうじて判った。
だがそこまでだった。
底知れない闇が綺羅を飲み込んだ。

闇の中に女がいた。
すらりと伸びた四肢を力無く投げ出し、一糸纏わぬ姿で闇の中に横たわっていた。
豊かな乳房も、悩ましい曲線を描く腰も、大きく張り出した臀部に脂の乗った太腿も、余すところなく曝け出していた。
暗がりの奥から男の手が伸びてきてシャツの襟を掴んだ。
襟を掴んだ手はそのまま左右に広げられ、ブチブチとボタンを飛ばしながら胸元をずり下げる。
シャツの布地をたっぷりと盛り上げて強烈な存在感を見せ付けていた、メロンサイズの美麗巨乳が勢いよくこぼれ出てきた。
たわわに実った双球は着衣をはだける動きだけでゆさゆさと揺れ、豊満さを誇示するようなボリュウムだ。
「でかいな」
闇の中で囁く声は、低いが昂ぶっていた。
男の指が露わになった両の乳房に食い込む。
そしてゆっくりと揉みはじめた。
「あぁ……」
女の唇から熱い吐息が漏れる。
興奮から仄かに紅潮したミルク色の肌を無数の唇が這い回り、強く吸いたてて鮮やかなキスマークを刻む。
ツヤが浮くほどの張りを保っている半球形の乳房の頂点に突き出した薄桃色の乳首を、男の指がギュッと抓んだ。
途端に胸から全身に向けて、鋭い快感電流が走る。
コリコリに勃起したニプルを責められる度、強い乳感刺激を受けてしなやかな肢体がビクンと跳ね、量感抜群の乳房がゆさゆさと踊る、
(あぁ、甘い…)
唇を吸われ、蛭のような舌に口腔内を舐め回されながら、注ぎ込まれる男の唾液を従順に嚥下していく。
全身を愛撫する指と舌の感触が性感を刺激し、牝の本性を目覚めさせていく。
子宮がジンジンと疼き、知らぬ間に腰をくねらせてしまう。
男は女の両足を押し広げ、股間に手を入れてきた。
しばらく男は弄んでいた。
「おう、ほおぉうッ!」
女は啜り泣き、獣のようなよがり声をあげて腰をうち振る。
気持ち良過ぎて気が狂いそうだった。
「薬が効いているようだな」
どこかで誰かがそう言ったような気がしたが、すぐにそんなことはどうでもよくな
った。
欲しくてたまらなかった。
このままではおかしくなるというところで男の声がした。
「どうして欲しい?」
「して…」
女は声を震わせて哀訴した。
「突いて…メチャクチャ犯してぇ……ッ!」
ズボンを脱ぐ音がした。
引き割かれるように足が押し広げられ、次の瞬間、女は貫かれていた。
「…んっんむぶぅ…ん、んっ、うぷぅ」
四つん這いになった女は尻を抱えた男にバックから突かれながら、正面に立つ男の股座に顔を突き込んで臍まで反り返った男根に舌と唇で奉仕している。
その両側に立つ二人の男も、女の手を自らの股間に導いて怒張をシゴかせる。
一心不乱に口唇性交と手淫にふける女の胸に、後背位で秘裂を貫いていた男の手が回される。
再び敏感な乳首を強く捻られた。
固く痼った乳頭を貫く刺激が、女の官能を燃え上がらせる。
同時に口と性器と両の掌の中で脈動していた男根が、煮えたぎる欲望の迸りをぶちまけた。
美しい裸身にまんべんなく白濁液をぶちまけられ、膣内射精のしびれるような感触に恍惚の表情を浮かべる女は、今度は騎乗位で貫かれた。
男の突き上げに合わせて淫らに踊る女の腰を別の男が捕まえて、アヌスにあてがった男根を一気に根元まで突き入れる。
二穴責めの快感にのたうつ女の胸の谷間に三人目の男のものが挟み込まれ、両側から寄せあげた乳肉に包み込まれた男根を上下に動かしはじめる。
更に口と両手に男のものが押し付けられた。
「ああ男根さまッ!」
女は喜悦の声をあげながらよがり狂った。
涙と涎と淫水を垂れ流しながら女の精神はグズグズに溶けていった。

宮前綺羅は砂漠の城砦にいた。
城砦は第一次十字軍のエルサレム遠征の後にテンプル騎士団が築いたもので、地平線の彼方まで延々と砂丘が続く大エジプト砂海の只中に、絶海の孤島のように佇んでいる。
外見は朽ちかけた中世の城砦だが内部は近代的に改装されていて、城壁の中にはヘリコプターの発着場も設けられている。
居住スペースの中でもゲストを迎え入れる区画は特に贅が尽くされていて、空調完備なのは勿論、ハウスバーに遊戯室、ジャグジー風呂まで設けられている。
城砦は中東を拠点とする人身売買組織に各国の金持ちが出資した秘密のSMクラブの集会場として使われていて、綺羅は彼女同様に拉致されてきた様々な国籍の美女たちとともに、性交奴隷として車やヘリで城砦を訪れる男たちに性の玩具として熟れきった肉体を提供させられているのだった。
城砦に連れ込まれてもう何日になるのか、綺羅には全く判らない。
時間の感覚というものが喪失してしまっていた。
鎖付きの首輪で牢屋に繋がれ、武装したサヌーシー教徒の番兵に連れ出され、贅を尽くした接客室で穴という穴を犯されたあと、また牢屋に戻される。
毎日がその繰り返しだった。
綺羅の牢屋には二人の同居人がいた。
長い黒髪とぱっちりとした瞳が目を惹く、童顔で肉感的な吉野亜里加。
引き締まったアスリート体系の、赤毛で精悍な須弥仙桜花。
二人とも綺羅と同じようにして日本から拉致されてきた、飛びぬけた美貌と豊満な肉体を持つ二十代の女性である。
三人は密かに脱走計画を練っていた。
亜里加は平凡なOLという表の顔の他に、特技の催眠術を駆使して男たちを手玉に取るイカサマ占い師という裏の顔を持っていた。
すでに亜里加は自らの肉体を餌にして数人の番兵を誘惑し、誘いに乗ってきた番兵に抱かれながら密かに暗示を掛けていた。
暗示をかけられた番兵はなんの自覚もなく普段どおりに行動している。
だが亜里加が特定の言葉とハンドサインを組み合わせた合図を送ると瞬時に催眠状態に陥り、彼女の命令通りに動く操り人形と化すのだ。
桜花はとある地方都市の商店街をホームグラウンドとする女子プロレス団体のエースで、肉弾戦なら屈強な男にもひけをとらない。
そして綺羅は実践派のSMマニアで鞭を使わせればちょっとしたものだった。
脱走計画に他の奴隷は加えないという点で、三人の意見は一致していた。
城砦には三人にほかに様々な国籍の、四十人ほどの性交奴隷が飼われている。
多くは成人女性だが、中には十代前半と思われる美少年もいる。
時には城砦を訪れるゲストに犯されるだけでなく、女奴隷たちとの行為を強要されたり、少年奴隷に責められることもあった。
そのとき相手の様子を仔細に観察したのだが、どの奴隷たちも過酷な調教と陵辱によって心を磨耗させてしまっている。
自分の意思というものが無く、死んだ目をして城砦の主とゲストたちに傅き、唯々諾々と命令に従って肉欲を貪るばかりの奴隷たちは修羅場では足手纏いにしかならない。
可哀想だが見捨てるしかなかった。
着々と脱走の準備を進めている間も城砦での生活は続き、三人は人間の想像力が及ぶ限りの、ありとあらゆる方法で犯され、嬲られ、辱められた。
自由への希望だけが三人を支えていた。
三人はただひたすら好機が到来するのを待った。

「く…んン!」
「くぅ…あ、あぁ…」
「う、うぅ…や、やめ…ろぉ!」
その日三人揃ってゲストへの奉仕に出された綺羅たちは、互いに「兄様」「姉様」
と呼び合う天使のように美しい双子に責められていた。
三角木馬に乗せられ双子の振るう鞭を受ける三人が悶える様を、床に敷かれた絨毯の上に胡坐をかいたゲストたちが黄金の皿に盛られたフルーツを食しながら見物していた。
全員が醜く太った四十〜五十代の白人で、似合わないアラブの民族衣装を着ていた。
ゲストたちには一人につき一人ずつの女奴隷が宛がわれ(一人は少年奴隷だった)、自分が担当する男たちの前に膝をついて屈み、股間に顔を埋めてフェラチオ奉仕をしている。
木馬責めが終わると亜里加と桜花は双頭ディルドウで秘所を連結されてのレズプレイを演じさせられ、綺羅はペニパンを履いた双子の片割れにバックから突かれながら、もう片方の男性器への口唇性交を強いられた。
極太の張り形に子宮口を突き上げられ、喉奥まで突き入れられた男根から熱い精液を注ぎ込まれて、綺羅はむせび泣きながら達した。
最後は全員入り混じっての乱交となった。
亜里加はビール腹の白人二人の間にサンドイッチにされて前後の穴を犯され、桜花は騎乗位で突き上げられながら胸の谷間に挟んだ少年奴隷の男性器を舐めしゃぶっている。
綺羅は性器に張り形を挿入され、ヨーロッパ系とアフリカ系の二人の女奴隷に乳房を愛撫されながら、背後からアナルを掘削されて悶えていた。
男が綺羅の直腸内に精液を放つと同時に轟音が響き渡り、城砦全体が地震のように揺れた。
城砦にはエアコンや照明器具へ電力を供給するためのディーゼル発電機が各所に設置してある。
そこには燃料である軽油を供給するためのタンクが併設され、各発電機とタンクは城内に張り巡らされた配管で結ばれている。
亜里加の指示を受けた番兵は、その燃料系の配管に火を放ったのだ。
たちまち城砦内のあちこちで爆発を伴う火災が発生した。
綺羅は絡みついたまま動きの止まった女奴隷を押し退けて立ち上がった。
そして振り向きざまにアヌスを犯していた男を蹴倒す。
床に落ちていた鞭を拾い上げて周囲を見渡すと、桜花が残りの男たちをKOしていくのが見えた。
双子をはじめとする性交奴隷たちは何が起きているのか理解できず、あるものは案山子のように立ち尽くし、あるものは性交途中の姿勢を保ったままゼンマイの切れた人形のように動きを止めている。
三人は扉を開け、通路へと飛び出した。
石造りの通路には化石燃料の火災に特有の、ベタついた黒煙が充満し、あちこちから混乱した叫び声があがっている。
亜里加の手駒となった番兵と正常な番兵との撃ち合いが混乱に輪を掛けていた。
煙の中から一人のサヌーシー教徒が飛び出してきた。
綺羅たちの姿を目にすると、吊り革で肩から下げていたUZI短機関銃を構える。
引き金が引かれるより早く綺羅が鞭を振るった。
風を切って伸びた鞭の先端が番兵の髭面を捉える。
悲鳴とともに血飛沫があがった。
名人の振るう鞭は一撃で皮膚を切り裂き、肉を抉る。
両手で顔を押さえて仰け反ったアラブ人を、桜花のラリアットがなぎ倒した。
乳と性器を露出させたエナメルのボンデージを着て、全身に異臭を放つ精液をこびりつかせたまま、三人は走りに走った。
薄暗い通路から強烈な砂漠の日差しが照りつける中庭へと飛び出す。
「あれだ!」
日陰に一台のトラックが停まっていた。
明るい砂色に塗られたシボレーの1トン半トラックで、助手席と荷台に機関銃架が取り付けられ、航空機用のブローニング機関銃とヴィッカースK機関銃を積んでいる。
荷台の横には砂地を脱出するときに使う、サンドチャンネルと呼ばれる穴あき鉄板が取り付けられていた。
三人はトラックに乗り込んだ。
運転席には綺羅が座った。
トラックはキーの無い軍用モデルで、スタータースイッチを押すと一発で始動した。
桜花は荷台に載せられたブローニング機関銃に取り付き、半月刀を振り翳して駆けてくるサヌーシー教徒の一団に向けた。
それは馬鹿でかい50口径弾を発射する馬鹿でかい機関銃で、大の男ですら反動に振り回されるという代物だが、桜花は長大な重機関銃を竹箒のように扱い−ネバダ州に遠征したとき地元の銃器マニアの催しでたっぷりと練習を積んでいた−長い連射を放って番兵たちを文字通り“粉砕”した。
三人を乗せたトラックは中庭を爆走した。
桜花に操作法を教わった俄か銃手の亜里加は、助手席に据えられた連装のヴィッカースK機関銃を盲滅法に撃ちまくっている。
トラックの前方で轟音が轟いた。
亜里加の暗示に掛かった番兵の一人が、中国製の対戦車ロケットで城門を吹き飛ばしたのだ。
トラックは猛スピードで城門から飛び出した。
矢のように突っ走るトラックの荷台から、桜花は尖塔に立つ衛星アンテナを狙って撃ちまくる。
三人を乗せたトラックは立ち上る陽炎の中へと、幻のように消えていった。

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