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いけない マスター
第二話
(オリジナル)
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    第二話

 那美は、バイト先に着いたものの なんとなくやりづらい気持ちになっていた。
昨日の出来事があまりにも衝撃的で、菜穂さんとマスターをまともに見ることができないのではないかなどと考えながら更衣室に入った。
(は!!) そこには、菜穂さんが座っていた。
 菜穂さんは、振り向いてニコニコしながら、
「おはよ〜〜。」と挨拶した。
那「あ、お おはようございます。」
「今、休憩中なのよ〜〜。あ、そうそう マスターから 名札預かってたんだ。はい。」と差し出した。
那「ありがとうございます。」
なんとなく、菜穂さんの笑顔で昨日の事など忘れてしまった。
菜「昨日、働いてみてどうだった?結構楽ちんでしょ〜〜。忙しいことなんて滅多にないからね〜。」
那「いいえ。まだ何にもわかんなくて・・・」
菜「マスターに見習い期間中よろしくって、頼まれちゃった〜」
那「すいません。頑張りますので宜しくお願いします。」
菜「あ、そんなんじゃだめよ。もっと楽にやりましょ。」といって微笑んだ。

那美は、そばで見ているだけで胸が少し苦しくなるような感じになり いつの間にか顔が熱くなっていた。
時間が迫ってきたので、着替えることにした。そばで菜穂さんが、ジっと見つめている。
なんか、着替え難かったので、
那「あの、あんまし見られてると着替えづらいんですが・・・」
菜「あ、ゴメン、なんだか若いのっていいな〜とか おもっちゃって見とれちゃった。」
那「いやだ〜 もう 菜穂さん。恥ずかしいです。 菜穂さんなんか ものすごく綺麗じゃないですか〜 スタイルもいいし大人の女性って感じ。」 顔が真っ赤になっていた。
菜「そう? もう曲がり角に差し掛かってるかも って最近思ってるんだ〜。」
那「あの〜 下着とか見られるの 恥ずかしいんです。綿100%の中学生パンツなんで。」
菜「ははは。いいね〜 懐かしいな〜。でも那美ちゃんは、もうそろそろ大人の下着にした方が良いかもね。そうだ! 一緒に買いに行こっか?」
なんとなくだが、断る気がなく、了解した。好奇心が芽生えていた。
那「ええっ。いいんですか?実は、ちょうど買おうかと思ってたんです〜。」
菜「じゃ。決まりだね。今度の日曜日なんて大丈夫?」と言いながら、携帯のアドレスを交換した。
 もう時間が迫っていたので、着替えを急いで済ませた時に
菜「あ。また制服緩いぞ〜。」
と言って、ショートパンツを吊っている紐をキュっと持ち上げた。股の辺りが締め付けられたが、キツくはなかった。
那「ありがとうございます。」
二人一緒に店の方へ 降りて行った。
 相変わらず、チーフが奥でのんびり座って雑誌を読んでいた。
チ「おはよ〜さん」と、チラッと見て言っただけで視線はまた雑誌の方へ戻った。
那「おはようございます。」元気に言った。
那「そういえば、菜穂さん どうして制服ちがうんですか?」
菜「あ。那美ちゃんが着ているのは、見習い用の制服なのよ。ちゃんと仕事覚えるまではショートパンツって決まってるの、私もだいぶ前にそれ着てたのよ。あ、それから、もし汚れたりしたら更衣室にカゴがあるから、そこに入れてね。換えはマスターが用意してくれるから大丈夫よ。」なんだかニコニコしてる中に少し怪しげな顔で言った。
菜「とりあえず、那美ちゃんは、また洗い物でもしててね。手荒れしないようにゴム手袋使うのよ。」
那「はい。」
2時間くらいあっという間だった。洗い終わった食器類が何気に山のようになってしまった。
どこに仕舞っていいのか分からず、あっちこっち動き回ってるうちに食器を持ったまま足が何かに突っかかった。
<ガシャーーーン!!ガシャ!パリーン!!>
那美は、バランスを崩し食器を投げ出してしまった。店の視線が一斉にこちらに向いた。
(やっちゃった〜。どうしよ〜。)

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