――地球連邦の領域は銀河系にまで広げていた。銀河殴りこみ艦隊はその9000隻近い陣容の内、およそ2562隻のみが健在となり、地球への凱旋の帰路にあった。しかしその中にガンバスターの姿は無く、試算として、移民星の捜索船が発見してくれるのを待つしか無いが、数年単位は帰還にかかるだろうとされた。銀河殴りこみ艦隊を以てしても2500隻ほどしか帰還できなかったのは如何に戦いが激しかったかを物語っていた。先行して地球に帰還していたユング・フロイトは銀河殴りこみ艦隊の状況を改めてレビル将軍に報告していた。


――ギアナ高地


「将軍、以上が我が艦隊の状況です」

「ウム……かなりの損害を出したそうだな」

「はい。シズラーも1万機が撃破され、スーパーエクセリオンとツインエクセリオン級では歯が立ちませんでした」

「そうか……。残念だが、今やそれらを保守整備はできても新規建造はできなくなっている。戦争で地上の建造設備も大分失ったからな。彼らが帰還したらそれらをローテーションするしかないな……。」

「フォン・ブラウンやグラナダで建造はできないのですか?」

「無理だ。あそこのドックの設備は内惑星用の艦船を作るのを前提に整備されている。設備の更新には膨大な金額と数年単位の時間がかかるが、エクセリオン級を受け入れられるドックを今から作るのは費用対効果などで割が合わんと造船部から報告を受けたよ」


――銀河殴りこみ艦隊の主力はかつてトップ部隊の母艦であった戦艦“エクセリオン”の強化発展型らであるが、宇宙怪獣の巣に殴りこむにはいささか性能不足であったのがユングの報告で伝えられた。レビル将軍はエクセリオン級の建造設備は白色彗星帝国戦時にほぼ失われており、保守整備ならば可能であるが、新規製造は不可能に近かった。かと言ってヱルトリウム級の製造には膨大なコストがかかるので、地球連邦政府は銀河殴りこみ艦隊の出撃後は外宇宙航行艦の新規建造を新マクロス級や波動エンジン搭載艦へ全面的に切り替えていた。なので、ヱルトリウム級は現在、建造中のアレクシオンで一端打ち止めとしていた。これはヱルトリウム級の大きさが100キロ級に近いため、衛星軌道上に建造設備を造営したのが幸と出たので、建造が継続できた。が、膨大な建造コストがかかるので二隻が今のところの限界であるとの事。



「なんとかアレクシオンは建造を続けてはいるが、政府からブーブー言われとるよ。白色彗星帝国の脅威が去った以上、作る意義はあるのか、と」

「白色彗星帝国……確か、アンドロメダ星雲を席巻した国家でしたね?」

「ウム。奴らは強大だった。私も最終決戦で参陣したが、実に強かったよ」

レビルは帰還後、すぐにアーガマ級の2番艦のペガサスVで連邦軍の臨時艦隊で指揮を取って戦ったが、彼の手腕を以てしても巨大戦艦の撃沈はできず、最終的にテレサの犠牲で勝利できたにすぎない。そして、現在はそれに通用する兵器を造る事に軍部・軍需産業共に躍起になっている。

「あの戦いでの巨大戦艦の異常なまでの耐久力は我が軍の誰もを驚嘆せしめた。だから炸薬、ショックカノン、光子魚雷、反応弾に至るまで威力の向上が模索されている。グレートガンバスターの開発もその一環で行われたのだよ」

「グレートガンバスター……バスターマシーン4号と5号ですね?」

「そうだ。初代のプロジェクトをそのまま継続させて生まれた最強のバスターマシン。オオタ君の意志を受け継いだ、正統後継機だよ。私が一枚噛んで造らせた」

「そうですか。アレは将軍が……」



――グレートガンバスター。その名の通りにかつて億単位の宇宙怪獣と戦い、銀河殴りこみ艦隊のフラッグシップ機としても運用されたバスターマシン“ガンバスター”の正統後継機。グレートの名は伊達じゃなく、性能においても大きさにおいても初代を上回る水準を誇る、現時点最強のバスターマシンである。もちろん、パイロットはあの二人が想定されているとレビルは言う。かつてガンバスター開発計画を推進し、現在の地球連邦軍に影響を遺した、オオタ・コウイチロウ中佐の意志をレビルが軍復帰後に受け継ぎ、グレートガンバスターを造らせたとユングに示唆した事で、レビルが“あの二人”の帰還を心から願っている事がわかった。この時、ユングは改めてレビルを見直したのであった。









――ある日のロンド・ベル

のび太は今後の戦いに向けて、銃の特訓を続けていた。腕を更に磨くために大口径銃をどこからか持ってきては、訓練用の標的のど真ん中に全弾命中させていった。

「ふぅ。今日も快調っと」

「あれ?のび太君、今日もここにいるんだ」

「うん。腕を磨くにはここがうってつけだからね。なのはちゃんは飛行訓練終わったの?」

「今さっきだよ。アムロ大尉のνガンダムと模擬戦やったんだけど、圧倒されちゃったよ」

「アムロ大尉が相手じゃしょうがないさ。連邦軍最強のモビルスーツパイロットだからね」

「大尉、何か焦ってるように思うんだ。赤い彗星さんが生きている予感がするとか言って……」

「シャア・アズナブル、ジオン公国軍最強のパイロットで、アムロ大尉と対等に戦い、ライバルでもあった人。ニュータイプの人たちはわかるんだろうね、そういうの」

この日、なのはは箒と分隊を組んで模擬戦を行なったが、相手はロンド・ベル最強レベルの腕前を誇るアムロ・レイと、その愛機であるνガンダムであったため、二人はその小回りのよさで奮戦したものの、アムロの巧みな戦術の前に敗退していた。アムロは二人に「僕は奴との再戦に備えているのさ」と話し、赤い彗星こと、シャア・アズナブルとの再戦の予感を感じ取っている様子が見て取れた。

「この間、大尉がνガンダムの発展型の模型見せてくれたけど、あのガンダムはそのために用意してるのかなぁ」

「そりゃそうさ。赤い彗星さんが生きていたら、間違いなくサザビーよりも凄いモビルスーツを作って大尉にリベンジを挑んでくるし、大尉もνガンダムが急造品なのはよくわかってる。そのための新しいガンダムなんだろうね」

サザビーがなぜνガンダムに敗北したのか?それはサザビーがずばり長時間の戦闘に耐えられず、エンジンがパワーダウンを起こしてしまったせいで本来の戦闘力を発揮できなかったためである。サザビーはZZ世代のモビルスーツのように大出力火器を積んでいる設計で、それが災いし、最終的に緒戦能力に優れるνガンダムに敗北した。しかしサザビーの火力にアムロは脅威を覚えていたようで、Hi-νガンダムの火力を増強させる方向性となったが、アムロの場合はエンジン出力の増強、敢行武器の新造などの措置を取るなどしての対策でどうにかするという案が採用された。この点は手堅くまとめたと言える。それはシャアも同様であった。








――とある暗礁空域 新ネオ・ジオン軍旗艦、レウルーラ



「大佐、シナンジュの調整が完了したと技術部より報告が入りました。……どうなされたのです?」

「たった今、アナハイムのグラナダ工場からタレコミの情報が写真付きで送られてきた。フォン・ブラウン工場でνガンダムの強化型がロールアウトしたそうだ」

シャアは前大戦――第二次ネオ・ジオン戦争――から参謀として、私生活ではシャアの寂しさを紛らわす役目を負っている、ナナイ・ミゲルにアナハイムからタレコミのあった情報を伝える。シャアは写真に映る、νガンダムの更なる強化型に憂いているようであった。

「アムロは間違いなくこの私を感じ取っている……そのために強化型のνガンダムを用意しているのだろう。……アムロのことだ。念入りに改善しているのは目に見えている。シナンジュなどという、アナハイムがロクにテストもできずに送りつけてきた試作機が当てになると思うか?」

シャアはシナンジュの持つ“普通の人間では扱えない”機動性能を誇るというカタログスペックに対して懐疑的なようである。アナハイム社の重役曰く、HI-νガンダムの設計データを一部流用しているというが、そのデータがどの時点での設計データなのかは明かしていないため、シャアとしては懐疑的にならざるをえない。

「ハッ……兵器のカタログスペックは必ずしも当てになるとは限りませんからね。旧軍末期の兵器もそうでしたし」

ナナイもアナハイム社の謳っているカタログスペックは必ずしもアテにしていないようである。これは一年戦争中の旧ジオン軍の兵器に粗製濫造が祟って、本来のスペックを発揮できない個体が続出し、連邦軍に敗北する一因を作った事で得たネオ・ジオン軍の戦訓である。そのために組織の再々編が成った今ではアナハイム社から納入される兵器の品質管理には殊更うるさいのだ。ハマーン時代の工廠であったアクシズを失って久しい以上、旧クロスボーンやザンスカール帝国の残存工廠も幾つか取り込んではいるが、往年のアクシズ工廠には到底及ばないため、兵器の大規模な新規製造には、旧軍時代の工廠があったグラナダに頼っている状態なのは解消されていないからだ。


「ナイチンゲールの調整はどうか」

「サイコミュの調整も完了し、実戦投入可能な状態であります。シナンジュよりは確実でしょう」

「ウム……たしかこの近くを連邦軍のパトロール艦隊がうろついていたな?ナイチンゲールの鳴らしも兼ねて、私が出る」

――ナイチンゲール。それは第二次ネオ・ジオン戦争の際にシャアがνガンダム強化型への対抗馬として試作させていた、サザビーの発展型モビルスーツである。その性能はνガンダムを全般的に凌ぐ。風体はもはやモビルアーマーに近くなってはいるが、サザビーよりも更にワンランク上の力を持つ、純粋なジオン系モビルスーツとしては最高峰のフラッグシップモデルに相応しい機体である。そのためシャアは乗機の選択を堅実的に行ったのだ。

「大佐……!」

「何か、少佐」

「ハッ……大佐がわざわざ御出撃なされなくとも、あのような艦隊ごとき、この私が蹴散らして見せましょうに」

「何、私はまだ帰還して間もないからな。若い兵達に私が赤い彗星である事を見せる必要があるのだよ」

格納庫で、モビルアーマーとも思える大型の機体に乗り込もうとするシャアに、モビルスーツ隊の重鎮的立ち位置に落ち着いたガトーが言う。今のシャアは一年戦争中のような単なる一将校ではなく、一軍の総帥という立場である。そのためにシャアの出撃をたしなめようとしたのだろう。だが、旧軍やジオン系組織出身でない兵士達の間では“本当にシャアなのか”という疑問が生じている。それを払拭するための口実を当人が欲しがっていたので、シャアはそれら兵士たちへ自らの実力を見せつけるため、ナイチンゲールで勇躍、出撃した。


「シャア・アズナブル、ナイチンゲール、出るぞ!」

真紅に塗られた赤い巨体が漆黒の宇宙へ滑りだしていく。赤い彗星の帰還の狼煙は上がった。





――こちらは連邦軍パトロール隊。彼らは今や傍流に追いやられた、旧ティターンズの部隊の一つがグリプス戦役後に改編された部隊で、装備も主流から外れたティターンズ系モビルスーツを宛てがわれているという、冷遇ぶりであった。これは彼らがティターンズであった事によるもので、スペースノイド蔑視に染まった彼らは今の連邦軍には厄介者でしかない現況をよく表していた。



「この近くにジオンの宇宙人共の生き残りが潜んでいる、か……フン。ジオンの残党どもに何ができる。総員、戦闘配備!」

この時の彼らの編成は旧型となったアレキサンドリア級とサラミス改級を基軸としたもので、ティターンズのそれを色濃く残していたので、連邦軍の主流から外れたという悲哀を体現していた。その様子を望遠カメラで確認したシャアは思わず哀れんだ。


「アレキサンドリア級にティターンズカラーのサラミスか……ティターンズ系の生き残りか……こんな辺境任務に回されるとはな。哀れなものだな」

「どうしますか、大佐」

「彼らには悪いが、我々の姿を見た以上は全員生かして返すわけにはいかん。全機撃墜して殲滅する」

「了解」

シャアはナイチンゲールの最大推力を出し、瞬く間に連邦軍艦隊に接敵した。それは正に赤い彗星の復活を示す戦いぶりであった。




――星達の浮かぶ海に光が生まれる度、命の灯が消えていく。赤いモビルスーツが戦場を駆け抜け、連邦軍が鎧袖一触で蹴散らされていく。その光景に彼らは恐怖した。かつて、アムロ・レイに敗北し、死んだはずの赤い彗星が蘇り、自分たちに襲いかかる。これ程恐ろしいものは無かった。


「うわああああああ!!」

マラサイの小隊がナイチンゲールに向けてビームライフルを乱射するも、シャアはまったく意にも介さない。むしろ、次の標的へ向かう際の踏み蹴る足場としてスペースデブリなり、隕石を利用するという、シャアお得意の機動戦術の久しぶりの実験材料にするに最適と踏んだ彼の手によって、モビルアーマーに近い、ずんぐりむっくりとしたようなナイチンゲールは赤い彗星となった。

「ファンネル!」

シャアの思念に導かれ、ナイチンゲールのファンネルが射出される。サザビーより搭載数は増加している。シャアはファンネルを牽制武器代わりに使い、油断したところを敢行火器のメガビームライフルで落とすという戦術を使う。この時期、ファンネルはもはや単体では有効な武装ではないという時勢を鑑みたもので、連邦軍が必死になって対オールレンジ攻撃戦術を考えている裏を突いたのだった。




「落ちろ!!」

ファンネルを避けたところをメガビームライフルでマラサイの胴体をぶちぬく。避けきったと安心したタイミングでビームライフルを撃つというのはシャアにとっては朝飯前な事だ。これに対応できるのはシャアのライバルである、アムロを初めとする歴代ガンダムのパイロットくらいなものだ。

「こうも簡単にいいようにできるとはな……歯ごたえがなさすぎて拍子抜けだな……」

シャアはナイチンゲールという高性能機に乗っているとは言え、簡単に敵を撃墜した事に拍子抜けしていた。仮にも相手はグリプス戦役時にエゥーゴを悩ませたマラサイである。それがいとも簡単に落とせるようになったのは日進月歩のモビルスーツ技術に於ける旧型機の立場なのだろう。シャアはグリプス戦役時の復讐とばかりに、旗艦である、アレキサンドリア級に向けて突撃。艦橋に取り付くと、ビームライフルとファンネルを一斉掃射、ブリッジを破壊して沈黙させる。幸いなことにダメージコントロールが優れていたために撃沈は免れたもの、戦闘続行不能に陥った。シャアは旗艦を事実上破壊した事で、連邦軍の指揮系統が崩壊したのを目の当たりにすると、残存艦に降伏を促す。逃げても赤い彗星の前には無意味であることを知っていた彼らはこれに応じた。このパトロール隊の“行方不明”と、赤い彗星と新生ネオ・ジオンの復活は連邦を震撼させた。







――地球連邦 安全保障会議


「赤い彗星のシャアが生きていただと!?」

「それよりもかつてのティターンズ、それにエゥーゴの活動でジオン系の勢力はかなり削がれていた筈だ……それにスペースノイドの急進派の関心もジオニズムからコスモ貴族主義、マリア主義へ移っていった。が、彼らは結局、ジオン・ズム・ダイクンとニュータイプ論に代わりうる物ではなかったということだろうな」

「だからレビルの阿呆が口出ししていなければ、ジオニズム、ひいてはニュータイプを根絶させるシステムを積んだ新型ガンダムのロールアウトも予定通りに進んだものを……!」


「“ユニコーン”かね」

「そうだ。アレは本当はプロパガンダに使うはずだったのだよ。ジオン公国軍残党共の根絶の、な」

安全保障会議の評議員の一人の元軍人は憤りを顕にした。彼が後押しして造らせていた、“RX-0”ユニコーンは歴代ガンダムとは趣を異にして生まれる、ガンダムタイプ。そのため安全保障会議はこのユニコーンをジオン根絶のためのガンダムとして、プロパガンダも兼ねた運用を行うことを画策していた。無論、そのような露骨な開発目的は連邦軍の改革派を憤慨させ、開発目的を無理やり転換させた。そのために彼はレビル一派に対し不快感を顕にした。



「しかしUC計画は動き出している。2号機にもゴーサイン出しておる」

「2号機もかね」

「そうだ。これはレビルの一派には内緒にしてある。邪魔されんようにな……」

今回の安全保障会議の議題の一つになっている、UC計画とは連邦軍再建計画である。これで試作・生産されるモビルスーツは実験的要素もかなり含まれており、フルサイコフレーム機として、ユニコーンが建造された。この中には特務部隊用、ユニコーンの護衛機として、ジェガンベースの特務用量産試作機・ジェスタも含まれている。

「ところで、ヱルトリウム級の三番艦は造るのか?」

「駄目だ。アレは膨大な人的資源も必要とする。改アンドロメダ級を更に5隻造った方がまだ安上がりだぞ」

「そうか。ではヤマトの姉妹艦と一緒に政府に承認させよう」

波動エンジン艦のアンドロメダ級は設計に改良を加え、人間によるフェイルセーブ機構を取り入れた新規建造分が改アンドロメダ級として予算計上されており、しゅんらんらはこの生産ロットに分類される。ただし、しゅんらんなどが白色彗星帝国戦時の初期ロット残存部品の流用に頼ったところが大だったのに対し、しゅんらん以降の新規建造分は新規パーツを使って建造されており、既に七番艦までの予算が計上されているが、彼らは膨大な人的資源を使用するヱルトリウム級の代換に、省人数の改アンドロメダ級や、費用対効果も高いヤマト級を選んだのであった。こうしてなし崩しにアンドロメダ級の追加分と共に承認されたヤマト級二番艦と三番艦は軍部によって、それぞれ純粋な戦艦、はたまた航空戦艦として生まれる事になる。その名も前世の姉妹の名を受け継いで……。
















――話は戻り、ロンド・ベル隊 


「そういえばスバルは?どこ行ったかしらない?」

「ん、ああ。スバルさんなら赤心少林拳の鍛錬でトレーニング室に行ってるよ。スーパー1さんからの言いつけだってさ」

なのははスバルの姿が見えないので、気になっていたらしいが、のび太がすぐに答える。スバルは仮面ライダースーパー1=沖一也から習った拳法である、赤心少林拳の鍛錬に勤しんでいるようである。






――トレーニング室の“中庭”の甲板

「はぁ!」

スバルは戦闘機人である。が、実質的には脳や末梢神経系に至るまでの神経系はヒトのそれである。それ故、赤心少林拳を習得できたのだ。体の骨格や筋肉などは修理の際には仮面ライダーと同様の技術で造られたそれに換装されている。ナノマシン技術で、ある程度の自己修復機能が備わったため、実質的に設備による小規模な修理は不能となった。その辺は僥倖であった。それと赤心少林拳とは唯一、関係ない技をスバルは習得しようと努力していた。それは仮面ライダーストロンガーを源流とする、イナズマキックである。このイナズマキックという技は現在、地球連邦軍の日本地域の訓練学校などで教えられている、キック技である。その源流はストロンガーにあり、彼がチャージアップ状態で超電稲妻キックを使っていた事に由来し、最近ではガンバスターにその心が受け継がれている事で有名だが、スバルはガンバスターのスーパーイナズマキックにいたく感動し、それを赤心少林拳と共に習得しようと努力していた。


「たぁ!!スゥゥパーァァ……イナズマ!!キィィ―――ック!!」

要はジャンプし、急降下キックを食らわせるだけなのだが、威力の程は急降下の分、通常の飛び蹴りを凌ぐ。標的の人形が大きく凹み、着地する。

「よし、中々良い感じ!もう少しだ……」

スバルはこうして、自らを鍛えていく。なのはを守れる力を持つために。赤心少林拳の門戸を叩いて、まだ日の浅い自分がどこまでやれるのだろう。それに挑戦する意味合いも含めて、自らを律し、心も鍛えていった。そして、スイスへラー・カイラムは向かっていった。アムロにシャアの復活が伝えられたのはそれから3日後の事であった。



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