ドラえもん のび太とスーパーロボット軍団 第二部


――野比家はいつしか、いろいろな英傑達の巣窟になっていた。のび太達が連邦軍の協力者になっていた事もあり、地下格納庫には必ず、有事に即応できる機体が秘匿されていた。

「でも、格納庫になんであんな凄そうな機体がズラリ?」

「それは、僕が連邦軍から兵器の管理を一部委託されてるからです。ガンダムタイプやジムタイプでも『ジェスタ』や『グスタフ・カール』ですよ?」

「この時代だと、使えそうな場面なくないか?」

シンはドラえもんに指摘する。20世紀末の段階では、ザクUやジムの時点でオーバースペックなのに、最新鋭機を使う意義はないと。

「M粒子がないと、第一世代だと、ガンダム以外は的ですよ?ムーバブルフレーム持つ第二世代の方が、M粒子なくても生存率高いんで」

陸上自衛隊も、2016年までに、黒江のツテで入手したザクの装甲『超硬スチール合金』であれば破壊可能と判定している。20世紀時点の戦車砲でも、関節部を狙い撃てれば、ザクや初期型グフ程度ならば擱座を狙える事は確認していた。ガンダムタイプのルナチタニウム合金は劣化ウラン弾でも貫徹不可能だが、量産機のチタン合金セラミック複合材ならば、集中砲火で破壊可能と判定した。問題はMSを如何にしてアウトレンジ攻撃で撃破できるか。である。正面装甲はザクでも155ミリ連装砲を弾くレベルの耐弾性を持つのが当たり前である。彼らが『17年後』に直面する太平洋戦争では、ジム系とぶつかる事が大方予測されていたが、ハイザック、マラサイも当然、予測されていた。こうなると、陸上自衛隊の装備では、遠距離からのメインカメラ狙撃の攻撃方法か、あるいは関節部を狙うか。M粒子散布下では、61式の照準装置などに影響が出、白兵戦に持ち込まれて撃破されているが、そうでなければ、アウトレンジ攻撃も可能である。そのため、61式は20世紀の状況下では『陸の巡洋艦』と羨望の対象である。そのため、陸上自衛隊は今後の戦車改良の参考として、一年戦争開戦前の形式の61式を極秘に輸入している。開戦後だと、M粒子散布下に対応するため、電子機器を一部撤去しているからだ。また、陸上自衛隊の練度であれば、間接射撃でMSでも足止めは可能とする現場の自信もあり、61式戦車の一部は陸上自衛隊の手に渡っていた。

「日本の自衛隊、あと6年くらい後から、学園都市の反乱に備えて、連邦軍の装備を買い漁るんですよ。極秘に。空自もセイバーフィッシュやTIMコッドを」

「どうしてそんな事を?」

「分かってたんですよ、当時の野党が政権握ったら、学園都市の統制が無理だって。万一、反乱起こされたら、あくまでこの当時の現用兵器しか無い自衛隊には止められない。そこで、連邦軍の旧型装備を買い漁ったんです。それと学園都市の兵器へのカウンターの役目も、僕の格納庫の兵器は兼ねてます」

「だからって、MSに限らず、マジンガーやゲッター系まで」

「量産型ですけど、グレートマジンガーとゲッタードラゴンは置いてます。グレートマジンガーについては、オリジナルに近くした性能にチューンしてます」

「誰の要望なんだい?」

「私です」

「君が?」

シンは驚いた顔で、隣に座っている調を見た。調がドラえもんに量産型グレートマジンガーの保有を勧めたのかと、意外そうだった。

「備えあれば憂いなし、ですよ。マジンガーZよりももっと強い、グレートマジンガーが出てくれば、学園都市も手は出せないでしょうから」

学園都市には恫喝も必要な事から、ドラえもんは甲児と相談し、当初は『マジンガーZのコピーを作って、ドラえもんに譲渡する』プランだった。しかし、マジンガーZのあまりの知名度の高さから、黒江の代理で会議に参加していた調が異議を唱えた。『マジンガーZは有名過ぎて、早々に攻略法を編み出される危険性がある』と。ちょうど量産型グレートマジンガーの本格量産を控えていた『新科学学要塞研究所』側も同意したことで、Z二号機(グレートマジンガーと同等のスペックに改良して新造された)と、量産型グレートマジンガー第二期生産型(スクランブルダッシュを復活させ、グレートブースター以外の全機能再現)の一号機がドラえもんに譲渡された。また、同機はオリジナルのグレートマジンガーから頭部形状が若干変更されており、Gブースターがなく、Zと同じ黒色で腕と脚が塗装されている違いがあるが、完全な量産と言えるものだ。

「もしかして、君が?」

「師匠と同じく、新科学要塞研究所で訓練は受けました。グレートマジンガーまでなら、訓練受ければ、一応は乗れますからね」

「一応って」

「Gカイザーやエンペラーは、実質的に鉄也さんの専用機なんですよ。負担も大きいんで。それに二機ともピーキーな機体特性なんで、付け焼き刃パイロットじゃ死にます」

Gカイザーやエンペラーは鉄也の高い技量を前提にしての機体特性であるので、乗りこなすのには、甲児レベルの操縦技術とG耐性が必要である。もっとも、グレートマジンガーも、アビオニクスはZよりも洗練されたものの、マジンガーZ以上に戦闘技量が問われるため、そう安々とは乗りこなせない。調も、スーパーロボットの色々な操縦のハードル(大声で武器名シャウトのお約束など)を乗り越えるため、ガイちゃんに頼んで、予めボイストレーニングを積んでいる。

「乗るために、ボイストレーニングしましたよ。あれ、武器名シャウトがお約束なんで、羞耻心捨てないといけないし」

「でも、あれ、MSと違って、コックピットがむき出しじゃ」

「グレートマジンガーの改良段階から強化テクタイトガラスにしてるんで、大丈夫ですよ。それに軍用に量産するんで、操縦系統もサイドスティックとHOTAS導入で、VFに近い操縦席レイアウトになりましたから」

マジンエンペラーGやマジンカイザーの代になると、HOTAS概念が導入された。マジンカイザーが甲児の特性上、導入度は軽度なのに対し、マジンエンペラーGは鉄也の技量を反映し、完全なHOTASの導入がなされている。そのテスト結果が反映され、量産型グレートマジンガー第二期タイプのブレーンコンドルのレイアウトはVF-19と同じようなモノになっている。(事実上の上位機種であるマジンカイザー系は、HOTAS云々以前に脳波コントロールが強化され、スイッチが少ない。が、弓教授がフェイルセーフ機能として、手動操縦機能は残している)カイザー系やゴッドの操縦に強靭な精神力を必要とするのは、この操縦系統が由来である。この技術は、後に未来世界よりも更に100年後、高級マン・マシーン(モビルスーツの進化系)のインタフェースに応用されて一般化する。23世紀当時には最高位のスーパーロボットにしか搭載されなかったが、100年の間に技術革新で一般化する。しかしながら、そのせいで限定戦争という概念が生まれ、『ショー』化してしまい、倫理観的に別の問題が24世紀以降は発生していくのだ。後の銀河100年戦争で初手を誤ったのも、政府の楽観視が原因であるため、ハーロックが23世紀の地球連邦軍を理想視する理由でもあった。また、全面戦争の概念が政府から希薄化していたのも、100年戦争を生み出した原因だった。100年戦争終戦時、当時のアースフリート司令は『我々を最初から動かしておれば、100年も戦争せずに済んだものを』と嘆き、不毛な戦争を嘆いた。『本国が戦争を思い出すのに必要な戦いだったのかも知れんが、目覚めるまでが長すぎたな…』と。結果、地球連邦軍は再度、全面戦争型軍隊に転換されたが、これも数百年の安定期で弛緩、イルミダスに敗北する屈辱を味わう。ハーロックはこの未来を変えるため、ヤマトに力を貸したのだ。結果、ハーロック介入後の歴史では、イルミダスに敗北寸前の地球連邦軍の救世主として、『ゲッターエンペラー』が出撃、イルミダスを逆に無慈悲に蹂躙していったとある。人類は戦乱期と安定期の後に弛緩期とも言うべき期間を必ず迎え、侵略者が都合よく現れて襟を正していく事から、ハーロックの時代においては、『ゲッターが人類に何をさせようとしているのか』という疑問に回答を得ており、敵対的な宇宙人はボコボコにし、恭順すれば、生き残るチャンスを与える戦闘種族と化していた。マゾーンがアースフリートの動きを政治的に封じようとしているのも、ゲッターエンペラーによって、すべてを焼き払う事を恐れているからだろう。

「キャプテンハーロックからは、30世紀以降の戦いにも参加してくれと誘われてるんですよ、私達」

「え?どうしてだい?その時代からみたら……」

「その時代の連邦政府はまた腐っていて、敵対宇宙人と全面戦争する勇気もなくて、全面戦争で既得権益が無くなるのを嫌がって、アースフリートを出動させないそうです。ですから、その時代では『死人の私達』がアースフリートの外郭部隊になってくれるのを、彼は望んでいるんです」

本来、有事即応部隊がアースフリートだったが、政府が取る意味合いが数度の安定期を経て、近衛部隊と同義に取り、連邦軍大将すらも指揮権が容易に与えられなくなってしまった。事実上、宝の持ち腐れである。そのため、かつて、多くの勇名を馳せ、自らの母体になった『ロンド・ベル』に自らの時代で動いて貰おうとする思考を、その時代のアースフリート在籍経験者らは持つようになっていた。ハーロックもその一人。(青年時、ハーロックはアースフリートに在籍していた)どの道、ロンド・ベルの人員の多くは平時になれば、お払い箱になってしまうような気質の者を多く抱える。調の師である黒江がその最たる例だ。黒江はハーロックへ個人的に、『30世紀で戦っていいっすよ』と返事しており、黒江はトラウマの影響もあり、平和になる時代に馴染めなくなっていた。ハーロックにそう返事したのも、本心からだろう。もちろん、これに調も付き合うつもりであるが、切歌には言っていない。自分は黒江に仕えるつもりだが、切歌には平和に過ごして欲しい気持ちがあるため、30世紀に行く予定が立った事は伝えていない。果てない闘争に足を踏み入れるのは、装者たちでは、自分一人でいい。それが調の思いやりだった。

「私達は23世紀が平和になれば、銀河100年戦争、そして30世紀に行かないとならなくなったんです。私達は……、平和になれば、いずれお払い箱ですから」

「つまり君たちは戦い続けないとならなく……!?」

「そういう事になります。必要とされる時代に送り込まれる……。23世紀より先の未来人達は、私達ロンド・ベルを『戦う意志そのもの』と見てるんです」

それは結局、アースフリートもロンド・ベルほどの決定力を持つ部隊を600年以上持てなかった事の証明でもあり、その時代時代のアースフリートが政治的に枷を嵌められた事を意味していた。ロンド・ベルが更なる未来で求められたのは、その時代の地球人たちが失った『精神性』の象徴と後世で扱われたからだろう。

「戦う意志、か……」

「私は別の自分と戦うことも辞さない覚悟です。師匠もそれを控えてますし」

「別の自分と?」

「ええ。実質的に私は、大抵の世界での私とは完全に別の存在として存在してます。シンさんもその自覚はあるでしょう?」

「ああ。話に聞く、俺の末路は悲惨だそうだけど……?」

「平行世界は『別れても、後で合流する川』みたいなものですけど、極稀に、全く違う道筋を辿ることで、流れから独立した存在になる。私や師匠は最たる例です」

「自分と戦うことになる事に抵抗感ないのかい?」

「師匠に弟子入りした時点で、そういう考えは捨ててます。平行世界の自分は生まれた基盤が同じだけで別人と割り切るのが平行世界との上手い付き合いかたですよ。師匠は前史でポカしたと言ってましたけど」

調は黒江との接触後、自分が明確に他世界と違う存在という事を自覚しており、別の自分が悪事に走っていれば、殺してでも止めると明言し、前史で黒江が頭に血が上って犯したミス(ホテル事件)についても言及した。そのあたりはレヴィからの影響か、平行世界の自分へはドライであった。

「これから先、別の自分と会う事はいくらでもありますからね。私がこのギアの適合者じゃない世界もあるし、そもそも存在してない世界、私が子供の時に失った本名のままで生きてる世界もあるかもしれない。シンさんにだってあり得ますよ、そういうのは」

「た、たしかに」

調は自分の今の名が仮名である事は自覚しており、『自分は本来は何者であるのか?)』は大体は悟っていた。『さいたま市の調神社の宮司の孫娘』で、本来は巫女にでもなっていただろうと。だが、今更、その暮らしに戻るわけにはいかないし、自分を日本から拉致した米政府に対する怒りも捨てている。自分は『月詠調』として生き、黒江に仕えてゆく。そう決めている。今のこの暮らしにこそ、自分の求めたモノがある。彼女はそう思い、切歌との別れも最悪の場合は選ぶ。それ故、切歌には内緒で、ロンド・ベルの未来行きにも同行するつもりなのだ。心配なのは、切歌が血で血を洗うような闘争の日々に耐えられるのか?という事で、それがネックと考えていた。聖闘士になれば、神々の軍団との戦いが、このまま戦後にロンド・ベルに加わろうと、いずれは果て無い闘争に踏みこむ事は必定。切歌に重荷を背負わせていいのか?という気持ちはある。それが現在の頭痛の種であった。

「それと、過去の英霊も復活して来てますからね、昨今」

「おうよ。オレもまさか遠い未来のフランス人に宿るたぁ思わなかったぜ」

「あんた、ぶっちゃけてません?円卓の騎士なんでしょ?」

「まぁ、それはそれだ、ガキンチョ。オレは今の肉体の持ち主の人格と共存してるから、一応はフランス人だしな」

モードレッドは円卓の騎士であるが、今の肉体がペリーヌ・クロステルマンのそれであるため、一応はフランス人である。ド・ゴールが泣いたのは、ペリーヌが『ジャンヌ・ダルクではなく、円卓の騎士である事』で、ド・ゴールはモードレッドに対し、『何故、裏切り者の若造が……』と言い、モードレッドに脅されている。ジャンヌが仲立ちに立った事で、殺されずに済んだド・ゴールだが、プロパガンダ政策の抜本的な見直しを余儀なくされている。(ジャンヌ・ダルクが聖女であることを否定したり、剣は使った経験が無いなどの実像が明かされたので)

「おかげで大変だぜ。肉体の持ち主には文句は言われる、フランス大統領にはケチつけられる……」

「ド・ゴール大統領でしたっけ」

「ああ。あのおっさん、陥落の時にペタンとかの上位者が失脚したのをいいことに自由ガリアの最高責任者に収まって、傍若無人してやがったから、ジャンヌさんはいい薬になったと思うぜ?」

モードレッドもシャルル・ド・ゴールの歪んだ愛国精神には呆れたらしく、ジャンヌが仲立ちしたことに感謝している。ペリーヌはプロパガンダに飽き飽きしていたが、ノーブルを実質、死産に追い込んだ事に負い目を感じていたが、ジャンヌとモードレッドの登場で救われた。

『死んで終わった事持ち出されても、オレの知ったことか!前世がなんであろうとも生まれ故郷に繁栄をもたらすため働こうと言うのに何が不満だ、オッサンよぉ!!』

これがその時のモードレッドの啖呵である。これがド・ゴールには効き、更にチャーチルも『モードレッド卿がこう仰っておられるのに、貴公は幻想にしがみつくのかね?ド・ゴール君』と告げた事も、ド・ゴールには政治的ダメージを負い、チャーチルの政治的発言力を揺るぎないモノに昇華した。チャーチルは転生した英霊の居場所の確保も兼ね、G機関の権限拡大と、機関の各国支部の設立に尽力してゆく事になる。欧州の盟主としてのブリタニアの地位を再び確固たるモノにした宰相として名を残す事になるが、それはリベリオンの分裂、ガリアの実質的な衰退、カールスラントの移転、オラーシャの『自国民が血で血を洗って起こす内乱』での衰退が重なって為し得た漁夫の利であったが、ティターンズがそのように仕組んだ以上、ブリタニアは『大英帝国』で有り続けなくてはならなかった。ティターンズが仕組んだ一連の流れは、後年、『混沌の時代』と呼ばれた。ティターンズがリベリオンへ兵站拠点以上の価値を見出さず、ウィッチ資源の確保や供給にもほぼ無関心であった事、ネオ・ジオンに『利用されていた』中でも、ティターンズ本来の使命には忠実であった事から、太平洋戦争で本国に残っていたウィッチ資源を消耗、終戦時にはほぼ枯渇させてしまう。そのことから、後年のウィッチ世界でのリベリオンウィッチは『亡命政権についたウィッチ達』の流れが主流になっていく。


「今の戦いも、地球連邦の戦乱期の一ページにすぎない。まだまだ戦いは続きます。ウィッチ世界はこれから太平洋戦争が控えてる。その黒幕であるティターンズとネオ・ジオンもいる。ネオ・ジオンはジオン残党の最大派閥なだけで、他にも『マーズジオン』(火星独立ジオン軍)もいる。ジオン残党は離散集合を繰り返してるし、ネオ・ジオンには、賊軍になって、処罰を恐れたティターンズの兵士たちや、軍縮で理不尽に職を奪われた失業軍人達もいる。それは連邦政府の行いが産んだ歪みなんです」

「歪み、か。ハト派が実権握った後の急進的な政策のせいだろ?」

「師匠が当時を知ってる人達からヒアリングをしたら、本当は穏やかにする手筈だったそうです。本当は一定段階まで軍縮したら、『民意を武器に、地球防衛軍に再編して、失業軍人達の失業手当代わりにする』計画があって、水面下で同意に至っていたそうです」

「ハト派がそれを完全解体に?」

「正確には、当時の大統領の周りにいた官僚達が暴走した結果だそうです。当時の大統領は若くて聡明だったけれど、官僚達の暴走に気づくのが遅すぎたそうです。彼女は戦争指導を拒み、後任に任す形で辞任を選んだ。だけど、真意は理解されず、しばらくは軍縮の被害者であった軍隊を中心にバッシングの嵐だったそうです。その混乱がもとで、連邦政府の大統領は軍出身者の指定席に」

「まぁ、大統領のお付きの官僚どもが、大統領の政治的バックボーンを自分の力と錯覚して混乱を起こしたんだろうな。夢みたいな事言うやつは過激なことしかやらねぇって、アムロ少佐が言ってたしな。反動がくるのも仕方がないだろ」

「ガトランティスの考えが影響を与えたのもあるそうです。彼らは情け容赦ない攻撃、登降の概念も捨て去るほどの闘争国家。それとの生存競争になって勝った事から、23世紀の連邦政府は、宇宙戦争を生存競争と同義に」

「だろうなぁ。まともな戦争が成り立つのは、自分達と同じ程度に倫理観がある連中だけだ。なければ、生存競争になるさ。殲滅するか、されるか。ミンメイアタックも万能じゃないからな」

ミンメイアタックの威力とて万能ではない。それをデザリアム戦役までには悟っていた地球連邦軍は、スーパーロボット量産計画を実行に移す。過去の生存競争への恐怖が導いた答えであった。連邦政府は悟っていたのだ。過去、ズォーダーが言っていたように、『力に頼る者は更なる力によって滅ぶ』と。地球連邦軍にいつの時代も危機感を持つ者が存在し続けるのは、23世紀の戦乱期から地球人たちが学んだ事であった。

「で、テメーはどうするんだ?これから」

「連邦軍に入って、ロンド・ベルの戦いに加わるつもりです。私には……もう、この道しかないから――」

調は皆に宣言してみせる。自分が往くべき道は『戦乱を生き抜くこと』だと。それはかつての自分との決別の証であり、本来は咎人である自分にできる罪滅ぼし。モードレッドはその決意に気を良くしたらしく、大笑したという。



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