短編『統合戦争の悲劇』
(ドラえもん×多重クロス)



――統合戦争最末期の日米戦争は太平洋戦争の裏返しとも言える凄惨な殺戮が展開された。太平洋戦争の敗戦から幾星霜の月日を経て往年の大日本帝国時代以上の軍事力を取り戻した日本国は地球連邦設立決議に反目し、日本を裏切ったアメリカ合衆国を徹底的に蹂躙した。


――2128年 日本 国防省

「米軍の残存兵力はどのくらいだ?」

「既に第3艦隊、第5艦隊は海の藻屑にしてやりましたので、後は実質、第7のみです」

「米軍の航空母艦で有人機搭載なのは?」

「エンタープライズ、カール・ヴィンソン、フランクリン・ルーズベルトの三隻が残存しております」

「脆いな。コンピュータ技術に頼りすぎた結果がこのザマか。張り合いがない」

国防大臣はかつてのアメリカ合衆国海軍のシーパワーの象徴とされた空母打撃群の衰退を嘲笑した。戦争の前評判では『伝統ある米軍に日本が初めて持った近代空母部隊は粉砕されるだろう』とされた。が、実戦で空母を活用し、戦果を上げた初の事例は日本のものだ。アメリカ合衆国は忘れていたのだ。空母機動部隊の歴史そのものは途絶えていたとは言え、日本のほうが旧いのだと。






「無人機はコンピュータをハッキングすればすぐに乗っ取れます。アメリカの空母打撃群の半数は無人機でしたから無力化は容易でした」

「慌てて有人機を増やしていると聞くが、到底追いつかないだろうね」

「はい。昔の我が国もそうですが、パイロットの育成には金がかかります。福利厚生などの費用もありますから。今の大統領はその費用を削りたいのと、技術発展で問題が解消されたとして、無人機の割合を増やして、軍部の一部の主張を受け入れました。ですが、コンピュータには必ず弱点があります」





国防大臣に海軍司令が説明する。日本国防海軍は昔年からの伝統通りに有人機で空母打撃群の主力を固めていた。周りからは(国内の左派からも)『時代遅れ』と揶揄されたが、蓋をあけると終始日本側の優位に制空権・制海権は推移している。これは学園都市のテクノロジーが自家薬籠中の物になり、アメリカ合衆国の平均技術水準を超越した科学力を持った事が要因。能力者に容易くハッキングされ、無人機の乗っ取りをされるわ、戦闘ロボットのプログラムを書き換えられて同士討ちさせられるなど、アメリカ合衆国は軍隊のオートマチック化させていたのが尽く裏目に出て、各地でまさかの大敗北を重ねていた。既に財政的問題で昔年の世界各地への駐留をやめていた米軍には士気が高い日本軍を食い止める術は無かった。



――グアム

「クソ、第二次大戦の時は追い詰める側だった俺達がなんでこんな真似をせねばならんのだ!」

グアムの米軍は学園都市の科学力を得た日本軍に今や包囲されていた。連日の艦砲射撃とミサイルの飽和攻撃で基地機能はほぼ麻痺、地下にこもって交戦するしか無かった。しかも空軍の兵力はこの時には消耗しきっており、要所であるはずのこの地を援護する余裕は無くなっていた。


「JAP共の戦闘機があそこまで強力なんて誰も思って無かったのさ。冷戦時には俺らのお下がりで満足してた奴らだと、上は認識している。実際、あの戦争から数十年はそうだったし、マック元帥が航空技術を取り上げた事で、確かに数十年分の航空技術の優位は得た。だが、学園都市がその優位を帳消しにしやがった。大統領は無人機の割合を増やしたが、逆にエスパー共に付け込まれて、この様だ」

「開戦からの数年で7000機以上あった稼働機は2000機足らず。無人機は壊滅状態、パイロットの練度は往年の半分以下……空軍も落ちぶれたもんだ」

「大統領は太平洋戦争の時みたいに逆転すると信じている。が、往年のような奇跡はもう望めないさ。フランス軍も終戦時の残存勢力はわずか13%だったそうだ」

兵士達は口々に米軍の凋落ぶりを嘆く。確かに太平洋戦争当時はアメリカ合衆国に明確な大義があり、英気みなぎる兵士達と質が高い兵器の活躍で日独を打倒した。だが、此度の戦争は地球連邦という理想を体現しようとする日本に合衆国が反発して勃発した。大義は明らかに日本側にあり、既に欧州諸国の多くが日本の軍事力に膝を屈していた。フランス軍でさえもアメリカ合衆国が戦端を開いた数カ月後に壊滅した。欧州諸国は既に主だった日本への反対国が叩きのめされ、日本に恭順した。かつて列強を謳われた国々の大半は黄色人種を見下した報いを一気に受ける形で、軒並み軍事力を壊滅させられた。陸海空の三軍と沿岸警備隊を根こそぎである。

「日本が世界統一の旗印で軍事力による征服に舵を切る前に従ってれば良い物を……俺達白人は結局、中世以来の『白人至上主義』を忘れられなかったと後世から馬鹿にされるんだろうな」

「ああ……今の大統領がそれだろう。人種の坩堝を自負していながら、日本が主導権を握るのが嫌だってだけで喧嘩を売りやがった。今の日本の軍事力は子供でもわかるというのに」

そう。この時代の日本はひみつ道具時代を迎えており、更に学園都市の発言力が衰え始めた時期であった。学園都市の技術も手に入れ、前途洋々となった日本は正に数百年ぶりの旭日を味わっていた。同時に盛者必衰の法則がアメリカに適応され、経済面・軍事面の双方で昔年の影響力を失いつつあった。それを払拭せんとしたのだが、逆に自分達がもっと追い詰められる結果を招来してしまった。

『アメリカ陸軍に告げる。諸君らは完全に包囲されている!直ちに武装を解除せよ……』

放送スピーカーから響く声は地下も日本軍に掌握されたことを告げている。もはや自衛隊時代の鎖から解き放たれ、帝国時代の闘争力を取り戻した日本に超大国の地位に胡座をかいていたアメリカが勝てる理由など有りはしなかった。彼らはこのあと直に投降し、グアムは陥落した。







――アメリカ合衆国の受難は続いた。冷戦期以来の目であった北アメリカ航空宇宙防衛司令部を学園都市製爆撃機の猛攻で殲滅されるわ、海軍が空母戦闘群を一個まるごと無力化され、鹵獲されるという醜態を演じるなどの凶報が続いた。結果、いらない子扱いされていた空軍有人部隊などが脚光を浴びるというう皮肉な局面が出現し、大統領は火消しに追われた。


――ホワイトハウス

「ええいJAPの分際でNORADを粉砕するとは……!軍は何をしていた?」

怒りに燃え上がる目で彼は軍部司令官達を怒鳴る。だが、軍部司令官達は内心で『あんな化物みたいなの落とせるかつーの。対策も何もあったもんじゃない』とあきらめムード満点であり、大統領から心は離れていた。

「閣下、日本の爆撃機は有にマッハ5を超えます。我軍の兵器では当てられませんし、追いつけません」

「それをなんとかするのが貴様らの役目だろう!」

大統領の言葉はある意味では的を射ていた。だが、栄光のアメリカ軍も今回ばかりはベトナム戦争が可愛く思えるほどに負け戦であった。既にグアムも陥落し、ハワイが第二の真珠湾攻撃にあうのではと専らの噂だ。今の日本の超科学なら爆撃機編隊でも、かつての真珠湾攻撃時の南雲機動部隊総軍以上の攻撃力を持つ。そんな事になれば、原子力艦艇が潜水艦と空母くらいしかない時勢、海軍部隊がほぼ無力化する。太平洋に部隊を送れなくなるからで、潜水艦はほぼ戦力外。今の日本には潜水艦による通商破壊戦は愚か、艦隊攻撃すら挑めない。日本軍は海上自衛隊の時代から対潜戦闘力が世界随一を謳われていたが、今ではアメリカ軍の誇った原子力潜水艦すら日本のフリゲート艦に狩られる存在である。開戦劈頭に原子力潜水艦が6隻同時に喪失するという惨劇でそれは証明されている。対地攻撃も無力化させられる。


「こうなったらアイオワを復活させるしかありません」

「何、博物館になってるあの骨董品をかね。どういう事だ海軍長官?」

「大統領もご存知のとおり、今の海軍の主力はフリゲート艦や駆逐艦です。もっとも大型化して、駆逐艦も昔の重巡と同程度の排水量になりましたが……。ですが、大抵の軍艦は装甲がありません。装甲で防御するような時代は20世紀後半以降は過去のモノとされてきましたし、ミサイルの破壊力に装甲は無力、そう考えられていた時もあります。ですが、人的資源の喪失を異常に嫌う、世論の感情が許さないような国柄の日本は国民への言い訳代わりも含めて、艦艇に重装甲を復活させたのです。そのためレールガンの安定化が遅れに遅れ、未だに21世紀と大差ない艦砲しか持たない我々では撃沈は至難の業です」

「なぜだ、ミサイルや魚雷があるだろう」

「ミサイルは電子妨害で当たりませんし、魚雷は対策を立てられました。艦砲が注目されたのは、皮肉なことにローテクすぎて現在の電子技術の入る余地があまりないという点が我々の希望です」

「JAPの野郎どもをブチのめせるのかね?」

「今の時勢、かつての軽巡クラスまでの艦砲はまた作れるようになりましたが、さすがに重巡や戦艦レベルまでは無理です。それに未だに『新戦艦時代』に我が国や日本、イギリスが持っていた16インチ砲を製造・整備・砲弾の製造をする技術は今や我々だけのものです」


――アイオワ級戦艦がなぜ、22世紀になって本来であればこの年にも地球連邦政府が正式に樹立されたであろう時に脚光を浴びたのか。それは現在のミサイルを持ってしても、戦艦が有した超重装甲を突破し得ないという『事実』と、日本艦の有する装甲はWWU当時の水準から見れば『軽巡洋艦』の粋を出ないものであるという諜報情報をもとにした事による。アイオワ級は公式記録では全隻が博物館船となったはずだが、実はネームシップであるアイオワとミズーリのみは21世紀後半頃に海軍が極秘に管理権を買い取っており、大きな有事の際にはどちらかを復帰させられるように再活性化(タイムふろしきの実用化で機関の状態は最盛期のそれに戻り、往年の出力を持ち直した。武装も主砲も新造時の状態へ回帰し、砲弾製造ラインは確保し続けていた)していた。これは海軍内の化石と揶揄された大艦巨砲主義者らの働きによるが、ここで思わぬ脚光を浴びたのだった。実際にミズーリがそれで復帰する手筈であったとされる。







――だが、その前に合衆国そのものが『その日』を迎える前に度重なる敗北による政情の悪化と日本の最後通告が重なって『彼』が失脚すると、主導した他の数々の計画とともに闇に葬られ、アイオワ級の復帰は結局実現はしなかった。だが、地球連邦政府時代を迎えた後の2190年代末に当時の書類が一部開示されたことで、ある仮想戦記が出版された。地球連邦政府を日本に牛耳られて久しい上に、貧困地域になっていた旧北米地域で大ヒットを飛ばし、映画化もされたという。その時に駆り出されたのは皮肉なことに、ゼントラーディやガミラスからの攻撃からも無傷で難を逃れた唯一無二のアイオワ級『ミズーリ』号(ゼントラーディの攻撃でアメリカ軍の遺産も大分失われたが、ミズーリだけは地下都市に避難していたので無傷だった)であったという。そして統合戦争でアメリカが敗北すると、アメリカが管理していた、元は日本所有の全ての美術品・軍事遺産に加え、アメリカの美術品の一部などは日本政府が太平洋戦争の報復とばかりに接収していった。アメリカは猛抗議したが、『貴国が太平洋戦争で美術品を接収した以上、こちらにもその権利はある』と門前払いを食らったそうな。因果応報を身を以て思い知ったアメリカは日本に報復を目論んでいき、ついにはかつて彼ら自身が忌み嫌ったはずの存在と手を組んでしまう。ナチスを継ぐもの達と。























――日本国防空海軍が最後の主力とした戦闘機『F-7』。その姿は後に地球連邦軍の主力機となって戦功を上げた『九九式宇宙艦上戦闘機』、ペットネームはブラックタイガーの祖とも言える姿であった。ブラックタイガーの祖らしく、エイを思わせる機体形状と主翼はブラックタイガーを多少糞詰まりにしたようなものであった。ただし当時の日本軍は海軍が単発機を嫌う傾向があったために、双発機である。胴体格納式ミサイルと6門の機銃。当時としては異例の重装備であった。この機体は地球連邦政府樹立後は連邦空軍最初の主力機として生産が続行され、初期の騒乱を収め、十数年後にフライマンタが実用化された事で退役した。しかし基本設計は極めて優秀で、2190年代中盤半に入る頃に子孫とも言えるブラックタイガーが開発され、戦功を上げたのがその証明であった。


――西暦2201年の日本 航空宇宙博物館

ドラえもんとのび太はシャーロット・E・イェーガーに誘われて航空宇宙博物館を訪れていた。この博物館はドラえもんの協力で、失われた帝国日本軍の試作機や実用機(扶桑皇国から買った富嶽もある)から第一次大戦の撃墜王達の愛機の実機、現在の地球連邦軍の一世代前の主力機までの旧新の戦闘機、各国の民間機が所蔵される、一大博物館。旧スミソニアン博物館が再建される課程で、他の博物館が統合されたため、あまりにも所蔵機が増えすぎたために航空宇宙部門だけで一つの巨大博物館ができてしまった(形の上では旧・国立航空宇宙博物館名義での再建と拡充であるが、さすがに旧米国と言えど、多すぎで置き場がないので、急遽、日本地域に別館を立てた)わけだ。『日本機コーナー』が特別展で行われており、大日本帝国時代から日本国までの戦闘機が展示されていた。(現存しない烈風や九六式艦戦、二式単座戦闘機は扶桑から買い取った)


「へ〜これが紫電改か……『スペックは速度、日本側計測で596キロ、米国の戦後計測では682キロ。武装は20ミリ機関砲四門で、零式戦闘機の臨時的後継戦闘機に選ばれて戦果を上げたものの、B-29を迎撃するための迎撃機としては高高度性能が不備であった』か。なんか日本の戦前戦闘機はパッとしないなそのへん」

「大尉、そのへんは勘弁してやってくださいよ。日本は自動車産業に出遅れてて、エンジン不調が当たり前なんですから」

「ふーん。扶桑と違って貧乏だったんだな、日本」

「戦前はとにかく軍事に傾注した国でしたから。で、それで戦後はとにかく経済と科学に傾倒して、世界二位の経済大国の座を得たんですが、それは周辺の国から反発も招いたんです。安全を金で買ったと」

「安全を買う、か……。それでいろいろあって、軍隊を立て直したんだろ?」

「21世紀に災害に戦争が起こった&世代交代で軍隊を復活させるという風潮が高まるとマスコミや外国の勢力は抑えにかかった」

「なんでだ?自分達の手で守るほうが色々と都合いいだろ?」

「100年近く続いた平和で、人々の中には『軍隊を復活させると増長して国民を弾圧するに決まってる』、『他国の戦争に巻き込まれるだろ!』なんて一国平和主義的考えがあって、軍隊を復活させる案はタブー視されて封印されていたんです。財界は戦争で既得権益を失うのを嫌うし、国民も軍隊を野蛮な集団と思ってた。まぁこれは太平洋戦争開戦の時の総理大臣が陸軍出身なせいなんですがね。外国はお隣の国々がうるさいし、事なかれ主義が政治家の大勢を占めていたから、反発を恐れた」

「一度決めると後生大事にするっー奴か?それイマイチ分かんねーんだよなぁ」

「軍隊復活が現実味を帯びたのが第三次世界大戦を学園都市が起こした時です。そこから更に地震が起こって、当時の与党だった革新派の政党は経験不足を露呈して崩壊した」

「革新派が与党だったのか?」

「ええ。戦後から政権与党だった保守派の政党は停滞と腐敗していて、革新派が持て囃されて勢いに乗せて政権についた。でも、官僚の失言、不祥事が次々に起こって政権与党としての信頼が揺らぎ始めた時に戦争と災害。それに無力を露呈したんです。軍備縮小、解体も視野に入れていたその政党は学園都市を制御できなかったのを糾弾されて崩壊、代わりに保守派が復権したんです。軍備も拡大志向になり、ついに21世紀中頃に『復活した』んです」

「ルールなんてのは時代ごとに変えていくもんだってのに、軍隊のことくらいで100年もかかるのか?」

「ええ。日本人特有の島国根性ですよ」

シャーリーは日本人の価値観をいまいち理解しきれていないようだ。ルールは時代によって変えていくべきだと考えるリベリオン人と、一旦決められたルールを使い物にならない時まで世襲していく扶桑(日本)人の違いという奴だ。展示場を歩いて行くと、航空自衛隊時代の主力機になる。ここはアメリカ軍との蜜月時代なので、アメリカで保存されていた機体を日本仕様に塗り替えたものが置かれていた。

「これがF86か。これでも今のうちらの機体より高性能なんだよなぁ」

「朝鮮戦争の時の最新鋭機ですからね。ずいぶん長く使われたんですよ」

「退役は1982年。ずいぶん長く用途まで変えて使ったんだなぁ」

「ウチのパパが子供の頃にはもう一線から退いた機体だから、写真でもあまり見たこと無いなぁ。パパが見たのは古くても次のF-104からだって言ってたな」

「そうか。のび太くんのころにはもうF-15もロートルになり始めてるもんな」

「お、コイツは鉛筆みてぇだ。なんて言うんだ?」

「F-104。ペットネームはスターファイター。本来は迎撃戦闘機な機体らしいです」

「なんかこれ、制空戦闘に使えなさそうだぞ?まぁ、自衛隊時代は迎撃戦さえ出来れば良かったんだろうけど」

「この頃の戦闘機は機動性なんて二の次だったって専ら有名です。それでF-4の時のベトナム戦争の反省でF-15ができた」





F-104、F-4E、F-15と航空自衛隊の歴代主力機の開設と実機を見ていく三人。F-15あたりにもなれば、自分達の世界で改修型が地球連邦とティターンズの双方で使われているので馴染みがある。それからF-35を経て、戦後国産戦闘機の系譜に映る。F-1、F-2と言った空自時代の名機、そして国産初の主力機に選ばれたF-3、その後継機のF-5……。ここからは国防軍時代である。それで国防軍最後にして、日本国として最後の戦闘機となった『F-7』。6や4がないのはゲン担ぎと、過去の機種との被りを避ける意味があるとの事。


「採用は……西暦2115年。採用の間隔が長いのはなんでだ?」

「国防軍が出来ても、そう安々と新型戦闘機を作れる訳じゃないし、ジェット機は高いんですよ。それでF-7は学園都市の技術を使っていったら全体の形がSFチックになった代わりに、当時最高性能になったみたいです。それで統合戦争を勝利に導いて、地球連邦政府も軍の主力機に選んで、フライマンタが開発された2140年代終わり頃まで使われ続けたそうで」

「なるへそ。ん、なんかこれブラックタイガーに似てないか?」

「ブラックタイガーに似てるのは、元来の設計が優秀なこと、ブラックタイガーの設計チームにコイツの設計チームの技術者の子孫がいたからとかの理由らしいですよ。寸法を変えて、各部リファインするとまんまブラックタイガーですし」

「そうか、ブラックタイガーのご先祖か」

ブラックタイガー、ひいてはコスモタイガーにも影響を与えた、ある過去の名機。シャーリーは未来へ受け継がれる何かを日本人は大事にするということを実感し、自分達リベリオン人との共通点に嬉しそうだった。



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