短編『箒対束の姉妹喧嘩』
(ドラえもん×多重クロス)



――篠ノ之箒は欠員の生じた黄金聖闘士の一員に任じられ、星矢が成長した然るべきまでという条件で引き受けたのだが、過去の内乱を鑑みた城戸沙織=アテナが星矢達の昇格を20代後半から30代前半までの時期に先送りしたため、存外に箒は射手座の黄金聖闘士として戦う期間が長くなり、IS学園を卒業した後は、黄金聖闘士としての活動に、その青春を費やした。これは小宇宙に目覚めた因果によるものだった。その内、箒が明確に射手座の黄金聖闘士としての自覚を持ったのは、在学中のある出来事だった。それは……。




「やれやれ。第5世代機なんて作ってくれて!姉さんは本当に恐ろしい人だ……」


箒と姉の束が対峙していた。周りには並み居る代表候補生らの機体がボロボロにされた状態となって倒れ伏しており、束が『赤椿』を更に発展させた機体を纏っていた。箒は神聖衣化した赤椿を纏っており、出自は同じ機体ながらも、箒のそれは、外見上からは赤椿であるという事を読み取るのは困難になっていた。

「それが箒ちゃんの新しい力かぁ。へぇ……赤椿の自己進化機能の範疇を超えた変形をするなんて、信じられないよ」

「姉さんこそ……第5世代機なんて、どうやって作ったんです?赤椿の発展のようですが?」

「基本は第4世代のブラッシュアップさ〜。曲線が増えてるけど、赤椿とそんなに変化は無いよ」

「外見上は、でしょう?能力差は顕著になってますね。まさか、改良されたとは言え、第三世代機を有象無象のように圧倒するとは。恐ろしい限りですよ」

「いくら数百年後の技術が入っても、ISの大本はあたしが作ったからね。それくらい予想通りだったよ」

そう。この頃には第3世代機の多くは未来技術によるソフトウエア面などでの改良が加えられていたが、ISというハードウェアを開発した束にとっては誤差の範囲だった。余裕の表情の束だが、その次の瞬間にその余裕は崩れる。

「そうですか。ならば……聞いてみますか?銀河の星々が砕ける音を!」

箒は小宇宙を高め、手のひらに銀河を創造する。それは小宇宙の成せる業だった。周りの空間が宇宙空間となり、その星々がビッグバンか何かで破壊されるビジョンを束は幻視する。

『ギャラクシアンエクスプロージョン!!』

「きゃああぁああああっ!?」

星々を打ち砕くほどの強大なエネルギーの奔流をまともに食らった束。流石の第5世代機もこれには耐えられず、装甲を破壊されていくが、第5世代機は装甲がちょっとした自己再生能力を備えているため、最終的には脚部や腕部に再生困難な損傷を受けるだけで済む。しかし、ギャラクシアンエクスプロージョンはISの防御をすり抜け、操縦者自体にもダメージがいくため、束は意外にダメージを負っていた。

「い、今のは……ギャラクシアンエクスプロージョン……。本物だ……。防御をすり抜けるなんてね……でも、これって双子座の技だよ?」

「前に、サガから食らった事がありまして。それで覚えたんですよ。さて、今度は……ギャラクシアンエクスプロージョンで破壊エネルギーをぶつけた後はこれだ!絶対零度に限りなく近い氷気!!オーロラエクスキューション!!」

両手を組み頭上に掲げた状態から打ち下ろして放つ技『オーロラエクスキューション』。これについては修行で身につけた技であるため、慣れていない事もあり、技の精度は氷河やカミュには一歩及ばない。それでありながら、スラスターを噴射させる間もなく、メインのものだけでは脱出不可能なように拘束する。

「なっ!?」

スラスターを緊急噴射させようとするが、メインは点火したが、脚部のサブスラスターは点火しない。メインスラスターの推進力は赤椿を数段超えるものだが、それでも絶対零度に近い条件で凍りついた機体を重力制御と併用しても、飛翔させるだけの力は無く、虚しくスラスターの排気炎が燃え、機体が震えるだけであった。

「さて……どうします?姉さん」

「ふふふ、この束さんがこの程度で打つ手が無くなると思ってるのかな?機体エネルギー、開放〜!」

束はこれも予想通りだったようだ。機体エネルギーを瞬間的に開放することで、オーロラエクスキューションの氷を破壊する。だが、箒も予想通りのようだ。

「流石は姉さん。オーロラエクスキューションに対応するか。ならば!『聞け、獅子の咆哮を!』」

『ライトニングプラズマ!!』

箒は今度はライトニングプラズマを食らわす。神聖衣化の状態での、光速を超える乱打は常人ならチリ一つ残らないが、束は身体スペックが『細胞単位でオーバースペック』を自負しているため、ISの性能もあり、なんとか攻撃を認識はできるが、反撃が出来ないという状態だった。束のISの各部アーマーは『再生速度を超える疾さでの破壊』で完全破壊に追い込まれる。

「姉さんのそのISは危険だ、強引に解除させてもらいますよ!『我が拳よ、光の矢となり、悪を討て!!アトミックサンダーボルト!!』」

箒の全力のアトミックサンダーボルトで機体に決定的なダメージを蒙る。更に……。


『インフィニティ・ブレイク!!』

当たりを覆い尽くす光の矢の猛撃で、ISをオーバーフローさせ、機能停止に追い込む。インフィニティブレイクの矢の数が処理能力を大きく超えたためで、束の操作を受け付けなくなってしまう。これで装甲の大半を粉々にされ……

「ペガサス彗星拳!!」

これでコアを取り出され、機体を破壊に追い込まれる束。


「こ、これが……箒ちゃんの、いや、『聖闘士』の底力なの……」

小宇宙を神の領域に高ぶらせた箒の背後には、彼女の先代に当たる『射手座のアイオロス』の幻影がうっすらと出現していた。それは束にしか視認できなかったが、流石の束もこれには狼狽える表情を見せた。

「……初めて見ましたよ。貴方のそんな表情」

そう。束が狼狽える表情をするなど、箒や千冬すらも見たことがない。たとえ二人の両親であっても、一回あるかないかなのだ。束が完全に圧倒される光景などは史上初かもしれない。

「姉さん、貴方はその能力故に、自然と他人を見下すようになったが、これは覚えていて欲しい。世の中、そう甘くはないんですよ」

箒は毅然と言い放ち、姉への制裁を兼ねた最後の一撃を食らわせる

『ペガサス……流星拳!』

生身となったため、流星拳に留める。それでも音速の拳なため、束と言えども耐えられずに倒れ伏す。人生初の腕っ節での完全敗北がよほど悔しかったのか、涙を流していた。

「やれやれ。これで大人しくなってくれるといいんだが……」

箒と束の二人の姉妹としての因果の決着は、聖闘士となった箒に、束が屈する形で終結した。同時に箒の中のコンプレックスがこれで解消され、以後の二人の関係は『姉の暴走を妹が止める』形の姉妹関係に落ち着いた。箒の絶大な戦闘力は亡国機業も優先で狙うほどのモノだったが、別のある時、聖域に新たな聖戦が起こり、箒を迎えに寄越された鳳凰星座の一輝が彼女らの戦いに乱入した。

「まさか、この恐ろしいまでに攻撃的な小宇宙は……!?」

「てめぇ、何者だ!」

『鳳凰星座の一輝。俺は貴様等には用はない。その女を迎えに来たのでな』

「一輝!何故、お前が……?」

「アテナ直々の命令だ。本来ならば俺の性分ではないのだが、動ける者が俺しかいなかったのでな」

「お前をわざわざ寄越すほどの事というと、聖戦か?」

「そうだ。前に星矢が倒した、邪神エリスが蘇ったのでな。お前にも聖域への招集命令が下っている。既に綾香とフェイトは聖域についている。残りはお前になるのでな」

一輝は亡国機業を意に介さない。ギャラクシアンエクスプロージョンにも耐え抜くほどの強靭さと、何度でも蘇る不死鳥の具現化のような男である彼に取って、亡国機業などは『相手にもならない』存在だからだ。

「てめぇ!このオータム様を無視するんじゃねえ!」

と、亡国機業のオータムは愛機『アラクネ』で一気に攻撃をかけようとする。箒は思わず、『あ、馬鹿。やめ……』と、オータムを止めようとする。一輝は片腕でアラクネの攻撃を受け止める。表情も変えずに。

「そのような玩具では、この俺の毛筋一つそよがせられん。そんなに相手をしてもらいたいのなら、いいだろう」

(あーーーーーーーーーー!終わったな……)

と、箒は額を抑える。一輝が本気で戦ったら、並のIS程度は一瞬で焼きつくされるからだ。一輝は指でピンとアラクネを押す。その瞬間、オータムの目には、機体ごと自分が劫火に焼かれ、更に地面から這い出た虫に機体ごと食われる』エグい幻影が映しだされ、無様までに悲鳴を上げ、武器をやたらめったに乱射しまくる。

「一輝、幻魔拳やったろ?」

「相手にしてほしいというから、してやったまでだ。幻魔拳の威力は抑えたから、幼児退行で収まるだろう」

「まぁ、お前が本気出せば、幻朧魔皇拳とも互角だからな。慈悲深いと言うべきか?」

「さて、子供に不相応な武器は破壊せねばな!」

一輝の小宇宙が高まる。そして、鳳凰の幻影が背後に出現する。必殺技の鳳翼天翔の態勢に入ったのだ。

『鳳凰(フェニックス)最大の奥義!!鳳翼天翔―――ッ!』

鳳翼天翔が炎と暴風を巻き起こし、アラクネを今度は実際にコアまで焼きつくす。操縦者のオータムは気がついたものの、鳳凰幻魔拳によって、その言動はプレティーンにまで幼児退行を引き起こしており、外見と不釣り合いな『あれぇ、おにーちゃん、だれぇ?』と喋っており、鳳凰幻魔拳の破壊は抑えられている(本気ならば口も聞けない廃人となる)事が分かる。

「さて、こいつはお前の仲間に任せるとして、行くぞ。事は一刻を争うのでな」

「あ、ああ。(大丈夫かな、あれ?)」

箒は一気に伴われ、聖域に向かう。転移する直前に、状況を訝しった一夏が、一輝に食ってかかるが、一輝は(一輝のほうが実は年下)『小僧、IS学園の者か。なら、事情は織斑千冬にでも聞け』とあしらう。一夏はなおも食い下がろうとするが、一輝の眼光に圧倒され、押し黙る。そのまま一輝と箒は聖衣姿で転移する。(後に、一輝の年齢が15歳であると伝えられた際、彼は『あれで15!?どうみたって20代にしか……』と腰を抜かしたという。オータムは捕虜としても使えない精神状態である上、重度の幼児退行を起こしているため、織斑家が一時的に引き取る事になったという)

――この時には、箒が黄金聖闘士になった事が城戸沙織=アテナから正式に通達されており、一度、IS学園にも姿を見せていた。この時の様子はこちら。千冬の補佐として、会談に同席した山田摩耶は、目の前の少女がオリンポス十二神の化身である事に、まず驚く。

――会議室

「貴方がオリンポス十二神のアテナの化身ですって!?あ、あわわ」

「山田先生。……すみません。山田先生はまだ若いもので」

「それはよく言われます」

摩耶はオリンポス十二神の事は当然ながら知っているが、人間としての名がある事などに混乱してしまう。千冬がたしなめ、話を続ける。

「私は数百年ごとに、人間の肉体をもって赤子の状態で聖域に降誕するのです。私の使命はギリシア神話でご存知かと思います」

「神々の戦いですね?」

「そうです。ギリシア神話のように、防戦ばかりの女神というわけではありませんが」

沙織はオリンポス十二神のアテナとして、会談していた。人間としては13歳の少女なのだが、それを思わせない威圧感とカリスマ性、端正なプロポーションはその事を忘れさせる。

「それほどに神々は対立しているので?」

「私の『父』のゼウスは、私に地上を託した後、どこにいるのかわからない状況が続いているので。そこを狙う者が多いのです。それは叔父のポセイドンやハーデスでも例外ではありません」

そう。聖戦はオリンポス十二神同士で争われる場合が大多数で、ここ数百年はもっぱらハーデス軍との戦いを指す。

「世界各地の聖職者、特にカトリックなどの連中が聞いたら、口から泡吹いて倒れそうな事実ですね。あの宗教の根幹が揺らぐような」

「神々も神話のような『全知全能』ではないのです。私しかり、叔父のハーデスしかり、兄のアポロンしかり」

そう。オリンポス十二神と言えども、全知全能の存在ではない。それならば聖戦など起きないからだ。

「篠ノ之箒さんは、私の配下となる『聖闘士』の最高位に任じました。これは貴方がたもご存知だとは思います」

「黄金聖闘士、ですね。拳の速さ、破壊力共に光速を超えるという……。しかし、何故なのです?」

「正確に言えば、彼女が纏う射手座の黄金聖衣に宿る、彼女から見て先代の『射手座のアイオロス』の残留思念が彼女を認め、私がそれを追認したのです」

「残留思念?」

「そうです。聖衣、とりわけ最高位である黄金聖衣には『歴代の装着者の思念が宿る』という特徴があるのです。彼女の場合はアイオロスの残留思念が認めたからこそ、纏えたのです」

沙羅は箒が射手座の聖衣を纏えた理由を説明する。それは『アイオロスが認めた』からという至極単純なものだ。

「血筋から言って、篠ノ之は凡人ではない。そこも理由なのでしょうな。ある一定の才能も必要なはずですから」

「ええ。それ故、在学中に彼女を動員する事もある事はお伝えしておきます。今の私達は黄金聖闘士、白銀聖闘士の大半、教皇、祭壇星座の聖闘士を失い、半身不随の状態なので」

――聖戦は黄金聖闘士の全員、白銀聖闘士のほぼ全員を死に至らしめ、星矢達も深い傷を負っている。本来ならば星矢達をすぐに昇格させるべきだが、彼らの多くはまだ13歳。過去の双子座のサガの乱の事例を鑑み、若齢での昇進は見送った代わりに、『異世界』から黄金聖闘士を見つけ、穴を埋めるという策を講じたのだ。それは功を奏し、三人を見つける事に成功したのだ。だが、三人の星座の固有技だけでは、到底、失った戦力の穴埋めにはならないため、他星座の技も覚えるように通達を出し、この時点では、箒は射手座、水瓶座、獅子座、双子座を、黒江は山羊座、天秤座、獅子座、射手座、蠍座、牡牛座。フェイトは獅子座、射手座、天秤座、双子座、牡羊座の技を体得していた。三人の裁量が大いに反映されたため、蟹座や魚座は積尸気や毒耐性が必要とされ、乙女座はこれまた大変なために除外されている。



――では、実際に、彼女らの戦闘を診てみよう。

「受けろ!獅子の大鎌『ライトニングクラウン!』」

フェイトは元々の得物が、鎌及び斧のバルディッシュ(最近は剣だが)なせいもあり、失伝していた獅子座の手刀技『ライトニングクラウン』を復活させ、それ以後は得意技としていた。エクスカリバーほどの切れ味はないが、それでも黄金聖衣を切り裂き、聖衣の生命に傷を負わすほどの切れ味はある。そのため、エリス配下の邪精霊、邪霊士を一撃で倒す威力は持ち合わせている。そのため、相手は一撃でまっ二つになり、消滅する。

――フェイトは今回からは自らの意志で獅子座の聖衣を纏っているが、アイオリアが宿っていた名残で、聖闘士としては『黄金の獅子』の二つ名に相応しい戦いを行っている。また、彼女の場合は電気を帯びた一撃が多いため、彼女個人の聖闘士としての二つ名は、先代との区別のため、『雷刃の獅子』となる。



――黒江の方は、対神レベルでない限りは、左腕を使わず、利き腕の方のエクスカリバーで対応していた。これはエクスカリバーで大抵はどうにかなるからで、何時しか、彼女が左を使う相手は『神や天使』しかいないと噂され、後の聖域で、左の手刀を構えないで拳で構えてる時は本気ではないためもあり、アヤカが剣を抜く時は彼女の本気」 と言われ、生涯に於いて、その左の手刀を見て無事でいた敵はほぼいなかったため、『二拳二刀』の二つ名の通りに、彼女に『真に両腕を使わせた者は強者である』とされるようになったという。

『勝利を約定(やくじょう)せし、聖剣(ひじりつるぎ)!!エクスカリバー――ッ!!』

こちらもエクスカリバーで屠る。山羊座の聖衣を纏った姿は威圧感たっぷりであるが、黒江はヘッドギアをつけない事が多いので、この時はヘッドギアをつけていない。

「さて、箒の奴は一輝が行ってるはずだし、ゆっくり待つか」

黒江はおおよそ二足のわらじ(黄金聖闘士、航空自衛官、地球連邦軍人、扶桑皇国空軍軍人)を履く多忙の状態であるが、それでもアテナに忠節を尽くす姿は聖闘士の範とされ、新たな世代が聖域に足を踏み入れる時代になると、星矢達と共に聖闘士の一翼を担ったという。


――なお、星矢達が黄金聖闘士を継いだ時代になると、箒は双子座の聖闘士となり、フェイトは童虎との縁で、紫龍が戦えぬ場合の天秤座の代理を務めつつ、ジャミールの民から聖衣の修復術を教わった、イナズマンFとの出会いでサイコキネシスなどに目覚めたなどの理由で、ムウの直弟子であった貴鬼の成人まで牡羊座の聖闘士に、次いで、ミロが弟子を取っていなかった都合上、空きであった蠍座の聖闘士になったという記録が残されている。が、第一印象と、ポジションが二度変化した後年に置いても、獅子座の時の名残で拳を使う戦い方を好んだため、二つ名は変わらなかったとの事。なお、後年において、時空管理局局員としての超凶悪犯の尋問の際に、犯人の非道ぶりに思わず激昂し、スカーレットニードルをアンタレスの数発手前まで打ち込んで、犯人を発狂寸前に追い込んで、そこから自白させるいう、いささかエグい手段を使った事もあり、流石に黒江に諌められたという。


――箒は、後にアナザーディメンションも習得したため、最終的に双子座の黄金聖闘士に落ち着くが、星矢の負傷、神の呪いで彼が黄金聖衣を纏えぬことが多々あるため、度々、射手座の聖衣を代理で纏うため、双子座の聖闘士としての彼女しか知らぬ者は驚かれる事が多く、『史上初の射手と双子を渡り歩いた聖闘士』と記録されている。フェイトは10年ほどは獅子座として活動し、後に、一輝に獅子座の聖衣を譲った後は、数年ほど牡羊座の聖衣を、最終的に蠍座の聖衣を纏う聖闘士となり、蠍座及び、牡羊の聖衣を纏う状態でも『聞け、獅子の咆哮を!』との前口上で獅子座の闘技を使うことがままあり、『雷刃の獅子』という二つ名を生涯保ったが、敵からは『聖域も人手不足のようだな!』と宣われる事が多かった。生涯、山羊座に殉じた黒江と違い、守護星座が数回変わった事になるが、当人は気にしなかったという。

――こうして、冥界より蘇った邪神エリスとの聖戦が、箒を始めとする、彼女らの聖闘士としての初陣となり、以後は復活した戦神『マルス』配下の狂戦士(バーサーカー)、オーディーン配下の神闘士などと拳を交えていく。私生活では、姉である束を御することができるようになり、コンプレックスを克服したため、束への接し方が、目に見えて氷解したという。また、束も聖闘士となった妹を認めた事で、周囲との交わり方を考えたらしく、連邦軍のプロジェクトに積極的に関わるようになり、同時に他人への無関心が大分薄れ、千冬が驚くほどに矯正された生き方をするようになったという。(シスコンは相変わらずであるが)



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