外伝その207『つかの間の行間2』


――黒江が気晴らしに、綾波レイの容姿を使っていたダイ・アナザー・デイ前の時期、なのはへ送るための梱包を済ませていた。なのははのび太へ電話で『何だかんだ言ってもあたしも艦上機乗りだしねー』と言い、信濃や大鳳などへの愛着を見せ、黒江を唸らせた。

「そいや、お前の世界はF35が初期作戦能力得た頃だっけ?」

「ええ。こっちじゃ政治的問題でB型になったんですけどね」

日本連邦ができた世界(ドラえもん〜地球連邦世界)では、自衛隊も2020年代に葛城以来の空母になる改いずも型護衛艦を持つ事に成功しているため、C型になるが、なのはの故郷ではB型を持つ強襲揚陸艦であるらしい。

「綾香さん、また姿変えてますね?」

「しゃーねーだろ。こっちは2005年から裁判所通いなんだぞ」

「大変ですねぇ」

「旧軍の佐官だってだけで、訴えられたんだぞ?いったいどうなってやがるんだよ」

黒江は声も丁寧に変えるが、口調はそのままなので、綾波レイの外見ながら、『らんま2/1』の女らんまを連想させる口の荒さである。のび太と調はそのシュールな構図に苦笑している。黒江は姿を変えていても、生活態度はちゃらんぽらんなところがあり、プラグスーツのままで寝そべって、コードレスの受話器を持って話している。

「お前、声を変えて喋ってんのに、よく分かったなー」

「声に小宇宙感じますし、イントネーションとかで分かりますって」


「後輩連中に手本見せないといけないんで、大変なんですよ」

「お前、高校はもう出たろ?」

「後輩連中が頼ってくるんですよ。あたしで持ってたみたいな部でしたし」

「ブツは送っとく。つか、紀伊型でいいのか?」

「紀伊と信濃で組む予定なんですよ。こっちじゃ紀伊型は未成艦なんで」

「分かった。できたら写真送ってくれ。広報部がプロパガンダ用に欲しがってるんだ」

「へ?どうしてです?」

「最近は大和の系譜ばかりだから、こっちの海軍少年連中から不満の手紙が来てるんだよ」

扶桑では長門型の血統が海軍に憧れる少年に人気者であるので、露出が減った事に不満の手紙が広報部に来るらしい事を告げる黒江。しかし、日本では逆に大和の姉妹達が国民的人気者であるという逆転現象が起こっている。これは長門型が日本にとっては戦前の旗艦に過ぎず、大和は悲劇のヒーローのようなものである一方で、扶桑の少年たちには『陸奥、長門の四〇センチ砲が太平洋を睨んでいればリベリオンは攻めてこない』とする親世代の教えや、いろはかるたのおかげで長門型世代の軍艦が人気者である。長門型などの露出が減った事に不満を持つ少年層が多いのだ。実際の事情としては、長門型の改良型に属したはずの紀伊がリベリオンの新型艦に圧倒され、轟沈した事に恐慌状態に陥った大人達が建艦運動を起こしたので、世代交代が急速に進展したこと、長門は日本で記念艦となり、陸奥はM動乱でスクラップとなったからでもある。加賀と土佐は大和型の増勢で復帰の是非に結論が出なかった事、紀伊型の残存艦は航空戦艦化が内定したため、露出は控えられた。それが扶桑の海軍少年の不満になっていた。そのため、広報部は室蘭で修理中であると欺瞞情報を流していた。実際は室蘭ではなく、大神で大規模修理中であり、オーバーホールを兼ねての機関換装、装甲の強化などの大規模近代化が施されていたのだ。しかし、それを明かすわけにも行かないため、国民をごまかすための写真が必要なのだ。写真が。

「それと、加賀型を使おうにも、土佐の機関の総取っ替えがあってな。機密事項だから、写真取るわけにもいかないんだと。ラ級の予行練習代わりに南洋に運び込んでる。一応、偽装に近江を室蘭に、大神に加賀を置いてるが、評議会にバレるとまずいんだ。お前、プラモでドック入りしてる88艦隊世代の戦艦の写真をでっち上げてくんねーか?広報部が謝礼品出すって」

「謝礼品?」

「艦政本部に言って、謝礼金も出させるよ。いくらくらい?」

「エッチングパーツ、高いですから、二桁万相当の金額は」

「分かった。艦政本部に金をお前の口座に踏み込ませる。謝礼品も送らせる。ケイをチェックのために行かせるから、よろしくな」

「制作四週間、ドックの写真と模型の写真を同じ日に取るから飛行許可貰ってくれたら、午前中に撮影すればデジタル合成でその日の内に出来るかな?」

「わかった。国防省と国土交通省に根回ししておく」

「あれ、そっちじゃ運輸省じゃ?」

「日本の国土交通省と合併したんだ」

「分かりました。今後の連絡はケイさんに?」

「あいつも忙しいから、連絡つかなかったら調に仲介を頼め。あいつ、最近はリベリオン軍の諜報部でも仕事あるからよ」

「了解です。それじゃ。あ、ヴィヴィオが調ちゃんに宜しくと。あ、扶桑の事でリベリオンに関わってる人間通すとか良いんですか?」

「ケイの奴、パットンの親父買収して、軍籍作ったんだよ。シャアがクワトロ・バジーナ名乗るみたいなもんか?」

「非合法的ですね」

「シャアがしてたことだし、ガリアも大手を振ってやってたからなぁ。それと、今回は自由リベリオンもドックの関連で噛んでる話だから。調には伝えとくよ。あ。お前、確か映画撮影も控えてただろ。大丈夫か?」

「映画撮影までは二ヶ月あるんで、今からかかれば大丈夫です」

「お前、今の性格でガキの頃のキャラ演じられんの?」

「やってる内に思い出しますよ。タイムふろしきで本当に戻しますから」

映画撮影は実際には本数が増えたため、予定が延び、ダイ・アナザー・デイとデザリアム戦役は大人の姿のままで参戦するなのはとフェイトだが、太平洋戦争中に撮影がバッティングしたため、そのまま9歳時の外見のままで参戦する。青年時より子供時代のほうが自衛隊の『紳士』たちを興奮させたので、なのはは地味にショックだったという。

「んじゃなー」

電話を終え、受話器を置くとため息の黒江。

「あいつら、今の性格で大丈夫かな?」

「フェイトちゃんはともかく、今のなのはちゃんはちゃらんぽらんですからねー」

のび太もこれだ。なのはは黒江達と関わることでかなりぶっきらぼうで、風来坊的な性格になっており、子供時代の天真爛漫な性格とはかけ離れている。黒江は自分のような演技の才能があるわけではないなのはを心配する。フェイトは聖闘士になってからはストイックであるので、その気になれば、子供時代の儚げなキャラをいつでも演じられるが、なのはは成長で色々とかけ離れた自覚がある分、苦労が多いだろうと予測する。

「あいつはガキの頃、リリカルマジカルって言ってたろ?それが心配なんだよ。子持ちであれ言うの、地味に勇気いるぞー」

「あー、あれ」

「なのはさん、大人になって、後悔したとか言ってました」

「だろうなー。フェイトはフェイトで、天羽々斬を組み込んだろ?あいつには言ってないんだよ、コピーした事」

「えー!?」

調が驚く。天羽々斬をコピーして、フェイトに渡していた事を風鳴翼に言っていないのだ。

「いやさ、切歌の奴の事があるから、マリアには伝えたんだが、翼には言えなくて」

「どーすんですかー!そのうちバレますよ」

「バルディッシュ・アサルトのモードにしておこう。角立たないだろうし…」

後の作戦中、フェイトが使うことでなし崩し的にバレたが、翼はマリアから事情を聞いていたのか、『知ってました。 …というか、何となくそうだろうと、黒江女史のそれとか察してくれと言ってる様なものです』と察していた事を告白する。切歌が精神バランスを崩し、響がその場の感情と勢いで黒江に演技を強要していた時期に黒江なりの事情を察していたのだ。

「翼に言おうかな?ウチのガキの名前をつける時にあいつから名前を頂いたの」

「ああ、翼ちゃんのことですか」

「あいつも呼ぶ予定だから、その時にでも言おうかな?」

黒江は自分の後継となる大姪に名をつける際に、風鳴翼の事を思い出し、その流れで翼と名付けた。これは圭子や智子も似たようなものだ。なんとも言えないが、子の名付け方はそういうものである。調はその黒江翼には姉のように慕われているため、そのあたりは面白い人間関係と言えよう。

「人間関係、ややこしくなりますよ?あの子は師匠の実の子や孫じゃないし」

「血は繋がってるし、一応、その代の末子って共通点はあるけどな」

黒江の二代後の世代の末子であり、黒江家の継承者が黒江翼だ。智子の後継と言える麗子が聖闘士の立場を継がないのに対し、黒江が本来持っていた生真面目さが遺伝したか、素直に後継者になった。穴拭家の次代の聖闘士は麗子の子になるため、そのあたりは麗子が智子と違い、気質が文系で、体育会系ではないからだろう。そのため、二代目レイブンズでは、翼が主な打撃力を担うとされるが、麗子も正式な聖闘士にはならなかったが、闘技自体は地味に継承していたため、自身の子に聖闘士の立場は継がせるとは言っている。これは智子には黙っていたことらしく、正式に聖闘士になれば、すぐに黄金聖闘士に任ぜられたと翼が言うほどの才覚であった。智子の継承者なだけあり、水瓶座のあらかたの闘技は使用可能で、なおかつ地味にセブンセンシズに到達しており、レイブンズの継承者らしい一面を持つ。一説には、麗子は自分が長ずる時代には、氷河が叙任される事を知っていたために、聖闘士にならなかったともされるが、義母以上の才覚は持っていたのだ。その才能をシオンに見込まれ、正式な聖闘士ではないが、黄金聖闘士叙任の可能性がある者としてスカウトされたという。また、智子は水瓶座ながら、凍気の扱いは苦手で、炎の方が得意という異例の聖闘士で、オーロラエクスキューションの応用『ブレイズ・エクスキューション』を編み出す。オーロラエクスキューションの原理を利用し、超高温の炎を撃ち出す技で、そちらのほうがメインになる。烈将フォボスを動かしていた影響もあり、正拳突きが得意とされる異例づくしの聖闘士として名を馳せたという。







――扶桑皇国は日本連邦に編入されても、概ね、それまでの社会制度が維持された。これはオラーシャ革命でウィッチ世界の国際的枠組みを瓦解させかけた事が日本の野党に『扶桑に戦後の制度への本格的移行』を迫らせる大義名分を失わせ、ノーブルウィッチーズを瓦解させた『ノブレス・オブリージュ』の否定も現地社会の混乱を指摘され、自然に収まった。『血で縛られた〜』の文が否定されたものの、高い地位にある者は義務を伴う。それは扶桑華族の嫡子は男女問わず、軍人として一度は国家に奉仕するのが暗黙のルールになっていることでも証明されている。皇族軍人については『皇族軍人が「皇族」として動くのか「軍人」なのか?という問題が有るが、皇族としての地位で動くことが優先され、軍は皇室の指揮下に有るという統制が守られていたし、当時は国家緊急権を発動せざるを得ない状況だった』というのが、扶桑全軍の認識であるが、日本の左派はこれぞ関東軍だ!と騒ぎ立てた。扶桑軍は説明に苦慮した。日本の政治家は有事の何たるかを知らず、国家緊急権の必要性すら否定しだす。2010年代に入るまで、この国家緊急権の是非や陸軍幼年学校生の軍入隊資格の是非などで革新政権が内部分裂を起こし、結論を出せなかった。結局、純粋培養の軍人が軍国主義者と嫌われていたため、工科学校で再教育をしてから統合士官学校に入れるということで、日本が保守政権に戻った後に合意される。これは前史で幼年学校生を放逐したら社会問題になった事がレイブンズから伝えられたので、工科学校に改変後に再教育して士官学校で更に教育するという事にしたのだ。当然、前線では、『ウィッチの若手が補充しにくくなる』と苦情が生じ、任官時には盛りが終わってしまう18歳を迎えると、ウィッチ閥が苦情を入れたのだ。その前例がクロウズの坂本美緒という大物であった事(坂本は前史では18歳を超えたあたりで事変時に酷使した悪影響が生じ、魔力が衰え始めたため、今回もそう装った)、黒江を連邦軍が救助したことでR化が発見され、それがエース級の大半が上がりを迎えつつあった扶桑で特に推進されていたが、それを信用しない層が当時の主力世代に多かった事、当時はレイブンズの伝説の効力が薄れていた事がウィッチ閥の暴発を招いた。未来世界の「少年兵、子供兵はアカン!」という現役ウィッチの下半分使えなくする提案は死活問題と捉えるウィッチが多かったのだ。記録によれば、レイブンズの現役時代を知らぬ世代には特に多く、レイブンズを見ていた古参世代はむしろ事変での奇跡を見たためにポジティブであった。レイブンズの復帰はウィッチ閥にとっては、現役を舐めている!と見ていたために迷惑そのものであるが、上層部としては最良の手であった――





前線から離れた地にいる現役世代ウィッチは自分たちの新兵時代に最古参が言っていた『奇跡』を目の当たりにする事になったため、自尊心を傷つけられたと感じるものが多かった。これは黒江がエクスカリバーを形成込みで披露しまくっている事も関係していた。エクスカリバーのことは当事者以外には知られていなかったからだ。これは情報を秘匿した事変経験者の誤算でもあった。

『束ねるは星の息吹、輝ける命の奔流!…喰らいやがれ!約束された勝利の剣(エクスカリバー)――!!』

黒江はエヌマ・エリシュを封印していたので、約束された勝利の剣を普段遣いにしている。事変の際に初使用した際はリベリオン報道班が撮影していた映像が『ウィッチの心が折れるからAAA指定!』と本国でされるほどのインパクトだった。扶桑でも特秘指定され、江藤が現場責任者として箝口令を引いたが、後で鬼の首を取ったようにマスメディアに批判された際には、自分なりに反論している。江藤はこの事が堪えたのか、かなり尾を引いており、覚醒直後に拗ねたのである。まさか後年にレイブンズが現役復帰するとは夢にも思わなかったのだから。エクスカリバーのオリジンを持つアルトリアも黒江が撃てる事は黒田から聞いており、かなり驚いたとは黒田の談。また、時系列的に、どうしてもウィッチにとってのエクスカリバーのオリジンは黒江になるため、かなり悔しがったらしく、それがカリバーンの披露に繋がったとのこと。アルトリアは表向き、ハインリーケと同一人物とされているので、現役世代と見なされたが、黒江は当時、絶頂の頃を知る者が少数であったので、絶頂の頃と変わりないエクスカリバーを撃てるのは、ウィッチ閥の認識を木っ端微塵に打ち砕いた。更に驚くべき事に、黒江はGとして完全覚醒後はエクスカリバーに雷属性を加えて威力を強化する事が可能であり、それをモードレッドに使用し、モードレッドを拗ねさせていたりする。




「あーや、エクスカリバーを撃ちまくってるからか、若い連中がぶーたれてる」

「今の子供らはあの方の伝説を知らんからな。モードレッドはどうだ」

「かなり拗ねてた。本気じゃないのがプライド傷ついたみたいだよ」

「英霊のくせに、妙に子供っぽいな。モードレッド卿は」

ハルトマンは黒江とはかなり親しいので、あーやと呼ぶ事がある。ミーナは覚醒してからはまほ寄りの人格になったらしく、中性的な口調である。前世で被っていたように、クラッシュハットを被っているのがその証拠であった。

「エーリカ、なんだその写真は」

「あーやの変身姿の写真。綾波レイの姿でだらけてるのだから、自衛隊連中に高く売れんだよなー」

「小遣い稼ぎか?」

「自衛隊連中にも癒やしは必要だろー。あーや、自衛隊内で人気者だから、こういうの売れんだよ」

黒江は変身していても、だらける時にはだらけるので、綾波レイのプラグスーツ姿でおもいっきりだらける姿を写した写真は、黒江公認で、かなり自衛官の間で高値で取引されている。黒江の防大同期の派遣部隊の陸自大隊長は『黒じゃなくて、白なのが分かってるんだ、あいつ』と評している。これは劇場版新シリーズに登場した『アヤナミレイ』ではなく、お馴染みの『綾波レイ』をチョイスした事を指しており、設定上、派生作品でなければ見せないコミカルさを醸し出した写真は大人気であり、ハルトマンの小遣い稼ぎであった。特に、2006年までの毎度おなじみの野比家で撮影されたモノはわざとレア物にしてあり、そこもハルトマンの戦略であった。それ以外には、箒のアガートラーム姿などが人気の一枚らしく、ハルトマンはこうした小遣い稼ぎを行うことが最近の日課である。

「お前、小遣い稼ぎもいいが、敵機を落とせ」

「もう40は落としてるよ〜。最近はドイツの連中がうるさいから、気晴らししないと戦えないって」

「私は陸で戦果挙げたら、第一降下装甲師団がスカウトしてきたんだが」

「しゃーない。ミーナの才能は傑出してるしね」

「うーむ。研修に行くが、あの野郎の手を離れたら、だ。しかし…『あの方』は遊び心旺盛だな。最近は調の容姿だろう?」

「一番使い慣れてるからね。元の容姿だと逆にめんどいことになるから、調の姿で戦うこと増えたそうだよ」

「しかし、この写真はいつに撮った」

「ケイさんが2006年から撮りためてたネガから起こしたんだ。あーや、意外にアニメキャラに扮するの趣味でね。コ○ケのサークル参加の時に使ってるんだ」

空中元素固定ができるGウィッチ達は、能力を趣味や小遣い稼ぎに使用する事が多く、中でも黒江は基地祭で早着替えと称して見せている。ハルトマンと結託して、小遣い稼ぎに精を出してもいて、圭子を巻き込んで、裏ブロマイドを作っている。黒江の防大同期は2010年代後半には高級幹部になっているので、同窓会での持ちネタにもしていて、ダイ・アナザー・デイにも悪友が大隊長級(空自の参謀や海自艦長)として参加しているケースが意外に多く、あきづき型の艦長の一人は黒江の悪友で、ブロマイドの購入者である。(子持ちで、妻が黒江のファン)彼が購入したのは、綾波レイの容姿でプラグスーツ姿の黒江が寝っ転がりながら漫画(2000年代当時の週刊少年ジャ○プ)を読む一枚であったとか。黒江はキャラの既成イメージを崩すような行動をする事を、調に成り代わっていた時期から好む。これは調ではないことをわからすためにしていたことが癖になり、やがてポジティブに捉えるようになった事の名残りでもある。これはたとえ、綾波レイの容姿を使っていても変わらず、プラグスーツ姿でだらける姿を撮らせている。初期の2006年次は野比家が立ち退く時期なので、そもそもの撮影枚数が少ないので、特にレアだ。黒江はバイク乗りでもあるために、プラグスーツの環境補正機能を好んだ。アニメキャラのコスプレが大衆化する時代になると、そのまま外で買い物することもするようになった。また、素材を変え、色を変えるとライディングジャケットで通ずるため、それで横田基地に通勤するようにもなり、それがのび太世界でアニメスタッフが『アヤナミレイ』を生み出すヒントになったのである。また、シンフォギアの分野でも、黒江が容姿を使った影響で、調のキャラが元々の当人とはかけ離れた好戦的に描かれるなどの影響も生じた。黒江はこうした仮の姿のレパートリーが多い事から『自衛隊のキューティーハニー』と人気者である。統括官に出世すると、勲功華族になったことで自衛隊で持て余され気味になるので、自由時間が思いっきり確保できるようになったともいう。扶桑で少将昇進の話があったのは、自衛隊で空将に任ぜられたためであるが、国内の反対論に配慮しつつ、天皇陛下の面目のために准将をわざわざ創設したのは、自衛隊で最高位に登りつめた人間を佐官のままにはしておけなくなったからだ。本国で『中将勤務准将』、自衛隊で空将というのが、ダイ・アナザー・デイの戦が激しくなってからの黒江の待遇で、これを『エクスへの依怙贔屓』と捉える海軍中堅ウィッチがクーデターの準備を始める。これは艦娘たちに始めから見抜かれており、小沢は極秘に山口への連合艦隊司令長官の責の引き継ぎ準備を始めていたし、山本五十六も後任の人選を始めている。また、Rウィッチが再訓練の必要もあり、集中配置だった事から、存在を公表されても『実態を知らず単なるエクスウィッチの事務方復帰程度に思われていた』故にクーデターを誘発させたという意見もあるため、その更に上位存在のGウィッチは固定された集中配置が望ましいとされ、そのGが当時の名うて達に集中していた事も手伝い、『64F』として日の目を見る。Rより戦闘力が高次元かつド派手である事、レイブンズを含めた英雄達がその力を持つため、連合軍はこの時期からプロパガンダを開始する。扶桑はレイブンズの功績でウィッチ部隊が地位を得たのにも関わず、海軍がいつしか、ローカルルールを作っていた事が全ての不幸の要因と言える。だが、これがウィッチという職業を日本やドイツなどに認知させることにもなり、Gウィッチ達はこの時代から軍部の期待と威信を背負う事となる。ハルトマンはそれを悟っているために、小遣い稼ぎをして気を紛らしているのだ。この頃からハルトマンは『黒い悪魔』の渾名を自分から名乗り始め、マルセイユもアフリカの星の渾名を割り切って宣伝している。

「若い連中にはこれからの血で血を洗う戦場は荷が重い。あたしらGがやらなかったら誰がするか、ってね」

「鋼鉄ジーグみたいな事言うな」

「全滅だ―!ってか?ジーグさんいるから、いいじゃん〜」

ハルトマンは冗談めかしつつも、こうしたメンタル面は鋼鉄ジーグ並に強い。刀を挿しているのが他世界との違いであり、剣技も天才的であるため、他世界との差が激しい。ココアシガレットを斎藤一のタバコのように咥え、『阿呆が』と呆れる時などに口走るのもあり、ハルトマンの現実主義者かつ、戦闘的な一面が表に表れた証とも言え、覚醒したミーナといいコンビであったという。また、黒江の斬艦刀も難なく扱えるため、斬艦刀を継承。三代目斬艦刀使いを後に名乗るようにもなったとか。(この時期に501へ着任した戦友のヨハンナ・ウィーゼはエーリカの戦闘的な変貌に腰をぬかし、トドメのロスマンのスケバン化でカルチャーショックのあまり知恵熱を出したとか)



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