外伝その217『勇壮4』


――智子は芳佳から数えて数世代ほど前の扶桑ウィッチのシンボルであった。A世界では世代交代が理不尽になされた事への反発もあり、また、B世界の自分自身とは声色が違うらしいことが智子自身により語られた。智子はA世界では、黒江とのバランス取りの関係か、艦娘吹雪に近い声色であった。A世界では黒江が三羽烏(レイブンズ)のメンバーであるため、声色を調整したとは当人の談。ともかくも、智子はB世界では『昔に活躍したOG』でしかないが、A世界では『絶対無敵』の現役撃墜王として、名を馳せ続けている。A世界では前史にて、心のどこかで望んだ『絶対的存在として、皆に忘れ去られない』事を実現させた。これが智子が前史で抱いた哀しみと落胆であったので、今回は記憶の復活後は広報に冷たいと通っている。最も、今回の秘匿の元凶はマンネルヘイムを抱き込んだモントゴメリーであり、モンティは圭子に殴り込まれ、『だって、メガネから絶対漏れると思ったもん!』と子どもじみた釈明をし、圭子に物凄い剣幕でどやされている。その時に圭子は普段の温厚なキャラをかなぐり捨て、粗野なキャラで脅しており、『情報統制の弊害考えなかったのか、このクソ紅茶野郎?あぁん?』とソードカトラスを眉間に突きつけている。また、タバコ(実際には薬)とタトゥーのアクセントもあり、モンティは『殺されると思った』と滅茶苦茶怯えている。圭子が上層部相手にも粗野な性格を隠さなくなったのはその出来事からで、かつての戦闘記録と、その粗野さをモントゴメリーは『血塗れの処刑人』と称した。圭子は粗野さを敢えて表に出すことで、黒江と智子の復帰に必要な土壌作りをした。つまりレイブンズの存在を再認識させるには、圭子の豹変は必要な儀式だったのだ――



――1945年 真501が結成されて間もなく、査察が入るあたり――

「ミーナ、だからあれほど私の言うことを聞けといったろう!」

坂本が珍しく声を荒げる。当時のミーナは未覚醒であり、この査察にまったく対応できないというミスを露呈した。その稚拙さに坂本が怒ったのだ。当時、既にレイブンズの冷遇が問題視され、三将軍のみならず、アイゼンハワー自ら査察に入ることが通達され、坂本は焦っていた。上層部としては『かつての評判は欧州では生きている』前提で特に説明しなかったら、この有様だったからだ。

「まさか、あの三人が現物(本人)だなんて思わないわよ!!」

ミーナは前史でもそうだが、ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケとしては一線を超えてしまった場合はヒステリックになるところがあり、坂本達古参メンバーでさえもその扱いに難儀していた。

「なんだその言い草は!!もういっぺん言ってみろ!」

坂本も流石に現物と言われたことにはカチンと来たらしく、怒鳴り合いに発展する。その声は当時、既に覚醒した芳佳、菅野、孝美の三人をして『不毛な言い争い』と言わしめた。

「なんか不毛ね、直枝…」

「あー、もう。あの人、なんで前歴しらべねーの?坂本さんがキレるって相当だぞ」

「隊長、世代的にレイブンズの現役時代知らないし、そこはねぇ」

当時、規模の拡大による人数の拡大はミーナに多大な負担を強いた。ミーナがレイブンズを査察官と早合点したことで冷遇していた自業自得もあるが、能力キャパシティを超えつつあり、レイブンズの前歴をまったく調べないという凡ミスを犯し、坂本を怒らせた。そして、坂本がこの日、レイブンズの前歴を伝えた途端にそれまで抑え込んでいたものが爆発。坂本に当たり散らすという行為に及んでしまった。怒鳴り合いはドア越しに聞こえるレベルであり、菅野と孝美は呆れ、芳佳はため息である。

「坂本さん、黒江さんの事を気にしてるからなぁ。殴らないか心配だぜ」

「そうなったら止めましょう。まぁ、これで覚醒めてくれればいいのだけど」

孝美もこのコメントだった。覚醒する直前、ミーナは精神的に不安定であり、味方と思っていた坂本がレイブンズの肩を持つ事が感情的に受け入れられず、普段の冷静沈着さはどこへやらの怒鳴り合いをするに至ってしまった。別世界では昼行灯であったりするミーナだが、この世界においては坂本に恋心を目に見えて抱いていた。(あくまで覚醒前だが)覚醒後は西住まほ化し、それはそれで評価を持ち直すが、完全にミーナであった頃の整備員の冷遇も失策であり、二度目の査察はその不満が若手整備員を中心に『横暴だ』と暴発したのが理由で起こるため、覚醒後に『前の私は大馬鹿者だ』と嘆いている。

「あ、ハルトマンだ」

「止めてくる。重要な時期にもめ合う場合じゃないってのに」

「お、おい、牙突で止める気か」

「組手甲冑術で止めるさ」

甲冑術。黒江とハルトマン、智子、芳佳の四名が心得を持つ武術であり、かの島津義久や義弘も得意としたとされる。後に圭子も習得するこの武術、また、それをより先鋭的に行ったのが島津豊久であり、戦死した際、これと剣術で井伊直政に重傷を負わしている。井伊直政はこの時の負傷が治癒せず、後に死亡しているため、黒江とハルトマン、智子、芳佳は島津豊久を思わせる狂奔の素質を転生で得たと言えよう。また、ハルトマンは転生後、ミーナのストップ役を自認しており、部屋のドアを開けた途端に甲冑術をかけ、ミーナを取り抑えた。

「ストーップ。そこまでだよ、お二方」

「フラウ、離して!」

「ワルサー持ち出して、余計に大事にする気?今ならおふざけで済むから、早く銃を捨てな」

ハルトマンは狂奔の素養を持つ事がここで周知され、その狂気とも取れる目にミーナは恐怖した。いつの間にかワルサーは没収され、ハルトマンの片腕が首にかけられている。

「整備の連中の不満が上奏されたよ、少佐。査察は一回じゃ済まなくなるね」

「言わんこっちゃない……。どうする?」

「どうするったって、始末書で済まないね、こりゃ。階級降格ありえるなぁ」

「ケイに口添え頼んでみるしかないな。日本のブンヤ連中の格好の目標にされかねんからな」

「やってみて。大尉で済めば御の字だ」

「ノイマン大佐は三階級降格が現実味帯びていたしな」

ハルトマンはノイマンの一件から、懲罰的降格に敏感になっていた。マルセイユがノイマンを救おうと奔走したが、一階級降格と左遷は免れなかった事を見てきたからだ。この時期、ウィッチ社会が揺らいだ理由に『ウィッチが存在しなかった世界の横槍一つで高い地位のウィッチでも厳罰が情け容赦なくくだされる事への萎縮』が含まれており、46年の扶桑のクーデターの一因もそれである。しかし、21世紀にとっては当然のことであるため、その考えの相違が武子の努力を水泡に帰すことになり、武子は大いに落胆する。また、二度の査察は源田の構想を頓挫させた原因でもあるため、ミーナは意外に処方面に迷惑をかけた事になる。なお、源田は本来、隊のGウィッチ含めたエースの割合を隊の中枢を担う幹部級に限定し、当時の陸海軍航空部隊の編成基準を踏襲した編成にしようとしたら、日本側に『足手まといの若手を入れれば張子の虎になる』と反対された。源田も流石に日本側での実例、44戦闘団の例を持ち出されては反論できず、結局、『エースによるエースのためのエース集団』を半ば強引に薦められ、採用となった。ウィッチに世代間の対立が強くあると見なされた事もあり、古参、Rウィッチ、Gウィッチの8割は64に集められる事になった。実際に黒江や智子の冷遇があったため、若手を入れることが縁故以外には難しくなったため、源田はひかりや芳佳、静夏などの前途有望な若手を縁故で引きずり込むしか方法がなかった。Gは性格が尖った者のほぼ全員であり、他部隊では扱えないと見なされたため、その預かり所の面があり、当時確認されていた者はほぼ全員が64Fの隊員で、しかも新選組にいる。その代りに一騎当千の強者であり、若松と赤松で『まともな部類』であるので、その尖りぶりは後世でも語り草である。

「ああ、これで親父さんの構想通んなくなるよ」

「仕方あるまい。過去、扶桑では、前線帰りの黒江一人を扱えずに問題になったからな。これで私達は武子さんのもとで同じ釜の飯を食うことになる」

「なんかの合宿所みたいだなぁ」

「お前だって、カールスラントの部隊で持て余される。お前の同位体は半分、経歴で持て余されてたしな」

「エースは辛いよ」

「特に撃墜数が並外れてると、平時には持て余されるのさ。黒江も戦間期にそういう理由で理不尽にいじめられて、半分鬱ってたって、黒田がぶーたれてるからな。だから、我々転生者は連合軍全体で持て余されるよ」

「お武さんには苦労かけそうだなぁ、しばらくは」

「宮藤、どうする?ミーナは落としたけど、二度の査察は確実、下手すると大尉降格もあり得る」

「ケイさんに口添えを頼んでみます。ロンメルとパットンの親父なら、ブロマイド一枚で転ぶし」

「アイクは?」

「ミーナ隊長が今後覚醒めて、汚名返上すれば、救済措置は取るでしょう。ただ、どういう形になるかは読めませんね」

この後、坂本から頼まれたケイが予め、ロンメルとパットンをブロマイドで買収しておき、二度目の査察までに、若手整備員に隊の回覧板と手紙制度周知の徹底、必要上、ウィッチとの接触禁止を『緩和する』ことで大事になるのを防ぐ。また黒江たちがエクスカリバーと乖離剣エア、二丁拳銃、変身を見せたことで、隊の隊員の掌握に成功する。特に黒江のエクスカリバーや智子の変身は秘匿されていた後でのお墨付きご披露であった。この時に智子のバディになりそうなのがいないのも問題になり、当時に半引退状態のビューリングが呼び出され、ハルカがサイレントウィッチーズ初代戦闘隊長の特権で強引に混ざったのが真相だが、政治的にはマンネルヘイムがピンチになったため、ハッセ含めた新生サイレントウィッチーズの全員の派遣が不可能であるため、前身時代から在籍したハルカを現サイレントウィッチーズ代表に仕立て上げたという、スオムスの事情が絡んでいる。本当はハッセが『智子大尉の冷遇はうちの国の責任だから、後任の私が行きます』と具申していたが、ハッセは精神的支柱であり、マンネルヘイムがダメ出しし、ハッセが進退伺いを突きつけるほどの大事にスオムスでなったので、厄介払いにハルカが送り込まれた。戦闘隊長ながら、隊では性癖のせいで評判が悪く、そこも厄介払いされた原因だ。そのため、士官教育完了後でありながら、再び智子の配下になった。そこでハルカは黒江と圭子の調教の果てのG化が『軍曹』であった事の幸運が発生、一応の慎みは覚えたため、智子を安堵させた。その人事は若手に入る諏訪天姫や中島錦は凄く『居づらい』と感じさせる事となる。


「宮藤さん、あの、なんか凄く居づらいんですが」

「あー、それは我慢しなって。古参連中の溜まり場になってるから、居づらいと思うよー?天姫ちゃんは。実績もないし」

「うぅ、私、テストウィッチなんですよぉ」

「黒江さんの隊の四番機に選ばれただけでも光栄に思いなって。テストウィッチの期間長かったけど、おねーさんのことは知ってるしね、あの人」

「あの、入隊年度、私が先なんだけどなぁ…」

ちょっと涙目の諏訪天姫。天姫は引っ込み思案な性格と童顔もあり、実年齢より下に見られる事が多い。そのため、年下の芳佳にタメ口を聞かれるのはショックなようだ。しかし、実際に階級は芳佳が上だし、戦線での実績がある。(当時、芳佳は既に中尉、天姫は少尉)

「くっそ、今度は勝ってやるー!キャラも機体も被ってるんだよー!」

「若いっていいねぇ、錦ちゃーん?」

「なんだよ、宮藤。古狸みたいな事言いやがって」

「いや、あたし、転生者だし、そこはね。錦ちゃん、そもそも44は黒江さんと智子さんが仕上げたんだよ?」

「それは二型までだろー!」

中島錦は模擬戦で黒江と智子のバディにコテンパンにされたらしく、不満気であった。

「だって、44のフレーム変えたわけじゃないし、エンジン変えてスペックを上げただけじゃん?初期型のテスパイの二人からすりゃ、そりゃ簡単に動きは見えるよ」

「三型は二型までとは次元がちがうんだぞー!」

「それは速度性能でしょ。上昇力は重量が上がると変わんない事もあるし、早くなっただけじゃ、あのお二方には通じないって」

錦はズームダイブの使い手であるので、かつては巴戦で鳴らしていた智子よりは、その先達の黒江に対抗心を持っている。だが、双方でレイブンズとして鳴らす黒江からすれば、『粋がるガキ』でしかなく、斬艦刀を使うこともエクスカリバーも使わずに勝っている。また、錦は実績そのものはあるが、機体性能と火器の火力(40ミリ砲)に依存しているフシがあり、その不安もあり、腹心かつ弟子である調を呼び寄せたのであった。(錦は欧州で経験を積んだが、キ44-Vのテスパイ担当になってからはその性能に依存している節がある。元々、調は予備要員として呼ぶつもりではあったが。黒江が錦の技能ではなく、機体への依存を不安視したのは確実である)また、実のところ、キ44-Vの量産が頓挫した真の理由はリベリオンのR-4360を搭載していた事によるエンジン調達の不可能化によるものだ。キ44のフレームではエンジンのフルポテンシャルは引き出せず、さらに『どうしてそれを積んだ』という疑問が耐えなかったのも事実だ。エンジンのポテンシャルは当代最高級だが、設計が古いキ44のパワーアップには大仰かつ、機体への負担を考えていない。

「実機、ストライカーの両方でやってみようか?」

「待て、実機があんの!?」

「黒江さんが取り寄せた正規仕様だけどね」

「つか、なんで飛行機操縦できんだよぉ!?あの姉御の代はいざ知らず、お前やオレの代、そういう教育は省かれたはずだぜ!?」

「黒江さんから教わったのさ」

「つか、それみよがしに飛行用のゴーグル出すんじゃねー!くっそぉぉ…ストライカーで勝負だぁ!」

錦はムキになっていたが、芳佳はG化を起こしてからはパイロットの技能も得ている。ゴーグルはシャーリーのつてで手に入れており、芳佳はどちらでも戦えるし、陸戦にも対応可能と、万能である。転生で得た狡猾さと、子供を二人持つ事による胆力。それが現在の芳佳の強みであった
。特に胆力は特筆に値するモノで、智子に信を置かれるレベルである。ただし、智子の容姿が西住しほに似ていると指摘し、智子を大いに憤慨させてもいるが。(智子は肉体年齢で16前後、しほは目測で30代後半なので、智子としては我慢できない)肝心の空戦は黒江に設定を頼み、行ったところ、芳佳が錦を全てで圧倒した。転生者は伊達ではないのだ。

「あのね、火力だけじゃ無いのよ、空戦は相手がどう動くかをどう動かすかを考えて攻撃や回避を組み立てなきゃダメだよぉ」

怪異は獣に近いため、ウィッチはこうした戦術眼が育つことはまずなかった。黒江や智子の代は怪異との交戦がそもそも想定されてはいても、誰もその事を知らない手探り状態であった記憶があるので、今の事態に対応できた。だが、怪異との交戦が前提として育った世代は戦闘機を見下す傾向があり、そこもダイ・アナザー・デイ開始後に多くがP-47にあっさり狩られ、日本連邦/ドイツ領邦連邦でウィッチの軍事的価値の是非が議論され、日本連邦では不満を溜め込んだ中堅層がクーデターを起こすに至る原因となる。結果、中堅層がほとんど排除された海軍航空隊は事実上の形骸化が訪れ、太平洋戦争では殆ど空軍の派遣先という扱いに甘んじ、完全な再編は戦争末期にずれ込む。これが後年に陸軍出身の反G派『三輪防人』(みわもりひと)の台頭を後押しし、彼のシンパ化した海軍航空の参謀がまたも粛清人事で排除され、結局、ウィッチの主力世代が入れ替わり始めるベトナム戦争に至るまで海軍航空隊は苦難の道を辿るのだ。

「あ、撃墜王文化に肯定的にしてないと、海軍みたいに政治的に息苦しくなるからね?」

「大丈夫だよ。オレは陸軍だから、そういう文化に慣れてる。問題になってんの海軍さんだろ」

「海軍は息苦しいから、今度できる空軍に移籍したいんだけど、坂本さんが留学させるからってんで、慰留してるんだよ。まぁ、留学できればいいしね、あたしは」

「ふーん。大変なんだな、お前」

坂本はこの時期、前史でなし崩し的に移籍した芳佳を海軍に留ませるため、64Fに『同隊に限り、海軍に籍を維持して在籍可能』という規則を設けさせたのだが、結局、ある参謀がトラウマを発症させ、空母天城(初代)を命令書を偽造してまで帰国させてしまい、留学が立ち消えになってしまう。その参謀は激怒した山口多聞の命で即座に軍法会議となり、20年の禁錮刑(後に皇太子成婚の恩赦が下る)の後に軍籍抹消とされたが、芳佳はその報復として、空軍への移籍を海軍軍医学校卒業を待って表明。同調した海軍出身Gウィッチの多くも空軍へ正式に移籍し、規則は事実上の『死に規則』となってしまい、坂本はそのショックで自暴自棄になり、一時は酒浸りになってしまう。留学の代替措置は『海軍軍医学校の筆記試験のみでの合格』、『軍医少佐への早期の昇進』などでなされたが、他国との約束を軍部が結果的に反故にした事へ外務省などに不満があり、結局、文民からの報復が軍事的に致命傷になりかねないはずの海軍航空隊の再建の遅延だったのも皮肉なものだ。このことは極秘事項であるが、戦争後期にマスコミにしょっぴかれたため、誤魔化すために再建作業が嘘のように早くなり、戦争末期には完了する。この一連の出来事は二代目レイブンズが入隊する年代に至るまで『海軍航空隊のコンプレックス』として語り継がれる。しかしながら、他国が第一世代ジェット戦闘機の配備に四苦八苦していた時期に『第4.5世代ジェット戦闘機』が配備済みという圧倒的軍事的優位を指して、『贅沢だ』と他国から後ろ指を指されていたのも事実だ。特に先行してジェット戦闘機を実用化したはずのカールスラントは日本連邦により、自慢の『Me262』の軍事的価値を無に等しいほど下落させられたのは、カールスラントにはショック以外の何物でもない。日本連邦が悠々とF-14やF-15、F-2といった高性能ジェット戦闘機を実用化してゆくというのは未来情報を用いた反則技であったが、日本は『それくらいしないとリベリオンの物量を超えられない』と考えており、当時からすれば解析すら不可能なアビオニクスと製造不能なエンジンの組み合わせで圧倒せんと、ダイ・アナザー・デイ時にはF-14改(単座型)の実用化に目処をつけていた。当時はブリタニアが英国の協力でシービクセン改(リボルバーカノンを二門備えた改良型。アビオニクスが史実と比較にならないモノとされ、小型化されていたことで内部容積に余裕が生じ、ミサイル万能論の矛盾点が明らかになったのと、胴体に懸架するガンポッド式への不安が現場から出されたため、固定武装が搭載された)の配備が大型空母への配備の途上であった段階であり、プロメテウス級に先行試験名目で『F-14改』、『F/A-18E/F』を搭載するのは軍事的優位の誇示だとして反発する声もあったのは事実だ。また、Gウィッチは必然的に同機のパイロットも兼任しているため、芳佳も単座型のライノに乗っている。

「ジェット戦闘機のパイロットも兼任するんだから、大変だよ。錦ちゃん、後で官報見てみ。あたしがジェット戦闘機のパイロットスーツ姿で写ってる写真載ってるから」

「ジェット戦闘機なぁ。桜花や橘花、火龍のチームが血の涙流してるんだぞ?いきなりリヒート搭載済みなんて反則だぞ、反則」

「アフターバーナーって言ったほうがピンとくるから、対外的にはアフターバーナーっていいな」

日本で普及した単語が優先される都合もあり、部外向けにはアフターバーナーが優先され、ブリタニアのロールス・ロイスが使う『リヒート』は部内のみでの使用に留まっている。アフターバーナー(リヒート、オグメンダー)は当時、日本連邦が一番早くウィッチ世界で実用化し、魔導リヒート(アフターバーナー)も吾郎技師の尽力で実用化に目処をつけており、それを以て第二世代宮藤理論の完成とされる。アフターバーナー搭載のターボジェット/ターボファンエンジン搭載でジェット戦闘機の加速力と上昇率問題を解決した日本連邦はカールスラントの有した航空技術のアドバンテージを瞬く間に抜き去り、今や、世界最高峰の航空技術保有国だ。カールスラントが苦労していた空対空ミサイルも日本側からの技術供与で実現させており、カールスラントは戦車技術、航空技術で日本連邦に遅れを取った事になる。(カールスラントはX-4を実用試験段階であったが、日本がいきなりサイドワインダーミサイルなどの後世のミサイルを使うため、陳腐化してしまった。これは扶桑独自の噴龍も含む)


「それと、オグメンダーの方が正式らしいんだけど、一般人に言うと笑われるから、対外的にはアフターバーナーで通せとご達し出てる」

「なんでだよ」

「財務省に予算が削られるからだよ」


錦にそう表現する芳佳。源田の『若手とベテランの切磋琢磨によるボトムアップ』がミーナやサーシャなどの反発による対立を理由に日本連邦評議会でダメ出しされたのも、この時期だ。源田は予算対策と構想頓挫のやけくそも入って、『44戦闘団以上の集団を置いてご覧に入れましょう』と半ギレで評議会にて表明している。その結果がエースが8.5、前途有望の若手が1.5の割合の実際の64である。Gウィッチの身元引受け場の意味合いも含まれたため、割合が当初より大きく増加し、軍に残ったエースの8割は64に配属された。しかしながら、軍事的には中堅や新人を育てなくてはならないのも事実であり、それ以上ひき抜くと他部隊から苦情が出る。

「仕方ないから、『隊員を精鋭に絞るなら新人部隊を作って合同訓練で積極的に指導すれば良い』と財務を説得させて、極天隊置く方向に持っていった。よく予算出たと思うよ」

若手育成部門こそが極天隊で、本来は黒江はそこの指導担当が期待されていたが、黒江はエクスカリバー持ちであるがため、新選組固定になったので、武子や圭子が掛け持つ事となっている。また、前史で孝美が一悶着起こした部隊であるので、今回はひかりは奇兵隊(偵察部隊)に最初から回っている。

「でもさ、よくまぁ、そんな予算出たよな。前線のエースを殆ど集めるって」

「空軍になるから、日本が政治的な要因で決めたんだよな、これ。MATに中堅持っていかれたから、残ってるのは古参か若手だもんなー」

また、副長は当初、海軍戦闘ウィッチ出身の中島正子中佐が内定していたが、同位体の中島正中佐が特攻推進派で傲慢な人物であった事、彼女自身も反レイブンズであったので、内定を辞退した、副長は飛行長兼任の予定の志賀も正式発足前に去ったことで、結局、黒江が中隊長と兼任する事となり、赤松と若松が『最先任大隊長』の職に就いている。そのため、実質、レイブンズと二つの『松』が隊の全てを握る事になった。その中でも、レイブンズに直接仕え、信を置かれた者は実質的に幹部格であると言え、黒田、芳佳は序列上位にいる。また、新人の教官は後に下原が担当する事になり、戦時中までにカールスラント義勇兵も配下に加える。それが奇しくも44戦闘団幹部(ラル、ガランド含め)たちであるので、皮肉交じりに『源田・ガランド曲馬団』と評される。

「まー、ソイツはマスタングと武装は同じだし、割合、組みやすいほうさ。セイバーだったら、どんなレシプロでも圧倒されちゃうしね」

「ジェット戦闘機をもう?」

「リベリオンの生産力なら、一日で500機は作るからね。軽く出してくるだろうさ。上はF-84F サンダーストリークの開発を警戒してる」

当時、F-86は開発資産を持ってきたが、本国にはF-84Fの開発資産は残されていた。そのため、ティターンズは同機の実用化を急がせたが、本国にいる技術陣は良くて二軍であるので、開発が思うようにいかない事に悩んでいる。連合軍の主力を担う日本連邦軍がF-14などを投入するのに拘った理由はそれだ。しかし、第4世代戦闘機は高価であり、消耗戦に繰り出すにはもったいないとする現場の声もあり、旭光と栄光が前倒しで生産されたのだ。しかし、旭光と栄光の投入は元自衛隊経験者の確保が必須である。義勇兵の応募を元自に広めたのは、ジェット戦闘機のパイロットの確保が理由である。自衛隊の新鋭機が規制されている現状では、こうした手段で確保することが当たり前である。また、日本側は自衛隊員と軍人がおおっぴらに飯を食うことも自主規制させようとした者がいるため、ダイ・アナザー・デイでは黒江達すら雑魚寝とその場での飯が当たり前の環境に陥り、それはそれで問題になる本末転倒となる。(問題になったのが、皮肉にも、バダンとの戦闘の間に、ISを展開していた箒、シンフォギアを纏う調や歴代の仮面ライダー達(変身解除後)が敵の攻撃で崩れた建物の瓦礫を使って、簡素な食事で済ますシーンであった)



特に本郷猛や一文字隼人などのヒーロー達が瓦礫を使って粗末な食事で済ますショッキングな一枚は、かつて、少年仮面ライダー隊員であった防衛族議員などが問題提起するほどの問題になった。仮面ライダーの中でも、初期のトリプルライダーは特に活動期間中の戦闘が濃密だった事もあり、往時に少年仮面ライダー隊にいて、成人後に自衛隊員となった者はかなり多い。21世紀では高齢化も進んでいたが、それでも仮面ライダーという英雄は21世紀でも英雄視されていた。圭子が動画サイトにアップした動画には、風見志郎と城茂の、なんとも世知辛い会話がアップされていた。

「ずいぶん固ぇな、クソッ!」

「文句言うな、座って食えるだけマシだ。ウィッチの連中なんか戦闘に向かう途中か帰り道の空で飯だぞ」

「そいつぁ難儀だな」

「自衛隊なんかレトルトの加熱してないの啜ってるとか他の国の軍隊に憐れまれてるしな」

「なんだそれ」

「自衛隊には同情するよ。予算はない、装備更新も滞る、大手を振って飯も食えない」

なんとも世知辛い会話である。ヒーローがそういう世知辛い会話をするのは、自衛隊の現実を示しており、コメントは同情するもので溢れた。

。また、コメントが更に多いのが、なのは(大人。バリアジャケット姿。髪型はポニーテール)、ISを展開している箒、シンフォギアを展開している調の三人美少女(なのはは成人していたが)が握り飯を持ってきたフェイトに群がり、我先に握り飯を奪い合う光景であった。IS、バリアジャケット、シンフォギア姿であったのも、コメントを伸ばす理由であった。なのはは最年長ながら、一番子供っぽい態度で握り飯を取ったので、コメントは子持ちであるのを指摘したりするものが多い。(例として、『なのはさん、子持ちやろwww』など)後でそれらを見て、地味に落ちこんだのか、映画撮影中を理由に、太平洋戦争では9歳時の容姿を通す事になる影響を残す。青年時の姿で子供時代っぽい振る舞いをすると、何かと反響があるなのは。それはなのはの青年時と少女時のキャラに乖離があるとされる表れでもある。。少女時代は『〜なの』が口癖だった事、箒と一緒にいる事もあり、束と絡めてコメントされてしまのもショックで、『あたし、あんな腹黒くなーいのー!!』と自分でコメントする有様であった。また、調はのび太の世界でのアニメでは黒江寄りのキャラであったので、二人のツッコミ役なのには驚きのコメントが多かった。また、箒のISの形状が赤椿の原型を残しつつ、聖衣のような意匠の翼を持つ事、機体が聖衣のように服を纏うようなサイズに縮小されている事に驚きの声が多かった。また、箒は機体を纏った状態で正座して握り飯を食べているので、これまたツッコミが多かった。(機体が改良&進化していたので、形状と大きさの違いは仕方ないが)

「ケイさん、何してるんです」

「見てわかんね?動画だよ、動画」

「こういう時に撮ります?」

「いいんだよ。自衛隊連中からも頼まれているんだぞ」

「お、握り飯か?」

「なんだ、アウロラか。どうだ、フェネクス」

「いいねぇ。サイコフレーム入ってるから、目立つけどな。握り飯は?」

「フェイトからもらえ」

「あーい」


フェネクスはISとしても作られ、その姿は頭部をヘッドギアにしている以外は忠実に再現されている。その事へのコメントも多く、ISが独自の発展を遂げているのがわかる一シーンだ。その様子はIS世界にも伝えられているため、ダイ・アナザー・デイには呼ばれていない面々を驚かせていた

――IS世界――

「一夏は?」

「まだ先生の制裁が解けないみたいだよ、ラウラ」

「仕方あるまい。彼等にあんな不味い事を啖呵きってしまったのだ。織斑教官が怒るのは無理ないだろう。シャルロット。セシリアの機体が箒の機体同様のサイズにする作業のテストに使われるというのは本当か?」

「うん。イギリスも試作二号機が強奪されてるから、なりふり構わないみたい。それに、今は篠ノ之博士には人智を超えた監視がついてるしね」

「あんな連中、よく加東閣下は連れてきたな…」

「しかも一度死んでるっていうし…」


先代黄金聖闘士を交代で束の監視につかせるアイデアはある意味、コロンブスの卵である。束が如何なる手段を講じても真っ向から粉砕できる彼等の前では、束すら赤子同然である。そのため、束もこの時期までに、黄金聖闘士の前に膝を屈する屈辱を味わっている。

「でも、まさか一夏が織斑先生の弟どころか、対になるクローンのような存在なんて」

「とある世界のスーパーコーディネーターのようなものだと、黒江閣下は言っておられた。教官はその成功体だそうだ」

「何それ」

「今のIS中心の世界は、あの女史が教官を巻き込んで作り上げたものだ。壊そうと思えばいつでもできるという意思の表れだ。だが、その流れは箒が姉の呪縛を断ち切ったことで変わった」

「黄金聖闘士になる事?」

「あいつは射手座のアイオロスと双子座のサガの立場を継いでいる。それは姉の予想を超える事だったし、黒江閣下が完璧な変身でやってくるとは思わんだろう?」

ラウラは黒江の協力者であるため、黒江には軍隊での階級通り、部下として接している。千冬よりも軍隊階級は上なので、黒江は身分を明かした後は千冬にタメ口である。千冬も黒江が身分を明かした時には驚きを隠せず、黒江がずっと年上かつ軍隊階級が上であることから、敬語で接するようになった。のため、箒の姿を使う黒江に千冬が敬語を使うのは端から見ればシュールである。また、一夏もアガートラームを纏った黒江がネタバレすると、怒ったが、黒江にはあしらわれ、黒江の迎えに来たケイに怯えるなど、意外に姉に頭が上がらない故の悲しい性を見せている。ケイが千冬と同じような声である事から、『なんか怖い…』と告白している。黒江は爆笑であるが、自身も長兄に似たような事をしているので、ケイに突っ込まれたが。

「確かに。黒江さん、山羊座のシュラの後継者なんだよね?」

「エクスカリバーを持っているからな。その気になれば、白式などは玩具も同然だよ」

「なるほど。そういえば、僕のリヴァイブさ、どうも別の機体のコアを合体させて改造する計画もあるそうな」

「僕のは世代が古いからね。箒のアレみて、フランスの国家が憤慨したらしくて」

「あれはイレギュラーで、初代ゲッターロボが真ゲッターロボになるほどのものだぞ、全く、お前の国は…」

「ジャンヌ・ダルクがツッコミ入れてるそうな。黄泉返りなんて反則だよ…」

ジャンヌの復活はIS世界にも伝わっており、フランス人であるシャルは色々とぶっちゃっているジャンヌにあっけに取られているが、ジャンヌは『私も人間ですから』とコメントしている。

ジャンヌは死亡の状況が状況である上、ルナマリアと融合した影響で、俗っぽいところが増えている。そのため、甲冑姿でも、ルナマリアの片鱗か、色々とぶっちゃっているし、はっちゃっけている。また、復活当初はオルタ状態だった名残で、意外に現代人っぽさもある。性格や気質の変化で生前は抜かなかった剣も抜くので、ある意味、ステレオタイプのイメージそのままだったりする。

「鈴が宇宙科学研究所に行ったよね?まさかグレンダイザーの基地だとは…」

「たしか、視聴率80パーセントだったな?」

「100パーセントって話もあるけど、僕のおじいさんが若い頃の話だよ」

宇宙科学研究所がUFOロボグレンダイザーの基地である事をシャルは知らなかったようだ。70年代のスーパーロボットのグレンダイザー(現地では違う名前だが、シャルは日本産ということは祖父から聞いていた)

「あれは日本産のアニメだからな。実物は異星人のスーパーロボットだが。フランスではゴルドラックだろう?日本に来て驚く者は多い。マジンガーZとグレートマジンガーとは似てるだけだと思うんだがなぁ」

同一シリーズであるグレンダイザーとダブルマジンガーだが、機体としてのつながりは薄い。フリード星と地球には接点がなかったからだ。また、ルッキーニ(クロ)が『アトラスでしょ』とツッコむため、グレンダイザーは放送されたお国柄で名が違うのがわかる。ただし、『グレンダイザーとマジンガーは収斂進化みたいな物で構造理論がそっくりと言うものではないか?』とは、兜剣造の談。また、グレートマジンガーは改造が限界に達したオリジナルはIS学園と宇宙怪獣ギルギルガンの一件を最後にカイザー化され、以後はブラックグレートと量産型が予備機とされているが、ブラックグレートは130万馬力と強力だ。その後、マジンガーZERO対策でマジンエンペラーGが新規に開発されたので、カイザーは兄弟機の登場で系統付けが可能となった。

「でも、もっと強いのがでてきたんだよね?」

「真ゲッターロボと対等のマジンカイザー、それと対になるマジンエンペラーGがな。後継機だが、地球で使っていい兵器か、あれ…」

「なにそれ」

「単純なパワーの拳一発でマジンガーZを叩き潰せるんだぞ、おもちゃみたいに…」

「つまり?」

「武器を使えば、文明を容易に滅ぼせる。だからこそ、神を超え、悪魔を倒せるというキャッチフレーズを甲児のおじいさんは考えていたのだろう」

「『神を超え、悪魔も倒せる』かぁ。甲児ってステレオタイプな熱血漢に見えるけど、意外にいいところのお坊ちゃんなんだねぇ」

「元々、一族が発明家だったり、工学博士を代々出す家柄らしいからな」

兜一族は代々、発明家か博士の家柄で、十蔵の代でロボット工学に固定され、剣造は考えるよりも発展させる才能があり、甲児はその双方のいいとこ取りが期待されている。兜剣造はその点で天才ではなく、秀才とされる。甲児は三代目として、独自のマジンガー建造も期待されているが、黒江曰く、Z神を見ると、『あいつはパイロット気質だ』とわかるらしい。実際、甲児は転向を考える度に、マジンカイザーが生まれたり、ゴッド・マジンガーが作られるなど、根本的にパイロットでいてほしいというのが世界の願いであり、ZEROが自分の存在理由と信じた事項だ。それを意識したか、最近はマジンカイザーに乗っている。パイロットでいてほしい、暴走したZの悪意を止めてくれという、別世界の自分の言葉による呪縛を受けたに等しい。甲児はある意味、鉄也が『こじらせた』要因である、『戦士としての兜甲児』、『兄貴分としての兜甲児』という偶像に振り回される人間であろう。甲児は成長で二枚目半と言えるキャラになっているが、戦い始めた時の無鉄砲さを求められても、自分自身が困るのだ。その点ではZEROが生体ユニットにしていた別次元の自分を呪いたい気分とは、甲児の談。甲児自身、心のどこかでグレートマジンガーに嫉妬を懐き、また、Z自身はマジンカイザーに嫉妬を抱いた。それに負い目を感じている甲児。ある意味、甲児はZの自我が極端に振れた時にZEROという怪物が生まれ、その強烈なエゴが黒江達の同位体の何人かを世界ごと焼き払った事に恐怖し、ZEROのエゴで黒江達の同位体の何人かを葬った事へ罪の意識を持ち、気に病んでいた。特に世界によっては自分の後身であるはずのマジンカイザーへも憎悪を持っていた事実は甲児の心を苛んだ。その償いがZEROへのカウンターになるべきマジンカイザーの新生、エンペラーのプロジェクト推進であり、黒江達に協力を惜しまない理由である。特に気にしていたのが、別次元の自分の躯を見た瞬間のフラッシュバックで『どこかの平行世界の黒江の目の前で智子と圭子を残酷極まりない武器で(おそらくサザンクロスナイフ)処刑した際の半狂乱の様子だった。甲児本人は黒江を可愛がっているのもあり、この様子は衝撃的であった。デビルマンも『お前に罪はない』と諭したが、心根の優しい甲児は気に病んだ。彼を救ったのは、Z神の神託であった。

『気に病んでも仕方あるまい、正邪陰陽兼ね備えての人というものだからな。お前は最悪を知りそれに向かわない誓いを立てたのならばそれで良い、振り向くな!未来を見つめよ!兜甲児!!お前に新たなる可能性の光を授ける。その名……真なる魔神皇帝!』

魔神皇帝を超える魔神皇帝『真なる魔神皇帝』。それこそ、光子力とゲッターの力を融合させし真なるマジンカイザー。因果を断ち切り、闇を払い、嘆きの声にその腕を差し出すために魔神皇帝を新生させる事。それがダイ・アナザー・デイまでに受けた神託であった。マジンカイザーの強化。弓教授の関心の薄さに手こずったものの、ダイ・アナザー・デイには間に合ったが、ZERO討伐には間に合わなかった。ゴッド・マジンガーの性能が良かっただけが勝利の要因ではないが、甲児の想いが本来は想定外とも言える『真・ビッグバンパンチ』(ゴッドビッグバンパンチとも)を生み出し、ファーストライトの規定以上のパワーを生み出した。箒の仲間のシャルにまでキャッチフレーズが知られるのは、マジンカイザーがZEROがなんと言おうと、Zの正統な後継者である証だった。



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