外伝その418『太陽の使者、吠える』


――ティターンズが生み出した地上空母とはなにか?それはかつて、日本軍とナチス・ドイツが起死回生の手段として使おうとした超弩級車両のアイデアのリサイクルである。日本軍は国土の都合もあり、早期に放棄したが、ナチスはかなりの具体案を練っていた。それを後世の技術で再構築したものである。ティターンズは現状では不要となった弾道弾用のトランスポーターをかき集め、それを44年から作り、ダイ・アナザー・デイの寸前に完成させ、部品ごとに空輸し、欧州で組み立てた後に投入した。その大ききはニミッツ級航空母艦の半分程度だが、艦載機はコア・ファイターやTIMコッドなどの小型機、それとゴースト無人戦闘機。小型機であるので、艦載機数は有人・無人入れて40機程度。その内の有人は三分の一程度だが、無人戦闘機が鬼門である。当時、ゴーストとまともに戦えるウィッチ部隊は64Fをおいて他におらず、第一航空戦隊の古参艦爆ウィッチ、艦攻ウィッチ隊も大損害を被った。また、その護衛のヘビーフォーク級陸上戦艦も恐れられた。当時の連合軍にはそれを止めるだけの力はないからだ。MSであろうと、ヘビーフォーク級の火力を喰らえばひとたまりもないからで、スーパーロボットが投入されたのも無理からぬことであった――




――45年 欧州――

連合軍は強敵の襲来に恐れ慄いた。ティターンズは連邦軍から派生した組織であるため、ビックトレーやヘビーフォーク級を保有していた。欧州戦線に投入されたそれは『恐竜』もかくやの進撃を見せた。そのエアカバーとして投入されたのが地上空母である。ティターンズのこのドクトリンは一年戦争での陸軍の陸上艦隊ドクトリンの名残りであり、一年戦争のみに使われたとされる陸上艦隊の咆哮が響き渡ったと言える。


「な、何あれ!?」

「ヘビィ・フォーク級陸上戦艦だ!!あいつにこられたんじゃ太刀打ち出来ない、後退するしかない…」

スネ夫も息を呑んだヘビーフォーク級の勇姿。当時の連邦軍が有した最大級の砲である50cm砲を前方に九門有し、絶大な火力を誇る。ホバークラフトを用いての機動力。この時代からみれば超兵器であった。

「ど、どうするの、スネ夫君!」

「太陽の使者を殿にする。あれなら、50cm砲にも耐えられる。ラブリー、君たちは味方を後退させてくれ。50cm砲に撃たれたら歩兵師団が全滅する!」

スネ夫は太陽の使者と呼ばれる二代目鉄人28号を使い、陸上艦隊に必死の抵抗を見せた。咆哮し、猛然と突撃する二代目鉄人28号。アイアンファイターの異名も持つ同機はその頑強さでヘビーフォーク級の猛攻に耐える。必殺のフライングキックが唸りをあげ、ヘビーフォーク級を蹂躙する。元祖スーパーロボットの系譜は伊達ではない。ただし、操縦装置はかなり大がかりで、初代よりはマシだが、後継のFXよりかなりかさばる。スネ夫はラジコンに慣れ親しんだ世代であるため、操縦はお手の物。ヘビーフォーク級の武器を叩き壊し、群がるハイザックを物ともしない。また、装甲が厚めであるので、ハイザックのザク・マシンガン改では傷すらつかない上、ブースター出力も相当あるので、ハイザックがスラスターで吹き飛ばそうとしても、逆に押し返せる。

「す、すごーい〜……」

「昔とった杵柄、ハイザックなんて目じゃないね」

と、ハイザック程度では止められない事を悟った敵は意外なもので対抗しようとした。それは。

「ん?ビックトレーから何かが……あれは……そうか、未来世界だと、地球連邦の手元に残ってたんだな」

「なに、あのV字がないガンダム」

「ペイルライダー。ゲームだと、ネオ・ジオンが鹵獲して、戦後はトータスリッターとして使っていたってなってたけど、未来世界だとそうならなかったようだな」

「ペイルライダー?」

「細かい説明は覚えてないけど、エグザムの劣化コピーのシステムを積んでたような覚えがある。だけど、一年戦争の時の産物だよ」

スネ夫の言う通り、同機はブルーディスティニーの親戚と言えるが、根幹はエグザムシステムの模倣で成り立つ模倣品である。。史実ではその模倣システムであるハデスシステムそのものがブラックボックス化したため、ネオ・ジオンやアナハイム・エレクトロニクスさえも解析に匙を投げたとされる。元となったエグザムはマリオン・ウェルチの意識を不完全に取り込み、コピーしたことで完成したが、MSかしらぬ『暴走』を引き起こした。ハデスはそれを抑えるため、パイロットの意識を完全に取り込む事が最終目標とされ、未来世界ではそれを成してしまった。つまり、ペイルライダーはパイロットの意識を取り込んだ二例目の機体となったと言える。

「な、なにあれ!?一年戦争の機体の動きじゃないよ!?」

「ティターンズめ。パイロットの意識を取り込んだ機体を完成させてたな。一年戦争の旧式と思えない反応速度だ!」

往時のエグザムシステムのように、パイロットと機体への負担をお構いなしな機動を見せるペイルライダーだが、機体そのものは一年戦争の高級機の水準に毛が生えた程度である。

「いくらエグザム系だろうと、取っ組み合いすりゃ!」

鉄人28号との取っ組み合いになると、パワーに差があるため、ペイルライダーは鉄人に押し負け始めるが、ペイルライダーは負けじとHADESシステムを発動させ、機体のリミッターを全解除して押し切ろうとするが、スネ夫も鉄人の最大パワーでねじ伏せようとする。ペイルライダーはバックパックのスラスターを最大パワーで噴射し、腕部関節のアクチュエータは最大負荷である。各部センサーが赤く発光し、機体の熱がすごいのか、排気口がフル稼働状態になっていた。スネ夫はここで鉄人のバーニアを噴射させ、ペイルライダーを押し返す。ペイルライダーはなおも必死に抵抗するが、スラスターがオーバーヒートを起こし、転倒してしまう。更に鉄人にそのまま極められて左腕をもぎ取られ、人間のようにのたうち回る。もぎ取った腕はすぐにフィールドモーターが破裂し、爆発する。鉄人はその爆発でも無傷だ。

「さあて、ヘッドロックでもかけて撤退させるか」

HADESのリミッターが働いたか、そこで元の色のツインアイに戻るペイルライダー。スネ夫は鉄人にヘッドロックをやらせ、ペイルライダーを手玉に取った。ペイルライダーは振りほどこうとするが、各部スラスターはオーバーヒートした上、片腕の状態。最後にエビ固めをさせる。ペイルライダーはこうなると、完全にスネ夫のサンドバッグも同然で、エビ固めの際に『ギブアップ!』と言わんばかりのアクションを見せる。

「スネ夫君、相手、武器を使わないね」

「おそらく、こっちがパワーで押し切ったのに動揺してるんだろう。システムが解除された時、怯えるような仕草をしたからね」

スネ夫がエビ固めを終えると、ペイルライダーは怯える仕草を見せ、もげた左腕を庇うような動きを見せつつ、せめての抵抗か、ビーム・サーベルを突き立てようとするが、なんと、ビームの刃はすぐに消え、サーベルごと弾かれる。まさに勝負あったと言える。ペイルライダーは残された最後の手段『閃光弾』を使い、機能が復帰したスラスターで撤退していくが、パイロットの声がスピーカー機能で響く。

『私のペイルライダーをよくも……!』

ラブリーはその声色に聞き覚えがあったのか、苦笑いを浮かべた。

「世の中、似た声はいるもんだね」

「今の声、聞き覚えが?」

「たぶん、空似だと思うけど、キュアエコーを思い出したよ」

「ああ、そういうのはよくあるさ」

「それにしても、鉄人はすごいもんだね。装甲に傷が殆どついてない」

「初代より世代が進んでるし、初代のあれは避弾経始を考えた装甲だしね」

初代28号は当時の最新理論『避弾経始』を取り入れつつ、富嶽での運搬、あるいは列車砲の弾丸に搭載するために丸みを帯びた形状をしていた。もちろん、それはあくまで旧日本軍の都合であるので、後継機たちは時代相応の機体形状に改められ、FXに至っては当代の流行に乗ったスタイリッシュなラインである。ちなみに太陽の使者はタフな造りであり、FXより頑強な構造を持つため、こちらを評価する声もある。

「のび太のFXは攻撃力と機動力重視で、コイツは初代のタフさを受け継いだ。デザイン的にこっちのほうがおっさんに受けるだろうね」

鉄人はヘビーフォーク級をいきなり一隻を擱座に追い込み、ビックトレー一隻を文字通りに転覆させる。そのパワーはスーパーロボットと呼ぶに相応しかった。獅子奮迅の働きで味方が後退する時間を稼ぎ、仕事を成し遂げた咆哮を挙げる鉄人。初代の『ガオー!!』ではないが、その後継者としての働きは見せたと言え、キュアラブリーは仕事を殆どせずにギャラリーと化しているが、鉄人がペイルライダーらを惹きつけたため、問題は一応はなかった。

「でも、結果オーライかな」

「は、はは…。まーね。でも、敵はどうやってあんな地上空母なんて」

「弾道ミサイル運搬用の車両を使ったと思うよ。M粒子下じゃ冷戦の時のような打ちっぱなしは難しくなったし、敢えて持ってる必要もないしね」

「でも、思ったより小さくない?」

「高さを上げて40機くらいは搭載できるようにしてあるけど、ニミッツ級航空母艦みたいな性能だと、あの倍は重いさ」

「どうする?味方は撤退してるけど」

「僕たちも撤退するよ。鉄人の腕に乗って」

「あ、あたしは飛べるから」

「あ、そうか。君の代は素で飛べるんだっけ」

「うん。たぶん、私の代(ハピネスチャージプリキュア)だけだと思うよ」

プリキュアは基本的にパワーアップフォームで初めて飛べるが、ラブリーとフォーチュンの属するハピネスチャージプリキュアのみは全員が素で飛行能力を持つ。それはハピネスチャージプリキュアのみのメリットだ。

「敵は追撃かけるかな?」

「いや、鳴り物入りのペイルライダーが無様にボコボコにされたんだ。安易には手を出さないさ」

スネ夫は社長業に刺激が少なくなったと感じていたため、のび太に協力している。ジャイアンが来ないのは、スーパージャイアンズは拡張期を迎え、多忙だからだ。

「あとでウチとジャイアンとこから差し入れが入ると思う」

「ジャイアン君、なんでこないの?」

「あいつんとこ、忙しいのよ。拡張期に入って、自分でセールスしてるから。実家の乾物屋は継いでないからさ」

ジャイアンの生家は万屋を営んでいるが、戦国期には足軽をしていたという。そのため、武門に縁があると言える。スネ夫も実は江戸期以前は代々が家老で、戦前期以前は爵位を持っていたと自慢している。

「兵站はジャイアンに任せてあるんだ。子供んときは突っ込んでたけど、あいつ、割に後先考えないアホなところあるんだよな、ガキの頃から」

スネ夫は20代当時はまだヒゲを生やしていない。30代以降は貿易業が成功し、更に儲けていくが、28歳前後の時期は親の代に一度は退いた貿易業の再進出を考える段階であった。

「昔、漫画やアニメで見たけど、ジャイアン君、空気砲使ってたよね」

「昔からあいつは大味な道具好きなのさ。高校からは繊細なことも考えだしたけど」

スネ夫は実は叔父の援助でMBAを修得している秀才。ジャイアンは経済系と商科を学び、自分で起業している。青年期以降は歌のパワーは多少落ちたとスネ夫やのび太は言うが、セワシ曰くジャイアンを超えるのはドラえもんが悪乗りした時の歌声で、セワシ曰く『山が噴火する』らしいが、その真偽は定かでないという。





――歴代プリキュアの内、海戦を戦うキュアドリームは錦としての同期であったウィッチと再会した。元・飛行教導第204戦隊のエースで、行方不明になっていたはずの『山口文子』准尉であった――

「まさか、お前がプリキュアの過去生を持っていたとはな」

「……生きてたのか…、山口」

「貴様には何かあると思っていたが、プリキュアとはな」

「貴様、なんで敵側についた」

「このままいけば、47年にはあがりだ。だが、俺は市井でお嫁さんするほど、人間はできちゃおらん。だから、死んだことにして、敵側についたのだ」

山口准尉は公式記録上は錦が覚醒した前後の日に行方不明とされている。だが、実際はティターンズの『外人部隊』に転じたのである。


「幾人もの昔の仲間の命を断ってきた。己が生き残るために。そして、お前と戦うために…。おれの前にたちふさがる者は容赦はせん。たとえお前といえどもだ……中島。いや、キュアドリーム」

山口は傭兵に転じたためか、のぞみが有する記憶の中の彼女とは別人のように、野心むき出しの様相である。

「……いいさ。貴様がそのつもりなら、『俺』も相応の歓迎はするさ。同じ釜の飯を食った仲間を殺るのは忍びないが…!」

のぞみは思わぬ出来事に動揺したか、口調が錦としての粗野な口調になっていた。空中戦であるため、シャイニングドリーム形態になっているが、山口准尉のストライカーは行方不明時に持ち込んだ『キ43-V』である。一見して山口准尉は不利だが、大物食いでは黒江の後を担うと謳われたほどの頭脳派である(錦の世代では最多記録である300m級怪異の同日中の四体撃破記録を持っていた)。

「フッ……。お前と戦ってみたかった」

二人は空中で文字通りの格闘戦を行ったが、錦は一撃離脱戦法を主体にしていたため、それを引き継いだのぞみは不利であった。大物食いとドッグファイターな山口准尉は隼の運動性能とボクシングの技能を用い、シャイニングドリームと互角に渡り合う。もちろん、プリキュアのタブーはお構いなしだ。プロボクサー志望だった山口准尉はドリームのガードを崩した後、強烈なアッパーカットを見舞った。超プリキュア化で防御力は強化されているが、意識が飛びそうになる一撃である。

(そうだった……コイツは直枝と同系統の固有魔法持ちだった……。なら、こっちは!!)

一方は炎を纏わせ、もう一方はシールドを圧縮し、拳に纏わせた攻撃で打ち合う。プリキュアのタブーなど、あってないような打ち合いである。歴代プリキュアは信念を貫くが、それを『信念を貫く子供なんてのは薄気味悪い生き物よ!』とする中傷も多い。それはウィッチに対しても同じだ。ウィッチ世界では『ウィッチに覚醒めた時点で大人同然』と扱われるのが社会通念として当たり前であったため、年齢だけで子供扱いされる事に多くのウィッチが反感を抱いた。そこもクーデターやサボタージュの理由の一つである。

「なぜ、俺が敵についたかわかるか?……連中は俺らをガキ扱いした。学校に行かないで軍隊ごっこにかまけているだけの能なしとな。軍隊で高等教育を受けるしかない俺たち地方の出の子供の事を哀れそうに見た。連中は形だけの教育を受け、形だけの大卒の学歴を持つ能なしだ。自分たちの信じる価値観しか信じん救いようのない連中だ」

「ぬかせ!自分たちだけが特別だって思ってるから、そういうゲスな考えになるってんだよ!」

ウィッチの少なからずが持っていた『自分たちの力に由来する優越感』の弊害が示された一幕であった。通常の社会では10代はまだ子供扱いされる年齢層であるため、日本の一般層から哀れに見られても不思議ではない。だが、10代後半に入ったくらいの『中堅どころ』とされる世代のウィッチにとって『軍隊に洗脳された哀れな子供達』と見なされる事は戦死していった戦友たちや自分への最大の侮辱であった。その怨嗟こそがサボタージュやクーデターの根本にある理由であり、本式の軍隊という21世紀日本の多くの人間達には理解できないだろう近代以降における『武士道精神』であった。

「貴様……」

「自分の力に思い上がるな、山口!!貴様の過ちは……俺が『粛清』する!!」

キュアドリームとしてではなく、扶桑軍人・中島錦としての強い言葉を言い放つ。どこかの世界でマフティー・ナビーユ・エリンが言いそうなニュアンスだが、錦として接する相手には錦の残した『モノ』を活用するしかない都合もあり、夢原のぞみとしてより、中島錦として『言葉をかける』。それがのぞみに課せられし『肉体の本来の持ち主』への一種の禊であり、神の意思もあって『新たな肉体』を得たことの代償でもあった。シャイニングドリームとしてのパワーと草薙流古武術の真髄を用い、のぞみは『中島錦』としての餞別を山口にかました。

『裏百八式・大蛇薙ぃぃ――ッ!!』

のぞみはこのダイ・アナザー・デイ以降、草薙流古武術と元来のファイトスタイルを組み合わせていく事になる。プリキュア5本来の炎使いである『夏木りん/キュアルージュ』がデザリアム戦役で記憶喪失に陥ったこともあり、その傾向が強まる。また、この頃は錦のかすかに残った自我意識が影響し、のぞみの記憶保持などに影響が生じてもいたが、りんの記憶喪失や自身の敗北を経て、マジンガーZEROと同化した後はそれは無くなり、Gウィッチとして真の意味で歩みだす事になる。

「ぐおおおお……!」

山口准尉は固有魔法の恩恵もあり、大蛇薙の劫火に絶えた

「ばかな……この炎を食らってもまだ……」

「フッ…。俺は炎に強い耐性があるのを忘れたか?」

「そう……だったな」

「それと。俺とお前はどうやら、損な性格らしいな……」

「ああ……そうだ」

「いずれ決着はつけよう。…それまで死ぬなよ」

山口准尉は衣服を殆ど焼かれたが、胸に包帯を巻いていたので、『辱め』は免れた。ドリームは雲の中にへと消えていく彼女の姿に、錦として残された仕事を実感するのだった。

「ドリーム、大丈夫?」

「大丈夫だよ、ハート。何発か殴られたけど……」

「ルージュにまた叱られるよ?おでこに包帯巻いといたほうがいいって」

「殴り合った時に切っただけだから、オーバーだって」

「だーめ。のぞみちゃんに何かあったら、りんちゃんに合わせる顔がないよ」

キュアハートもパルテノンモードであるので、お互いに飛行している。空中で器用にシャイニングドリームの額に包帯を巻くキュアハート。彼女もまた、のぞみが持つ心の闇に気づいていた。現役当時にはなかった組み合わせだが、天使のような羽を持つ強化という点は同じである。

「ありがとう。ところで、マナちゃん、今までどこに?」

「ごめんごめん。ちょっと変身に手間取ったり、敵の飛行機落としてたから」

「それ、変身が大変そうだもんね」

「うん。本当はアイテムと全員の力がいるのをミラクルライトで代用したりしたからね。小宇宙に目覚めればいんだけどね」

「言えてる。あたしはなんとか瞬間的には燃やせるようになったからいいけど」

「いいなー。」

「第二期最強の力を持ってるマナちゃんが言うことかな?それぇ…」

「いくら強くても、自分で変身出来ないんじゃ、宝の持ち腐れだよ〜」

「お互いにね」

プリキュアの最強形態はその場だけの奇跡だったり、最終アイテム、ミラクルライトを必要とする変身である場合が多い。ドリームは第一期最強の力を持つが、ハートは第二期最強の力を持つため、お互いに修行の必要性を悟る。と、そこへ。キュアラブリーから通信が入る。

「あ、めぐみちゃん。マナちゃんと一緒だけど?え、敵が地上空母を持ち出したぁ!?まっさか〜あれは漫画の……嘘……うん。ありがとう」

「どうしたの?」

「敵が地上空母を持ち出してきたって」

「ち、地上空母ぉ!?」

「昔、学生ん時にうららに借りた漫画に出てきたけど…まさか本当に作るなんて」

地上空母。そのインパクトはブラフとしても大いに役立ち、歴戦の勇士であるプリキュア達も戦慄せずにはいられない。二人は驚愕に満ちた表情となるが、ここで更に驚くべきものを見た。遠目でだが、B-29を邀撃する一機のダブルデルタ翼のジェット機を目撃する。

「見て、のぞみちゃん。あれ!!」

「蒼い……」

「鬣の一角獣……?」

その戦闘機『サーブ35 ドラケン』は迷彩塗装が施されていた。そして、その尾翼に描かれしエンブレムこそが『蒼い炎の鬣の一角獣』であった。それを駆るは二人は知る由もないが、のび太の親友であるドラえもんであった……。



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