木星宙域に向けて航行中であった『スツカ』において探索オペレーターより
「木星方面より微弱ながら電波を感知
解析の結果、人為的なものである可能性があり」
という報告がなされ、たのは2190年1月8日のことである

未だ大晦日から前々日まで行なわれ続けていた社長主催の正月パーティーの影響が抜けきっておらず
艦内の至る所にその痕跡が見受けられたが、それでもその報告はクルーを驚愕させた

「社長これは・・・」

艦内放送よりそれを聞いたヒミコが艦橋に現れるとロルフが困惑気味に尋ねてきた

見れば、他のクルーたちも困惑気味にヒミコのことを見ている

「ええ、どうやら技術部門が木星方面から捕らえた謎の怪電波というのも間違いではなかったようですね」

それに対してヒミコは少なくとも表面上は冷静であった

そして、例え内心でどれだけヒミコがこれから起こるであろうことに緊張をしていたとしても
その表面上の冷静さは困惑したクルーにとっては安心できる心のより所となる

ヒミコの様子を見て落ち着きを取り戻したブリッジクルーは
その情報を自分のできる限りにおいて解析もしくは探索し始めた

そんなブリッジクルーの様子に自らが抱えている不安が表に出なかったことを安堵しつつ、
ヒミコは他のクルーも落ち着かせるためにマイクを取った

「皆さん、社長のヒミコ・テンカワです
先程放送がありました人為的なものである可能性のある電波は、
アイ博士率いる技術部門が偶然発見した怪電波と同じものの可能性があります

出航前に話した通り、本艦の目的の一つにはその怪電波調査も含まれていますので皆さんも困惑したりせず
自分たちができる限りの範囲で我が社の目的に協力してください

なお、何か質問がありましたらこの回線を通じて随時私が質問を受けますのでお気軽にどうぞ」

「・・・・・・」

しかし、ヒミコが質問を受け付けるといったにも関わらず、なかなか質問は来なかった

当然である、いかにこの長い航海の間に、社長の人となりを知ったとは言っても
一社員であるクルーたちがそう簡単に社長であるヒミコ自身に質問することなどできるはずもない

だが、ヒミコが【何で皆、質問してくれないのかな〜、やっぱり何か問題あるのかな?】などと悩んでいると
先程の通信回線が開かれ、女性の声が聞こえてきた

どこにでも神経の太い女性は居るものである

『此方は相転移エンジン制御室のマレル・パーラルだが、質問をしてよいだろうか?』

全クルーの注目を浴びる中、マレルが尋ねる

「ええ、いいですよ」

質問が来たことに若干の喜びを感じつつヒミコが先を促す

『人為的な可能性がある電波が、
木星方面から観測され技術部門によって古代遺跡の可能性があるとされた怪電波と同じ可能性があるということは、
その古代遺跡がすでに何者かのてによって起動している可能性もあるのかい?』

「ええ、その可能性もあります、最も全ては可能性、あくまで推測に過ぎませんが」

『その場合、起動させている人物もしくは組織に対して心あたりは』

この質問を聞いたときヒミコは自らの心臓が飛び跳ねる音を感じた

だが、いかに相手の推測が正しくとも、真実を話すわけにはいかない

結局、ヒミコは誤魔化すしかなかった

「いえ、特には・・・
そもそも、木星宙域まで有人船が行くのは公式上この船が初めてですから」

『そうかい、いやてっきり社長自ら赴くもんだから、何か心当たりでもあるのかと思ったんだけどね』

苦笑しつつも、どこか探るようにそう呟く

相手が社長であることを考えれば、相当の暴言にあたるのだろうが、生憎とヒミコはそんなことは気にしなかったし
なぜ社長がわざわざ艦長としてこの船に乗り込んだかということはクルー全員に共通する疑問だったので
咎める者もいなかった

「私がこの船に乗ったのは単純に船が好きだからですよ
それに遺跡がある可能性があるとなると、ある程度以上の地位にある人物が行く必要がありました」

それを聞いたヒミコも苦笑しつつ、否定する

だがそれでも、なぜ社長がわざわざ行くのかというクルーの疑問を完全に消すには至らなかった

まぁ、もともとある程度不審がられるのは覚悟の上だったのでヒミコもあまり気にはしなかったが

「そうだな、忙しいところ質問して悪かったな」

あまり悪びれた様子もなくマレルが言い放つ

社長に対して堂々と質問してくることからもわかったいたが、かなり豪胆な性格の女性のようである

「いえ、全然構いませんよ、これからも何かあったら遠慮せずにどんどん質問しちゃってください」

「ああ、そのときはまたよろしく」

その言葉を最後の再び回線が閉じる

結局、その後質問用回線が利用されることはなく、
怪電波を受信し続けるという状況が木星宙域に着くまでの間、あと一ヶ月続くことになる



2190年2月18日木星衛星軌道上、木連首都
その頃、木連では月での独立戦争の悲劇が再び起こることを恐れ地球と交渉することを避け現状維持を訴える政府と、
地球との交渉で現状の打破を主張する草壁春樹率いる軍の若手将校の間で激しい意見対立が起こっていた

この対立はプラントの生産能力が落ち続けているにも関わらず、
人口が増え続けていることの危険性を草壁春樹が指摘したことから始まったものであったが、
この段階になると政府と軍部の対立とすらなっている感は否めない

この日も、会議では軍部の代表である草壁と首相である那口英明が激しい口論を繰り広げていた

「プラントの生産能力が落ちているのは知っているのだろうが
このままでは百年もせずに食料自給率が百パーセントを割ってしまうという試算さえでているのだぞ
今、まだ余力のあるこの時期に地球との交渉をせずしてどうする」

草壁がなぜ理解しようとしないんだという思いを込めて叫ぶ

「だが、月での悲劇を忘れた訳ではあるまい
憎き地球人たちが、我々の存在を容認するとは思えん
そうなった場合、月の独立戦争の悲劇が繰り返されるぞ」

だが、それに対して那口は冷静だった

年の功というべきか、淡々と危険性を指摘してゆく

「そのときは、武力を持って奴らに正義とは何たるかを教えてやればいい
プラントで生産された兵器を持ってすれば地球の奴らなど恐れる必要などないのだから」

これは木連軍人の総意であっといっても良い

悪である地球政府から逃げ延び、雌伏のときを経て、自らの正義を示すというのは実に彼らの思想に合っていた

「そして、今度は自分たちがかつての地球のように悪になるか
ゲキゲンガーを見るまでもなく、侵略する方が悪だということぐらい理解しているのだろう」

だが、軍人たちがそういったアニメ的な正義感に毒されているとするなら

政治家たちはそれに比べればまだ現実的な正義感を持っていた

このあたりは、ただ自らを鍛えればよかった軍人と、
木星というまさに殺人的な環境において常に民衆を導いてきた政治家の違いであろう

そして、それ故、両者の主張は平行線を辿る

「なぜ侵略と決めける?
縦しんば、そうのような事態になったとしても、それは百年前の正当な復讐であり、我らの正義をかけた聖戦だ
悪になるはずがないではないか」

「百年前に、同じことを我々が悪だという地球人が言っていたぞ
『これは、唯一にして無二の統一国家である地球政府を維持するために必要な聖戦である』とな
それとどこが違う」

那口が皮肉げに話す

そして、暗に地球政府と同じだと言われた草壁は「はい、そうですか」と納得できるほど人間として成熟していない

「ふざけるな!」

草壁など軍部の人間が一斉に怒りに身を任せて立ち上がりつつ叫ぶ

「そもそも戦いになるのは、交渉において我らの存亡がかかっている要求を呑まなかった場合だ
我々は、彼らのように突然無防備な市民に襲い掛かったりはしない
かつての地球政府とは状況がまるで違う」

そして、立ったままその意見に反論を始めた

「どこが違うというのだ
戦争で一番被害を受けるのは無関係な一般市民だ
地球市民からしてみればその軍事行動は悪以外の何者でもないぞ

第一、プラントの生産能力に限界が来始めているからこそ交渉を主張しているのではなかったのか
兵器などというもの何ら生産に役立たないものを作りでもしたらそれこそ限界を早めることになる
自分で言っていることが矛盾していると気付いていないのか?」

だが、それでも那口は冷静だった

草壁らに席に着くように言うと、再び相手の間違いを指摘する


「どの道、我らには後がないのだ、交渉して移民先を確保できるならそれでよし、駄目なら戦争により悪を倒せばいい
これ以上、時間をかければそれすらもできなくなるのだぞ
五十年先のことより、百年先のことを考えるべきではないのか」

そんなやり取りが数回繰り返され、さすがに両者に疲れが見え始める

そんな無限ループめいた議論を終わらせたのは、突然、会議室に駆け込んできた那口の秘書官だった

秘書官に耳打ちすると、那口は「なんだと、それは本当か!」という驚きの声をあげる

そしてすぐさま会議室にいる面々を見渡し、首相権限において一時的な会議の中止を決断した

突然の那口の行動に驚いた草壁がその理由を知ったのは、しばらくしてから会議室に入ってきた秋山少佐より

『地球から来たと思われる有人探査船を発見、現在、白鳥少佐が交渉中』という報告を受けてからであった



それより、少し時間を遡る

その頃、木星付近に来ていたスツカはある一つの電波を受信したことによって
一種のパニック状態というかフリーズ状態にあった

「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」

ブリッジクルーもスクリーンに映し出されている映像を見ながら呆然としている

なぜこのような状態になったのか順を追って説明していこう

まず、木星宙域に来たことでより一層電波が届くようになったのが二日前

オペレーターの一人が木星から来る電波が地球や火星でも五十年ほど前まで使われていた
電波情報通信システムと同じであることに気付き、艦長に伝えたのが20分前

艦長が、どうせならクルーみんなでその内容を確認しましょうと言い出したのが17分前

それを受けたオペレーターが解析を始めたのが16分前

そして、解析を終えたオペレーターが艦内の全スクリーンに内容の確認もせずにそれを流したのが4分前

その結果、電波の正体がなんであるかを興味津々と待っていたほとんどのクルーたちがその内容に呆然とし
今に至るというわけである


スクリーンでは巨大なロボットが何やら謎の物体Xと戦っている

それも、非常に暑苦しく、いかにも昔のアニメ風に


木星から来た電波というぐらいだから何かとんでもないものなのではないか

そう思い興味津々とスクリーンに注目していたら、映し出されたのは昔ながらの熱血ロボットアニメ


そのギャップに付いていけず、大半のクルーがフリーズ

動いているのはそんなクルーの様子に笑いを堪えているヒミコなど一部の人間だけであった

やがて、ヒミコの押し殺したような笑い声でようやくブリッジクルーが再起動を始める

そしてオペレーターの一人が律儀に

「現在流れている映像は百年ほど前に製作されたアニメ
ゲキゲンガーと推測されます」

と言ったことによって艦内には

「・・・・・・・・・」

と未だにフリーズ状態の人と

「え〜〜〜〜〜〜!」

と驚きで叫び声をあげる人と

「あははは・・・・・・」

などと笑い続ける人の三種類の反応が充満した


「ゲキゲンガーですか・・・」

ロルフが困惑したように言う

ちょうど彼ぐらいの世代が小中学生の頃にテレビで再放送されていたこともあり内容は知っていたのだが
逆にそのことが『なぜこんなところで流れているのだ?』という疑問を深めることになったようだ

「社長は何かご存知で?」

そして隣で笑っているヒミコに尋ねた

「知ってる訳ないですよ〜
何でこんなところでゲキゲンガーが流れているかなんて」

「そうですか
そのわりにかなり笑っていらっしゃるようですが」

怪しいですぞとロルフが探りを入れる

「だって、流れ始めた映像がゲキゲンガーなんですよ
これを笑わないでどうするんですか」

さも、それが当然であるかのように言うヒミコ

この世界で会社を興してから四年半、ヒミコも大分こういった誤魔化しや嘘が上手くなったようだ

「まぁ、そうなんですがね」

それを聞いて、ロルフも渋々引き下がるしかなかった

やがて、艦内にフリーズという名の嵐を引き起こしたゲキゲンガーもエンディングソングへと入り
クルーが呆然と、あるいは、笑いながら見守る中、終わりを向かえる

「いや、本当になんだったんでしょう?」

ボソッと呟いたロルフの言葉がクルーの気持ちを代弁していた



そんな状態で微妙な空気が五時間ぐらい流れ続け、そろそろ交代の時間になり始めた頃、
突如、オペレーターが声を張り上げた

「しょ、正体不明の物体が接近中
その運動パターンから見て自然のものではありえません」

「なんだと!」

ロルフが声を張り上げる

他のクルーたちの間にも緊張が走った

まぁ、クルーたちが『その中に先程のゲキゲンガーを流していた人がいるのかな?』
などと考えてしまい微妙に引き締まっていないのも事実ではあるが・・・

「ディストーションフィールド出力最大
対デブリ用リニアレールカノンの準備もしておいてください」

すぐさま、ヒミコが命令を出す

頭の中では数十通り以上の正体不明機への対処法が考え続けられ、
士官学校で天才の名を欲しいままにしたその能力をフルに活用していた

「了解
相転移エンジン出力レベル最大へ移行
ディストーションフィールドに全エネルギーの八十パーセントを供給開始
ディストーションフィールド展開率九十パーセント突破、最高安定値に到達」

オペレーターが状況を報告していく

「火気管制システム起動
対デブリ用リニアレールカノン
収納ハッチオープン
展開を開始します

艦長、何を装填しますか」

「とりあえず、連絡用発光弾をお願い
意味は『通信を求める』で
やるだけはやってみましょう」

通じるかどうかわからないけどね、そうロルフに向かって苦笑しつつヒミコが指示を出す

「未確認飛行物体、映像が出ます」

オペレーターの叫びと共にスクリーンにその機体が映し出される

それは、どう見ても虫だった

六本足が左右についており、後部がやや丸みを持って膨らんでいるどこにでも居そうな虫

最も、材質が金属であり直径が五メートル以上あることを除けばの話だが

これにはさすがのクルーも息を呑んだ

先程のゲキゲンガーとは正反対に、未知の物体という想像していた通りの物が出てきたからこその驚きである

「リニアレールカノン発光弾装填完了
目標、射程内に入ります」

「当てないように標準をずらしてくださいよ
リニアレールカノン発射!」

オペレーターの報告を受けてヒミコが命令を下す

オペレーターは即座にそれを実行に移し、クルーが見守る中、発光弾は正体不明機へと向かっていった

やがて発光弾は目標の目の前で規則的な光、光色通信用の光を撒き散らしつつ消えていく

そしてそれを受けたほうである虫型機の行動は特徴的であった

数秒の間、動きを止めたかと思うと、まるで此方と並行するかのように速度を落とし始めたのだ

それが、発光信号を理解したゆえの行動なのか、
それとも単純に此方の行動に対して興味を持ったからなのか
クルーには判らなかった

判るのは、少なくとも此方の行動に対して相手は何らかの行動にでたということ

その事実は未だ船乗りとしては未熟なものの多いこの船にとってみれば極度の緊張を伴うものであった

そして虫型機はスツカの前方約五kmの位置で完全に平行移動状態にはいる

その様子にヒミコはリニアレールカノンの標準を常に目標にロックオンしておくことを命じつつ
現状待機のまま、様子を見ることを決定した

この後、謎の虫型機とのクルーにとっては極度の緊張を伴う併走が
先程のゲキゲンガーと同じように新たな電波を受信するまで一時間ほど続くことになる

まぁ、大半のクルーにとってみれば緊張のあまり時間が進むのも忘れ
気が付けば新たな電波を受信した時には一時間が経っていたという状態であったのだが



そして一時間後、その電波の解析結果がスクリーンに映し出される

それを見たクルーの考えは皆同じだったであろう

『え! 今度は実写版のゲキゲンガーですか?』と

そこにはゲキゲンガーの登場人物のコスプレ?をした人物が映し出されてた

「映像、七十年前まで使われていた交信システムであると推測
音声は現在、パターンを解析中

音声でます」

さすがに耐性が付いてきたのが、今度はフリーズすることもなく、オペレーターが冷静に状況を読み上げる

七十年以上前の交信システムともなるとデータが残っておらず
映像こそ、ゲキゲンガーの解析に使ったパターンとほぼ同じだったのですぐに出たのだが
音声の方は違っていたので解読に時間がかかったのだ

『・・・地・・同・合体所属白鳥九十九である、艦の所属と目的を告げよ
繰り返す、此方は木星圏ガニメデ・カリスト・エウロパ・及び他衛星国家間反地球共同連合体所属
白鳥九十九である、艦の所属と目的を告げよ』

ブリッジに音声が響き渡る

非常に重要な場面であるということは理解していても、相手がゲキゲンガーのコスプレでは緊張感が湧いてこず、
一部のブリッジクルーなどは笑いを堪えていた

「此方からも音声映像を送れる?」

そんな様子を見ながら、ヒミコがオペレーターに尋ねる

「はい、既に解析は終わっているのでいつでもできます」

「それじゃあ、お願い
此方から送る映像は通常通信と同じものでいいから」

「了解
これより、通信映像及び音声の送信を開始します」

そんなやりとりがオペレーターとヒミコの間で行なわれる

そしてヒミコはマイクを手に取り、口を開いた

「私はミルキーウエイ社所属スバル型探査船スツカ艦長 ヒミコ・テンカワです
現在は本艦の試験航海及び木星方面より飛来する怪電波の調査を実施中
此方からも質問をよろしいでしょうか?」

『別にかまわないが』

白鳥が艦長が女性であることに驚きつつ、先を促す

「先程、貴方は自らの所属のことを非常に長い名前で言っていましたが
失礼ながらそのような名前は聞いたことがありません
どのような組織なのでしょうか」

『その前に確認するが、あなた方は地球から来たということでよいですか?』

白鳥が確認するように尋ねる

「いえ、本艦の本拠地は火星です
まぁ同じようなものかもしれませんけど」

『やはりそうですか・・・・・・』

そう言ってしばしば考え込んだ後

『すいませんがそうなると私の権限では詳しいことはお話できません
とりあえず、此方の誘導にしたがいつつ、上のほうからの指示を待ってもらえませんか』

白鳥はそう提案してきた

「どうします、社長?
罠、という可能性もありますが」

相手には聞こえないように小声でロルフが尋ねる

「従うしかないと思います
それに例え罠があったとしても、そう易々とは本艦のディストーションフィールドを破ることはできません」

ヒミコが言ったことは事実であった

攻撃を受けたときのことを想定して、スツカは対外的に公開されたカタログスペック三倍の強度を誇る
ディストーションフィールドを張ることができるようにアイ博士により改造されている

対外的に公開されたディストーションフィールドの強度でさえナデシコの六割という非常に強固なものであるだけでも
それがどれほどのものかか理解できるはずだ

「わかりました、それでは誘導をお願いします」

ヒミコが白鳥の提案に従うことを告げる

白鳥にはヒミコとロルフが話しているところは聞こえなかったので
しばらく考え込んだ後、それを承諾したように見えただろう

『では、そちらにある無人機が案内しますのでそれに従ってください』

相手が提案を受け入れてくれたことに安堵しつつそう言う

彼としてもいくら悪の地球人とは言え、女性に対して強制的に従わせるようなことをしたくは無かったのだ

そして、スツカは騒ぎを聞きつけてやってきた木連艦隊と合流することになる

その戦艦十二、空母二、巡洋艦八、砲撃艦二十四、雷撃艦八という数は
スツカのクルーたちを驚愕させ、事態の重さを理解させるには十分であった








グリフォンさんと黒い鳩さんへお礼

グリフオンさん、詳しい情報を送ってくださりありがとうございます
大変助かりました
今後ともがんばっていきたいと思います

黒い鳩さんもわざわざ感想を書いてもらいありがとうございました
書き方に関するご指摘感謝しています


後書き、というか言訳

プロット段階ではこの一話に草壁や那口との会談を含めた木連編が全て入るはずだったのですが
長くなってしまったのでここで区切ることにします

相変らず場面の切り替えなどが下手で、申し訳ありませんでした


web拍手返し

>なんか、本当に句点を打つべき場所が解らないんですね……。
>活字の文書(例え教科書でも)を読んでいれば普通に身につくものだと思うのですが。

単純に全ての文の終わりに句点を打つべきだということを言っているのならそれはわざとです

動詞などでなく単語などで終わり、ある程度後ろと繋がりがある文に句点をつけないという書き方をしている方は
作家の中にもいらっしゃいますし、あまり付けすぎると硬い印象を受けてしまうので・・・

まぁ、それを除いても本来つけるべきところでつけてない箇所が何箇所もありました

ご指摘ありがとうございます

ですが、やはりそういった句点の確認などに時間を奪われたくないので
句点はつけない方向でこれからいこうと思います

わざわざすいませんでした


>ネルガルが完全に悪役になっていますね。ネルガル会長アカツキ=ナガレはでるのでしょうか。

でます、というかナデシコを建造するために無理矢理にでも出します

一応、アカツキ父の死と共にあるイベントが発生して、ネルガルとミルキーウエイは手を結ぶ予定ですので・・・

ちなみにナデシコもちゃんとネルガルで建造され火星に向かいます
(当然、本来の歴史とは目的が変わっていますが・・・)











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