某所研究室

「E-0487は廃棄処分となった」

「今までのサンプルの中で身体能力、知能が最高の数値を出していたのにですか?」

「いくら素体としてよくても精神破壊を犯したものを置いとく必要もないだろ」

「了解しました。いつもどおりのところに捨てておきます」

「それにしてもここまでせっかく完成させたのに遺跡のナノマシンを注入した途端にこれだからな。まったく根性なしが」

「まぁ、実験体はまた連れてくればいいのですから。データさえ取れればどうでもいいでしょう?」

「そうなんだが(ドォーーーン!!)何事だ!

「わ、わかりません」

「わからんかったらさっさと確認をしろ!!」

「は、はい!」


科学者の一人がコンソールに向かって確認を取ろうとする。そのとき


ピク


「え?」

「どうした」

「い、いまサンプルが」


ピクピク


「サンプルが動いています!」

「なに!こいつは精神崩壊をしたんじゃなかったのか!?

「はい、確かに確認はしました」

「ならば何故動くんだ!」

「わかりません!」


科学者たちが叫びあう中E-0487と呼ばれていた少年の眼が開いた


「おお!なぜ回復したかなどあとまわしだ。とにかくこれで実験が続けられるぞ」

「心拍、脈拍ともに正常値です」

「よし!さっそく上に報告を「班長!」なんだ?」

「E-0487が…」


見てみると少年の周りに燐光のような光が発生していた。


「な、なにが起きているんだ」

「さあ」


科学者たちが固唾を呑んで見ていると光が爆発的に強くなり思わず眼をつぶる。

目を開けるとそこには少年の姿かたちがどこにもなくなっていた。


「おい!E-0487はどこにいった!?」

「いません!」

「さがせ!!」


室内をくまなく探すがもともと実験にしか使わない部屋で、隠れる場所などそうあるはずもなくすぐに捜索は終わる。


「どこにもいません」

「部屋から出たのか?探しにい(シュン) ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!


室外に捜索範囲を広げようとしたそのとき扉が開くと共に黒ずくめの集団が放つ銃撃が室内にいた科学者たちをただの肉の塊に変えていく。


「はい、ストップしてください」


眼鏡をかけたちょび髭の男が銃撃をやめさせ、室内に入る。


「ふむ、ここですべて調べたはずですが…生き残ったMCはいないようですね」

「隊長」

「ああ、はいはい。すでにデータのコピーは取りましたからあとはここの爆破ですね」


ちょび髭の男とともに黒ずくめの集団も退避し、数分後研究室は建物ごと瓦礫の山となっていた。

E-0487と呼ばれた少年が消えたことを知るものは誰もいない………

 


機動戦艦ナデシコ〜異界より来し者〜


プロローグ  〜全ての始まり〜

 


地球日本東京某所にて

カーン、カーン、カーン、ズガガガガガガガガ、ドドドドド


「おーし、今日はこの辺でしまいにするか。おーい!今日は上がっていいぞぉ」


オヤッさんの声を聞きここで働いている人たちはめいめいに解散していった。


「それじゃお疲れ様でしたー!」


見た限り中年が大多数を占める中一人の少年が声を上げて出て行こうとしていた。


「坊主、これから俺らと一杯付き合わんか?」

「徳さん、未成年を酒場に誘うなよ。それに悪いね、今日は用事があるんだわ」

「またか、お前いつもそういうが何をしとんだ?」

「ヒミツ♪それじゃまた明日な」


同じ職場のおじさんたちからの誘いをことわって少年は帰っていった。


「はぁ、手持ちが549円しかないなんて言えないよなぁ。給料まであと3日あるし今晩何食べるかな」

「今家にあるのがレタスが少しとコンソメスープの素と増えるワカメと……」

「ニャー」

「まだガスは止まってないからチャーハンでも作るかな、そうすると残りは……」

「ニャー」

「んで明日の朝はそれの残りと……」

「ニャー!」

「こうすれば残り3日は持つな!ん?」

「ニャ?」


これからの献立を考えるのに没頭しすぎたのか少年はようやく身体を摺り寄せている猫の存在に気がついた。


「なんだ人懐っこい猫だな。どっかの飼い猫か?でも首輪もないし捨て猫かな」

「ニュー」

「ん〜、悪いけど俺もお前を飼えるほど余裕がないんだよ。悪いけど他当たってくれるか?」


エサをくれないと判断したのか猫は少年から離れていった。


(ノラ猫も大変だねぇ)


少年は何気なしに振り返り身体を硬直させた。道路を横切る猫に向かって爆走するトラックを見つけて……。

一瞬の硬直の後、少年は道路に飛び出した。

猫を拾い歩道に向けて投げる。時間にすると1秒あるかないかの時間だが既にトラックは目の前に迫ってきていた。


(あー、こりゃ死んだかな)


迫りくるトラックが歩道に向かって飛んでいく猫が他の通行人の人たちが、全てがスローモーションに動いている。


(死ぬ直前は周りがゆっくりになるって本当だったんだな)


死が目の前にあるというのに少年は冷静に物事を観察していた。


(人って混乱しすぎると逆に冷静になるって言うけどこんな状態のことをいうんだろうなぁ)


トラックの運転手の恐怖に歪んだ顔を、ブレーキの音を感じながらも目の前にあるトラックを見る。


(俺が死んでも悲しむ人はもういないけど運ちゃんのは悪いことをしたかな)


………たすけて………

(は?)


それが少年がこの世界で覚えている最後の出来事だった……。







(……ん?まだ意識がある……生きてる?……)

(ここは?真っ暗で何も見えないな…死後の世界ってやつか?)


…たすけて……ぼくをここから出して……


(誰かいるのか!?)


…おねがい…だして…もういたいのはいや……


どこからか聞こえる声とともに頭の中に映像が流れ込んでくる、それとともに知らないはずの知識も。


どこかの研究室の一室…無理やり押さえつけられる子供たち…刺される注射…注入されるナノマシン…苦しみ暴れる子供…
…身体の一部が異常に肥大化して耐え切れずに破裂する身体…徐々に身体が動かなくなり終いにはまったく動かなくなる…
…新たに出される子供…目の前には喜悦に歪む大人たちの顔……迫ってくる注射…
怖い恐いこわいコワいコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイ……


(ああーーー!!うあ!ガッ!!やせ、やめろ!やめろーーーー!!!)


一気にあふれ出す映像に、知識に、そして感情に少年は耐え切れずに意識を手放した。
 


感想

コヒルさん初投稿です♪

最初はネルガルSSの突入シーンから入っていますね。

マシンチャイルド研究所を潰して回っているという事でしょうね…

そして、少し事情が有りそうながら普通の少年…いや、猫を助ける為に車に轢かれたとするなら心優しき少年なのでしょうね。

そして、死の瞬間ナデシコの世界に…

細かい事は第一話の方を見てから話 した方がいいでしょうね。

しかし、少年はアキトさんと同年代であろう事は間違いないですね。

バイトで生計を立てつつ生きていて、未成年。でも酒に誘われたりはすると考えれば普通にバイトしても問題の無い年齢。

部屋を借りるのに親の同意をもらわなくていい年齢ですから、18か19でしょう。

まあ、そうとも限らないけどね。

何か上手い事下宿でも住まわせてもらえれば16歳くらいからバイトで生活する事も不可能じゃない。

確かに、不可能じゃないですけど。親の同意を得ないでそれをやるのは酷く難しい気もし ますが(汗)

まあ、親代わりの人間をでっち上げたりとか…

無理が出てきましたね(汗)

結局の所、細かい所はナデシコの世界に行く以上あまり必要ないと思います。

この先の展開に期待ですね!

はう!? 台詞取られた(汗)

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