in side

 さて、昼食も食べ終えてスリルさんの所へ向かうこととなった俺達はというと――
「はぁ!」
 美希が元気に悪魔と戦うのを眺めていたりする。あ、俺達もちゃんと戦ってるよ?
けど、ここら辺の悪魔は結構楽に倒せるようになったので、そんなことが出来る余裕があったってだけだけどな。
ちなみに現在外に出ている仲魔はミュウとアリスにスカアハとクー・フーリン。
後のみんなは生体マグネタイトの節約のためにGUMPの中にいてもらっている。
「ふむ……しかしながら、武器が違うだけどこうも戦いやすくなるとは……」
「ですが、主の力量もあるかと」
 村正さんにもらった剣を眺める美希にそんなこと言うのはタンガタ・マヌ。
実はここに来る途中で美希が仲魔にした悪魔であるが……その時のことを思い出すとちょっと気が重い。
いや、だってね……少し話しただけであっさりと仲魔になるってなにさ?
「まぁ、お嬢の気持ちもわかりますがね。悪魔に対抗出来る武器とは聞いてましたが、ここまで変わるとは思ってもいませんでしたし」
 と、うなずいてるのは君嶋さん。こっちもラリーさんに借りたマシンガンを見ている。
まぁ、気持ちもわからなくないけどね。俺達も武器を変えただけでこうも戦いやすくなるとは思わなかったし。
「後は仲魔がいるってのも心強いですよ。ね、ラナちゃん?」
「ねぇ〜」
 と、笑顔でうなずき合っている香奈子さん。相手はピクシーだったりする。
香奈子さんも気があったようで、少し話しただけでこちらもあっさりと仲魔にしてしまった。
しかも、名前まで付けて……うん、なんか落ち込みそうだよ?
「どうしたんだい?」
「ちょっと、羨ましいかと思いまして……」
「翔太……交渉苦手だしね……」
「一流のサマナーにも苦手なものはあったのね」
 京介さんに聞かれて答えると理華が渇いた笑みを浮かべており、ウルスラさんが感心したような顔を向けていたりする。
確かに交渉は苦手なんだよね……なんでだろうか? 相性とかなのかね? 後、俺は一流のサマナーじゃないですよ?
「しっかし、こうして安心して見てられるってのはいいよなぁ〜」
「確かにそうですねぇ〜」
 克也の言葉にミナトが同意してるが……あんたらはいいよね。戦わなくてさ。でもまぁ、気持ちとしてはわからなくない。
さっきも言ったけど、ここら辺の悪魔は比較的楽に戦える方だし、戦える人数も多い。
油断はしてないつもりだけど、よほどの事がない限りは危ないことに……ならないよね?
いや、昔みたいにいきなりとんでもないのが現われたりとかさ……
 なんてことを考えつつ目的地の洞窟へと入り、例のドアの前に来ていた。
「なんか、いかにもって所だな」
「ここに例の者が?」
「ええ。お〜い、スリルさ〜ん!」
 直貴がんなこと言ってる中、クノーさんに聞かれたことにうなずきつつ、大声で呼んで――
「は〜い」
 そんな可愛らしい声が……ちょっと待て? 今の声はどう考えても女の子の声だよな?
スリルさんは男のはずだが……んなことを考えている間にドアは開き――
「はい〜、どなたでしょうか?」
 なぜか、らきすたの良 みゆきさん似のメイドさんが出てきました。
うん、どこからどう見ても良 みゆきさんですね。耳がとがっている以外は……
しかも、メイド服はフリルが付いてる挙句にスカートは短いは胸の谷間は見えてるは――
何? そのエロ衣装は? ですよ……ていうか、誰? 後、克也と直貴。そんなに目を見開くな。
「ええと……スリルさん……いる?」
「ドクターですか? 中にいますが、あなたは?」
「ああ、翔太っていうんだけど……スリルさんに用があって……」
「あ、そうなんですか〜……ちょっとお待ちくださいねぇ〜」
 スリルさんのことを聞いたら、みゆきさん似のメイドはそう言って中へと戻っていったが――
「翔太……あの人誰かしら?」
「確か、前に見た時はいなかったよね?」
「もしかして、あの人の愛人?」
 理華の疑問にアリスは首を傾げる。ミュウ、どうしたらそんな言葉が出てくる? いや、気持ちは痛いほどわかるけどね。
「ていうか、あれってらきすたのみゆきだよな!? なんでいるんだよ!?」
「し、しかもメイドさん!?」
 あ〜克也と直貴はやっぱり騒ぎ出したか。いや、気持ちもわからなくないけどね。
「お待たせしました〜。ドクターもお待ちしておりましたよ」
「ああ、そう……」
「あ、おなま、ふぐ!?」
 で、みゆきさん似のメイドさんが戻ってきたので適当に言葉を返しつつ、中へと案内された。
なお、何かを言おうとした直貴の口は塞いだが。頼むから騒ぎを起こすなよ。
そんなことをしつつ、中へと入っていき――
「「おおぉ〜!?」」
 またもや克也と直貴が騒ぎ出した。
つ〜のもね……スリルさんがいたんだが、その横にはこれまたらきすたの柊 かがみ似のメイドさんがいたんだよ。
しかも、みゆきさん似のメイドさんの衣装と同じで……違うのは眼鏡を掛けてたり耳がとんがってたり……
らきすたのかがみより胸が大きかったり……うん、胸の谷間が見えるよ。
「おお〜、翔太はん。待っとったで。にしても、今日はえらく人が多いな〜」
「ねぇねぇ、君なま、おご!?」
「待ってたって?」
 スリルさんの言葉に何かを言おうとした直貴の頭を押えつつ、気になったことを聞いてみる。
お前ら、頼むから自重してくれ。クノーさんやウルスラさんが複雑そうな顔をしてるじゃないか。
「何するんだよ!?」
「頼むから静かにしててくれ。こっちは話を聞きたいんだから」
「だけどさ、お前は気にならない――」
「静かにしてくれ」
「「はい……」」
 怒る直貴にそう言い聞かせるが、克也がしつこかったので睨んでおく。なぜか、あっさりと大人しくなったけど。
「で、待ってたって?」
「うむ、実はな……前に渡したドリー・カドモンなんやけど、間違えた物を渡してしまったんや」
 で、聞いてみたらスリルさんはすまなそうに答えてくれたけど……間違えた?
「間違えたって、どういうこと?」
「うん……いやな、翔太はんに渡したんは、研究中の物やったんや。
知っての通り、悪魔つ〜んは生体マグネタイトを消費して実体化しとるが……肉体を持ってるってわけやない。
そんな悪魔に肉体を与えるために造ったんが翔太はんに渡した物やったんやけど……」
 で、改めて聞いてみたんだけど、スリルさんは話してくれたが……なんか、苦笑いしてないか?
「どうにも上手くいかなくて、頭来てほっぽいてまってたんや。それでそれのことすっかり忘れてもうてな。
間違って渡してもうたと……いや、ホンマにすまん! お詫びにちゃんとした奴、渡すさかい!」
 と、スリルさんは笑いながらそんなことを言ったかと思うと、両手を合わせて謝りだしたが……
間違えたのは……まぁ、別にいいかな? 俺が何か迷惑こうむったわけじゃないし。
ヴィクトルさんもそういう所をしっかりしてれば、文句言わなそうだしな。
「まぁ、そういうことでしたら、俺も文句は言いませんが……ところで彼女達って誰です?」
 とりあえず、その辺りは納得するとして……気になることを聞いてみる。
いや、本当に誰なんだろうね? 克也と直貴もすっげぇ興味ありますって顔してるし。
あ、理華達もそうか。なんか、気になってるみたいだし。
「ふふふ……良くぞ聞いてくれた! 何を隠そう、この子達はわいが創った造魔や!」
「造魔?」
 なぜか、天を指すポーズで話すスリルさんだが……造魔ってあれか?
前に俺達に襲ってきたのと一緒の? え? でも、姿が違いすぎねぇ?
「造魔って、どう見ても人間に見えるけど? いや、確かに耳とかはとんがってるけどさ……」
「確かにドリー・カドモンさえあれば、悪魔合体出来る所で造魔を創ることは出来る。
そやけどな、それだと単調な奴しか出来へんのや。そこでわいは造魔をカスタマイズ出来るようにしたんや!」
「カスタマイズ?」
 思わずみゆきさん似とかがみ似のメイドを指差しながら聞いてみると、スリルさんは万歳のポーズで答えるんだが……
ていうか、カスタマイズ? カスタマイズって改造のことか? うん、改造か……なんか納得出来るのはなぜ?
「造魔は基本的に主となった者に服従する。しかし、助手とかになるとそれだけじゃあかん。
知識とか必要になるし、複雑なこともしなけりゃあかんからな。
造魔は単調な命令ならまだしも複雑なことは苦手やし、学習出来るというても時間が掛かる。
そこでカスタマイズや。造魔の知識面なんかをカスタマイズして、そういうことが出来るようにしたんや。
これは翔太はんのおかげなんやで? 翔太はんの言葉が無かったら、まず思いつかんかったしな」
 スリルの話を聞いて、思わずみゆきさん似とかがみ似のメイドに顔を向けてしまう。
俺のおかげとかはいいとして、それってもしかして凄くないかと思う。思うけど、ちょっと疑問に思うことが……
「話はわかったけど……もしかして、あの2人の姿もカスタマイズしたとか?」
「そや! というか、可愛い子に助手をしてもらうんわ、ある意味男の夢やで!」
 俺の疑問にスリルさんは力説してくれました。拳を握りしめながら……
やっぱりか……ていうか、そうなるとあのメイド服もスリルさんの好みとか?
いや、そうだろうな。でなきゃ、あんなの着てないと思うし……
「わかる! わかりますよ! 可愛い子がいるというだけで、こうシチュエーション的に……もう、萌えですよ!」
 直貴、同調するんじゃない。克也もうなずいてるんじゃねぇよ。
いや、気持ちはわからなくもないよ? 確かに可愛い子と一緒にいると萌えるというのは俺も同意したいよ?
でも、お前ら気付いてないだろ? 理華や美希達女性陣が冷めた目で見てるのを……あ、メイドさん達も一緒だ。
なので、額に手を当て、うつむきながらため息を吐いた。
ダメだこりゃ……こいつら早くなんとかしないと……と思ったのは、俺だけじゃないと思いたい。
「ま、そんなこんなでリゼルとリゼッタは生まれたんや」
「リゼルです〜」
「リゼッタよ」
 2人のメイドさんに右手を向けるスリル。ふむ、みゆきさん似がリゼルで、かがみ似がリゼッタね。
今思ったんだが、性格もみゆきさんとかがみと一緒じゃね? リゼルのおっとりしてる所とか、リゼッタのツンデレっぽい所とか。
「まぁ、それはそれとして……今更なんやけど、その人達誰や?」
 と、スリルさんに言われてもう1つの用事を思い出した。そうだった、俺がここに来たのはヴィクトルさんの用事だけじゃなかったんだよ。
「そうだったわ……初めまして。私はウルスラ・ローラン。翔太から、あなたがCOMPの強化が出来ると聞いて来たんだけど……
1つ聞きたいのだけど、その造魔というのは私も持てるのかしら?」
「可能やで。肉体を持っとるというても、基本は悪魔やしな。
COMPの中に入れとくことも出来るし、高濃度の生体マグネタイト与えて成長させるんも可能や」
 ため息を吐いてから自己紹介と共にそんなことを聞いてくるウルスラさんに、スリルさんは嬉しそうに答えて――
「じゃあ、1体創って欲しいのだけど……COMPの強化もついでに……出来るかしら?」
「そやな。悪魔1体と200MAG必要になるけど、大丈夫かいな?」
 ウルスラさんの頼みにスリルさんはそんなことを言い出した。
「それは必要な物なのかな?」
「当然や。造魔を創るには魂となる物が必要不可欠やからな。そやから悪魔が必要になるし、創る際には生体マグネタイトも必要になる。
ああ、生体マグネタイトはCOMPの強化工賃込みでの量やけど、まけるのは勘弁してくれへんかな?
翔太はんの知り合いみたいやから、これでもまけた方なんやで?」
 クノーさんの問い掛けにスリルさんはすまなそうな顔をしていた。
ていうか、なんか泣きそうになってない? 怖がってるようにも見えるんだけど……
「そういうことならしょうがないけど……私、何かしたかしら?」
「あ、いや……ちょっとサマナーに思う所があってな。あんさんがってわけやないんや。かんにんな」
 首を傾げるウルスラさんにスリルさんはすまなそうに答えてたけど……
そういや、俺達と会うまではサマナーが嫌いとかいう感じだったからな。それが関係してるってことか?
「そう……まぁ、いいわ。じゃあ、お願い出来るかしら?」
「私のも頼む」
「はいな! あ、仲魔は全部外に出してもらえるかな? 失敗する気は無いんやけど、万が一ってこともあるしな」
 しかし、ウルスラさんとクノーさんがやると決めたら、スリルさんは笑顔になっていたりしたけど。
嬉しいんだろうか? なんか、そんな感じはするけどね。
 まぁ、そんなこんなでウルスラさんとクノーさんのCOMPの強化と造魔の作成は行われた。
ちなみにウルスラさんはPSPみたいな、クノーさんはDSみたいなCOMPを使ってたりする。
で、造魔の方はというと――
「それじゃあ、これからよろしく頼むわね、ルミア」
「はい、マスター」
 ウルスラさんの造魔は肩まで伸びたウェーブが掛かってる銀色の髪に知的に整った顔立ちの女性型。名前はルミア。
メガネを掛けており、着ている服も女性スーツと見た感じは秘書って感じだな。あ、耳はとんがってるぞ。
ちなみに背とスタイルはウルスラさんに近いように見える。なお、使った悪魔はアークエンジェルだったりする。
「よろしく頼む」
『こちらこそよろしく頼む』
 で、クノーさんの造魔は……なんと言えばいいかな? ひと言で言えば、ロボットに見える。
ていうか、そのものにしか見えないけど……顔の方も特撮ヒーローとかにありそうな感じになってるし。声もなんかそれっぽいし。
ただ、色の方は黒が基調になってるけどな。名前はバスク。使った悪魔はオニである。
「ああ、言い忘れとったけど、ある程度成長したら能力を更にカスタマイズ出来るようになるから、必要になったら来るとええ。
にしても、翔太はんは造魔は創らないんか?」
「なんていうか……間に合ってる感じだしな」
 そんなことを言うスリルさんに聞かれたんで答えておく。
まぁ、今の仲魔達でも十分だし。どんな姿にするのか悩むというのもあるけど。
「それで香奈子さんと美希はいいのか?」
「確かに魅力的ですけど……そこまでお世話になるわけにもいきませんし……」
「そうだな……いつまでも翔太におごってもらうわけにもいかん。まぁ、生体マグネタイトを貯めればいいだけの話だ。気長にやるさ」
で、2人はどうなのかが気になって聞いてみたら香奈子さんはすまなそうに、美希は腕を組みつつ答えてくれました。
まぁ、必要無いって言うのなら別にいいけどね。

 そんなわけでスリルさんから代わりのドリー・カドモンを受け取り、ノーディスに戻ることにした俺達。
ただ、受け取った時に前に渡した方のは好きにしてもいいと伝えてくれとスリルさんに頼まれたけど。
で、町に何事も無く到着し、ヴィクトルさんにドリー・カドモンを渡すついでにそのことを伝えたら――
「ふむ、興味深いな。わかった、私の方でも調べておこう。何かわかったら、追って連絡する」
 と、言われてしまいました。この時はまぁいいか〜程度にしか思わなかったんだけどねぇ……
「今日はありがとう。あなたのおかげで色々と助かったわ」
 で、業魔殿を出たらウルスラさんにそう言われたんだけど――
「いや、俺は別に大した事はしてないんですけど――」
「あら、謙遜? でも、あなたのおかげで色々と助かってるのは事実よ。
以前ならサマナーはならず者に近い形で見られていたわ。まぁ、それでもなりたがっていた人は多かったけど。
でも、あなたがスラム街の奴らを片付けてくれた時から町の人達の見る目が変わってきたのよ。
ならず者から頼れる者へとね。正直な話、そうならなかったらギルド設立はかなり困難なものになっていたと思うわ」
 とりあえず、そう言っておくんだが……ウルスラさんは笑みを交えてそんなことを言ってきました。
いや、スラム街のは成り行きというか、火の粉を払うというか……とりあえず、今その話はやめません?
美希達の俺を見る目が変わってきてるんですけど……
「そんなもんなんですかね?」
「それがもし謙遜なら、嫌味にしか聞こえないけどね……前にも言ったけど、自分のネームバリューは自覚した方がいい。
君の名前を出したおかげでギルド設立の手続きは順調に行ってるからね」
 後頭部を掻きつつそうなのかなぁ〜と思ったのだが、クノーさんには呆れられてしまった。
いや、ていうか……そんな大した事した覚えないんだけど……確かにスラム街のは今思うとやりすぎたかな〜とは思うけどさ……
「いずれ、ギルドのことで話をすることになると思うから、その時はよろしく頼むわね。それじゃあ」
 そう言って、ウルスラさんは右手を振りながらクノーさんと一緒に去っていったのだった。
「俺、そんなに凄いこと……したのかなぁ?」
「お前は……」
 それを見送りながら、思わずそんなことを漏らしちゃったんだけど……なぜか、スカアハに呆れられました。
いや、本当に疑問なんですけど? だってさぁ、スラム街以外のことで町に何かした覚え無いんだけど?
護衛は……違うよな? うん、本当にわからん。
「さて、翔太……今の話はどういうことなのか……聞かせてもらおうか?」
 と、なぜか美希に睨まれていました。あ、克也に直貴もだ……
それを見た俺はどうやって誤魔化そうかと頭を悩ませるはめとなったのだった。


 out side

 夕食も終わり、すでに寝る時間となった今――
「なぁ……」
「なんだ?」
「俺達……なんで、ここなんだろうな?」
 克也に声を掛けた直貴はそんな疑問を漏らしていた。
というのも君嶋と京介を含めた4人はガレージとなっている所で寝ていたからである。
ちなみにだが、ガレージにあった柔らかい物を使って敷き布団代わりにし、毛布を被ってという形で――
なぜ、こんな形になったのか? ボルテクス界の翔太の家は1階がガレージ、2階が住居部分となっているのは前にも話したと思う。
で、住居部分だが台所兼居間にトイレとバスに部屋が3つという形になっている。
この内1つに翔太と理華の寝室となっており、もう1つには刹那と真名、ミナトの一時的な寝室となっている。
残っている1つはというと実はスカアハとクー・フーリンの寝室だったりするのだ。
スカアハとクー・フーリン、実は2人ともGUMPには入らずにベッドで寝ているのである。
翔太にベッドと布団を買わせて……この時、翔太は本気で泣きそうになったとか……
ちなみにミュウも実は翔太の枕元で寝ていたりする。
 ともかく、寝室となっている部屋は埋まっており、なおかつ布団などの寝具も無い状態である。
それでどうしたかといえば、美希と香奈子は居間で寝ることとなった。美希はソファで、香奈子は床に敷き布団代わりに柔らかい物を敷いて。
では、なんで克也達がガレージかというと……居間で寝るには狭かったというのもあるが、男女が一緒に寝るのは……
と、香奈子が抵抗感を見せてしまったからである。結果、こんな形で寝るはめになったのだが――
「なぁ……」
「なんだ?」
「翔太を殴ってもいいかな?」
 直貴のひと言に声を返した克也は……思わずうなずきたくなった。
というのも、翔太が理華と一緒に寝ているというのはある意味羨ましかったわけで……それを妬んでいるのである。
一応、別々のベッドに寝ているのは知ってはいるが……それでも羨ましいと思ってしまうのは男の性か……
 とりあえず、克也は同意したい気持ちをこらえて沈黙することにし、そのまま眠ることになった。
が――
「のわぁぁぁぁ!?」
「ちょっとぉ〜!? なんで美希と一緒に寝てんのよ!?」
「いや、俺にもわかんないんだけど!?」
「ん〜……ああ、おはよう……あ、あれ? あ、きゃああぁぁぁぁぁ!?」
 なんていうハプニングがあったおかげで、克也はあの時同意しとくんだったと……
そんな騒ぎを起こす3人を恨めしそうに睨みながら思うのであった。




 あとがき
そんなわけで美希達のボルテクス界での1日はこうしてすぎていきました。
そんな彼女達は今後どうなっていくのか? それは物語でたまに出てくることになると思います(たまにって……)

さて、拍手で感想をもらってるのでレスいたします〜。

>トニオもライバル視してるなら自分で金出せよw
すいません。まったくもって思いつきませんでした^^;

>ミュウは最初からの相棒だから愛着わいてくるね。人修羅とピクシーの関係に似てるよね。
ピクシーは女神転生シリーズを通しての悪魔ですので、こういう関係はありなんじゃないかな〜と書いております。

>鎧を纏う者がまさか女の子だったとは…驚きです。
>特別な力を持って生まれた彼女にとって、初めて傷を付けた翔太はある意味特別な存在なんでしょうね。
>何故だろう、ライバルとして何度もの戦いの中で仲間意識が芽生えそうな気がするのは。

実は女の子でしたネタは王道だと思うのです(おい)
まぁ、その予想は……今は内緒です。

>メガテンの主人公や仲間の人外ぶりは凄いよね 最後のほうでは神話クラスに殴りかかるし 。
ですねぇ……その辺りは悩みのタネの1つだったりしますけどね。

>主人公が押しに弱すぎる所為か、他人にどんどん寄生されているようにしか見えない……。
>意識改革でもしてもっと自覚させてほしいところですねぇ。

まぁ、それでも見捨てられないのが翔太なんですがね。

>面白いですが一つ質問が……オニことクーフーリンの容姿がわからない、というか赤い槍としか描写されてないような?
>勘違いだったらすみません

17話冒頭にありますよ〜。確かめてくださいねw

>ペルソナ使いはでますか?
実はペルソナシリーズはまったくの未プレイだったりします。なので、出せません。
ただ、原作からあるゲームが出ることは決まってます。ただ、それはまだ先になりますがね。

>コンスタントに投稿される作成能力すごいですね。
>長編を予定されてるみたいなので、中だるみもあると思いますが、がんばってください。応援してます。

ありがとうございます。これからもがんばって書いていきたいと思います。

さて、次回ですがあの八雲 紫が現われて、翔太達は再び幻想郷へ。
そこで頼まれたのは再び現われた悪魔退治だった。しかし、なぜかその場には幻想郷を代表する者達が集まっており――
それだけでなく、仲魔2体にもある変化が起きており? といった感じのお話です。
そんなわけで、お楽しみに〜



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