in side

「良く来たね。まずは……君達が無事でほっとしているよ」
 ウィルに連れられてやってきたサマナーギルド。
で、ギルドマスターの部屋に来ると、イスに座るジョージさんに安堵のため息混じりにそんなことを言われました。
一方で俺は首を傾げるばかりである。いや、だって何があったのかまだ聞いてないんだけど。
「あ、あの……何かあったんですか?」
「む、その様子だと何も知らないのか……わかった。説明しよう」
 とりあえず、後頭部を掻きつつ聞いてみると、ジョージさんはうなずき――
「実はここ数日、何人ものサマナーが行方不明になっているんだ」
「行方不明……ですか?」
「ああ……確かにサマナーというのはその特性上、命の危険性は常に付きまとう。
町の外に出て、そのまま帰ってこなくなるなんてのは十分あり得る話だからな。
それでも3日に1度あるか無いかだったのだが……それがここ数日になって、急激に増えた。
確認出来ているだけでも3日で11人の行方がわからない。
それにギルドに所属してないフリーのサマナーも行方不明なっているという報告がある。
そんな時に君達の行方も確認出来なかったので、もしやと思っていたんだが……そうでは無くてほっとしているよ」
 首を傾げる俺にジョージさんは話してくれたんだが……サマナーが行方不明って……
確かに悪魔と戦闘とか考えると……あんまし考えたくない事態になっていてもおかしくないけどさ。
「原因はわかっていないのか?」
「ここ最近、悪魔が強くなっているという報告は来ているが……それが直接的な要因かはまだわからない。
とりあえず、今は2人以上で組んで行動するようにしているが……ギルドとしても非情に困っている所だ」
 スカアハの問い掛けに、ジョージさんは答えてから顔を横に振りつつ深いため息を吐いていたけど……
悪魔が強くなっている? あれって、幻想郷だけの話じゃなかったのか?
悪魔が強くなったからやられるサマナーが多くなったってのは考えられそうだけど――
「どう思う?」
「悪魔が強くなったとなれば、それが原因だと考えても不思議では無いが……
しかし、悪魔が強くなったことを知っていたのなら、それなりに対処はするだろう。
そうであるならば、それが直接的な要因とは考えにくいな」
「ああ……悪魔が強くなったのは行方不明が発覚する前からわかっていた。
だから、ギルドの方でもそのことは告知していたからな。私としても同じことを考えている」
 聞いてみるとスカアハは腕を組みつつ答えてくれたが……どうやら、ジョージさんも同じ考えらしい。
しかし、そうなると何が原因なんだろうか? う〜ん、情報が少なすぎてわからん。
あれ? でも、悪魔が強くなったのっていつからなんだろうか?
俺達が別の世界に行ってる間にボルテクス界ですぎた時間は一晩らしいんだけど……
うん、士郎達の世界に通じる穴の周辺の悪魔はいつもと変わらなかった気がするな。
それでも十分に強かったけど――
「ともかく、君達も気を付けてくれ。それと……何かわかったら、報告してもらえると助かる」
「あ、わかりました」
 ジョージさんに言われてうなずいておくが……しっかし、何が起きてるんだろうか?


 そんなわけで町中に戻ってきたのだが――
「それでどうするの?」
「確かに気になることではあるが、何もしないわけにはいくまい。
ただし、私達も何もわかっていない状況だからな。何かがわかるまでは慎重に行動した方がいいだろう」
 とりあえず聞いてみたら、スカアハからそんなことを言われました。
でもまぁ、そうだよな。一応、情報を集めてみたんだが……
行方不明になっているサマナーは町の外に出たこと以外、変わった事は無かったみたいなんだよな。
となると、町の外で何かが起きていると思っていいんだろうが……
「しかし、外に出て大丈夫か?」
「悪いが……私達の目的を考えるなら、外に出ないわけにはいかないさ。
ただし、危険なのは確かだから、何かがわかるまでは町にすぐ戻れる所で美希の訓練をした方が良いな」
 君嶋さんはそのことを気にしてるけど……確かにスカアハの言うとおりなんだよな。
シンジから連絡があったら新しい世界に行かなきゃならないし……まったく、なんでこんな事になってるかね?


 そんなこともあり、俺達は町の近くで悪魔と戦闘……を終えていたりするのだが――
「なぁ、なんで強くなってんだ?」
「わからん。しかし、これはまずいかもしれんな。ここはまだいいが、奥地の方はもっと厳しくなるかもしれないな」
 思わず出た疑問にスカアハは眉間にしわを寄せながら答えていた。
何があったかというと、ジョージさんの話通りに悪魔が強くなっていたのだ。
町の近くなんだけど、出てくる悪魔は奥地……
そうだな、ネギ達の世界に通じる穴の周辺に出る奴ら位の強さになっていたんだ。
今まで会ったことが無い悪魔がいて、そいつの強さがそれ位だというのなら、まだわかるんだよ。
問題なのはこの周辺でそういうのはいなくて、いつも現れる悪魔ばかりであるということ。
なのだが、そのいつも現れる悪魔がそれ位に強くなっているのである。
今の所は大丈夫だけど、奥地に行ったら……もっと強くなってそうだな……
 ちなみに美希はというと、最初は戸惑ってたが次第に慣れてきたのか、動き良くなっているように思える。
言っとくが、俺は人の戦い方とかわからないからな。素人目でそういう風に見えるってだけだからな。
でも、美希としても同じ感想だったのか、少しずつ嬉しそうな顔をして――
「これなら、翔太と一緒に戦える」
 なんて言ったら、スカアハに怒られてたけどな。まぁ、それはそれとして――
「強くはなったけど……どう思います?」
「専門外だから確かなことは言えんが……私もサマナー達の行方不明の原因としては弱いと思う。
強くなったのは確かだが、圧倒的というわけでもないからな」
 俺の疑問に君嶋さんがあごに手をやりながら答えてくれたけど……
確かに強くはなってるが、君嶋さんの言う通り圧倒的というわけでもない。
場合にもよるんだろうけど、サマナーがあっさりと倒された〜……てのは、考えにくいよな。
「あのさ、どっかの世界の穴に入っちゃったとかは?」
「無くもないか……短時間で現れる穴もあることにはあるからな。
それによって異世界へ……となれば、まずいかもしれんな。シンジに言って、調査してもらうか……」
 理華の考えにスカアハがあごに手をやりながら考え込んでいたが……確かにそれはありえるか。
理華もその短時間で現れる穴のせいでボルテクス界に来ちゃったしな。なんてことを話し合っている時だった。
「あ、あれってリィナちゃんじゃない?」
 香奈子さんが指差しながら、そんなことを言い出す。
顔を向けて見ると……あ、確かにリィナだ。でも、なんで走ってるんだ?
それにトニオは……って、おい!
「おい、追い掛けられてねぇか?」
 クー・フーリンの言う通り、リィナは3人の男達に追い掛けられていたんだが……
けど、おかしいな? あいつらなにもんだ? それに着ている服……なんか、俺達の世界の服装に似てる気がするんだけど?
「助けるぞ!」
「異議無し!」
 スカアハの言葉に答えて駆け出す。ともかく、やばいってのは代わりなさそうだしな。
「翔太さん!?」
「こっちだ!」
 前に立って声を掛けると、リィナは慌てて俺達の後ろに隠れた。
その間に3人の男達は立ち止まってたけど。
「なんだ、貴様らは?」
「そりゃこっちのセリフなんだけど? ていうか、彼女になんか用か?」
 男の1人が睨んでくるが、俺も睨んで聞いてみる。うん、絶対に普通じゃないよな、こいつらは……
で、男達はというと、なにやら小声で話し合い――
「このままではこちらが不利か……本隊に戻るぞ」
「は!」
 男の1人がそう言うと、別の男が返事をして走り去っていった。随分あっさりと逃げてったな?
「数の不利を悟ったか……何者だ、あいつら?」
「さぁ……と、大丈夫か?」
 スカアハの言葉に首を傾げつつ、俺はリィナに声を掛けたんだが――
「お願いです! 兄さんを……兄さんを助けて!?」
「……はい?」
 いきなり、そんなことを言われました。いや、待とうか……兄さんってのは、あのトニオの事だろう。
トニオを助けて……どういうことよ?
「えと……何があったわけ?」
「兄さんが……兄さんが、連れ去られたんです!?」
 訳がわからないので聞いてみたら、リィナに叫ぶようにそんなことを言われたが……連れ去られた!?
「え? 連れ去られたって……どういうことよ!?」
「待て、ここでゆっくり話をするのは無理だ。近くにスリルの研究所がある。そこで話を聞こう」
 思わず驚いたが、スカアハに言われて気付いた。そういや、ここって町の外じゃん。
のんびり話してたら、悪魔に襲われるか……そういうわけで、俺達はスリルさんの研究所に急ぐ事となったのだった。


「では、話を聞かせてもらえるかな?」
「は、はい……」
 で、悪魔の襲撃を1回受けたが、問題無く撃退してスリルさんの研究所に到着。
スリルさんに訳を話してから、スカアハがリィナに問い掛けていた。
「そ、その……兄さんと一緒にいたのですけど……あ、あの……なんというか、用を足したくなってしまって……
それで兄さんから離れていたんですけど……」
 最初は赤くなっているリィナ……まぁ、なんだ……気持ちはすっごくわかる。
そこはあえて触れないでおくとして……そのことを言い出した途端に、リィナの顔は怯えるような物へと変わっていた。
「戻ってみたら……兄さんが大勢の人達に襲われて……連れ去れて……そしたら、その人達が私にも気付いて追い掛けてきて……」
「逃げ回っていたら、俺達と出会ったってわけか……」
 怯えながら話すリィナにそう思って言ってみたら、リィナはうなずいてたけど……
しっかし、連れ去られたって……なんでまたそんなことを?
「どう思う?」
「さてな……だが、よからぬ事だというのは間違いなさそうだ」
 聞いてみると、スカアハは呆れたように答えてたが……だよなぁ。明らかに誘拐だし。
しっかし、大勢でか……うん、なんか嫌な予感しかしないけど……
「そいつらが何者か、わかるか?」
「いえ、初めて見る人達ばかりでしたし……あ、ただ何人かはサマナーだったと思います。
それと関係あるかわからないんですけど……その人達が着ている物に犬か狼が剣をくわえているようなマークがありました」
「なん……やと?」
 君嶋さんが問い掛けるとリィナは思い出しながら答えてたが……それに反応したのはスリルさんだった。
でも、その表情は……驚いてるというか、戸惑っているというか……
「どうしたんですか、ドクター?」
「ん、そやな……なぁ、嬢ちゃん。嬢ちゃんが見たマークってのは、これやないか?」
 リゼルに首を傾げられるが、スリルさんは断ってから写真をリィナに見せてたけど……
その写真に写っていたのは、まさしくリィナが言っていたのと同じ物だった。
「あ! これです! このマークです!」
 どうやら間違いないらしく、リィナは指を差しながら驚いてたけど……
「まさか……奴らがここにおるとはな……」
「知っているのか?」
「ん……そやな……翔太はん達は、ワイが別の世界から着たってのを話したのは覚えとるか?」
 問い掛けるスカアハに、呟いたスリルさんはそんなことを言い出す。
ああ、確かにそんなこと言ってたっけ? なので、理華と共にうなずいたんだが――
「ワイはな、元いた世界では武狼(ぶろう)っていう組織にいたんや……武器密売とかをする……まぁ、早い話が犯罪組織や」
 真面目な顔して話し出すスリルさんだが……いや、待とうか。犯罪組織って……なにさ?
「なんでまたそんな所に?」
「そこはな、悪魔を兵器化して売り出そうとしててな……ワイはその為の研究員として雇われたんや。
その時は研究が出来ればどこでもええと思ってたんやが……今思うと、失敗やったなと思っとる」
 香奈子さんの問い掛けにスリルさんは自嘲気味な笑みを浮かべながら答えてたが……
悪魔を兵器化って……また、とんでもないことしてやがるな……ん? ちょっと待て?
そんな奴らがボルテクス界に来てるってこと? てことは――
「マジでヤバイじゃん!?」
「おわ!? ビックリした……ま、翔太はんの言う通りや……
だがな、その子の兄さんが連れ去られたってことは……もっとヤバイかもしれへん」
 気付いて思わず叫んじゃったが、スリルさんは驚きながらもそんなことを言い出した。
あ〜……確かに良く考えるとヤバイかも……悪魔を兵器化しようとしてる連中が連れて行ったとなると――
「なんらかの実験に使うつもりか?」
「たぶん……いや、もしワイの考えが間違ってなかったら……それより最悪かもしれへん」
 俺と同じ考えのスカアハが視線を向けながら聞いてくるけど、スリルさんの返事に顔が引きつるのを感じた。
あの、すいません……本気で嫌な予感しかしないんですけど?
「その組織にはオレルっつ〜奴がいるんやけど……ハッキリ言わせてもらうと狂人や。
なにしろ、悪魔と人間を融合させた生物兵器なんてのを造っとった奴やからな……」
「な……」
 やや、うつむき加減に話すスリルさんだが、聞いた俺は絶句していた。
いや、たぶん聞いていたみんながそうかもしれない。漫画や小説、アニメや映画とかじゃ良くある話だが……
実際にやってるとなると話が違ってくる。うん、気分が悪いってもんじゃないって。
「待て……確か、何人ものサマナーが行方不明になってるって……」
「状況から考えてありえる……いや、そう考えた方が良さそうだな」
 そのことに気付いた君嶋さんに、スカアハは頭を抱えながら答えていたが……
ま、今の話からして、そう考えるのが普通だよな。行方不明になったサマナーが、そういうことをされてるって。
「じゃ、じゃあ……兄さんは……」
「このままだと、そうなるだろうな……もっとも、そんなことをさせるつもりはないが……」
 顔が強張るリィナにスカアハは睨むように答えた。それを聞いたリィナはうつむいてしまったけど……
ま、俺もスカアハの意見に賛成だ。実際はどうなってるかはわからないが……もし、話通りなら、マズイなんてもんじゃないし。
「でも、どうするの?」
「そうだな……そいつらのアジトに乗り込んで潰せるのが一番だが……
どこにいるかがわからん……それに相手の規模もわからんし……スリル、何か知らないか?」
「ワイもそれほど詳しいわけやないから、たぶんなんやけど……この世界に来てるんなら、前線基地みたいのを造っとる可能性はあるな」
 ミュウの疑問に答えてからスカアハは問い掛けるが、聞かれたスリルさんは渋そうな顔をして答えたけど。
確かにスカアハの言ったことを考えるとな……ううむ、どうしたらいいんだろうか?
「どうする?」
「後手に回ることになるが、ギルドにこのことを知らせよう。シンジにも調査を頼む。
相手のことがわからずに突っ込むのは、無謀以外の何者でもないからな」
「あ、あの……兄さんは……」
「すまない……だが、人間相手は時として悪魔よりも厄介な時がある。
今回の相手はその類かもしれないからな。下手なことが出来ないのだ」
 君嶋さんの問い掛けにスカアハが答えると、リィナの問いかけにはすまなそうに答えていた。
まぁ、俺としても早く助けに行きたいんだが……銃とか持ってたらなぁ……
自分で撃ってるからわかるんだけど、撃たれたら弾丸が見えないんだって。
まったくってわけじゃないけど……気付かない内に撃たれたら避けれないよ。
え? それでも十分異常? うん、だよねぇ……俺、どうなってしまうんだろうか?
「悪いけど、ワイも付いていってええか?」
「なんでまた?」
 スリルさんがそんなことを言い出したんで、思わず問い掛けるが……スリルさんの表情は真剣そのものだった。
右手を握りしめてるし……なんか、思う所があるんだろうか?
「まぁ、古巣がしたこととはいえ、ワイも無関係ってわけやないしな。それに翔太はんには色々と世話になってるし。何か手伝いがしたいんや」
 なんて、後頭部を掻きながらスリルさんは答えてるけど……世話になってるって、大したことはしてないような……
「そういえば、今気になったんですけど……スリルさんはなぜ組織から抜けたんですか?」
「あ〜……その……な……実は失敗を繰り返してしもうてな……それで居づらくなったんで、抜け出したんや……
あ! 言っとくがオレルのような研究はしてへんからな! ワイがしてたんは、あくまで造魔の研究やしな!」
 香奈子さんの問い掛けにスリルさんは慌てた様子で答えてたが……
なんでだろうか……怪しいことは怪しいけど、スリルさんなら大丈夫そうに思えるのは……
 それはそれとして、スカアハの意見通りにノーディスに戻ることにしたのだが――
「いたぞ! 奴らだ!」
 洞窟を出た途端にリィナを追い掛けてきた奴らに見つかり、それと共に続々と人が集まってくる。
人数は10人くらいか? それと悪魔は13体……か……あっちゃ〜、やばいなこりゃ。
「なぁ、あいつらってリィナを追い掛けてた奴らだよな?」
「たぶんな……それが仲間を連れて来たか……ご丁寧に悪魔まで……念の入れ用は感心するがね」
 とりあえず、あいつらを指差しながら聞いてみると、スカアハが呆れた様子で答えてくれたが……
しっかし、どうしたもんかね? 下手なことすると撃たれるだろうし――
「ふん、抵抗しようと考えるなよ? もし、しようとしたら――」
「どうなるのかしら?」
 男の1人が偉そうに話していたら、そんな声が聞こえてきました。
なんだろうとみんなが顔を向けるとそこに男女1人ずつ立っていた。
女性の方はスーツを着ており、男性の方は額にサングラスがあり、服装は俺が着ている物から防具を外したのと似ている。
「な!? 貴様らは――」
「アギラオ」
 男の1人が驚いてる間に、その女性は魔法を放ち――
『ぎゃあぁぁぁぁぁ!!?』『ぐああぁぁぁぁぁぁ!?』
 爆発して、かなりの人数を吹っ飛ばしていた。お、チャ〜ンス。
「くそ! 奴らを殺せぇ!?」
「出来ると思う?」
 叫んでる男に俺はすでに近付いていた。
こいつらが吹っ飛ばされるのを見て、チャンスとばかりに近付いてたんだよね。ほとんどの奴らがあの2人に顔を向けてたし。
「な、ごぼぉ!?」
「……あれ?」
 で、殴り飛ばしたんだが……すっごい放物線を描いてます……あの〜……なんでそんなに飛びますか?
更には倒れるのはいいとして、マズイ痙攣起こしてるんですけど……
「がはぁ!?」
「少しは力を抜け……お前の今の力だと、下手をしたら殺してしまうぞ」
「ぐほぉ!?」
「泣きたくなってきた……」
 別の男を殴るスカアハの言葉に、俺は思わず顔に手を当てつつうつむいていた。
襲いかかってきた奴は遠慮なく殴ったが……ていうか、殴り殺せるって……俺、本当にどうなっちゃうんだろ?
ちなみにだが、この間にクー・フーリンや他の仲魔達も他の男達を倒しまくってたりするけど。
「く、殺せぇぇぇぇぇぇ!!?」
「があぁぁぁぁ!?」「ぐおぉぉぉぉぉぉぉ!?」
 と、1人の男の指示に悪魔達が俺に襲いかかってきた。
襲ってくるのはここら辺にいるのよりも1ランク上の悪魔ばかりだが――
「おっと」
 体をひねるようにして回転しながら悪魔達の爪を避け、それと共に腰に差してある剣を抜き取り――
「でりゃあ!?」
「「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!?」」
 そのまま回転を続けて、襲いかかってきた悪魔を剣で横に切り裂く。
う〜む、姿は知ってるのと同じだが、やっぱり強くなってるな。さっきの動きも速かったし。
「な!? 一撃で……そんな馬鹿な!?」
 指示を出した男は気付いてないのか驚いてたけど。
あ〜……そういや、一撃か……うん、最近普通じゃ無くなってるなぁ〜って、実感が強いね……
やば、泣きたくなってきた……
「くそ……なんなんだ、貴様は!?」
「あ〜……通りすがりのサマナーだ。覚えとけ」
 聞かれたんで、とりあえず気を取り直し、剣を向けながら答えておいた。
が、なぜか聞いてきた男は戸惑った様子を見せていたが……なんでだよ?
「サマナー……貴様、人間なのか!?」
「殴るぞ、マジで!?」
 男に言われたことに思わず叫び返してしまう。
いや、確かに普通じゃ無いかもしれんけどね……それは流石に傷付くぞ!?
まぁ、そんなこともあったがこれといった問題も無く、男達を全員叩きのめしたのだった。
「まったく……余計なお世話だったかしら?」
「いや、正直助かった。あのままなら、少々危険な手を使わねばならなかったからな」
 ふと、魔法を放ったスーツの女性がそんなことを言ってくるが、スカアハは肩をすくめながら答えていた。
ま、確かにあのままだと、危険なことしないと何とか出来なかったかもしれないしな。
「あっと、自己紹介がまだだったわね。私はレイ・レイホゥ。
そいつらを追ってここへ来た……ま、ある組織の一員とだけ言っておきましょうか」
「俺は峰岸 啓自。レイさんの手伝いで来たんだ。あ、俺も一応サマナーなんだぜ。よろしくな」
 と、自己紹介してくれるレイさんと啓自さん……けど、この2人って、どこかで見たことあるんだけど……どこだったっけ?
俺が2人のことを思い出すのは……かなり後になる。まぁ、この時はそんなことを気にする暇が無くなったからなんだけど――



 あとがき
そんなわけでボルテクス界に戻ってきた翔太達ですが、早速厄介ごとに巻き込まれてます。
誘拐されたサマナー達はどうなってしまうのか? そして、翔太達はトニオを助けることが出来るのか?
そして、翔太達の前に現れた2人はいったい……ちなみにこの2人、元ネタはもちろんデビルサマナーのキャラです。
ただし、こちらもゲーム本編とは違います。その辺りの話は次回にでも。

さて、次回は事件解決の為にレイ達と一緒に行動することとなった翔太達。
武狼のアジトを突き止め、突撃しますが……果たして、翔太達は攫われたサマナー達やトニオを助ける事が出来るのか?
次回はそんなお話です。お楽しみに〜



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