in side

「システムチェック及び起動動作テスト開始……10……34……102……504……1238……
現行で考えられる起動動作パターン全2231のテスト完了。魔力炉出力、通常状態で16%……正常に作動中。
はい、終わりましたよ〜」
 あれから2〜3時間。シンジがにこやかに言うのだが……見てたけど、なにやってんだか全然わからん。
反面、フィオさんといつの間にかいるアーヴィンさんが感心した顔付きになってみてたけどな。
で、シンジの手には夜天の書があるんだが、なんか真新しく見えるのは気のせいか?
 ちなみに待っている間にはやてはなのは達とすっかり仲良しになっていた。
BJから普通の服に戻ったなのはを見て、はやては目を輝かせていたが……なんか、おかしな感じに見えたのは気のせいか?
ちなみにすずかとアリサも同じように目を輝かせてたけど。
 そうそう、フェイトもちゃんと仲良しになっている。最初こそ警戒してたが、忍さんやスカアハのおかげで打ち解けたようだ。
それと紫はまだいる。いつの間にか藍さんもいて、タカハシさんやフィオさんなどを戸惑わせてたけど。
が、フィオさんは立ち直ったかと思うと紫にあれこれ聞いていた。聞こえてくる内容からして、妖怪という物を知りたかったようだ。
けど、話してる内にフィオさんが驚いて狼狽してたようにも見えたんだけど……何があったんだ?
「直った……んですか?」
「ええ、試しに起動してみてください」
 恐る恐る受け取るはやてにシンジはにこやかに答える。
で、はやては夜天の書を膝の上に置き、右手を添え……床に魔方陣が現れた。
「あ……」
 いきなりのことに戸惑っているようだが、怖がっているようには見えない。
なのは達や理華達も静かに見守り……やがて、魔方陣を取り囲むように5人の姿が現れた。
って、あれ? 1人の横にちっこい妖精みたいなのがいるんだが……
「管制人格、及び守護騎士。主の呼びかけにより惨状いたしました」
 やがて魔方陣が消えると、長い銀髪の女性……リインフォースが頭を下げながら挨拶し――
「む! 貴様ら何者!」
「主はやらせねぇ!」
 ポニーテールの女性が剣を持って、2本のおさげをしている少女がハンマーを持って襲いかかってきました。
俺に……いや、なんでさ?
「翔太君!?」
「「な!?」」
 タカハシさんの声が聞こえると共に女性と少女の驚きの声が聞こえる。
まぁ、2人の攻撃を俺が剣で受け止めたからなんだが……それはそれとして――
「なぁ……前にもこんなことなかったっけ?」
「気にしない方がいいぞ」
 思わず顔を向けながら聞いてみるが、呆れた様子のスカアハにそう言われてしまいました。
うん、あったよね。前はセイバーに……でも、なんでさ? 俺、何かしたっけ?
ちなみにこの間、女性と少女は明らかに斬ったり殴ろうという気満々で力を入れてくる。
でも、余裕というわけでもないが、耐えることは出来た。ちっと腕が疲れるけど。
「ば、馬鹿な……」
「あ、あたいらの攻撃を……」
「て、やめぇな!? その人は敵やないんや!」
「そうだ、シグナム、ヴィータ。そこまでにしろ」
「「え?」」
 シグナムとヴィータと呼ばれた女性と少女は驚いてるが、慌てるはやてとリインフォースに言われて思わず顔を向けてしまう。
ていうか、もしかしなくても状況を把握してないよね?
「本当……なのか?」
「俺としては、なんでいきなり襲われたのかを聞きたいんだけど?」
 女性ことシグナムの問い掛けに、俺はジト目になりながら問い返す。
ていうか、いい加減剣を引いてもらえませんかね? 流石に疲れてくるんですけど?
「そうか……すまない……」
「すまねぇ……主を利用してる奴かと思っちまって……」
「気持ちはわからなくもないが、いきなり襲いかかるのはどうよ?」
 やっとのこと剣を引いてくれるシグナムと、ハンマーを下げる少女ことヴィータ。
解放された俺は剣を鞘に戻すが……ええと、2人とも……なんで、こちらをちらちらと見る?
「翔太君……大丈夫かい?」
「ええ……慣れって偉大ですね……慣れたくもなかったですけど……」
 心配するタカハシさんに、思わず遠い目をしながら答える。
うん、本当に……セイバーのおかげで冷静になれたけど……感謝は言わんよ。
ていうか、襲われて感謝する奴は普通はいないって。
「あ、あの……どうなっているのでしょうか?」
「ああ、そういえばデータのやりとりとかは管制人格としかしてませんでしたね。
守護騎士の方はデータの修復とシステム調整とかで、そういった情報を渡していませんでしたし」
 戸惑うブロンドの髪の女性の言葉にシンジは思い出したかのようにポンと手を叩きながら、んなことを言い出した。
なるほど、シグナム達は事情を知らない訳か。でも、襲いかかってくるのはやめて欲しいんだけど。
「どういうことだ?」
「うむ、実はな……」
 短い銀髪の男の問い掛けにリインフォースは今まで自分達に起こったことも含めて話し始めた。
昔ある主にプログラム改変を受け、その影響で自分はいくつもの破壊や滅びを起こしたこと。
そのたびにシグナム達の記憶を一部消していること。そうしたのはその方が良いと考えたからということ。
その改変がシンジによって改修され、もう破壊や滅びを起こさなくて済むことを話した。
「そう……だったのか……」
「ふむ、暴走の傾向は無いようですね?」
「ああ……あなたには本当に感謝している。あれはあまりにも酷すぎて、私ではどうにもならなかった……」
「ところでさ、このチビはなんなんだ?」
「わ、私はチビじゃありませ〜ん!?」
 落ち込むシグナム。シンジに問われたリインフォースは頭を下げた後、つらそうにしながらうつむいていた。
で、ヴィータはちっこい妖精……良く見たら、リインフォースをそのまま小さくしたような子を指差していた。
あれってツヴァイか? でも、ツヴァイはA'sのしばらく後に創られたと思ったけど……それがなんで今ここに?
ちなみに……ええと、ツヴァイでいいのか? は、ヴィータにチビと言われて怒ってるようだけど。
「ああ、それはもしもの為に創った安全装置ですよ」
「安全装置……ですか?」
「ええ。一応、夜天の書にはもしもの対策は施してはいますが……
改変を受けたり悪用されたりする可能性が無くなったわけではありません。
ですので……彼女のことは仮でツヴァイさんとお呼びしますが……
ツヴァイさんは夜天の書がそういったことになった際に強制的に現在の状態に初期化出来るシステムを搭載しています。
いわゆるストッパーです。また、ツヴァイさんも改変などしようとした場合は、夜天の書もろとも爆破消滅するようにしております」
 話を聞いたブロンドの髪の女性が首を傾げたんで、話したシンジが人差し指を立てながら説明をするんだが……
聞いてると物々しい気がするのは気のせいだろうか?
「なんか、やり過ぎって気がするんだが?」
「この手の物は万全を期するのは不可能に近いですからね。
なので、起きた場合を想定した対策をしておいた方が有効だったりすることもあるんですよ」
 思わず聞いてしまうが、シンジの話に思わず納得してしまう。
だって、漫画やアニメでは対策したつもりが裏を掛かれた……なんてのは、良くあるネタだしな。
「ああ、そうでした。はやてさん、管制人格とツヴァイさんに名前を付けてください。
守護騎士のみなさんにはあるんですが、そのお二人には無いものでして」
「え、そうなん?」
「はい……ツヴァイはしょうがないにしても、私は元から名前はありませんでした……」
 シンジの話を聞いたはやてが問い掛けると、リインフォースは目を閉じながら答えたけど……
そっか、リインフォースって名前ははやてが付けたんだっけ。当然、今はその名は無いわな。
ここにいるリインフォースは現れたばっかりだし。
「そか……そやな……リインフォース……強く支える者……幸運の追い風……祝福のエール……うん、今からあんたはリインフォースや。
で、そっちの子は……リインフォース・ツヴァイ……じゃ、可哀想やし……リエルはどうやろ?」
「了解しました。今後、個体名称をリインフォースで固定いたします」
「リエルも了解なのです〜」
 はやてに名付けられたリインフォースは目を閉じ、ツヴァイ改めリエルは嬉しそうにしていた。
ま、確かに同じリインフォースじゃ可哀想だしな。
「そういえば、私達の自己紹介がまだでしたね。改めまして、烈火の将のシグナムといいます」
「紅の鉄騎、ヴィータだ」
「風の癒し手のシャマルです」
「盾の守護者、ザフィーラ」
「あ、うん。よろしゅうな」
 頭を下げながら自己紹介するシグナム。ふんと鼻を鳴らすのがヴィータで、微笑みながら自己紹介するブロンドの女性ことシャマル。
で、銀髪の男ことザフィーラが自己紹介を終えると、はやては笑顔で挨拶をしていた。
 ここでなんか殺気みたいなのを感じるので、感じる方に顔を向けて見ると……あ、猫が睨んでる。
どっちかはわからんが、この状況は歓迎出来ないって所かな?
「おっと、忘れる所でしたね」
 シンジもそのことに気付いたようで、猫をかごから出したのだが……いいのか、それ?
で、猫は床に降り立つとシンジを睨み――
「あんた、何をしたのかわかってるの!?」
「猫が喋った!?」
「では、聞きますが……あなた方は自分達が何をしようとしたのかわかってるので?」
 猫が喋ったことにアリサが驚く。すずかとなのは達も驚いてるみたいだけど。
ああ、そういやなのは達は猫のことを知らなかったんだっけ。そういや、シンジがかごを出した時は不思議そうな顔をしてたしな。
そのシンジはといえば、猫を見つつそんなことを問い掛けてたけど。
「どういう……ことよ?」
「何、封印すればそれで終わり……とはいかないということです」
「つっ!?」
 問い掛ける猫だが、シンジの返事を聞いて舌打ちしながら睨んでいた。
まぁ、シンジのあの言い方じゃ、自分達がしようとしたことが知られてるって言われてるようなもんだしな。
「大体、封印した後はどうするので? どこかに隠しますか? それとも厳重に保管?
もしくは宇宙空間か時空間に放り投げます? もし、夜天の書を狙う輩がいたら、それで十分だとでも?」
「な!? あんな危険な物を狙う奴なんて――」
「人というのは何かをする為にはあらゆる手段を選ばない時もあるのですよ。
改修を受ける前の夜天の書も使いようによっては巨大な力ともなりえますから、それを欲しいと思う人が現れて不思議ではありません。
例え、それが危険な物だったとしても、なんとしても手に入れようとするでしょうね。
ま、それ以前に封印が永続するとも限りませんけど」
 その話を猫は反論しようとするが、話していたシンジはその前にそんなことを言い出していた。
確かに漫画とかでもそういう奴が出てくる話はあるな。それと魔法は良くわからんけど、封印がいつまでも続くとは思えないし。
これも漫画とかの話になるけど、封印が解けて――というのは良くあるネタだ。
それにさっき手に入れようとする奴がいるとしたら、当然封印を解こうとするわな。
「あなた方がなぜこんなことをするのか……それを深くは問いません。しかし、復讐のつもりなのでしたら……良く考えなさい。
復讐は……そのやり方を考えねば、復讐したい相手と同じことをしてしまうかもしれませんからね」
 まっすぐと猫を見据えながら、シンジはそんなことを話した。
しつこいようだが、確かに漫画とかでも復讐のためにとんでもないことをした……というのもあるしな。
ちなみに言われた猫は戸惑っているような……瞳が揺れているような……まぁ、同様してるんだと思う。
「ま、この話はこれくらいにしておきまして……グレアムさんにお伝えください。近い内にお会いするとね」
「な!? く……」
 ため息を吐いてから、シンジはそんなことを伝える。
そのことに猫は一瞬驚き、睨みつけて……魔方陣が足下に現れると消えてしまった。
「き、消えた?」
「いいのか?」
「構いませんよ。警戒はしますが、今は他にやらなければならないことがありますしね」
 猫が消えたことにすずかが驚いてる中、スカアハの問い掛けにシンジはため息混じりに答えた。
そういや、リインフォース達をなんとかしただけで、俺達の用事って全然やってないんだよな。
ていうか、俺なんもしてないよね?
「ところで……私達はこれからどうすれば良いのでしょうか?」
「そうですね……蒐集機能は残してますが、別にそんなことをする必要性は無いですし。
今はジュエルシード集めを手伝ってもらえると助かりますかね」
 不安げなリインフォースの問い掛けにシンジは頬を指で掻きつつ答えるが……そういやジュエルシードのこと、すっかり忘れてたよ。
確か、ネギ達の世界にある魔法界の崩壊を止めるのに必要で……メムアレフも狙ってるんだったよな?
「そ、そのことなんですが……お渡しするのは、その……無理だと思います」
「ふむ、なぜですか?」
「その……ジュエルシードを発掘したのはボクなんですけど……
ロストロギアでもありますから……安全のために時空管理局に保管してもらうことになってたんです」
「つまり、時空管理局に所有権がある……ということですか?」
「あ、いえ……まだ、手続きはしてないのですけど……最終的にはそうなります」
 ユーノの話にシンジは問い掛け、返ってきた話にあごに手を当てて考えるような仕草をした。
そういや、ジュエルシードってかなり危険なもんだったよな。
下手すりゃ次元震が起きて世界がとんでもないことに〜ってことが起こりかねないくらいに。
時空管理局はそういったのロストロギアを集めていたはずだしな。
まぁ、裏ではかなりやばいこともやってるから、微妙に信用ならんけど。
「なるほど……ありがとうございます。それでしたら、時空管理局と交渉してみますよ」
「大丈夫……なんですか?」
「交渉次第……でしょうねぇ」
 にこやかなシンジの話にユーノは戸惑いがちに問い掛けるが、シンジはにこやかな顔を変えずに答えていた。
しかし、交渉って……なんでだろう……激しく嫌な予感がするんですけど?
「あ、そや! リインフォース達の服、どないしよ……」
「そちらの方は後で私が用意いたしましょう。今は騎士甲冑の設定を行ってはどうでしょうか?」
 思いついたように呟くはやてに、シンジはにこやかに答えるんだが……
そこで思わずリインフォース達を見る。そういや、全員スパッツみたいな素材を着てるんだが……
フィットしすぎて体型がモロわかりです。うん、胸のあれの形もわかるね。
「騎士甲冑?」
「なのはさんのバリアジャケットのような物ですよ。これは夜天の書の主であるはやてさんがすることなんですが……
あ、そうだ。ちょいとお耳を拝借」
「はい?」
 首を傾げるはやてにシンジは指を立てつつ説明をしたと思ったら、何かを思い出してはやてに耳打ちするんだが……
少しして、はやてががっとシンジの手をつかんだ。瞳を輝かせて……なんでさ?
「シンジはん……あんた、最高や!」
「ははは、今回は色々と問題がありますからね。それに対処出来るように設定しておいたのですよ」
 瞳を輝かせるはやてにシンジはにこやかに答えるんだが……すいません。嫌な予感がするんですけど?
ほら見ろ、シグナム達も退いてるじゃないか。しかし、そんなことをまったく気にしないシンジとはやてはあれやこれやと話し込み――
「ふむ……」「へぇ〜……」「いいわね、これ」
 しばらくして、シグナム達の騎士甲冑のデザインが決まるが、そのデザインはほぼ原作通りの物だった。
シグナムは興味深そうに、ヴィータとシャマルは嬉しそうに見ている。
リインフォースとザフィーラは無言だが、シグナムと同じように今の姿を見ていた。
「可愛いです〜」
「おお〜、凄いなぁ〜これ……それに立てる! 立ってるで!」
 と、喜んでるのはリエル。こちらも原作のツヴァイと同じ服装である。
はやてもやはり原作と同じ服装。しかも、騎士甲冑のおかげで立てるので、本当に喜んでいる。
「ありがとうございます、主、シンジ殿」
「いえいえ。それにそれだけではないのですよ」
「へ?」
 頭を下げるシグナムにシンジはにこやかに答えるが……やっぱり、なんか仕掛けてたか。
ヴィータがいきなりのことに呆然としてしまうが――
「よっしゃ! バーストモード発動や!」
「「「「「え?」」」」」
 はやての掛け声で守護騎士達とリインフォースが魔方陣に包まれて、その衣装が変わっていった。
「こ、これは……」
 シグナムはジャケットとスカートみたいなのが消え……stsでアギトとユニゾンした時のカッコと一緒になってた。
その代わりに両肩、両腕、両足にスマートながらも機械的なアーマーが装着され、レヴァンティンも一回り大きくなっていた。
あれ? 良く見たらレオタードっぽくね? それに胸元も空いてるし。
「これって……」
 シャマルは基本的に変わってないが、上着が煌びやかになっている。
それにクラールヴィントだったっけ? それがもう一組増えていた。
「な、なんだ……これは……」
 ザフィーラも基本的には変わらないけど、両肩や両手足にアーマーっぽい物が装着されてる。
そのアーマーが刃っぽいイメージを受けるんだが……
「なんと……」
 リインフォースはシグナムと同じくジャケットとスカートみたいなのが消え、胸元が開いたレオタードっぽい物になっている。
シグナムと違うのは両肩と両手足に付いたアーマー。こっちのはより重厚そうに見えた。
レオタードっぽい物にも胸とかにアーマーが装着されている。なんか、それを見てるとガンダムっぽくも見える。
また、黒い翼も2枚ほど増えていた。
「な、なんじゃこりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
 で、一番変わったのがヴィータだろう。なにしろ、シグナム並の背と胸になってるし。
なお、これは後で気付いたんだけど、シグナムやシャマルにリインフォースの胸って原作より大きくなってたらしい……シンジ、お前って……
それはそれとして、服装もゴスロリからシグナムやリインフォースみたく胸元が空いたレオタードっぽい物に――
ただ、こちらはリインフォースよりも更に重厚そうなアーマーを胸や両肩、両手足に装着している。
また、グラーフアイゼンのハンマー部分も元よりおっきくなってるし。
「あ、主……これは――」
「それはバーストモード……通常の状態をスタンダードモードと言いますが……
まぁ、夜天の書に搭載した魔力炉をフルドライブさせることであなた方の出力を増大。
早い話が一時的なパワーアップです。ただし、魔力炉に負担を掛けますので、長時間の使用は無理ですがね」
 戸惑うシグナムにシンジはあごに手をやりながら答えるんだが……なんつ〜か、趣味満載な姿だな、おい……
「なんでこんなことを?」
「趣味……もありましたが、あなた方にとって未知の存在たる悪魔がこの世界にも現れる可能性は十二分にあります。
むろん、そのままでも戦うことは出来たでしょうが……もしもの場合に備える必要はありますからね。
バーストモードはそのもしもの為の物です。
ちなみにリエルさんはバーストモード時の補助システムも兼ねてますので、発動は出来ません。
はやてさんの騎士甲冑には搭載しておりますが、今のはやてさんでは負担が大きすぎますのでプロテクトを掛けていますがね」
 シャマルの問い掛けにシンジは肩をすくめながら答えるが……趣味が本命な気がするのは俺だけか?
ともかく、悪魔が油断ならない相手というのは同意だな。その為の対処となると当然と言えば当然か。
「あ、悪魔って……そんなに強いんですか?」
「強さもあるけど……中には物理攻撃や魔法に耐性を持ってる奴もいるの。
中には無効化したり、反射したりもする悪魔もいるわ」
「は、反射……ですか?」
「ああ……それで翔太は死にかけたな……」
 なのはの問い掛けに理華が答えると、それを聞いたユーノが戸惑っていた。
それに対し、美希が俺に視線を向けて答えたけど……うん、物理攻撃の反射って反則だよね。
ちなみにそれを聞いたなのは達は戸惑ってたけどな。
「それらに関するデータはリインフォースさんにお渡ししておりますので、後ほど参照してください。
ま、せめて事が終わるまではこの世界に悪魔が来ないのがいいのですが……それは無理でしょうね」
 ため息混じりにそんなことを話すシンジだが……確かにその方がいいんだよな。
悪魔はその強さもあるけど、一番厄介なのは耐性や無効化、反射だ。それがあると場合によってはこっちが無力になったりするしな。
てなことを考えていたせいか、俺はこの時気付かなかった。シグナムとヴィータが俺を睨んでいたことに。
「そうそう、バーストモードはシグナムさん達の意志でも発動、解除が行えるようにしてあります。
後、ヴィータさんのその姿はバーストモードでなくても出来るようにしてありますので。ま、少々疲れるでしょうけどね」
「本当か!?」
 シンジの説明にヴィータが喜んでいた。そういや、アニメじゃ小さいのを気にしてたっけ?
そんなヴィータを見てか、はやてやリインフォース達はくすくすと笑ってたけど。
「ええ、リエルさんも同じように出来るようにしてますけどね。
さてと……リインフォースさん達がお着替えをしましたら、なのはさんのお家に行きませんと」
「え? え? な、なんで!?」
「ジュエルシードを集めには、なのはさんにも手伝ってもらいますが……流石にご両親に内緒でというのは難しいでしょう。
なので、話しておいて了解を得た方が良いかと思いまして」
「それって、本当になのはがしなきゃならないの?」
 戸惑うなのはにシンジはそう答えるんだが、そこに訝しげな顔をしたアリサが問い掛けてきた。
確かにジュエルシードが封印出来る奴がいるんなら、そいつに任せてもいいような気がするが――
「私も仕事がありますから、いつまでもこの世界に居続けるのは無理ですよ。
翔太さん達ももしもの場合にはこの世界を離れなければなりませんしね。
それにリインフォースさんでは、その特性上封印は難しいですし」
「ああ……位相空間を創り出すことは可能だが……夜天の書は本来、あらゆる魔法を蒐集する為のデバイスだ。
それ故にどうしてもジュエルシードに干渉してしまう。そうなれば、場合によっては暴走を引き起こす可能性もあるのだ」
「後はフェイトさんとなりますが、彼女だけに任せるわけにもいきませんからね。
そうなると、どうしてもなのはさんのご助力が必要になるというわけです」
 すまなそうにうつむくリインフォースの話に、言い出したシンジは肩をすくめながら答えていた。
そういや、どこで何が起こるかわからないからな。俺達もいつまでのここにいるわけにはいかないか。
「ま、そのついでにフェイトさんやはやてさん達の紹介もしちゃいましょう。
翔太さん達やタカハシさんとフィオさんも来てもらいますか? 事情をお話しなければなりませんし」
「あら、私も行ってもいいかしら?」
「ていうか、まだいたのかよ」
 シンジの話にそんなことを言い出すスキマ……思わず突っ込んじゃったけど、まだいたのかい。
それはそれとして、俺達も行ってもいいのかね?
「それは構わないが……私達はまだしも、翔太君達の服はどうするんだい?」
 なんてことを言い出すタカハシさん。そういや俺達は防具を身につけたままだったな。
「何か変かな?」
「理華……それはどう見ても、普通の町中を歩く格好じゃないぞ〜」
 首を傾げる理華に思わず言ってしまうが……
ライダースーツっぽい物で、前面に付いてるファスナーが際どい所まで下げられてて……普通はそんな物着ないって。
だから、不思議そうな顔をするんじゃない。美希も同じように首を傾げるな。
「そうですね。みなさんの服は用意しておきますので、しばらくお待ちください」
 そのことにシンジはにこやかに答えてから姿を消し、しばらくして俺達の服を持ってきたのだが……
俺のはともかく、理華やシグナム達の服のサイズがピッタリだった……しかも、下着まで……
なんで知ってるんだろうか、こいつ……思わず、睨みながらそんなことを考えてしまうのだった。



 あとがき
そんなわけで2010年最後の掲載となります今回のお話。
リインフォース達は改修を受け、悲しい運命から解き放たれ、なのは達は本来とは違った道を歩み始めることとなりました。
とまぁ、格好良く言ってますが……前回のあとがきと全然違う話に……
前回の翔太の成長話が中途半端すぎたので、もうワンクッション置こうかと思いまして……そんなわけで予定変更となりました。
いや、申し訳無いです。そんなわけで次回はなのはの両親が経営するお店で話し合うことになった翔太達。
しかし、そこで翔太はなぜかシグナム・ヴィータと戦う羽目に……というようなお話です。みなさん、来年をお楽しみに〜



押して頂けると作者の励みになりますm(__)m


<<前話 目次 次話>>

作品を投稿する感想掲示板トップページに戻る

Copyright(c)2004 SILUFENIA All rights reserved.