この時代【潜水艦】と呼べるものはない。アメリカ南北戦争の折、両軍が停泊した船を狙い【潜水艇】を繰り出した揚句、失敗したという不名誉な記録が残るのみ。しかしその帆船は水深500メートル余りの深みを静かに航行していた。
 やがて前方に巨大な断崖が迫ってくる。太平洋のど真ん中に浅海が存在しない以上、それは海の山即ち海山。その先が空気まで届いた物が所謂“島”である。断崖の前まで帆船が近づくと断崖の一部が丸く抉れる様に口を開く。『扉』はそのまま引き込まれるのではなく細かく割れ、鳥賊の触腕のように長く伸長して帆船を捕まえ「穴」に引き込む。「穴」には台座が設えられており触腕は帆船をそこに固定すると再び扉に戻って穴を塞いだ。台座は帆船を乗せたまま走り出し、幾つかの水門と頑丈な門扉を通り抜け巨大な空間に帆船を浮上させる。
 此処は硫黄島の地下、孫が導き畝傍が連れてきた場所――そこは……


 いかなる国ももち得ぬ超技術によって作り出された地下軍港だった。










 「(1番ドック全拘束アーム接続……接続完了。艦体固定、港内及び艦内気圧同調終了……索敵ユニットメインサーバーにオンライン……艦自立運動停止)艦内扉開け、タラップ展開。」


 孫がこの艦を動かしている時、その榛の瞳が白昼夢を見ている時のように揺らめくのを儂は知っている。もし彼女がこの艦を電信の様なもので動かし操っているのなら。この艦が無人で動いているのも納得できる。ただ、この歳で厨房に入るとは思ってもみなかった。孫は艦に厨房こそ作ったが飯のことは考えていなかったらしい。
 経験豊かな下士官を鮫島が連れてきたから助かったものの「硫黄島まで飯をどうする気だ?」と尋ねておかなかったらどんな事態になったか空恐ろしい。その下士官達も驚いていたようだ。白米と水さえあればスイッチ一つで飯が炊ける、火も無いのに勝手に熱を発し総菜を温められる鉄板、勝典は真水と湯が使い放題と聞いて頭を抱えていたな。お陰で軍艦の中、浴槽一杯の湯が張られた風呂にまで浸かれたが欧州の超豪華客船でもない限り出来ぬ贅沢と儂すら呆れたほどだ。




 全員でタラップを降り金属とも石とも微妙に異なる物体でできた埠頭に降り立つ。最後に降りた橙子だが行きの服装と違ったものを着ている。白地の半袖水兵服(セーラー)の上に下は洋式の腰布(スカート)、小さな白い鳥打帽(ベレー)を頭に乗せている。海軍の作業着が原型とはいえここまで来れば可愛らしいの一言、当然儂等が買い与えたものでは無いので問うてみると、この地下軍港を作り出したナノマテリアルが原型と言う。何のことか始め解らなかったが、“橙子”を修復したそれは医学者が使う顕微鏡でも見えぬほどの微細な機械らしい。それが彼女の意志によって変化し思いのままの形態をとる。それだけではない。この軍港すらそのナノマテリアルによって作り出されたというのだ。一辺数百メートルはあるこの空間全てが孫の意志で存在するといったら孫がどれほどの力を手にしているか解るだろう。その一つに過ぎない埠頭が今、儂等がいる場所だ。
 同じような埠頭がこの地下軍港には10余りありその3割ほどに見たこともない軍艦が鎮座している。埠頭には小さな軌条(レール)らしきものが敷かれておりその上を鉱山町でよく使う軌条車が『浮いて』やってきた。
 皆おっかなびっくりといった風情でソレに乗り込む。最後に儂は乗り込んだ後、一番後ろの席にどっかりと腰を落ち着けた。これくらいで驚いては話にならん。聞けば100年もたてば我等人類ですらこのような物を創り出し世界中の鉄路に張り巡らせるのだそうだ。軌条車はゆっくりと動き出し地下軍港から離れ隧道に入る。

 そして大きな扉の前に到着しその門が開く。そこは――




 武器庫と言うにもおこがましいほどの武器、兵器で溢れかえっていた。










 人が抱えられるほどの長櫃を開けると小銃が入っている。その外見だけで異形といっていい。まず、木製の部分がない。現在の日本陸軍正式小銃【30年式小銃】はおろか世界各国の小銃は銃床(ストック)に必ず木を使っている。しかしこの銃は樹脂とも金属ともとれる不可思議な素材でできている。さらに驚くのはその銃身、槓棹式激発機構(ボルトアクション)を備えた筒というものではなく、鋼板から打ち出された部品を組み合わせた複雑な形状をしている。その小銃の隣、長櫃の端っこには2本の金属製の箱が並べられている。やや屈曲したその形は台湾総督時代に食した甘蕉(バナナ)を彷彿とさせる。


 帝国陸軍の最新兵器とされる機関銃、いや帝国製の機関銃など存在しない。これほどの精密兵器を開発、量産できるのは英国を始めとしたごく僅かの列強国のみ、馬式だの保式だの機関銃の正式名称に妙な単語が混じっているのを新兵はよく訝るものだがあれは英国マキシム社、仏国ホチキス社開発という意味だ。
 御国の兵器工場たる大阪造兵廠では保式を賃貸模倣(ライセンス)生産するのがやっとで、より高性能な馬式に至っては設計図通りに模倣してもまともに動作せず、屑鉄同然の有様だという。しかし、長櫃に入っていた機関銃は見ただけでその凄まじいまでの完成度が解る。人を撃ち殺す、唯それだけの為に極限にまで絞り込まれた本体。その形すら列強の機関銃より未来的に見える。驚くべきはその軽さか。数人がかりで運ばねばならねい馬式と違い一人で運び、据え付け、射撃すらできそうな塩梅だ。


 ずらりと回廊に並べられている野砲も異常と言うほかない。車輪が付いていて馬匹でも運べそうだが木は全く使われておらず鋼製部品ばかりが目につく。この重さでは馬で運べないだろうに。さらに砲を地面に固定するには最適だが砲撃の反動を吸収できないような十字脚、代わりに砲には最新式の野砲でなければ付いていない発砲時の反動(バックファイア)を軽減する駐退復座機が装着されている。口径は9(センチ)弱、驚くのはその旋回半径だ。付属する取扱説明書からすれば水平360度仰角85度……空の鳥でも撃つつもりか?と疑いたくなる。


 さらにその奥、小山のように周囲を睥睨する巨砲。海軍の小型戦艦や一等巡洋艦に備え付けられているような砲を一門だけ備えた所謂要塞砲、攻城砲と呼ばれる類だ。無論、帝国陸軍にも独国クルップ社の設計図を用いた28センチ要塞砲が存在している。しかしこの砲の砲座を見た時、儂は驚いた。鉄道の軌条を走ることを前提に設計、製作されているのだ。確か米国南北戦争の折、北軍が大型臼砲を鉄道に乗せて使用したという記述を公刊戦誌で読んだ覚えがある。そして列強各国がそれを模倣し、巨砲を列車に乗せて運用する研究をしていることも。つまりこいつは列強国が秘密兵器として扱っているモノと同等かそれ以上ということだ。


 その傍らに独逸留学時代に目にした珍しいものもある。自動車――儂が見たのは石炭炊きの蒸気自動車だったが昨今の独逸国では油で動く最新式の物が発売されたらしい。彼の国の駐日大使が陛下に謁見の手土産として持って来たという話も聞いたこともある。しかし、このキューベルワーゲンと称する自動車は根本的に何かが異なっている。
 そうだ、人がひとつひとつ組み立てるような工芸品としての個性がなく何百……いや何千という有象無象の包丁のような量産品の感覚。今まで儂が見てきた自動車が金持ちの贅沢品ならばこれは庶民の生活必需品といった雰囲気だ。それでなお贅沢品と比べものにならぬほどの完成度――なんなのだコレは?


 他にも鋼鉄のベルトで走る戦闘機械、市井で流行りの自転車に駆動機関をつけた様な物、羽布を2枚上下並行に張り前方に機関をつけた異形の機械……もはや儂の理解の範疇を超えているものすらある。










 「橙子さん、これは全てドイツ帝国から譲り受けたものですか?」


 ジッと取扱説明書を見ながら鮫島が尋ねる。そう、鮫島の懸念は正しい。全ての武器・兵器に付属している“取扱説明書”は少し癖のあるものとはいえドイツ語で書かれておりそれに日本語訳が付属している。小銃にはシュトルムゲヴェール44(StG44)、機関銃にはマシーネンゲヴェール42(MG42)、あの巨大砲にはテオドール(24cmTkh)と名付け親は独逸人と言うばかりの洒落た名称と威圧的な数字が並ぶ。これで独逸人が作ったものでないというなら逆に首を傾げるだろう。この事実、鮫島の懸念が当たっていれば帝国にとって僥倖、ロシア帝国にとっては最悪の事態と言ってもよい。
 ドイツが自らの国でも装備していない最新兵器を御国に供与する。表向き今回ドイツはロシア側に付いているが、この“証拠”を見れば本音はどちら側か一目瞭然だろう。穿った見方をすれば最新兵器の威力を御国に実験させ、十分な結果が得られれば日露の戦に横から殴り込みロシア領土を掠め取る……といった芸当も不可能ではない。
 では何故懸念なのか?それは戦争が政治の延長線上にあり外交の一手段であるという点だ。日英同盟が結ばれロシアの後ろにフランスとドイツが控えている。もし御国とロシアで戦争が起こっても、それぞれの後ろ盾が動き回り手打ちの条件を用意する。双方、国滅ぶまで戦いづつけるわけにはいかぬのだ。それが御国とドイツでロシアを挟み打ち、さらに英国が後ろにつけば間違いなくロシア帝国は破滅する。
 この3国が圧倒的な力を得る前にフランス、アメリカ、オーストリア、イタリアといった列強国はロシアに付き3国に圧力をかけるだろう。その先は間違いなく全世界を巻き込んだ手打ち無き大戦争(ワールドウォー)、その結末を橙子から知った儂からすればこう吐き捨てることができる。


“列強押し並べて破滅の坂を全力疾走”


 それは御国の後ろ盾である大英帝国の望むところではない。少々の武器輸出ならともかく、度を超えた支援と捉えられれば容赦なくかの国の得意技である2枚舌外交(ダブルスタンダード)でバランスをとろうと考えるはず。
 今、鮫島は橙子とドイツの繋がりを予想している。これを英国に御国とドイツの密約と確信させてはならないのだ。


 「そうですね、ドイツなのは間違いありません。ただ今のドイツ製武器でないのは保証します。」


 人差し指を頬に当てて橙子が答える。訳が解らぬといった顔でさらに質問しようとする鮫島を制して口を開く。


 「何時だ、何時まで待てば普朝独逸帝国(プロシアドイツ)はこれ程の武器・兵器を揃えられる?」

 「何れ……ドイツが最凶最悪の国家(ナチスサードライヒ)として全世界に悪名を轟かす、そんな時代の武器です。」


 馬鹿では無いな。嫉妬半分、感嘆半分といった感情が昇ってくる。具体的な数字を上げられるのにあえてぼかした表現を用いる。それは歴史というものが確定的でないことを橙子が知っているから。そしてその情報を表沙汰にすることなく漠然と未来の兵器であることを示唆したのだ。


 「橙子、これらの兵器から会社名や製造名は削ってあるのだろうな?独逸克社(クルップ)謹製等と書かれていては目も当てられんぞ。」

 「わかっております。」


 少し不機嫌そうに孫は呟く。少し離れた所からは笑い声や囃し立てる声が聞こえてくる。儂は鮫島と橙子を連れそちらに向かった。










 2人の士官が武器庫の片隅に積まれていた被服を試着したらしく互いに互いを指さし笑い転げている。片や西洋の灰色地のシャツにダービー・タイ、その上に漆黒の布地に大きく開襟襟をつけた厚手の上着を着込んでおり同じく漆黒の軍袴(ズボン)を履いている。銀色の金属バックルがついたベルトで軍袴を留め、鍔のある黒帽を被る。靴は欧州流行りの黒光りする長靴(ブーツ)
 欧州人がこの服装をすればいかにも軍人貴族の様相だが、我らが着ると、とんでもなく貧相に見えてしまう。肩に詰め物をし、脚を長く見せない限り彼らの侮蔑の言葉、『西洋を猿真似する日本人』そのものだ。襟にある稲妻を模した二つのS字が威圧的な輝きを放っている。




 もう片方の士官の着ているものも珍妙である。軍服らしいことは解るのだがどうにも汚ならしい。肌着こそ先ほどの士官と同じなのだが、上着が4色の染料で出鱈目に塗りたくったようなものなのだ。軍人とは庶民に『軍隊』を連想させるものでなくてはならない。自ら国家の所有物、公たる暴力の具現でなければならないのだ。これでは軍人どころか浮浪者ではないか?しかも軍服の上に羽織る合羽のような布まで同系統の色、ごてごてとあちらこちらに物を引っかける留め具や大振りの懐中(ポケット)がくっついている。


 「あくまでこれは見本です。兵器の生産は上手くいきましたが被服や装備は上手くいきませんでしたので。」


 少し残念そうに橙子が答える。これらの被服すら“兵器”と考える孫に呆れるが、そもそも人を兵士としての枠内に収める“歩兵”が軍事では兵器として扱われるのだ。その種の冷たさがなければ士官など出来るものではない。ならば、何らかの意図があるはず。


 「黒服は見せるための軍服、染料服は隠す為の軍服を見たが橙子よ?味方まで見えなくなれば兵は指揮できんぞ。」

 「そうです、橙子さん。こちらの服は目立たぬかもしれませんが指揮官が兵士を見ることができません。兵が隊伍を整え迷わず行軍できるのは軍服が映えるからこそです。」


 儂と鮫島、二人の言葉に孫はゆっくりと反論する。


 「それが仇となることを考えた事がありますか?これからの戦場は砲煙弾雨と言う言葉が生易しいほどの苛烈なものになると考えたことは?先ほど見た武器や兵器が何万という数で使われ一つの会戦に何億をいう弾が飛び交う。私たちはそんな戦争に出会おうとしているのです。」


 その言葉に戦慄する。数年前の北清事変、列強各国の派遣部隊の前に義和団と称した統制のとれない民兵・軍兵は散々に打ち負かされたがそれは統制された火力が勝負となったと各国で結論づけられている。火力の一斉・集中使用が相手の士気を挫き敗走に追い込んだのだと。では派遣部隊の兵士が全て小銃ではなくここにある機関銃を撃てたら?清国兵がもっと派手な軍服を来て隊伍を整え攻撃してきたら?


 「もはや戦争に浪漫などないのだな。」

 「戦争は殺すか殺されるしか無い筈です。」


 諦観が混じった言葉は、橙子にばっさりと切り捨られる。唯、不思議の思った。戦争ではなく戦場だろうと?其処を問おうとした儂は、そこまで言い切った孫がふと思い立ったように聞いてきた言葉でそれを忘れてしまう。


 「御爺様、この武器や兵器を帝国中の兵士に装備させたとして使えるのに何か月かかりますか?」

 「「は?」」


 儂と鮫島、二人共思わず声が上ずる。確かに此処にある武器や兵器は100人や200人分では済まない数だ。だとしても精々1個連隊3000人分、今の帝国には小なりとはいえ13個もの師団、即ち52個もの連隊が存在するのだ。単純計算でも小銃だけで20万挺……これ程の高性能の武器を20万?ありえないだろう。


 「だから日露の戦に勝つには御国の兵士全てがこの装備にする必要がありましょう。とりあえず初期分として10個師団が10会戦戦えるだけ用意しますのでそれで兵士を訓練し実戦に使えるようにするのにはどれだけの時間がかかるのかと申し上げているのです!」


 苛立ったように橙子が乱暴な口をきく。その目を見れば彼女が本気なのは解るのだが実感がわかない。一呼吸おいて下士官の一人が橙子の前に立った。膝をつき彼女に目を合わせる。


 「橙子お嬢さん、物事はそう簡単に決まるものではありません。将軍も兵士も皆、この武器を見れば今直ぐ欲しい、すぐ使えるようになりたい、そう思うはず。しかし御国には法律と言うものがある。勝手に他の武器を使うことはできんのです。だから御爺様は困っていらっしゃるのですよ。」


 唖然としている橙子を見て思う。据え膳食わぬはと言い訳しか思いつかんのか儂は!孫に甘い顔しか出来ぬ耄碌爺に成り果てるとは思いもよらなかったわ!!悪態を脳味噌で散々吐いた後、儂は橙子に答える。


 「帰ったら山県侯に話に行く。あまり関わり合いになりたくない御仁だが、乃木が土産を持って会いにきたといえば追い返すわけにもいくまい。そこで1万挺程捩じ込んでみせる。それで我慢せい。」


 そう、乃木印の試作品で売り込んでしまえばよいのだ。法律で正式採用など何年かかるか解らない。何処かの国が乃木希典に投資したと思わせればよい。駄目で元々、当たりなら見毛物(みっけもの)程度で上が判断すれば万々歳だ。不審に思う輩はどんどん此方に引き込めば良い。不甲斐無い武器が為に兵が目の前で死ぬ事に心乱されぬ指揮官など帝国陸軍にはいない。


 「鮫島、松山22連隊辺りを使えんか?11師団全てに武器を回せば他師団に睨まれよう。試作品名目で……」

 「なら砲は野戦重砲兵連隊ですね。同期がいますんで巻き込んでみせます。」

 「後は三宅坂(参謀本部)だが連中は頭は固い、休職中の儂が何を言っても聞く耳もたんだろう。どうしたものか?」

 「閣下の長州閥だけでは不足ですか。公金横領事件は閣下には濡れ衣もいいところでしたし陛下も責に非ずと漏らしたくらいですので。そうだ!有坂少将はどうでしょう?新兵器と聞けば飛んで来るような御仁ですよ。」

 「あ、あの?」


 慌てて話に加わろうとする橙子を件の下士官が笑って止める。



 「やめておきましょう。前師団長殿も師団長殿もああなると止まりませんよ。善通寺であの暴れ馬2頭を御する度、参謀長殿が寝込むのは有名な話ですから。」


 「貴方様は?」

 「鍵島と申します、御嬢さん。」


…………それが乃木の一族と長く関わる彼との出会いだった。










あとがきと言う名の作品ツッコミ対談




 「ども、とーこですっ!いよいよ本格稼働。読者様の代わりに張り切ってツッコミいきますねッ!」


 元気でいいよなお前は。こちとら下書きは兎も角、清書でヒイコラ言ってるのに。他作家の文章に茶々入れるのはできても、自分の文章がこんなに作りづらいとは思わなかった。


 「下書きの時は不気味な笑い声出しながらPC前で作業してたのによく言うわ。……さて初っ端から行くけど何故じーちゃまを主人公に据えたの?作者の記憶ではこの人物を主人公に据えた作品は商業作品では皆無、SSでも極めて少数派だよ。唯でさえ毀誉褒貶激しい人物だし地雷踏んだととーこも思った位だし。」


 「うん、実際地雷とは思っているけど正直乃木名将論にも乃木愚将論にもフェリはカチンと来たことが原因かな。その両極端で評価していいの?と考えたわけだ。だからこの作品では乃木凡将論でいく、特性としては猛将と世界は評価するような人物でね。基本、主人公補正こそつけるけど軍人としてのチート補正無で行くつもり。チートは橙子にやらせれば事足りるしね。」


 「それでじーちゃま名を残せるわけ?」


 日本人の将官の特性は【まとめ役】に過ぎないしね。下の苦労が自動的に上の功績になりその代りに上の者は下の面倒の一切合財見なければならない。だからこそ乃木希典は名が残ったのだと思う。ま、彼の場合その精神面や行動が目立ちやすくてそのことに隠れてしまっている感が強いけどね〜。あ、性格についても多少改変してる。一話の状態だとマジで乃木閣下、橙子斬り殺しかねないから。


 「だよねー。作者は乃木関係書籍呼んで性格なんとかしないと絶対この男うごかねーて言った位だし。しかし原妄想たる改変点基準とはいえ日露前からやるかフツー?」


 いや、逆に遅すぎるくらい。大日本帝国欧州領を確定させるには最低明治維新から改変しなきゃならなかった。アルペジオ挿入で歴史改変速度は一気に上げられたけどこの状況を結果として構築するのにどれほどかかったか。


 「結果?」


 そう結果。フェリの妄想とこの作品の決定的な違いは大日本帝国欧州領は目標では無く結果でしかないの。あくまで霧とそれに関わった一族の物語だから。コレ言うの3度目だな。(汗)


 「もうひとつ、何故に独三帝の兵器てんこもりなのよ?別に米国製でも…」


 つまらんから(笑)この作品はピカレスクロマンの傾向強いからね。歴史のカテゴリーでいう現代でまごうことなき悪役って独三帝か赤い熊くらいしかいないのよ。日帝は悪役として小粒すぎる。中華は悪役として力不足。その他は云わずもがな。だから陸戦兵器として使用できるのはこの二国しか選択肢が無かった。米帝は候補に挙がったけど上記で却下。@原作6巻読んで解ったけど予想通り硫黄島は元日米秘密基地でマグマから資源獲り放題なのが確定、つまりコアユニットが兵器作り放題!!(10/31)


 「へ?陸戦??というか何故時事ネタ(笑)」


 つまり今回アルペジオSSと銘打っても陸戦5政経4海戦1の割合なのさ。海戦はここぞというシーン以外全部端折るつもり。時事ネタと言うか6購入記念?(菓子盆激突)


 「ちょっとまて!アルペジオSSの意味全くないじゃない。海戦書かないアルペジオって。」


 じゃ海戦書いたらアルペジオになるのか?原作も霧と人間の関わり合いがメインでしょ。作者としてはそんな話が書けるなら海洋冒険でなくてもよいと考えたのさ。……なんだその巨大砲身は?


 「ん……ウネビから取ってきた23.3センチツッコミ砲。菓子盆で足りない時はこれ使うからね。作者?」


 どこぞの魔砲少女じゃあるまいし……というか突っ込む前にソレこっち向けるなとーこ!


 「試し打ち(はぁと♪)」


 (轟音と悲鳴が交錯)



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