漆黒の宇宙を駆る白亜の戦艦。歴戦の戦いを勝ち抜いて来た伝説の戦艦、アークエンジェル。その戦艦の格納庫には、二機のMSが待機していた。その内の 一機、白と赤と青のボディカラーをしたデスティニーのパイロット、シン・アスカは不機嫌そうにボヤいた。

「ったく……何で俺がこんな事……」

<そんな事言わないの! アスハ代表のお願いなんだから断る訳にいかないでしょっ!>

 不機嫌そうなシンに対し、エメラルドグリーンに幾つもの円盤を背中に持った機体――グリードに乗るルナマリア・ホークが一喝する。

<そうそう。私まで付いて来て上げてるんだから、ちょっとは気を引き締めなさい>

 そう言って、ルナマリアと一緒にグリードのコックピットに座っている少女――エリス・マーフィスが口を挟んで来る。シンはブスッとむくれる。全ては、数 日前の事に始まった。



機動戦士ガンダムSEED Destiny〜Anothe Story〜 IN ナデシコ

PHASE−01  異邦人は大天使



「はぁ!? 火星のテラフォーミング!?」

「そうだ」

 ルナマリア、ステラと共に孤児院で暮らしていたシンは、いきなりルナマリアと共にオーブ連合首長国代表首長、カガリ・ユラ・アスハに呼ばれ、行政府へ赴 くと、突然、火星のテラフォーミングの為、火星調査へと赴いて欲しいとの事だった。

「アークエンジェルと共に、火星の第一調査へ向かって欲しい。プラントも協力してくれるからな……アスランも来る」

「だったら俺らじゃなくて正規の軍にやらせろよ! もう、軍と関わるのはゴメンだ!」

「シン……」

 一国の代表に対し、全く変わらない態度のシンにルナマリアが呆れる。が、彼の気持ちも分かる。信じていた者に都合のイイ駒として操られ、信じていたもの に裏切られて、大切な兄を失った彼にとって、軍とは二度と関わりたくないのだろう。

「お前の気持ちも分かるがな……実は今、オーブ軍を出す訳にはいかないんだ」

「どういう事だよ?」

「実は……」

 深刻な顔をして、グッと顔の前で組んでいる手に力を込めるカガリ。シンとルナマリアもゴクッと唾を呑み込んだ。その時、ガチャッと勢い良く執務室の扉が 開き、暢気な声が届いた。

「ハロ〜。世界中の復興支援で殆どの軍人が出払ってるって本当〜?」

「「……………は?」」

 突如、入って来たエリスの台詞に、キョトンとなるシンとルナマリア。すると、カガリは額に大きな汗を浮かべて、アハハ、と笑う。

「いや〜。色んな地域から支援の声に対応してたら、いつの間にか殆どの軍人を支援活動に向かわせてな。人手不足なんだ」

「アンタ、本当にこの国守る気あんのか!?」

 二度もこの国で辛い目に遭うのはゴメンだと怒鳴りつけるシンに、カガリは「まぁまぁ」と宥める。

「落ち着け、シン。それに、悪い話じゃない筈だ」

「悪い話じゃない?」

「説明しましょう!!」

 と、そこで今まで黙っていたエリスが割って入って来る。ちなみに彼女、レイの主治医である為、白衣を着ている。自分達より年下――精神年齢はかなり上だ が――なのに妙に様になっているので、シン達は戸惑いを隠せない。

「私もアスハ代表に頼まれて火星に自作衛星を飛ばして調査してたの」

「自作衛星って……今の技術でも火星の映像を送るのは微妙なのに……」

「シン、この人達と私達を一緒にしちゃ駄目よ……」

 一人で全人類に喧嘩を売ろうと思えば売れる、とルナマリアが静かにツッコミを入れる。

「そこで何と!! 火星の極冠の奥深く、明らかに人工的な建造物を発見したのよ!!」

 そう言って、エリスは数枚の写真を見せる。それは火星の地表に、写真には明らかに自然で出来たものではない。明らかに人の手によって作られたと思われる ものが写っていた。

「これは?」

「これが何なのかは私にも分からない。ただ、写真で見る限り、かなりの年代物ね。ひょっとしたら火星には原住民がいるのかも」

 まさか、とシンはあしらった。宇宙で人が戦争する時代に、火星に生命体がいるなど信じられる訳が無い。恐らく、戦争で何らかの残骸が火星に墜落したもの だと考えた。

「あ〜、言っとくけど戦争で出来た残骸が火星に落ちた、なんてオチは無いから」

「…………そうッスか」

「私の衛星は、これの他に火星には微弱だけど、ナノマシンの存在も見つかっているわ」

「ナノマシン?」

「そうよ。まぁ細胞サイズの機械と思ってくれて良いわ。全く、呆れるわよ」

 そう言って、エリスは髪の毛をクシャクシャと掻き毟る。

「私も開発中だったナノマシンが既に火星にあるなんて……」

 現在、彼女が治療しているクローンの少年――レイ・ザ・バレル。テロメアの短い彼の治療に、ナノマシンが役立つと思い、開発していたが、遥か昔から火星 にあったと思うと悲しくなるエリス。

「それに、どういう原理でか正体不明のバリアらしきものがあったわ」

 そう言うと、エリスはカガリのデスクのコンピューターを使って映像を映し出す。

「憶測だけど、そのバリアに囲まれている部分は磁場と空間が歪んでいるようね。バリア、というよりフィールドと言った方が正しいわね。これがある限り、こ の建造物の奥深くには行けそうにないわ」

「じゃあ調査する意味、ねぇじゃん」

「あら〜? 私を誰だと思ってるのかしら? ちゃ〜んと策は考えてあるわよ」

 ニヤッと、エリスは性格の超悪い弟そっくりな笑みを浮かべ、別の画像を映す。それは、前の戦いで、シンの乗っていたデスティニーと、彼らの仲間だったエ リシエル・フォールディアの乗っていたグリードの画像だった。

「あのフィールドが、どのような技術で造られているか予測した結果、インフレーション理論による真空相転移理論が適用されている可能性が高く……この辺は 理解出来てる?」

 既に冷や汗をダラダラと垂れ流している三名は、ブンブンブン、と激しく首を横に振る。

「あ〜……グラスって急激な温度変化で割れるでしょ? その時のエネルギーのデカい版……まぁ、真空のエネルギー順位を高い状態から低い状態に移した際の エネルギーね」

 脱力しつつも説明するエリス。

「で、デスティニーとグリード、アークエンジェルには、この相転移エンジン(仮)を搭載し、デスティニーとグリードは従来の核動力とのハイブリット……言 わば戦艦以上の出力を持ったMSに改造したわ。後、ちょこちょこ〜っとパワーアップさせたりして」

「勝手に人の機体、弄るなよ!」

「何よ〜? もう軍には関わらないんじゃなかったの?」

「う……」

 ジト目で言い返され、シンは怯んでしまう。

「それで話を戻すけど、デスティニーとグリード、そしてアークエンジェルは理論的に、この謎の建造物と同質のフィールドを展開させる事に成功したわ。いや 〜、子供化する薬を作るより簡単だったわ」

 映像と写真を見て、バリアの種類を予測して、同じものを造る……この年下お姉さん、性格は破綻してるけど、その頭脳は天才とかそんなの超越しちゃってる 事を認めざるを得ないシン達。この人が本気出したら、多分、現代の科学技術は、一年で百年先の技術に進歩するかもしれない。

「で? 俺に悪い話じゃないってのは?」

「火星にはナノマシンがあるって言ったでしょ? だから、レイの治療に役立つデータとかある筈よ。テラフォーミング調査ってのは名目。アンタ達、仲間助け るなら自分の手で助けたいでしょ? ちょっとでも、それに役立てるなら」

 そう言われ、シンとルナマリアは驚いて顔を見合わせる。その二人を見て、カガリがクックと笑う。

「嫌なら別に構わないけど? デスティニーでもグリードでも私が動かせば良いんだし」

「「是非、行かせて貰いますっ」」

 ズイっと体を乗り出すシンとルナマリアに、エリスはニコッと笑う。すると、シンが「あ、そうだ」と何かを思い出してカガリに向き直った。

「報酬は出るんだろうな? 火星まで行くんだから、ちゃんと他の奴らみたいに手当て出せよ」

「…………お前、随分と金にシビアになったな」

「これでも育ち盛りのガキどもの面倒見てるんだよ」

「(シンのお父さん、お母さん、シュティルさん……シンは、成長してますよ)」

 ちょっと捻じ曲がってるかもしれないけど、とルナマリアは彼の後ろで祈りを捧げるのだった。




 とまぁ、そういう訳でシンとルナマリアは、アークエンジェルで火星へとやって来た。かつての敵艦に乗って来るのは、随分と不思議な感覚である。ちなみに キラとムウは現在、西ユーラシアの復興支援へと赴いている為、乗艦していない。

 火星の空には、薄っすらと光り輝く帯のようなものがあり、それがナノマシンだとエリスが説明した。どうやら、プラントの方はまだ来ていないらしく、アー クエンジェルは先に謎の建造物の調査へ向かった。

<エリスさん、アレがその建造物かしら?>

 荒野を飛び抜け、アークエンジェル艦長、マリュー・ラミアスが氷の大地にポッカリと空いた大きな穴を見つけたので通信を開いて尋ねて来る。

「ええ、そうよ。そして、あの穴にフィールドが形成されているわ。艦長、お願い」

<分かったわ。フィールド展開! 空洞内に潜り、デスティニー、グリード発進! 総員、ショックに備えろ!>

 マリューの指示が飛び、アークエンジェルを薄い膜のようなものが包み込む。

「大丈夫なんですか?」

「さぁ?」

 ゆっくりと下降し、空洞を守るバリアと接触しそうなアークエンジェル。少し不安になったルナマリアが尋ねると、エリスはサラッと答える。

「だって試した事ないんだもん。此処の空洞が果たして本当に私の造ったフィールドと同じものかどうか分かんないじゃない。あくまで予測で造ったんだから」

「じゃ、じゃあ最悪……」

「相転移エンジンが爆発、下手したら重力場が狂ってブラックホール発生するかも♪」

「かも♪ じゃないでしょーがああぁぁぁ!! ブリッジ、応答……」

 ブリッジに通信を開こうとしたルナマリアの手をガシッとエリスが止める。

「大丈夫。その時は、私も一緒に死んだげるから」

 で、弟は孤独になって父親と同じこと繰り返しちゃっても、その時はその時、と言い切るエリスに、ルナマリアは悲鳴を上げた。

「いや〜!!! 最後にシンと〜!!」

「まだ死んだと決まった訳じゃないでしょ」

 っていうか、シンと何? と思うエリスだった。すると次の瞬間、凄まじい振動が襲う。

「きゃあ!」

「大丈夫! 私の理論を信じて!」

「天才変態ショタ女の何を信じろと〜!?」

「ショタじゃないわよ! ただレンみたいな愛らしい男の子が好きなだけよっ!!」

「アレの何処が愛らしいんですか!?」

「全てよ……って痛! 舌噛んだ〜!」

<二人とも余裕だな……>

 ボソッと囁かれたシンのツッコミは、二人の耳に届かなかった。その時、異変が起こった。突如、エリスの体に線のようなものが浮かび上がった。

「(これは……!?)」

 自分の体の異変に気付くエリス。ルナマリアは衝撃で目を閉じているので気付いていない。

「(何……この感覚!? 体が分解される様な……! 何処から……!)」

 エリスは普段の彼女からは見られない焦り、真剣な表情で目を閉じると、歯を噛み締める。すると、この地下奥深くにある四角い幾何学模様のような物体が頭 の中に流れ込んだ。

 ――ほう……我々……。

 すると何処からか声が流れ込んで来て、エリスは目を見開いた。

「(まさか、コレって……私とした事が〜!!!)」

 心の中で悲鳴を上げるエリス。次の瞬間、アークエンジェルはその場所から消えてしまった。




「う……ん……」

「目、覚めた? ラミアス艦長」

「え?」

 マリューは目を覚ますと、何故かエリスがいたので驚いた顔になる。ブリッジを見回すと、ノイマン、チャンドラ、ミリアリアが眠っている。そして、エリス が連れて来たのであろうシンとルナマリアも床で気を失っている。

「み、皆、起きて!」

 マリューが叫び、皆、頭を押さえ「う〜ん」と呻き声を上げる。

「早く起きないと穴という穴を犯し尽くすわよ。毛穴までも」

「「「「スッキリ爽やかに目が覚めました!!」」」」

 ワキワキと手を動かすエリスの発言に、皆の防衛本能が働いたのか――特に男連中――あっという間に正気に戻った。

「アレ? 俺達、MSのコックピットにいたような……」

「ああ、私が連れて来たの。流石に二人担ぐのは疲れたわ〜」

「…………エリスさん、力持ちなんですね」

「おほほ」

 とても、そんな力があるように見えないが、ルナマリアは、あんな華奢な体の何処に、自分より大きい人間二人を担げる力があるのか不思議だった。

「それより驚くべき所はコレよ、コレ」

 そう言って、エリスはチャンドラの席に周り、モニターに外の様子を映すと皆、驚愕した。

「海……?」

「此処……地球?」

「ええ、そうよ。地球」

「何で!? 私達、火星にいたんじゃないの!?」

 アッサリと頷くエリスに、当然、ミリアリアが驚愕の声を上げる。他の面子も唖然となっている。

「説明すんの面倒なんだけどね……どうも、あの火星の建造物の所為で空間を移動させられたみたいね〜」

「空間を移動? どういう事?」

「だから言葉通りよ。私達は火星から地球へ移動した訳」

「まるでファンタジーね。それを信じろと?」

 マリューが至極、現実的な意見を述べる。エリスは、ヤレヤレと呆れて首を横に振った。

「これだから栄養が胸しかいってない年増は」

「エリスさん、喧嘩売ってるなら買うわよ?」

「あらら? 私相手に勝てるなら安く売るわよ? まぁフラガ一佐が西ユーラシアへ行く前の夜……」

「ゴメンなさい」

「「「「「(弱っ!)」」」」」

 アッサリと負けを認めるマリュー。一体、ムウが西ユーラシアへ行く前夜に何があったのか? まぁ大体、予想はつきます。

「もう艦長の頭の中、フラガ一佐の事で一杯ね〜。早く結婚すれば良いのに。レンなんか、とっくにしたのに……」

「きゃ〜! きゃ〜!! お願いだから、それ以上、言わないで〜!!」

 エリスにしがみつき、顔を真っ赤にして泣き叫ぶマリュー。絶対に彼女だけは敵に回さない。地球環境云々以前に、改めてそう思う一同だった。

「えっと……何処まで話したっけ?」

「だから火星から地球に空間移動したってとこです! そんな事、現実にあるんですか?」

 いまいち信じ切れてない様子のシン。エリスは、フゥと嘆息し、モニターを指差す。

「じゃあアンタ。此処が地球じゃなきゃ何処か説明出来る?」

「え? え〜っと…………天国?」

「ひっっっっじょ〜に興味深い世界だけど、戦艦まで天国に来れるのかしら〜?」

「うう……」

「シン、ちょっとは考えて発言しなさいよ……」

 ルナマリアにまで呆れられ、シンはブリッジの隅でイジける。

「で、でも今の技術でも転移装置なんて不可能な代物なのよ!? それが何で……」

「あら? そうなの?」

「…………え?」

「ノヴァは確か転移装置を考案してたわよ。何かハエと人間が合体する映画見て、感銘受けたそうで……確かブラックホールにまで手ぇ出そうとしてた筈よ」

 意外と愉快な性格だった私達の父親、と陽気に話すエリス。その際、ノヴァが作った転移装置は不完全で、精々、移動距離が五センチ、しかも、かなり時間の かかるもので自分で動かした方が早い、というものだった。

「あなた達の父親でも不可能だった空間移動を何で……」

 こんな大質量の戦艦や、これだけの人数を、と不思議がるマリューに、エリスは皆から背を向ける。

「や〜、何でこんな事になったんだろ〜? わ〜、困った〜」

「「「「「「……………」」」」」」

 余りにも棒読みな彼女の台詞に、シンがジト目で歩み寄る。

「おい、アンタ。何か知ってるだろ?」

「はい? 何が?」

「惚けんな!!」

「あはは……説明欲しい?」

 コクッと全員が頷く。

「えっと〜……確かノヴァが昔、古代太陽系文明って仮説を打ち立てた事があってね」

 乾いた笑いを浮かべながら、エリスが説明する。

「その中に火星に超高度な科学技術を持った遺跡が存在するとか何とか、そんな本を読まされた記憶があんのよね〜……余りにも下らな過ぎて記憶の片隅の遥か 彼方、エデンの園まで吹っ飛んでたけど…………そして、非常に言いにくいんだけどね」

「「「「「「言いにくいけど?」」」」」」

 そこで言葉を区切るエリスは、キーを叩きあるチャンネルに繋いだ。するとニュースが流れる。

<お昼のニュースの時間です。木星蜥蜴との戦闘は更に頻繁になり、連合宇宙軍は防衛の強化を……>

 そのニュースの映像を見て、シン達は言葉を失う。テレビには、虫みたいな小型ロボットと戦闘を行う見た事の無い戦艦隊が戦っていた。

「な、何だよ、コレ?」

「非常に言いにくい事だけど……え〜……此処は私達の知ってる地球じゃないわ。一種のパラレルワールドね」

 カチン、と全員が凍ってしまう。シ〜ン、と静かになること数分間……。

「あ、ステラが待ってるから早く帰らないと」

「子供達もお腹空かしてるだろうしね」

「ムウが帰って来るからご飯の用意しないと」

「ノイマン! 打ち上げに飲みに行こうか!?」

「ああ!」

「そういえば、そろそろ本職戻ろうかな〜」

 現実逃避してブリッジから出て行こうとする面々。

「現実を直視出来ないなら、穴という穴を……」

「そんな! パラレルワールドなんてある筈ないだろ!」

「で、でも今のニュースは何なのよ!?」

「木星蜥蜴って何なの!? 地球と戦争してるの!?」

「っていうか、それが事実なら帰れるのかよ!?」

「知るか!」

「あ〜ん! 早く除隊申請すれば良かった〜!」

「皆、そんなに嫌なのかな〜? ちょっと我慢すれば快楽の虜なのに」

 残念そうに呟くエリスに、皆の表情が青ざめさせる。

「で、皆が寝てる間に色々調べたんだけど、今は西暦2196年ね」

「西暦?」

「C.Eの前の年号よ。私達が生まれた時代ね」

 この事から、この世界は自分達の世界とほぼ似たような歴史を辿っていると考えられると説明する。そして、コーディネイターが存在せず、代わりに木星蜥蜴 とか言う連中と戦っているそうだ。

「それで? 帰る事は出来るの?」

「さぁ……もう一度、あの火星の遺跡を調べないと……でも、その前に……」

 エリスがニヤッと笑みを浮かべて、モニターを別の角度に切り替える。すると、あの変な虫型ロボットが大群が、こちらに襲い掛かって来ていた。

「な、何だアレ!?」

「虫の大群ね〜。シン、ルナマリア。戦ってみる?」

「え!? で、でも、アレに誰か乗ってるんじゃ……」

「乗ってたら私が分かるわよ」

 アレはMDと同じプログラムで制御されてる無人戦闘機、だと言う。

「嫌なら私がやったげるけど? でも、それで私が死んじゃったら帰れる希望も……」

「やるよ! やります!」

「(エリスさん、私達より強いのに……)」

 何故か居た堪れない気持ちになり、シンとルナマリアはブリッジから出て行った。

「ラミアス艦長」

「分かってるわ。総員! 第一戦闘配備! エリスさん、艦内放送で今回の件、説明してくれる? 多分、混乱するだろうけど」

「はいは〜い♪ 了解」

 Vサインして、エリスはミリアリアと席を替わった。




「何か変な気分だな……自分と違う世界だなんて」

 オーブ軍のパイロットスーツを着て、デスティニーの発進準備を進めるシンが愚痴ると、ルナマリアが通信を開いて来た。

<でも、現実そうなってるみたいだし……受け入れるしかないでしょ>

「ルナ、良く平気だな……」

<シンが……いるから>

「ルナ?」

<はいは〜い! ラブってないでとっとと行きなさい!>

 突然、エリスの顔が映ったのでシンとルナマリアはギョッとなる。シンは、慌てて操縦桿を引いた。

「シン・アスカ! デスティニー、行きます!」

<ルナマリア・ホーク! グリード、出るわよ!>

 そして、二機のMSはアークエンジェルから、大空へと飛び出した。






 〜後書き談話室〜

ルリ「良いんですか? 私、出番まだなんですけど」

エリス「お〜っほっほっほ!! 最終回の殆どチョイ役だった私が主役級に抜擢よ!!」

ルリ「火星の古代文明を再現できる人がこの世にいるんですね……」

エリス「ふ……伊達にノヴァズヒューマンやってないわよ」

ルリ「アークエンジェルにシンさんとルナさんが乗ってるのも不思議な話ですね」

エリス「さぁ! 次回からナデシコ登場! 私も弟に負けじとイジってイジってイジりまくってやるわよ〜!!」

ルリ「バカばっか」

感想

はっはっは、そうですか〜ナデシコ世界に来ちゃいましたか(爆)

SEEDのガンダムも基本は17〜21m前後でしょうかね、対比上バッタは4m程度ですので、当てにくいかも(爆)

で、エステバリスは6mでジンタイプは30m前後となっております。

ナデシコのロボットは他の世界のロボットと比べて極端に小さいので、色々やりにくいと思いますが頑張ってください。

まあ、相転移エンジンを積み込んでいる時点でガンダムとしては無茶なレベルですが……

なぜかといいますと、核融合炉を幾つも合わせて作ったビックバリアの出力をナデシコの相転移エンジンは難なく上回ってますからね。

エステには当然乗せられませんし、ジンタイプのも出力的にはそれほど大きなものではないそうです。

まあ、それでもグラビティブラストを使えるわけですから、凄いですがね。

しかしまー一番の問題はナデシコ世界のような軽い世界に入り込んだ種運命ご一行。

ナデシコ世界のテンションについていけるか?(レンならついていけそう)

次回も期待しております♪

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