注意:この作品は捏造、にわかな描写などが大量にあります。そもそも原作を買っても読んでもおらず、ただ立ち読みした時の事をうろ覚えで書いているので、矛盾点や無茶な展開しかありません。それでも良いという方はどうぞご自由に。
短編『テラフォーマーズ〜昆虫能力適合手術〜』


 アドルフ・ラインハルト。アネックス1号乗組員幹部にして、マーズランキング2位。デンキウナギのM.O.手術を受けており、同様の方法で発電を行う。それが俺だ。そして俺の目の前には今、悪夢としか言いようのない光景が広がっている。

 眼前には無数の黒き悪魔―― テラフォーマーが無数にいる。各々が銃器で武装し、俺の部下へその弾丸を放とうとしている。部下達は皆戦闘力が低く、このままでは全滅だ。

「や、ら……」

 させるか。
 絶対に助けるんだ。これ以上誰も殺させるものか。
 俺にはまだ出来る事がある。まだ動ける、戦える!

「――やら、せるかぁぁぁ!!」

 全力で電磁波を広げ、弾丸の軌道を逸らす。銃器から飛び出す弾丸のすべてを、この身の異能で受け流し続ける。人類の、部下の為ならば、この命を燃やし尽くそうと悔いは無い。

「班長、班長!やめてください!」
「畜生…この網さえ無ければっ……!」

 部下達の顔は見えないが、恐らく泣いているのだろう。既に限界に近いこの身体だ、お前達を守る為なら消し飛んだって構わない。だから、泣かないでくれ。

 ――俺に、お前達を守らせてくれ。

  ガチン ガチン

「た、弾切れ…?」

 弾切れの音が周囲に響く。胸の何処か奥の方から、うっすらと希望がわき出すのを感じる。

「……ダメ、か」

 しかしその希望も、一瞬で儚く散ってしまった。崖の上で、連中が投石の用意をしているのが見える。電磁波では石を逸らすことは出来ないし、投石に弾切れはない。そんな事はわかりきっているのに、部下達は俺から離れようともしない。

 無理だ。もう防げない。
 だからもう逃げろ。せめて一人でも多く生き残ってくれ。

 そんな俺の最後の願いさえ、もうこいつらには届かない。無理をしすぎたせいか声も出ず、誰も動こうとはしない。

 テラフォーマーの軍勢が振りかぶる。空には一条の流星が流れた。

◆――――――◇

 バグズ手術。火星での活動を後押しするために考案された、昆虫のDNAを人間に移植する手術。

 しかし、このバグズ手術が考案されるより、火星にテラフォーマーがばらまかれる遙か以前。既に人類と既存の生物の特徴を併せ持つ存在を誕生させた組織があった。

 その名を、『SHOCKER』と言う。

 組織によって創り出された一体の改造人間の造反により、この組織は壊滅する。しかし組織は姿を、名を変えて幾度も人類に牙をむいた。組織が名を変える度に、一人の改造人間が造反を起こしていき、何時しかその集団は正義の象徴として語られるに至った。

 ……しかし英雄とは、危機を超えれば疎まれるもの。超人とは、異形であるが故に恐怖されるもの。それを知っている彼らは、あるときを境に人々の前から姿を消した。それまで存在した拠点には既に誰もおらず、彼らの消息を知るものは居なくなった。

 それでも人が危機に陥るとき、彼らは人々を守る為に戦い続けていた。されどその存在を証明するものはなく、御伽話の存在としか認識されなかった。

 それから六百余年が経ち、火星から帰還した小町小吉・蛭間一郎の両名から告げられた事実により、計画は予期せぬ方向転換を余儀なくされる。それは本来であればM.O.手術だけであったが、U-NASAの一部の役員がそれでは不足だと進言。役員自らが『御伽話の改造人間』探索に乗り出した。

◆――――――◇

 テラフォーマーの投擲が行われる寸前、アドルフは違和感を感じた。
 先程まで落雷が起こせるほどの悪天候だったというのに、何故流星が見えるのか、と。

 次いで、流星の軌道がおかしい事に気づく。
 本来であればそのまま流れて消えるはずのそれは、少しずつ軌道を変えて減速している。
 いや、そうではない。あれはこちらに向かってきているのだ。

 異常に気づいたのか、テラフォーマー達が投擲体勢を解く。アドルフはここで逃げようかとも思ったが、残念なことに身体が動かなかった。一瞬神のくれた最後のチャンスだと思ったが、そうではないらしい。

 流星は音を立てながら地上に向かってくる。崩れた欠片がキラキラと光り、何処かへと落ちていく。
 テラフォーマー達も第五班の面々も、その光景をジッと見つめ動かない。

 一瞬、閃光が瞬く。膨大な光にその場の全員の目が眩み、落着の瞬間が訪れるのを待つ。
 しかし、いつまで経っても落着の振動はやってこない。目が慣れた頃を見計らい、落下しただろう場所を見れば――

「――すまない、遅くなった」

 そこに居たのは、銀に輝く人型だった。スズメバチを思わせるツリ目と触角の付いた仮面と、赤いマフラーを装着している。そんな物語のヒーローのような人型はこちらを一別すると、テラフォーマーの方へと向き直る。

 予想外の闖入者に対して、テラフォーマーは至極冷静に攻撃を行った。先程中断した投擲を、そのまま行うだけの単純な行動。しかしそれは一つ一つが砲撃のような威力を秘めている。

「危な……い、避…けろ!」

 アドルフは何とか絞り出すように声を上げるが、既に岩は人型の目前に迫っていた。何者かも分からない人型の壊れる光景を覚悟し――

「赤心少林拳・梅花の型」

 ――それが無駄だったと悟る。人型は飛び来る石のすべてを受け流し、無力化する。いくら放っても無駄だと分かったのか、テラフォーマー達は投擲を止め、こちらに向かってくる。

「チェンジ・エレキハンド!エレキ光線!」

 人型が叫んだ瞬間、アドルフのものを遙かに超える強力な電流が流れる。テラフォーマーに命中すると、次の瞬間炭化して崩れ落ちた。

「……お前は、一体…?」

 ――かつて、自由と真実のために戦い続けた戦士が居た。
 ――かつて、雄々しくも人生を戦った男達が居た。

「俺の名前は、沖一也。またの名を――」

 ――遙かなる愛と正義のために、たった一つの命をかけた英雄達。
 ――人々は彼らを……

「――仮面ライダー スーパー1!」

 ――仮面ライダーと呼んだ。




あとがき:こないだ帰りに寄ったコンビニで見かけたアドルフさんにティンと来て、一巻最初で挫折したテラフォーマーズを立ち読みしました。そこでアドルフさんに惚れ、同時に救いたいとも思い立ち勢いで書きました。よく分からないところはwikiを頼りに書いてます。
それと、テラフォーマーズを勧めてくれた友人のIくん、当時は軟弱だった自分をお許しください……と、この場を借りて謝りたい思います。



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