機動戦艦ナデシコ

愛天使 外伝

ルリAからCまで・・・・

 

前編

『2199年6月19日』

 

シルフェニアの一千万アクセス記念

 

by Granite


 どこまでも青い空。

 遠く高い所に霞んだ雲。

 こんな日は門出には最適だったろう。

 

 港や駅、バス停、タクシーの乗り場までが人で賑わっている。

 今日は2199年6月19日、梅雨入りの中で奇跡的に晴れわたった一日。

 

 

 「す・・・す・・・・す・・・・」

 晴れた空になんぞ興味も関心もないのか、ひたすら化粧室の鏡に映る自分を相手になにやら思いつめている少女が一人。

 雪よりも白い肌、少し前から伸ばし始めた髪は美しい蒼銀の髪、少女ホシノ・ルリは今、一代決心をしたのだった。

 外は六月とあって、新婚夫婦の新たな門出を祝う者達でごった返している。

 ルリもその一人だった。・・・ルリルリの気持ちをシッカリ受け止めてくれるはずよ。』

 

 「ス・・・ス・・き・・・・好き・・・・・」(ポンっ

 ガバッ・・・・

 

 何とか目的の言葉を吐く事が出来たが、自分の顔が燃え上がるように熱くなって思わず両の手で覆ってしまう。

 先程から何度もこの調子で、降ろしたての水色の洋服が皺になりつつある。

 

 「はぁ〜・・・・・こんな事じゃ・・・・・」

 顔を覆ったまま独り言をブツブツと言い始める。

 

 この決心を固めたのはホンの数日前、ルリの同居人にして最高の家族の結婚式の最中だった。

 

 

 『ルリルリ〜・・・・良いの? アキト君にちゃんと言わなくて・・・』

 結婚式の最中、少し酔ったのだろうかミナトがルリに絡んで来た。

 

 『言うって・・・何をです?』

 

 『またまた・・・とぼけちゃって』

 『???。』

 

 『ルリルリのキ・モ・チ! アキト君に伝えなくて良いの?』

 『なっ!・・・なにを言い出すんですか、私は・・・その・・・・ユリカさんもアキトさんも・・・その・・・そ、尊敬してますし、お二人の結婚は当 然の結果で・・・』

 

 『ルリルリ、慌ててる〜。』

 『ミナトさんっ!』 

 

 『あははは・・・・そういう事じゃなくてね、別に今更アキト君を艦長から奪えとか、邪魔しろとか言わないわよ。だだ・・・今後の為に言って置いた ほうが良いのかなと思ってね。』

 『とは・・・言われましても・・・・』

 

 『だからね・・・・二人が新婚旅行に行く前に・・・アキト君と二人だけの時に・・・ね。』

 『・・・・・・・・・。』

 

 『大丈夫、アキト君だってああ見えて結構大人だし・・・ルリルリの気持ちをシッカリ受け止めてくれるはずよ。』

 

 『そうでしょうか・・・・』

 

 『うんうん、じゃ・・・新婚旅行までにね、約束よ〜!』

 『あ、ちょっ・・・そんな勝手に・・・・・困りますよ。』

 

 

 初めは無視しようかと思った約束だったが、一日たち、二日たちする程にルリの中でミナトの言葉が大きく響くようになる。

 

 『ルリルリのキ・モ・チ! アキト君に伝えなくて良いの?』

 伝えたい・・・これは本心からそう思う。

 でも・・・怖い・・・伝えればやっと見つけた居場所が消し飛んでしまいそうで・・・・

 

 

 『うんうん、じゃ・・・新婚旅行までにね、約束よ〜!』

 その期限は刻一刻と差し迫っていた。

 

 『・・・ルリルリの気持ちをシッカリ受け止めてくれるはずよ。』

 ・・・・・・・・・・ボン!

 

 「受け・・受け止めて・・・って・・・・(ブルブル・・・・」

 ルリは激しく頭を振ると、目の前の手洗いのノブを力任せに押したのだった。

 

 ジャァァァっ・・・・・

 勢い良く飛び出るその水を躊躇無く掌に汲み取り・・・

 

 ザブザブザブ・・・・・

 力任せに顔にかけ強引に顔を洗うのだった。

 毛細血管に詰まっていた血液が冷や水に逃げ帰っていくのが良くわかる。

 同時に浮かれた頭も冷えきって行く・・・。

 

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 ルリは顔を上げない。

 呟くように口元が動くが・・何を言っているのか、当のルリですらわからなかった。

 

 濡れたままの拳を堅く握りしめ、今日の為に選んでおいた水色で揃えた衣装、そのスカートをギュッと握る。

 見る見る手についた水滴を吸い込んで、一つ濃い色にスカートが変色していく、顔の周りの濡れた髪も無造作に皮膚に張り付き、そこから滴る水滴は容赦なく ルリの肩を濡らしていた。

 

 バァンッ・・・

 「ルリィ〜、いる〜?」

 明るく快活そうな声がした。

 思わずルリは顔を上げて目をやってしまう。

 

 「あ〜・・・こんな所にいた〜、何してんのよ、早くしないともう出発だよ・・・・って・・ルリィ・・・?」

 薄っすらとメイクを施した未だ幼い顔がルリを見詰めていた。

 確か・・ミナトにおねだりして特にして貰った物だと言っていた気がする。

 なるほど、若く美しい肌を損なわず艶と張りが引き立っている・・・。

 ユキナは怪訝そうにルリを見詰めていて、それを見ていたルリの反応が一瞬、遅れた。

 

 「・・・・っ!」

 慌てて後を向き、顔を隠すルリ。

 

 「ルリィ・・・あんた・・・泣いてたの・・・?」

 

 「ち、違います・・・・。」

 弱々しい声・・・。

 

 ドカドカとユキナは歩み寄るとルリの肩に手を掛け、一気にその体を返したのだった。

 「違いますって事はないじゃないの、泣いてるじゃないのよっ!」

 

 「違いますったら、こ、これは・・今顔を洗って・・・・」

 「何バカな事を言ってんのっ、目を真っ赤にして、そこから流れてるのは何だって言うのよっ!」

 「は、離してください・・・」

 ルリがユキナの手を切る。

 その反動で、幸か不幸か・・ルリ自身の姿が鏡に映ってしまった。

 ルリはそのルリ自らの視線を絡ませていた。

 

 濡れた頬を未だに流れる涙が止まらないでいる。

 ゴシゴシ・・・

 

 何度こすってもそれは止まらず、金色の瞳から流れ出る涙は更に勢いが増すかの様だった。

 

 「ルリィ・・・・・・」

 

 「あ、あれ・・・ヘンですね・・・・、ウフフフ・・・私・・・笑わなくっちゃいけないのに・・・今日はアキトさんとユリカさんが・・・・」

 「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 「あははは・・・・・・な、涙なんて・・・お二人に見せる訳にはいかないのに・・・・ど、どうしましょう・・・・ユキナさん・・・。」

 ルリの独白はまだ続く。

 

 「結婚式の時だって我慢出来たんですよ・・・なのに・・・・・、今日はアキトさんとユリカさんが、ちょっとお出掛けするだけなのに・・・・可笑しいです ね・・・・?、こんなの・・・・。何も悲しい事なんて無いのに・・・ある筈無いのに・・・・・私は・・・笑える筈な のにっ!

 

 「ちょっと・・・ルリィっ・・??」

 「笑わなきゃいけないんですっ、私はあの二人のお陰で笑える様になった筈なのにっっ!」

 言葉とは裏腹に涙は止まる事を知らず、ボロボロと床に小さな点を付けて行く。

 悲しくなど無い、そう思って顔を上げて見せても視界が涙で曇る。

 目を閉じて堪えても目頭を熱くして涙は滲み出て来るのだった。

 

 「ったく・・・・もぅ・・仕方のない・・・・」

 惚けてみていたユキナだったが、やがて頭をポリポリと掻いたあと、ルリを引き寄せていた。

 

 「はいはい、ルリィは立派だよ・・・ホントに感心するぐらい・・・・・でも・・・・・」

 ギュッ・・・

 

 「・・・・っ!!、ユ、ユキナさん・・・・?」

 同じくらいの身長だが僅かにユキナが背か高い。

 そのユキナがルリの首に手を回しルリの頭を肩口に抱きしめていた。

 

 「あ、あの・・・ふ、服が汚れちゃいますよ・・・・」

 「なによ・・・あんた汚れてんの?」

 「そうじゃなくて・・・・涙が・・・・」

 

 「あれ〜・・・ルリィは泣いてなんかいないんじゃなかったけ〜?」

 「・・・・・・・あ、あぅ・・・・」

 

 言葉に詰まるルリをクスクスと可笑しそうに笑い、ユキナは更にルリの頭をポンポンと叩いてみた。

 

 「ミナトオネーちゃんから聞いたよ・・・・。」

 「ビクっ・・・・そ、それは・・・」

 

 何か言いたげなルリの口を塞ぐようにユキナは言葉を続ける。

 

 「良いんじゃないの・・・・、泣きながら告白って手もアリかもよ・・・・、意外とそれでコロリ・・なんてことも・・・」

 「コ、コロリ・・・・」

 「女の涙って最強の武器なんだって・・オネーちゃんが言ってたもん。」

 「・・・・・・・最強ですか?」

 

 「そう・・・最強♪、・・・・・・やって・・・みる?」

 おどけた顔を一瞬で真剣に戻して、ユキナは問うた。

 言い終わった時にはルリの肩がピクリと震えた気がしたが、ユキナはそれを無視して続ける。

 

 「やれば・・・もしかしたら、あんたの望む物が手に入るかもしれないよ・・・・。ルリィが一番大切に思っている物が・・・・。」

 

 ルリは赤くなった顔を上げて直ぐ傍のユキナの顔を覗き込んだ。

 涙で濡れた頬が外気に触れて冷やりとする、それが彼女の考えに何かを及ぼしたかはわからない。

 そのままルリはもう一度下を向く。

 

 「どうする・・・・・?、ルリィ・・・・」

 

 ジッとルリの答を待った。

 そしたらルリは、この頃長くなって来た髪ごと揺らして、頭を横に振ってきたのだった。

 

 「やりません・・・・・・、だって・・・・アキトさんは優しいから・・困ってしまうかも知れません・・・。それに、私は二人のご結婚については無条件で 祝福しているんです、本当です、本当に心から祝福してあげたいんです・・。それなのに・・・・・出来ませんよ・・・。」

 

 「そう・・・・。」

 ユキナはもう一度ポンポンと頭を軽く叩いた。

 

 「じゃ・・・ここで泣いて行こうか・・・・?、本番で泣かなくても良い位・・・オモイッキリさ・・・・ぱぁ〜っ・・と・・・泣いちゃおうよ、ル リィ・・・。」

 

 僅かとは言え年上・・ユキナの促すままにルリは泣いた。

 これがクールで子供らしからぬ雰囲気を持ったルリかと思うほど、無茶苦茶な泣き方だった。

 

 悲鳴と嗚咽が混じる癇癪を起こした子供特有の泣き方、時々鼻を啜る音にユキナは顔を顰めつつもルリの涙が収まる最後まで付き合うことに成功してい た。

 時間にして数分だろうか・・・・ルリが、泣き止んだのは・・・。

 

 枯れた涙を確認するように目頭を擦り、ルリはユキナを仰ぎ見た。

 

 「あ、ありがとうございます・・・ユキナさん・・・私・・・・」

 「いいって、いいって〜、まぁ・・・クリーニング代はあとで請求するわ。」

 

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 二人の服はルリの流した涙で所々が濡れていた。

 二人並んで取り合えず、応急処置・・・・鏡に向かいハンカチでパタパタと拭き始めるのだった。 

 

 ルリはそんな中、ユキナを盗み見ていた。

 健康肉体には健康な精神が存在すると言う・・・・、まったくその通りかも知れない。

 誰とも仲良くなれるその性格に、明るく快活なしぐさや言葉・・歳相応の女の子とはこんな感じだろうか?

 

 ルリにはその雰囲気そのものが羨ましい・・・。

 

 「あん・・・、どうかした・・・?」

 「いえ・・・・ユキナさんて・・意外とオトナだな・・って・・・・・・」

 

 「えっ・・そう・・?、そうかな〜、実は最近はムネも出てきたし、私もいよいよ『オ・ト・ナじゃん〜♪』・・とか思ってたところなのよ〜」

 

 「・・・・・・そう言う意味ではないのですが・・・・」

 自らの胸を見下ろしたルリには返す言葉は存在しなかった。

 

 「まぁ・・ルリィに言われるとはね〜、なんか嬉しいや・・・・」

 「えっ?」

 

 「だって、ルリィってさ〜・・・・なんかオトナじゃん・・・雰囲気とか・・・物腰とか・・・・頭も良いし・・・・・、私たちとは違うのかな・・っ て・・・・」

 「そんな・・・私だって普通の・・・・・」

 普通の女の子と言いかけてルリは言葉に詰まった。

 普通な訳が無いのだ・・・自分でも何をバカな事を言いかけたのだろうと思う。

 が・・・ユキナの言葉がそれを吹き飛ばしてくれた。

 

 「でもさ〜・・・意外と普通なんだよね〜、ルリィって・・・・泣く時はなくし・・・それに笑いもするしね。案外、子供だし〜。」

 「・・・・・・・・・・・・・・」

 なんだか、バカにされた気分だった。

 すると・・・

 

 「ほらほら、こんな感じに怒るし〜♪」

 「怒ってませんよ・・・・・」

 

 「う〜ン・・・ホントにぃ?」

 「怒ってませんてばっっ!」

 

 「怒ってるじゃん・・・・・」

 

 その後、他愛もない話を繰り返しながら二人は服の乾くのを待っていた。

 思えば、この二人・・・こんなに長く二人で話しだのは初めてかもしれない。

 

 昨日までは唯の知り合いから進化した友人だったかも知れないが、服が乾き・・・ユキナが『そろそろ行こう。』と告げ、ルリがそれに『はい、ユキナさ ん・・・』と答えへ化粧室から出る頃には、道行く人々には仲の良い少女二人が、お喋りをしながら歩いているように見えたことだろう。

 

 きっと・・・ルリがユキナといると落ち着くと思うようになったのは、この時から・・・・

 きっと・・・ユキナがルリといると楽しいと思うようになったのは、この時から・・・・

 

 出て行くと喧騒に囲まれた先にアキトとユリカが見えた。

 もう、涙は出てこない。

 

 ユキナがルリの肩を軽く押してやった。

 クス・・・と笑って・・・「ファイト・・・」と付け足してくれる。

 

 ルリは促され、一歩目を踏み出す。

 

 「ルリィ・・・聞いて良い?」

 「・・・?」

 

 「あ・・・いや・・、なんで・・・・泣いたのか・・・なんてね?」

 カリカリと・・・頭を掻く・・特に聞かなくても良かったかも知れない。

 アキトがユリカと結婚した・・・だから、悲しい・・・初恋の人が手が届かなくなった・・・だから泣いた・・・それで良いと思う、例え他に・・・ルリすら 気が付かない理由があったとしても・・・・が、何故か聞いてしまった。

 一瞬・・マズイ・・・とも思った・・・要らぬお世話だったかと・・・・。

 

 「・・・・・・・・・クス」

 ルリは少しだけ振り返って・・・微笑を返してくる。

 

 「きっと・・・・ユキナさんの思っている通りです・・・多分・・・・」

 

 「・・・・・・・っ!」

 

 「それじゃ・・・行って来ます。」

 それだけ言ってルリは歩を進める。

 その後姿にユキナは『ふぅ〜・・・』と大げさな溜息を吐き漏らした。

 

 「そっか・・わかってるならいいのよ・・・うん・・・。」

 なんでルリが泣いていたのか・・・正直、自信はなかった。

 でも・・・なんとなく解る・・・・・。『ルリィが一番大切に思っている物・・・・・・』ユキナ自信が言った言葉だった。

 

 大切な・・大切な・・・今・・・・

 それに変化が訪れていたのだ、それが不安でルリは泣いた・・・誰にも相談できない心の奥の奥の悩みだったのだ。

 

 ゆっくりと、ユキナは歩き喧騒の中のルリを見つけて、そしてミナトの袖を引っ張った。

 

 「ん〜、どうしたの・・・・服にシミなんて・・・・?」

 「へっへ〜ん・・・女の友情の証よ・・証〜。っと・・オネーちゃん・・・ルリィの為にもうひと働きよ。」

 

 見送りの仲間達が居たらルリとても話しづらいだろう。

 そしてユリカが傍に居ても・・・・・

 

 「な〜る・・・・それじゃ・・・」

 「了〜解♪」

 何事かを軽く打ち合わせて、二人は駆け出した。

 

 ワイワイと騒ぐ仲間達を言葉巧みに引き離し、アキトの傍から離れようとはしないユリカをも引き摺り出す。

 ごねるユリカを無理矢理、女だけで記念撮影でもと言って連れ出した。

 

 ドサクサにユキナがオロオロしていたルリに肩をぶつけて、軽く片目を閉じて言った。

 

 「時間無いわよ・・上手くやんなさい・・・。」

 

 背中越しにもルリの心臓の鼓動が聞こえるかの様だった。

 一歩、一歩とアキトに歩み寄りルリは彼と向き合う。

 

 遠目で、しかもこの喧騒の中ルリがどんな言葉を言っていたのかユキナにも聞こえなかった。

 

 が、恥ずかしげに話すルリの表情が時が経つにつれ、次第に変わっていく。

 胸を弾ませながら、クスクス笑い、瞳が輝いている。

 

 どんな話をしたのか・・・・決意したとおりの話が出来たのか・・・・

 気になるところだが、これ以上を尋ねるのは野暮と言うモノなのかも知れない、発案者であるミナトとてもそこまではすまい。

 

 不意にアキトの手がルリの頭を撫でるのが目に入った。

 嬉しそうに・・・目を細めてその心地良さに浸るルリが居る。

 

 『良かったね・・・ルリィ・・・・・』

 

 

 

 盛大な見送りの中でアキトとユリカはシャトルに乗り込んで行った。

 乗る前に二人はこちらを一度だけ振り返って大きく手を上げてくれる、それに反応したように仲間達の喧騒も激しさを増した。

 

 が・・・一部の者にはわかっていた。

 この中で二人の『行って来ます』の挨拶を受け止めて良いのは唯の一人だけ・・・。

 

 その少女は恥ずかしそうに小さく手を振ってそれに答えていた。

 

 

 

 

 突然に悪夢はやって来る・・・・

 戸惑いが皆の心を揺るがし、慌しくして・・・やがてそれは確信を経て現実に取って代わる。

 

 喚く者、泣き叫ぶ者・・・・・けして事実を認めようとせず、怒りだす者・・・それぞれだった。

 

 その中にただ空を見上げたまま、微動だにしない・・いや、出来ない者が一人だけ・・・。

 

 「ルリィ・・・・?」

 

 泣くだけ泣いたあと・・・彼女の涙腺は本当に枯れてしまった様に沈黙していた。

 この時ばかりはユキナも後悔したのだった・・・・ルリに此処で流せる涙を残しておいてやるべきだったと・・・・・・。

 

 

 

 

 

機動戦艦ナデシコ

愛天使 外伝

ルリAからCまで・・・・

 

前編

『2199年6月19日』

 

終幕

 

 

 

 

 


 

ご挨拶・・・・・

 

出遅れた・・・・・忘れてた。

シルフェニアの一千万記念・・・。

ふ、不覚・・・なんたる不覚。

 

で、急遽・・・まえに書いた物を宛がおうと思います。

中には、見たことがある方も入るかもしれませんね。

 





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