スーパーロボット大戦α 〜Future Story〜


第十一話「明かされた真実 砕かれた正義」


「敵アンデッド、空戦二十体だけです。」

「ラピス、ミサイルで敵アンデッドを分散させます。」

「了解。」

ラピスの意思でミサイルが発射され、アンデッド達を分散させる。

「よ〜し、アキト〜徹底的にやっちゃって!!」

「各機、発進してください。」

ルリの号令とともに艦載機が発進する。

そう、ナデシコCは現在アンデッドと戦闘中である。なぜかというと・・・


一時間前のヨコスカドック
 

  ナデシコC食堂

ヨコスカについて二日間、いまだに命令が来ない。


「ふあ〜あ・・・」×六


パイロット一同は食堂で暇そうにしていた。

「ヒマッスね、アキトさん。」

「シン君、緩みすぎだぞ。でも確かに・・・」

「つまらなそうだね、テンカワ君も。」

「サブ〜、何か暇つぶしはないのか?」

「こんな時はハーリーでもいじって遊ぶんだが、あいつは今ブリッジだしな〜。」

「シ〜ン、ファントムはどうなった?」

タカヤがシンに聞く。

「完全に直ってる。昨日ずっと調整してたからな、だからすることなくてよ。」


「ふあ〜あ・・・」×六



  ナデシコCブリッジ

「暇だね。」

こちらも似たような状態だ。

ユリカは前の机に顔を乗せている。

ルリはのんきに本を読んでるし、ラピスとハーリーはゲームに夢中だ。例の漢字を使う格ゲーである。

だらけてるな・・・と、

『ルリ、ヨコスカ司令部より通信。』

オモイカネのウインドウが開き、パタっと本を閉じる。

「分かりました、二人とも仕事ですよ。」

「「は〜い。」」

そして通信をつなげた。

「テンカワ少将。」

「へっ?」

いきなり目の前にウインドウが開かれ、ユリカは反応できなかった。

「申し訳ないのだが、ナデシコCに出撃の要請をしたいのだ。」

「何があったんですか?」

「先ほど太平洋上にアンデッドの集団が確認された。しかも現在、こちらに向かってきているのだ。」

「なるほど、大体分かりました。引き受けましょう。」

「よろしく頼む。」

ウインドウが閉じる。

「さて、ルリちゃん、艦内放送よろしくを。」

「はい、どうぞ。」



   食堂

ピンポンパンポーン・・・


「んっ?」

アカツキが顔を上げる。

「クルー各員に連絡します。ただいまよりナデシコCはアンデッド撃滅の任に就きます。急いで準備してください。

 特に食堂のメンバーさん!以上ナデシコ放送でした〜。」


ピンポンパンポーン・・・


ユリカの放送が終わり、パイロットは顔つきが変わって格納庫に向かった。

そしてナデシコは出撃し、現在に至る。



   格納庫

「グラディエーター行くぜ!」

「アンデッドめ、叩き落してやる!」

「元気元気!」

「上の三人は燃えてるねえ。」

「会長さん、ゆるみすぎっしょ。」

「サブ、お前もだ。」

六機が出撃した。


「シン君、行くぞ。」

「了解。」

ホワイトサレナとファントムが左、サブとリョーコ、アカツキが右でタカヤは・・・甲板で留守番中。

「遅い。」

「そこだ。」

アキトとシンは以前より息があっており、楽々アンデッドを倒している。

分散されたアンデッド達は、二体の高速攻撃に反撃もできない。


「よ〜しサブ、アカツキ、俺に続け!」

「いっちょやりますか。」

「りょ〜かいっと。」

エステカスタムUがアンデッドに向かって加速する。

拳にフィールドを纏いながらディストーションアタックをかけた。

アンデッド達はそれを回避するが、後ろにいたハイパーエステ、アポロンからのレールカノンが飛び込んでくる。

それによって落ちるものも多く、回避したものもエステカスタムUが戻ってきて殴り飛ばしていく。

「へっへ〜んだ。余裕だぜ!」



   ???

「ではナデシコは太平洋上に移動したんですね。」

「ええ、アンデッドと交戦中らしいわ。どうするの?」

「・・・私が行きます、自力で戻れますし。」

「ナデシコC、私達に賛同してくれるかしら?」

「少しでも戦死者を減らせるなら、そうしてくれるといいですね。」

そういい、話をしている少女は紅の専用パイロットスーツを着込み、変わった形のヘルメットをかぶる。

その左胸には、銀色の水晶がマークされていた。

「相手はナデシコCよ、気をつけてね。」

「ええ、でも・・・この子だって「ZERO」の力をもってるんです。任せて。」

無重力の床を蹴ってコクピットの中に入る。それは、あの血染めのMSだった。

IFSが光り緑のモノアイが点灯、カタパルトへ歩き接続する。

整備兵が下がり、ハッチが開放され青い地球が見える。

ランプがレッドからグリーンへ変わった。


「行きましょう、エピオン。」


そのMS、ガンダムエピオンは地球へと向かう。目標は・・・ナデシコC。



   太平洋上

アンデッド達はナデシコ艦載機により一気に倒され、残りは三体である。

三体はナデシコに向かおうとするが、前に立ちふさがったエステカスタムU、ハイパーエステ、アポロンのレールカノンで消滅した。

「よし、全機報告。」

アキトが各機へ通信を入れる。

「こちらリョーコ、異常なし。」

「こっちも問題ねえよ。」

「アポロンもOKさ。」

「ファントムも大丈夫です。」

「・・・・・・」

しかし、タカヤからは返事が来なかった。

「タカヤ君?」

返事が来ないタカヤにアキトは問いかけるが、

「アキトさん、俺の出番は?」

暗〜い声が返って来た。

「で、出番?」

「はい、出撃したのに甲板の上でポ〜としてるなんて・・・ないですよね?」

「・・・・・・」

今度はアキトが黙ってしまう。

「タカヤ。」

シンが通信に割り込んできた。

「何だ?」

「あし〜たがある〜さ明日がある。わか〜い僕らには夢がある〜ってことさ。」

「・・・つまり、次回まで待てと?」

「さすが我が親友、その通りだ。」

ウインドウの中のシンが右手の親指をたてる。

「ちくしょう、何でこう出番が少ないんだ。スーパーロボットなんだぞ、斬艦刀が泣いてるぞ。」

「最初の意味はわかるが後ろの二つはどうでもいいな。香織に慰めてもらえば?」

「シン・・・後で顔貸せ。」

「慎んでお断りするよ。」

「おめえら、漫才は終わったか?」

呆れ顔のリョーコが通信してきた。

「あ、はい。タカヤが駄々こねてまして。」

「おい!」

「わかったわかった、仲いいのはよくわかったからさっさと戻るぞ。」

「了解。」

「納得いかねえ。」

と、

「みんな、帰還するのストップ!」

ユリカのウインドウが全員のコクピットに開く。

「何すか提督?」

「戦闘態勢を崩さないで。」

「落ち着け、ルリちゃん何があった?」

アキトはルリに通信をつなげた。

「はい、大気圏外より接近する物体があります。」

「艦長、隕石じゃないんすか?」

「違う、これは大気圏突入のウエーブコースをトレースしている。」

「隕石ならこんなことしません。明らかに人工の物です。」

ラピス、ハーリーが詳しく補足した。

「一体何が、っ痛!?」

シンが、突然額を押さえる。

「(この、ザラっとした感じは・・・あの時と同じ。)」


   
   ナデシコCブリッジ

「アンノウン接近、モニターにだす。」

そしてモニターに映し出されたものは・・・

「な、何あれ!?」

ナデシコの前に降りてきた物、それは紅の翼に身を包んだ機体。それは少し離れた場所に降り、翼を背部へ戻す。

まるでどす黒い血に染まったかのようなカラーリング。間接部は黒く、二つの緑色のモノアイ、そして胸の球体が発光する。

額にはV字型のアンテナらしき物があり、明らかに普通とは違う威圧感があった。

そして左手のシールドには、ネオ・ジオンのマークがある。

「ナデシコ、聞こえるか!」

「アカツキさん?」

珍しいアカツキの緊張した声。

「あれが奪われた一機、「ガンダムエピオン」だ。」

「あれが・・・それにガンダムってあの・・・」

ガンダム。この名は軍人なら、いや一般の民間人でも知っている名だ。過去の大戦で活躍し、多く種類が確認され、

過去の戦記物では必ず名がでてくる。故にその影響力は大きいのだ。

「アカツキ、あれがそうなんだな。」

「そう、Z計画の一機さ。」

「で、でもよ、ガンダムってのは・・・」

「いくらなんでも、なあ。それにネオ・ジオンだったのかよ、犯人は。」

リョーコとサブも戸惑っている。

「タカヤ、まだ活躍の場は残ってそうだぜ。」

「だといいが、やばそうだぜあれは。」

と、

「!?ユリカ、通信がきてる。」

「どこから?」

「目の前のエピオンから。」

「エピオンから・・・つないで、ラピス。」

「了解。」

そして表示されたウインドウには、顔が完全に隠されたヘルメットを被るパイロットが映し出された。

「こちら機動戦艦ナデシコC提督、テンカワユリカです。何の御用でしょう?」

「初めまして、テンカワユリカさん。単刀直入に申し上げます。私達ネオ・ジオンに降伏していただきたいのです。」

「断るといったら?」

「その時は・・・気の毒ですが、あなた達はここで潰えることになります。」

「・・・・・・」

「あなた達の力は、ネオ・ジオンにとって障害となるんです。私もあなた達を殺したくありません。さあ、返事を。」

「申し訳ありませんが、私達は降伏などいたしません。」

ユリカはハッキリ言い切った。

「・・・わかりました、やはりあなた達も連合の狗なんですね。」

最後の声は悲しそうだった。そしてウインドウが閉じられる。

しかし、マキビハリだけは、その声に聞き覚えがあった。

「(今の声、まさか・・・)」

「通信、完全に途絶えた。」

「全機、エピオンへの攻撃開始。」

「(確かめなきゃ!)」

席を立ち、ブリッジから出て行く。

「ハーリー、何してるの!」

「ま、待ちなさい。ハーリー君!」

「二人とも、こっちに集中して!」

ラピスとルリが叫ぶが、すでに出て行った後だった。



「こいつ!」

ファントムがビームライフルを撃ちながらエピオンへ向かう。

エピオンはそれを楽々避ける。と、そこにサレナがハンドカノンを浴びせるが、フィールドに弾かれた。

「そこだ。」

「おちろよ。」

「いただき。」

一瞬止まったエピオンへ三機がレールカノンを放つが、まるで読んでいたかのようにバーニアを利用し回避する。

「く、今のを避けるのかい。」

アカツキが言い、さらに照準を合わせようとする。だがエピオンのシールドから伸びているヒートロッドが赤くなり、アポロンへ振り下ろした。

ヒートロッドはアポロンの右肩に直撃する。

「ぐおっ!?」

アポロンは右肩を抉られ、海へ叩きつけられてしまう。

「アカツキさん!?ちくしょー!」

ファントムが接近してセイバーを右手に持ち、エピオンへ振り下ろす。

だがエピオンはシールドをかざし、振り下ろされる直前にファントムの右腕を下から抑えた。

「なっ!?」

エピオンは腰からケーブルに繋がった剣の柄を取り出しファントムへ水平に薙ぎ払う。

その途中で柄から大型の剣、グラビティブレードが飛び出しファントムを二つに分ける。

「うわああー!!」

ファントムは下半身を失い、黒煙を上げ海へ落ちていく。

「貴様、よくも。」

サレナがフィールドを纏って体当たりをしようとする。しかしエピオンはかわしながら反対方向へ蹴りつけた。

そしてナデシコへ向かう。

「しまった、ユリカー!!」

エステカスタムU、ハイパーエステがその前に立ちふさがり、右手のメガラピッドライフルを連射するが全て装甲で弾かれていた。

エピオンは両肩の義手、エピオンクローを伸ばして二機を海中へ叩き落す。二機は頭部を潰され、激しい揺れに襲われる。

「くそ!」

「タカヤ、頼む!」

ナデシコCから斬艦刀を展開したタカヤが飛び掛る。しかし振り下ろした剣は空振り、腹部をヒートロッドで叩かれて吹き飛んでいく。

「な、何てパワーだ。」

全機がやられ、ユリカは指示を出す。

「フィールド最大!」

だがエピオンは、二つのエピオンクローをフィールドに突き刺す。それは・・・何とフィールドを中和したのだ。

フィールドが消え、目の前にはグラビティブレードを振りかざすエピオンの姿。

三人の頭に、「死ぬ」という言葉がよぎる。

グラビティブレードが振り下ろされようとした時、突如エピオンへ何かが飛び込んでいった。それは、予備で置かれていたハイパーエステの姿。

エピオンは完全に無防備の姿で喰らい、後ろに追いやられていく。

「え、誰?誰が乗ってるの??」

そしてルリは気付いた。

パイロット以外でIFSを持ってるのはブリッジの四人だけ。ということは・・・

「ハーリー君。」

「えっ?」

「あれに乗ってるのは、ハーリー君です。」

「ええ〜!!」


事実、ハイパーエステを動かしているのはハーリーだった。


エピオンともつれるように飛んでいき、何度か殴られ離れそうになる。

だがそれでも必死にエピオンへしがみついていた。

エピオンはクローを使ってハイパーエステを弾き飛ばし、右手のグラビティブレードを振り下ろそうとした時、


「ローズさん!!」


オープン回線でハーリーの声が響き、グラビティブレードがエステの頭上で止まった。

そして刃が引いていき、ハーリーはエピオンの前に機体を動かして左手の甲の有線交信用のワイヤー射出し、通信をした。

ウインドウが映り、エピオンのパイロットは特殊なバイザーを戻す。そのパイロットは、ロンデニオンで出会ったローズクォーツだった。

「やっぱりあなただったんですね、ローズさん。」

ローズは驚きを顔に表し、震えた声で話す。

「ハリ君、何で・・・あなたがナデシコに?」

「僕はマシンチャイルドと同時に、軍人なんです。・・・ローズさんも、そんなんですね。」

「ええ、私はネオ・ジオンの兵士よ。」

その会話は、全員に聞こえていた。

「・・・ハリ君、私はあの時こう言いました。連合が本当に正しいのかと。」

「どういう、ことです?」

「これを見てください。」

ローズはコクピットで操作をし、新しいウインドウを開いた。

「こ、これは!?」

そこに映し出されたのは、連合兵士によって虐待をされる人々。地に伏せられ頭を撃ち抜かれる人間。容赦の無い暴力の嵐・・・

「うっ!?」

あまりの光景に、ハーリーは気分が悪くなる。

「これが真実です、今の連合の。」

「何なんですか、これは・・・」

「アフリカ大陸の連合軍に不満を爆発させ、市民が起こしたクーデター。その成れの果てです。」

「どうして、こんなことを。」

「ここの連合軍は、自分達の私腹を肥やすためだけに動き、従わないものは殺す。このクーデターも、上への情報は全て握りつぶされていた。」

「・・・・・・」

「そして、私達の住むコロニーでも同じことがありました。今から二十年前、連合の横暴に耐えかね、地球から自治権を要求する運動が

 各コロニーで起きました。私の故郷、サイド3でも。」

ローズは目を細める。

「しかし連合軍は話し合おうともせず、武力によって鎮圧したのです。首謀者は全員処刑され、地球には反乱という形で情報がいきわたり、

 全ては闇に消えました。」

「まさか、ローズさんのお父さんは・・・」

「その、処刑された中の一人です。父はまだ母のお腹にいた私を残して、殺されました。」

「そんな・・・そんな!!」

「その後も、私達は何度も地球へ自治権を要求した。しかし全て取り合おうともしなかった。そして、あのトカゲ戦争が始まったのです。」

サブが顔を歪める。

「彼らも私達と同じ、連合に弾圧された人々。同じ苦しみを味わった人間なんです。」

ハーリーは顔を伏せる。

「今の連合の上層部は、一部の人間がまともなだけ。他は自分の私腹を肥やすことしか考えず、自らの保身しか考えていない。

 政府の人間も同じなんです。彼らはコロニーを、未だに植民地としか考えていない。その証拠が、汚職の数々・・・」

「じゃあ僕が信じていた正義は、こんな物だったんですか。こんな・・・こんな・・・」

そのハーリーを、ローズは無慈悲に切り捨てる。

「そうです。今のままでは、人は本当の平和を作れない。これが全ての真実。連合の、そして人の闇です。」

「く・・・うわああー!!」

ハーリーは自分の襟元の階級を床に叩き付けた。

「はあ、はあ、はあ。」

「ハリ君。」

ローズはヘルメットを脱ぎ、機体を自動浮遊に設定する。

「(何が正義だ、何が平和を守るためだ。義父さんと義母さんはこんな奴らに・・・僕は、何も知らなかったんだ。)」

と、ローズがコクピットを開け、前に出されたエピオンの掌に乗り出してきた。

「ローズさん・・・」

それにハーリーは気付き、同じようにエステを設定して、コクピットを出て前に出されているエピオンの掌に乗る。

二人は向かい会い、風がローズの長い赤髪を、ハーリーの黒髪を揺らしている。やがてローズが口を開く。

「ハリ君、私は・・・あなたに来て欲しい。」

ジッとハーリーを見ながら言う。

「いっしょに、ネオ・ジオンへ来て欲しいんです。」

「えっ?」

「あなたが連合の人とはわかっています。でも・・・」

顔が赤くなっていき、恥ずかしそうにしている。

「私は。」

決意した顔で、

「私は好きな人と戦いたくないんです。私は・・・ハリ君のことが好きなんです!!」

ハーリーは目をいっぱいに開く。

「僕を・・・好き?」

「あのロンデニオンで会った時から私はずっと、今でもハリ君のことが好きなんです。」

そう言い、ローズはハーリーの胸に飛び込む。

背中に手を回し、離さないという感じで額をあてる。

「あなたの優しい心が暖かかった。今まで私は一人で生きてきました、でもそれはとても・・・寂しかった。」

知らずの内に、ローズは涙を流していた。

「私は、好きな人と、殺しあいたくないんです。ハリ君と、あなたとずっと、いっしょにいたいんです。」

途切れ途切れで声を漏らす。

「ローズ、さん・・・」

ハーリーは目を閉じ、そっとローズの肩に手を置いた。

ビクっとローズが強張るのがわかる。

そして、優しい声でローズに言う。

「ありがとうございます、僕みたいなマシンチャイルドを、好きっていってくれて。」

そのまま華奢なローズの背中に手を回す。

「僕も、ローズさんのことが好きです。あの、ロンデニオンで会った時から。」

ギュッと強く抱きしめた。

「ハリ君。」

ローズは上目遣いでハーリーを見る。

「本当の平和、それが作れるなら・・・僕も行きます。あなたと一緒に、どこまでも。」

「本当、に?」

ローズの吐息が首筋にかかる。

「男に二言はありません。」

「ありがとう、ハリ君。」

ローズはハーリーの手を引いて、コクピットに入ろうとする。だが、

「ハーリー!!」

ハーリーのコミュニケからウインドウが出て、サブロータの顔が映し出された。

「お前、俺達を裏切るのか!」

「サブロータさん・・・僕は、もう連合は信じられないんです!」

「本気なのか、ハーリー。」

「・・・はい。」

「くっ!」

ジャキッ レールカノンがエピオンへ向けられる。

「行かせる訳にはいかねえんだよ!」

「殺すんですか、僕を。」

サブロータは辛そうに顔を歪める。

「あの、義父さんと義母さんを殺した、連合兵士のように!」

怒りに満ちた眼を、声を、ウインドウに向けた。

「!?」

銃口が、震え始めた。

「僕は行きます。「自分の道は自分で決めろ」と、サブロータさんは僕にそう言ってくれたでしょう。」

そしてエピオンの中へ入っていた。エステのコクピットにコミュニケを置いて。

エピオンが後退し始める。

「駄目・・・」

ハーリーの置いたコミュニケに、ルリのウインドウが映る。

エピオンはネオバード形態へ移行する。

「ハーリー君、行っては駄目ー!!」

ネオバードとなったエピオンは、上空へ上がっていった。

残ったものは無人となって滞空し続けるハイパーエステ、そしてコミュニケだった。



ユリカは全員に通信する。

「全機帰還してください。タカヤ君はアポロンを、アキトはファントムとハイパーエステの回収を。」

「・・・了解。」「・・・わかった。」

ユリカは席に座りこみ、机の上で手を組む。

ラピスは放心したような顔で、シートにもたれかかった。

ルリは、今にも泣きそうな顔で呟く。

「うそつき・・・」

ポツリと、

「ハーリー君の、うそつき・・・」

ポツリと、

「新しい料理を、食べさせてくれる約束だったんじゃないんですか?」

涙が頬を伝う。

「バカ・・・」



   コトシロ 戦艦レウルーラ

エピオンは母艦、レウルーラに着艦した。

ハッチが閉じられ、酸素が格納庫に入ってくる。

「着きましたよ、ハリ君。」

「ここが・・・」

MSハンガーに機体を固定し、コクピットから出る二人。重力制御されていないので、無重力だが。

あまり無重力に慣れていないハーリーは慌てたが、ローズに連れられ床に降り立った。しかし、


ジャカジャカジャカッ


一斉に突きつけられる拳銃・・・かなりビビりました Byハーリー

「うわああ!?」

両手を上に上げるハーリー。彼は連合の制服なので当然だが。

「やめてください、この人は敵ではありません。」

ローズの言葉に、渋々銃を下げる。

「(し、死ぬかと思った。)」

「ごめんなさい、ハリ君。」

「いえ、僕の格好を見れば仕方ありません。事実僕は連合の人間ですし。」

「そうですね・・・あ。」

人垣が割れ、その中心からこちらに歩いてくる女性がいた。

「あなたは。」

「初めまして。ネオ・ジオン総帥、セレスダイクンです。君がマキビハリ君ね、ローズから話は聞いてたわ。」

ふと周りを見ると、全員が敬礼をしていた。慌ててハーリーも敬礼をする。

「そんなに畏まらなくてもいいわ。でもここに来たという事は、私達といっしょに来るととっていいのね?」

挑むような眼でハーリーを見る。

「はい、連合の腐敗ぶりを知り、僕はここに来ました。」

「あなたの仲間、ナデシコと戦うことにもなるのよ?」

「・・・かまいません。もう決めたことです。」

「そう、ネオ・ジオンは君を歓迎します。最も、しばらくは監視付きだけど。」

「わかっています、それは当然ですから。」

「なら話は早いわ。ローズ、あなたが監視役を勤めなさい。いいわね?」

「は、はい。」

「じゃあ、任せるわ。」

「わかりました、行きましょうハリ君。」

「お願いします。」

二人は格納庫から出て行き、整備士達も作業に戻って行った。

「(ローズったらあんなに嬉しそうな顔して、羨ましいわね。でも彼なら、使いこなせるかしら。「アレ」を・・・)」

それは、格納庫の奥に布を被されていた。白き翼に身を包んで・・・



次回予告

明かされた真実、それを知りナデシコを出た少年。ナデシコクルーの士気は大きく下がっていた。
その中でアカツキは、各計画が最終段階に入った知らせを受ける。
だが、ついに始まるネオ・ジオンの地球への粛清。それは、ターミナルコロニー「コトシロ」を地球へ落とすコロニー落としだった。
再び繰り返される悪夢。ナデシコは阻止のため「コトシロ」へ向かう。
そこに立ちはだかるネオ・ジオン。四体のギラ・ドーガとガンダムエピオン。そして、赤い機体・・・
ユリカは一つの決断を下す。それは、限界への挑戦。


スーパーロボット大戦α 〜Future Story〜


第十二話「コトシロを討て 復活の赤い彗星」

??「会うのは二度目ね。ネオ・ジオンの忌むべき宿敵、白い・・・いえ、白銀の悪魔。」



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