※このSSは主人公最強主義になる可能性があります。

そういった物がお嫌いな方は此処で読むのをお止めになる事をお勧めします。

それでも宜しいと言う方は、このままお進み下さい。
























では、どうぞ。




ジリリリリリリッ!

(ガンガンガンッ!!)

目覚ましが鳴り、僕の覚醒を促す。

同時にフライパンを叩く音が頭の中で鳴り響く。

勿論それも覚醒を促す。

「う〜ん・・・・・・」

現在の時刻は午前五時。

眠気が襲うが、両頬を叩いて活をいれ、既に恒例になった鍛錬の為に着替える。

流石に寝巻きのままやるわけにはいかないからね。

(起きたか?)

頭の中で、もう一人の住人である彼が聞いてくる。

彼はちょっとした理由から、僕と体を共有する関係になったのだ。

そんな関係になってから既に五年になるだろう。

たまに僕と彼は入れ替わる。

今は僕が表に出ている状態だ。

彼が表に出ると、容姿は一変する。

銀髪金眼になるのだ。

一度見たことがあるけどとても綺麗な色をしていた。

初めて彼が表に出た時、彼自身も酷くびっくりしていったっけなぁ・・・・。

しかも容姿ばかりか、体力はおろかパワー・スピード共に比べ物にならないほど飛躍する。

因みに、母さんも父さんも彼の事は知らない。

僕と彼とだけの秘密なのだ。

(悠二、鍛錬の準備は整ったな?)

「うん」

声に出す必要は無いのだけれど、あえて声を出して言う。

(よし、まずは何時も通りランニングから行くぞ)

「了解」

着替え終わった僕はそう返事をして、親に気付かれないように家を後にした。

こうして僕―坂井 悠二―と彼との日常は始まる。



灼眼のシャナ
〜闇と焔の二重奏(デュエット)〜

第一話  彼等の日常
                                                                                      著・神威



「はっはっはっはっ・・・・・・」

何時も通りのルートを辿り、僕は走る。

スタミナを上げる為に始めた事で、これは彼が僕と一緒になった時からしている。

彼が入った事で僕の身体能力も向上したんだけど、行き成り使いこなす事など出来ず『少しでも使いこなせるように』と彼と僕とで決めた事だ。

僕の身体能力向上の理由について、彼はこう言っていた。

元々自分に投与されていたナノマシンが、自分の体にあわせる為に悠二の体を作り変えたのだ、と―――――――。

彼の世界では、ナノマシンなどは当たり前。

車や機械を動かすのにもそのナノマシンを使っているらしい。

彼の居た世界はハイテクだったようだ。

それで気になって、彼がこの世界に来た理由を聞くのだけれど、彼は決まって話をそらす。

どうも聞かれたくないようだ。

でも、今はそんな事は関係ない。

今彼が此処に居て、僕が居る。

それで良いんじゃないか?

僕はそう思うようになったからだ。

「はっはっはっはっ・・・・・・」

そんな事を考えている間に、目的地である空き地に到着した。

この時間は誰も通る事の無い所なので、鍛錬をするのにはもってこいなのだ。

(よし、十分休憩したら始めるぞ)

「はぁ、はぁ・・・・・。ぅん、解った」

息を整えながら何とか返す。





十分の休憩を取り、体力が十分に回復したので鍛錬を再開する。
     くさなぎのみつるぎ
(よし、草薙の御剣を召喚する。俺と一旦変わってくれ)

「OK」

僕が返事をすると、彼が表にでる気配がしてくる。

そして僕は『俺』になる。

悠二が『裏』になり、俺が表に出て来る。

同時に、髪は銀髪に。

そして目は金眼に変わる。

「悠二、始めるぞ」

(うん)

頭の中で悠二の声がする。
                        
「主たる我が声を聞け! 来たれ、『草薙 の御剣』ッ!!」

俺の手に光が収束する。

光が収まると、手には一振りの刀が。

これぞ草薙の御剣。

草薙の御剣。
      ぐぜのともがら
これは『紅世の徒』の宝具の一つである。

坂井家の地下深くに結界をして封じてあったものだ。

何故これが其処に封じられていたかは謎だが、今は俺を主と認めているようだ。

この刀に主と認められなければ使う事は出来ない。

これも理由は解らないが、そういった術のような物をかけられているようなのだ。

刀自体に意識は無いが、術式によって素質を判定される。

そういった造りになっているのだ。

一応だが、悠二もこれに認められている。
                               にえとののしゃな
付け加えて言うと、これは同じく宝具の一つである『贄殿遮那』と似て非なる存在。

贄殿遮那は『存在の力』を断絶する能力を持つ。

それに対し、草薙の御剣は『存在の力』を吸収するのだ。

無論それだけで無い。

吸収した『存在の力』を使って攻撃する事も出来る。

ヒュンッ!

ヒュンッ!

ヒュンッ!

御剣が空気を薙ぐ音がする。

「良し。悠二、後はお前がやれ」

そういって俺は再び『僕』になる。

そして容姿も元に戻る。

彼が完全に裏に回ったのを感じた僕は、草薙の御剣を構える。

(さて、何時も通り素振りから始めるぞ)

「うん」

返事を返して、御剣を振り始める。

ヒュンッ!

ヒュンッ!

ヒュンッ!

剣道の要領で振る。

ヒュンッ!

ヒュンッ!

ヒュンッ!

其れに斬撃になるように形を加えて振る。

ヒュンッ!

ヒュンッ!

ヒュンッ!

―――チンッ

御剣を鞘に納め、抜刀術の構えを取る。

彼に師事して憶えたものだ。

サァァァァァァァァァッ

風が吹く。

それによって木から葉が落ちる。

「天河式抜刀術・十文字」

彼の名字を冠する流派の名を呟き、同時に抜刀。

一番シンプルな技で、其の名のままに十字に斬り付けるだけの技。

斬!

落ちて来た葉は見事に十字に刻まれた。

今でこそ上手く行くものの、始めた頃は全く出来なかった。

これぞ五年の鍛錬の成果ってね。

暫くそうやって技を反復したりして、午前の鍛錬を終了する。

「やばっ!」

ふと時計を確認すると、時刻は六時半。

そろそろ母さんが気付く頃だ。

(俺に変われ)

彼が言う。

言われるままに交代。

主権が俺に渡ったのを確認する。

すぐに御剣を送還し、俺は走り出す。
    ・ ・ ・ ・ ・
勿論屋根の上を。

普通に走っていたら間に合わないからな。

まだ悠二には出来ない芸当だ。

「さて、少しスピードを上げるか・・・・・」

屋根の上を飛び移りながら、更にスピードを上げる。

―――見えた。

ベランダからばれないように入る。

あらかじめ鍵を開けておいたので、外から入るのは簡単だ。

「悠二、変わるぞ」

俺が宣言すると、再び表裏が入れ替わる。

「ふぅ」

着替えを持って汗を流しに行く。

「お早う、悠ちゃん」

「お早う母さん」

「ご飯、もう直ぐ出来るから待っててね」

何時ものようにおっとりとした口調で言う。

「其の前にシャワー浴びてくるよ」

そう言って僕はシャワーを浴びに行く。











他愛もない話をしながら食事を済ませ、僕は学校に行く支度をする。

かけてあった制服を着て、かばんを掴む。

「じゃ、行ってきます!」

「行ってらっしゃい」

繰り返された挨拶をして、いざ出発。

(あまり急ぐなよ?)

道を歩いていると彼が言う。

「解ってる」

僕はそう返事をして歩みを速める。

「さて、今日も一日頑張ろう。――――アキト!」

(―――そうだな。怪我をしない程度には)

こうして、僕と彼―天河 アキト―の日常は始まるのだ。  
                                                                                         続く





















次回予告

日常の中の非日常。

悠二の前に、偶然とは言え再び徒(燐子)が姿を現す。

アキトと入れ替わった悠二は見事それを撃退する。

そして、彼と彼女は出会う。

次回

灼眼のシャナ
〜闇と焔の二重奏(デュエット)〜

第二話  闇と焔の邂逅                                                  乞うご期待

























後書き

ぬわぁぁぁぁぁぁっ!

やってしまった!!

サモン書かずに新作です(爆)

しかもこれ、県模試中に思いつきました(核爆)

さて、本作はナデシコ×灼眼のシャナのクロスです。

作中にあった彼とはアキト君の事です。

彼がどういった経緯でこの世界に来たのかは、後々に語りたいと思ってます。

では、感想お待ちしております。
                                                                         一月十六日・執筆完了 神威
   









感想

神威さんご新作お疲れ様です♪

ナデシコ×灼眼のシャナですね、だとすれば悠二はトーチになっているのかいないのか…

アキトの事もありますし…なっていないのかな? でも宝具『零時迷子』の事もありますからね…その辺をどうするか期待ですね♪

草薙の剣、考えてみれば遊撃の設定ですねそれは(爆)

ああ! アキトさんがあんな所 に!!?

最近良く逃げられてるからね〜

ぐっ! アキトさんは私から逃げた りしません! きっと深い事情があるに決まってます!

まあ良いけど…銀髪、金眼という事はマシンチャイルドの特徴だね。

ふふ、ほらやっぱり私の事を大事に思っているんです♪

大事に思っている事とマシンチャイルド化にどんな関連があるのか知らんけど…兎も角、この世界では木連式抜刀術を発展させた技を使っているみたいだね。

そりゃあ、アキトさんは何時も最強ですから♪

案外アキト誰かと出来ちゃったりして(爆)

『掴 んだ力』使わせたくてたままりませんか?

あう!? ごみんなさい! それは兎も角、次回この物語の主人公とも言うべき方が出られます! 次回はメロンパン必須ですよ!

ついでに謝らないといけない事もありましたよね?

はい、キャラクター投票は50人までしか登録できない為、今回の投票に参加させる事ができません。非常に申し訳ありません(汗)

駄目ップリにみがきがかかっ てきましたね…せめて50000人位登録してあげなさい!

あう〜むりっすよ〜(泣)

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神 威さんへの感 想はこちらの方に。

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