機動戦艦ナデシコ 逆行のミナト

第九話 奇跡の交渉『愛撫か?』 -その肆-

 

ナデシコは連合軍に再編成で編入させられた。
ただしクルーに大して変化は無かった。
そもそも現代の軍隊と言うものは基本的に『足並み揃えて戦争する』、となっている。
しかしナデシコを始めとするナデシコ級戦艦はそのスペックが高すぎるため、他の艦艇と足並みを揃えようとすると艦の能力を全く生かせないのである。
逆に言えばナデシコ級の戦艦についてこられる戦艦がナデシコ級以外に存在しないのである。
確かに後付けとはいえ、連合艦隊の戦艦はディストーションフィールドやグラビティブラストを装備している。
が、後付けである以上、その限界はナデシコ級よりも低い位置にある。
つまりナデシコを艦隊の一部として組み込もうとするとどうしても無理が発生してしまう。
その上ナデシコのクルーの殆どは民間人であり、しかも各分野においてのエキスパートであるため、それぞれの分野においては正規の軍人よりも腕が立つものばかりである。
これがナデシコをさらに扱いづらい存在にしてしまっていた。

その為軍上層部がとった手段は、その有り余るスペックを利用して特務遊撃艦として扱う事にしたのだ。
軍全体の戦力が底上げされたとはいえ、木星蜥蜴の攻勢が増しているのも事実である。
宇宙から来る木星蜥蜴だけでも大変なのに、他に大艦隊を割く余力などあるわけがない。
しかしナデシコなら単艦で小規模の艦隊クラスの戦闘力を発揮できる。
結果としてナデシコはある意味今まで通り、地球上にて軍の命令を受けて一匹狼な戦闘を行う事になったのだ。
ちなみにコスモスは前線における艦艇の修理・補給を行うドック艦の役割を宇宙において全うしていた。

 

地球、佐世保ドック━━━

「いいこと!? アタシが、このアタシが来たからには……」
甲高い声でキィキィ喚きながらブリッジ・ブリーフィングエリアを歩き回るキノコ。
正直、うっとおしいと思うクルーだが、一応口には出さない。
一度乗っ取りをしようとしたクセに恥ずかしくないのか? と思うが、相当に厚顔無恥であるらしい。
まだキノコが話を続けようとした瞬間……
キノコが手をかけていたパイロット用シートがいきなり動き、その下に穴が開く。
「え?」
「「「「「「「「「「あ」」」」」」」」」」
間抜けな声を出すキノコとクルーたち。
そして……
「ああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」
バランスを崩したキノコはシューターの中に落ちていき……最後に『グシャッ!』という音を最後にその叫び声も消えた。

━━━ちなみに……通常シューターはシートに座ったまま降りていくが、もっと急ぎの時はシートをずらして飛び降り、終点直前で逆向きのエアを吹き付けて減速させることで落着時の怪我を防ぐようになっているが……今回エアの逆噴射は無かったらしい━━━

時間が止まったままのブリッジにオモイカネのウィンドウが開き……
<(^o^)v-~~~>
と表示した。
そのオモイカネの顔文字を見て、思わずブリッジの全員が『ぐっじょぶ!』とサムズアップしたのはブリッジメンバーだけの秘密である(笑)。

 

「じゃあね、みんな」
「お世話になりました」
ミナトとアキト、そしてルリが支度を終えてブリッジに挨拶に来た。

「ホウメイさん、今まで色々ありがとうございました!」
「テンカワ……。アンタが何をやりたいか、アタシは知らないが自分で決めたことなら逃げ出すんじゃないよ! ま、調理補助がいなくなるのは残念だが元々一人でやるつもりだったんだ。こっちは気にせず頑張りなよ!」
「はい! ありがとうございます!!」
勢いよく頭を下げるアキトに豪快に笑って返すホウメイ。

「艦長〜。いくら好きな人がいるからって、艦長の職務をおろそかにしちゃダメよ〜」
「やっだな〜、ミナトさん。私がそんな事するわけ……」
「ジュン君、艦長って自覚症状無いから貴方がしっかりしなきゃダメよ。 いつだったか、貴方に言った事覚えてる?」
「勿論ですよ。実際、あの時の言葉が無かったら今頃ここにいないと思います」
「ちょ、ちょっとミナトさん!?」
艦長の公私混同ぶりを回避すべく、ジュンに後を任せるミナトがいた。
有能であってもそれをスポイルする行動はナデシコの存亡に関わるのだ。
いずれ帰ってくる『我が家』を無くされても困る、というのが口には出せないミナトの本音である。

「ルリルリも行っちまうのか?」
ウリバタケの残念そうな声に、申し訳無さそうに頭を下げる。
「はい。お世話になりました。ウリバタケさん、イネスさん。……オモイカネを、ナデシコをお願いします」
「判った。任せとけ」
「いつ帰ってきてもいいようにしておくわね」
ウリバタケとイネスの言葉にもう一度頭を下げたルリはオモイカネに話しかける。
「オモイカネ、元気でね……」
<ルリもお元気で>
なんとなく元気のないオモイカネの表示に暗くなった雰囲気をミナトが吹き飛ばそうとする。
「ネットワークでお話しは出来るでしょ? ……まあ、機密事項は話せないでしょうけど」
「……そうですね……。オモイカネ、またね」
<はい、ルリ。ミナトもアキトもお元気で>
「またな、オモイカネ」
「ほらほら! きっとまた会えるから、そんな悲しそうなウィンドウにしないの!」
アキトとミナトの言葉に、いつもと少し色合いを変えたウィンドウを表示していたオモイカネは、いつものウィンドウに戻したのだった。

そうして皆に見送られ、笑顔で三人はナデシコを降りていった。
キノコだけは医務室であるが、誰もそのことは気にしていなかった。

 

……ルリとミナトがアキトと一緒に降りてしまったことを悔しがり、『テンカワ・アキト不幸化委員会』が結成されたが、とりあえず現状でアキトの被害は無いので活動内容については割愛する。
つーか、全部別の組織か!? 『テンカワ・アキト抹殺同盟』と『テンカワ・アキト呪殺連合』と『テンカワ・アキト不幸化委員会』って!?

 

イネスは自室で小さなメディアチップをいじりながら先程ミナトと二人きりでのやり取りを思い出していた。

『イネスさん……これ……』
『これは?』
ミナトの差し出したメディアチップを受け取るイネス。
『アキト君のご両親の遺品よ……。ボソンジャンプの資料が入っているわ』
『なんですって!?』
いきなりの言葉に驚くイネス。まさかミナトからそんな情報が来るとは思っていないし、それがアキトの両親であるテンカワ博士夫妻の遺したものだとは完全に予想外だった。普通なら信じることは出来ないだろう。
『お願い。この中身を吟味してこれ以上被害者を出さないようにして欲しいの……』
ナデシコに乗って日の浅いイネスであったが、ミナトのこんな真剣な表情は初めてであり、故に信じる気になったのだった。
『……判ったわ……。貴女がそこまで言うなら……』
『ありがとう……』
了承したイネスに心底安堵した表情を見せるミナト。

この時、イネスはミナトの持つ何か得体の知れない宿命のようなものを感じていた……。
「あそこまで言われたら……やらなきゃ女が廃るわね……」
そう呟くと、端末にメディアチップを入れて内容を確認し始めるのだった……。

 

格納庫ではウリバタケがアキトのエステバリスを見ていた。

(アキト……。お前に何があったかは知らねぇし、聞かねぇ……。だが、お前の目はやるべき事を見つけた漢の目だ。だからこそ、お前はきっとナデシコに戻ってくると信じている。ミナトさんも『必ず戻ってくるからそれまでナデシコをお願い』って言ってたしな……。それまでこのエステは俺がきっちりと整備しておくから安心してな!)
漢のセリフを胸に秘め、ウリバタケはレンチを持って歩き出し、整備班に檄を飛ばす。
「くぉらぁぁぁぁぁっ! そこはそうじゃねぇって言ってんだろうがぁぁぁぁっ! 俺たちの扱うモノは仲間の命を乗せるモンだって事を忘れてんじゃねぇぞぉぉぉっ!」
「「「「「うぃぃっす!!」」」」」
己の戦い方を決めた漢たちが今日も格納庫と言う戦場で己の持てる全てを持って戦っていたのだった。

 

余談だが、この時ナデシコを降りたのはアキト・ミナト・ルリ以外には一人だけだった。
整備班のウソダである。
……出航早々(第五話後編)でロリコンであることがバレてしまったため、さすがにいたたまれなくなったらしい……(合掌……)。

 

地球に降りた足でネルガルの本社へ行き、アカツキの段取りでボディーガードのSSたちと共に、ある親子と合流した。
それはマキビ夫妻とその養子ハーリーである。

「突然お呼びたてして申し訳ありません」
ミナトがまず立ち上がり、続いてアキトとルリが挨拶をする。
「いえいえ、お気になさらず。それより会長から話を聞いて驚きました。まだあんなことをやっているとは……」
ミナトに笑顔で返した後、渋面になるマキビ主任。
自分たちがハーリーを引き取れたのは、ホシノ・ルリがいたことと世論がマシンチャイルドを規制する方向に向かって行ったからに他ならない。
つまり、今研究所にいるマシンチャイルドは全て違法に研究されているのである。
違法と言うことは、法的な加護も無く、ただモルモットとして生かされ、用が済んだら殺されると言うことだ。
その表情を消し、ルリの方を向くマキビ主任。
「ホシノ・ルリさんですね? 初めまして。私はネルガルの研究員でマキビ・ケンゾウと言います。こちらが妻のミヤコ、そして息子のハリです」
「初めまして。マキビ・ミヤコです。貴女がルリさんなのね?」
「初めまして。ホシノ・ルリです」
そしてルリに続いてアキトも自己紹介する。
「初めまして。テンカワ・アキトです」
「テンカワ? もしかして貴方は火星のテンカワ博士の?」
アキトの姓を聞いて尋ね返すマキビ主任。
「はい。息子です」
「そうですか……。テンカワ博士の事は残念でした……。これから絶対に必要になる人でしたのに、テロで亡くなるなんて……」
「いえ、もう終わったことです。それよりこれからの事を考えましょう」
かぶりを振って『未来を考えよう』というアキトに、常に未来を考え続けてきたテンカワ博士の面影を見たマキビ主任は頷いた。
「そうですね……。……? どうした、ハーリー?」
挨拶をしないハーリーを不審に思ったマキビ主任がそちらを向くとハーリーはルリの顔を見たままボーっとしていた。
その顔はかなり赤い。
「ハーリー!」
「はっ、はい!!」
ケンゾウの声にようやく再起動した息子を心配した表情で見るミヤコ。
「どうしたの? ボーっとしちゃって?」
「いっ、いえ、何でもありません!!」
そう言いながらもハーリーの視線はルリを向いたままであった。
怪訝な表情をするルリ。
何かに気づき笑うミナトとマキビ夫妻。
そして気づいていないニブチンのアキト。
「ぼ、僕、は、ハリと言います! どうぞハーリーと呼んでください、ルリさんっ!!」
顔を真っ赤にしながらようやくルリに向かって自己紹介をするハーリーだが、その顔はどう見ても『一目惚れ』だった。
「は、はぁ……」
そのハーリーに気迫に押され、生返事を返すルリ。
その様子にマキビ夫妻は息子に春が来たことを、そしてミナトはやっぱりルリにハーリーが惚れたことに対して微笑み、アキトはその朴念仁ぶりを発揮して『上がり症なのかな?』とか思ったり、ルリは初対面でいきなり名前で呼ばれた事に戸惑ったりしていた。
特にルリは今まで年上の相手としか会話したことが無く、同年代以下の相手との付き合いははっきり言って無いため、どう答えていいか判らなかったのだ。
……精神年齢が比較的近い人物はいたが、そこのところは割愛する。
「……じゃあ、自己紹介も済んだことですし、行きましょうか?」
微笑んだマキビ主任がミナトに声をかける。
「そうですね。いい? ルリルリ、アキト君?」
「「はい」」
ミナトの言葉にルリとアキトは頷いた。

そして九州某所にある、ネルガルの社長派の秘密研究所へ出向くミナトたちであった。

 

━━━社長派の秘密研究所━━━

いきなり現れたミナトたちに慌てる職員やガードマンを呼ぼうとする職員もいたが、実戦装備のネルガルのSS百人を引き連れたミナトたちには手が出せなかった。
襲ってくる警備員を容赦なく叩きのめし、進んでいくミナトたち。
最初に叩きのめした警備員を先頭のSSが盾の様に掲げ持ったまま、悠々と所長室へ入る一行。そして研究所の所長の眼前に突きつけられる会長の命令書。
「この命令書の通り、ここの子供たちは私達が引き取ります。ちなみにこれ、会長からの命令書だからね?」
「わ、我々は━━━」
「社長派の人間だ、っていうんでしょ? でもその社長は今解任の会議の真っ最中なのよね〜。出すもの出せば少しは大目に見てもらえるらしいけど……。あ、それから社長を解任したら社長派の人間は全員処分だって言ってたから」
『処分』と言う言葉に反応する研究員たち。

……自分たちが実験体を『処分』するのは良くても、自分が『処分』されるのは嫌らしい。つくづく度し難い腐れっぷりである。

そして僅かな逡巡の後、『生き残っているマシンチャイルドはいない』と話し、証拠にその部屋を案内するように職員に命令しようとする所長。
だがしかし、それを信用できないミナトは過去にルリにハッキングさせた時に引き出した隠し部屋まで書いてある見取り図をすでにSSに渡してあり、SSメンバーが全ての部屋を確認し連れてくるように言った。
マシンチャイルドを『資材』扱いしている連中が意図的に隠す可能性を考慮したのである。その為に事前連絡無しで且つSSを百人も連れてきたのだった。

そうして生き残っていた……そう、本当に『生き残っていた』二人の幼女。
一人は銀髪に赤金の目の幼女。もう一人はミナトの知る薄桃色の髪に金色の目の幼女だった。
ミナトの予想通り、所長が当初説明のために案内しようとしていた部屋には誰も居らず、『資材倉庫』と書かれた部屋のシリンダーの中にいたのを発見したのだった。
ネルガルのSSと共に同行していたマキビ夫妻が怒りを露にする。
「この研究所の規模ならもっといてもおかしくないのに……二人だけなんて……」
マシンチャイルドの養子がいる身である彼らに同行してもらうようアカツキに取り計らったのは、彼らなら子供たちを引き取る際にきっと力になってくれる、というミナトの目算があったからであった。
また、引き取るにしてもどういう扱いを受けていたか知らないと生活に支障が出る可能性もあるので、そのことを知ってもらうために同道してもらったのだ。
だがそれは彼女たちに暗い思いをさせてしまうことも予想していたミナトは申し訳ない気持ちであった。
「ハルカ女史。残りの子供たちについてですが……」
同行したSSの隊長がそっとミナトに耳打ちする。
……生きていたのは本当にあの二人だけ。
残りはバラバラにされていたり、内蔵をそっくり刳り抜かれていたり……。
酷いものになると、精神が壊れた子供を職員たちで陵辱してから焼却処分していたと言うことだった……。
その言葉を聞いたミナトは、すでにアカツキと決定していた行動に出る事にする。
「、マキビ主任……。すいませんがこの娘達を先にバスまで連れて行ってあげてもらえませんか? ルリルリとアキト君も一緒に行ってあげて」
その鋭い視線に頷くルリとアキト。そしてマキビ夫妻は先程まで穏やかだったミナトの目が一瞬で険しいものになった事に驚きながらも承諾する。
「あ、ああ。判った。じゃあ行こうか、二人とも」
マキビ主任が声をかけるが、何を言われたのか良く理解できないのか首をかしげる二人の子。
そこでルリが薄桃色の髪の幼女に手を、アキトが銀色の髪の幼女に手を差し出す。
戸惑いながら二人の少女はそれぞれに手を伸ばす。
ルリとアキトはその手を微笑みながら優しく握る。
今までは違う状況に少女二人の戸惑いは増すばかり。
今まで手を取られる時は実験のために無理矢理連れられていくためであり、こんな風に優しく握られることなど無かったのだ。
そして所長室から二人の幼女は連れ出されたのだった。
人として幸せになるために。

子供たちのいなくなった所長室でミナトはSSの隊長と頷きあい……隊長は無線で各SSに指示を伝えるのだった。
そして、所長室に銃声が鳴り響いた……。

 

周囲をSSに護衛され、二人の幼女に歩幅を合わせて歩くアキトとルリは、その幼女たちが今まで受けていたであろう非人道的な扱いについて怒りを持っていたが、それを表に出さないように必死になっていた。
この施設に来る前にミナトから言われていたのである。
『今まで怖い目にしか遭ってない子供たちを怖がらせちゃダメよ。虐待を受け続けていた子供たちは心を閉ざしているケースが多いから笑顔とスキンシップで心をほぐしていかないと……助けた意味がなくなっちゃうから、ね?』
その言葉に、ミナトが本当に子供たちの事を考えて言っていることを感じた二人はその通りにしていたのだ。
歩く事に慣れていない幼女たちに歩幅を合わせ、その手を優しく握る。
それは幼女たちにとっても今までに無かったことであり……まだ『安らぎ』と言う言葉を知らない彼女たちが初めて知った感覚であった。

観光バスに偽装した装甲バスにたどり着き、乗り込むアキト達。
幼女二人は連れ出される時にシャワーなどを浴びさせてもらっていないため、ルリとマキビ夫人がバス内に設置してある簡易シャワーで二人の身体を洗おうとした。
しかしシャワーを見た瞬間、二人は怯えだしてしまった。
シャワー、つまり水は自分たちを閉じ込めるものだという感覚があるのである。
それを察したマキビ夫人が、まず自分がシャワーで身体を洗うところを見せ、次にルリも同じようにした。
それを見た二人のうち、薄桃色の髪の幼女が先に恐る恐るルリたちに近づいてくる。
そしてまず指先で、次に手のひら全体でシャワーを受ける。
手のひらから腕、腕から爪先、爪先から足全体、と少しずつシャワーを受ける面積を増やしていく幼女。
それを見てもう一人の銀髪の幼女も恐る恐る近づいてくる。
最終的に全身にシャワーを浴びて出てくるまでに二時間を要したが、少しだけ水の怖さを克服したらしい。
アキト達の元へ戻ってからドライヤーで髪を乾かしていると、ようやくミナトがバスに戻ってきた。
「お待たせ〜! あら、お風呂?」
室内に漂う石鹸の香りと、ドライヤーを当てているところから気づいたらしい。
「はい。あのままじゃ可哀想だったんで……」
ルリの言葉に頷くミナト。
「そう、ありがと。じゃあ行きましょうか?」
ミナトは微笑んでバスのドライバーに乗員の確認と発車を指示するのだった。

 

ミナトたちが乗ったバスが研究所を離れるとしばらくして、研究所の各所から火が上がり……そして小爆発を繰り返して粉々に解体された。
しかし、その施設から脱出した人間は一人としていなかった。
……爆破する前にSSによって全員『処理』されたからである。
ミナトたちが到着した時点で包囲網を完成し、蟻の子一匹逃さないようにして『処理』したのだった。
証拠を残すことなく、証人を残すことなく。この研究を続けさせないためにミナトがアカツキと取り決めていたことであった。

 

これにより社長派の勢力は衰え始め、アカツキ率いる会長派の勢いは増してくる。
それはアカツキが父親の呪縛から解き放たれようとしている事に他ならないことを本人も知ることはなかった。

未来でのアカツキの失敗は父親の妄執に取り憑かれていたことが原因であることを知っていたミナトは、色々吹っ切れたアカツキを見てまた一つ未来が変わった事を実感したのだった。

 

あとがき

ども、喜竹夏道です。
幼女搭乗……もとい登場。
懸命な読者様方は誰かお判かりのことと思います。
マキビ親子にもご登場願いました。
一応ハーリー君にはこの後も出番はあります。
さてもう一人の幼女はなんて名前にしましょうか?

あと、やっとズゴックSゲットしました。セッティングはコンプしているのに何故か二連勝できんかった……。
残るはザクTと実装予定のゲルググキャノン!
でも格闘あまり得意じゃないんだよな……。S二連続とか取れないし。Sの後、Eだったり……。プロトタイプガンダムもハンマーが厄介だし……。
中距離は比較的使いやすいのでいいんですが……。

それと余談ですが、先日「小江戸 瑠璃」というビールを見つけました。
なかなかの味でした。




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