注…ここから先には秋山瑞人著『イリヤの空、UFOの夏』のSSがあります。

   多分のネタバレを含む上、同作品を読んでないとわけが解らないと思われます。

   更に例によって拙作『Phantom-if-』の要素も微妙に含みます。

   それでも読むという奇特な方は先へお進みください。

   あ、一応SSに繋がる【あらすじ】(自己解釈ですが)を書いておきましたんで、

   同作を未読の方はそちらから先にどうぞ。

 

 


 

 

 

 

 

 

 


【あらすじ】

中二の少年『浅羽直之』は夏休み最後の日に学校のプールに忍び込み、

そこで一人の少女『伊里野加奈』と出会う。いわゆるボーイズミーツガールだ。

だが『伊里野加奈』という少女はブラックマンタと呼ばれる特殊な戦闘機の、

それも世界で唯一生き残っているパイロットだった。

世の中は戦争中であり、それでも色々あった二人。

結局最後には離れ離れになってしまった。

二人のことなどお構いなしにその後も戦いは続き、

ついに迎えた最終決戦を前にして『伊里野』は出撃を拒否していた。

その時、少年『浅羽直之』は説得の為に『伊里野加奈』の居る空母に呼ばれた。

再び出会うことになった二人。少年は少女をその背に庇い宣言する。

「俺は世界を敵に回しても伊里野を守る」

そして少女は…。



 

 


 

 

 

 

 

イリヤの空 UFOの夏 Second Season

作者  くま


 

 

 

 

 

 

 

 

「私も他の人なんて知らない。

 みんな死んじゃっても知らない。

 私も浅羽だけ守る。

 私も、浅羽のためだけに戦って、浅羽のためだけに死ぬ。」

 

そう僕に告げた伊里野は、甲板へと出る戦闘機用のエレベーターから僕を突き落とした。

そして彼女と彼女の愛機であるブラックマンタが、エレベーターで上昇していく。

その伊里野の突然の行動に僕は尻餅をついたまま、

伊里野の姿が見えなくなるまで呆然と見上げてしまった。

そして彼女のその行為が何を意味するか理解したその瞬間、僕は駆け出していた。

榎本さんに案内された空母の通路を逆走し、息を切らせながらも甲板へと辿り着いた僕。

そこには甲高いエンジン音を発し、

重力制御装置が組み込まれたデルタ翼を光らせ、

今にも飛びたたんとしているブラックマンタの姿があった。

一瞬間をおいて、ブラックマンタのランディングギアの部分から、金属部品が稼動する音が響いてくる。

空母とブラックマンタを繋ぎ止めていたロックが、解除された音だった。

青白いスパークを撒き散らしながら、一気に加速していくブラックマンタ。

2秒もかからずに空母の甲板から飛び出し、そのまま上昇、

あっと言う間に僕が視認できる範囲から飛び去っていった。

そして僕は先ほどの、聞こえていないはずの伊里野の言葉を思い出す。

 

「行って来るね」

 

パイロットスーツの分厚いバイザーと、

ブラックマンタのキャノピーを通しても、

僕には伊里野の言葉が聞こえた。

たとえそれが幻聴に過ぎなくとも、伊里野は確かに僕にそう言ったんだ。

 

「行ってらっしゃい、伊里野」

 

彼女が消えた空の彼方を見上げた僕の口から、自然とこぼれ出た言葉。

届くはずのない、それでも伊里野に届くはずの言葉。

僕はそのままの姿勢で、

いつまでも、

いつまでも、

伊里野が向かったその先を、

ただ、

ただ、

見つめていた。

 

「よう、浅羽」

 

そんな声が背後からかけられるまで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして、暑かった夏も終わり、

秋が来て、冬が来て。

それでも世界は平和で、

あれ以降、戦争も無くて。

きっと伊里野が僕を守ってくれたんだと、

他の人は知らないけれど少なくとも僕だけはそう思った。

そしてその冬に、たった一つのことを僕はようやく理解できた。

伊里野加奈と言う少女は、きっとこの世界のどこにも、もう居ないんだってことを。

それを唐突に理解したのは、元旦に近所にある神社へ初詣に行った時のこと。

世界が平和でありますように、なんて柄にも無い事を願い、

ブラックマンタで戦う為に生きてきた伊里野のことを強烈に思い出し、

そして不覚にもその場でぽろぽろと泣いてしまったからだった。

その時、一緒にいたクラスメイトの須藤と妹の夕子には、

ずいぶん恥ずかしい所を見られてしまったと、今でも少し後悔してしている。

そんな冬も過ぎ、春が来て、僕らは三年生になった。

そして新しい三年生のどのクラスにも、伊里野加奈という生徒の座席は無かった。

伊里野という少女が存在したという証が、また一つ無くなってしまった気がして、僕は少しの間落ち込んだ。

そんな僕の内面の感情などお構いなしに、季節は過ぎていって…。

 

伊里野と出会い、そして別れた季節。

あの暑い夏が再びやって来た。

ただ、その夏も一昨年までと同じに、

そう伊里野と出会った去年とは違い、

ただ過ぎていくだけのもの。

僕はそう思っていた。

この後に起こる事なんて知るはずもなく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『3年A組の浅羽直之君、3年A組の浅羽直之君。

 至急、校長室まで来なさい。繰り返します…』

 

夏休みまであと2日。終業式を明日に控えた日の昼休み。

良くつるんでいるクラスメイトの花村と西久保と一緒に昼食を終え、

特に何をするわけでもなくだべっていた時にかかった放送は、

普通ではあまり縁のない校長室へと僕を呼び出すものだった。

 

「浅羽、お前何かやったのか?」


「おいおい、あの先輩の後を継ぐ、園原電波新聞部の部長様だぜ?

 今更、何やってたとしても不思議じゃないだろ」

 

西久保の問いかけに対し、僕の代わりに答えたのは花村。

確かに僕は水前寺前部長の後を継ぎ、園原電波新聞部の部長になった。

とは言え、校長室に呼び出されるようなことを、しでかした心当たりは何も無かった。

精々が職員室か、生徒指導室どまりで済むはずのことばかり。

しかも、バレるような無様を晒したつもりはない。

まあこの辺のテクニックとかは、前部長の仕込みでもあるんだけど。

 

「そういうのじゃないよ、きっと」

 

呼び出しの理由はまるで解らなかったけれど、

僕は二人にとりあえずそう曖昧に答え、席を立つ。

 

「お前の事は忘れないぞ」


「骨は拾ってやるから安心して、逝って来い」

 

といった暖かい?声援を背に僕は教室を後にした。

ただ、教室を出ようとするときに須藤がじっとこちらを睨み付けていた。

きっと後で厳しく追及されるんだと思うと、呼び出しで沈みかけた気分が完全に沈んでしまった。

そんな状況で、僕は足取りも重く校長室へと向かうのだった。


わざわざ廊下で待っていた教頭先生に促され、失礼しますと、一礼しながら校長室へと入る僕。

下げた頭を上げると、目の前には見知らぬ男の人が立っていた。

 

「あの…」

 

言いかけた瞬間、突如腹部に走った衝撃の所為で、

僕は体をくの字に曲げて膝を着いてしまう。

次に襲い掛かるのは激痛と嘔吐感だった。

 

「何だ?この程度なのか?」

 

うずくまった僕に投げかけられる言葉。

そこに混じるのは失望の感情だった。

けど、僕は何も言い返せずに、先ほど食べた昼食を吐き戻すことしかできなかった。

そしてようやく何が起こったのか理解し始める。

僕はこの男の人にお腹を殴られたんだと。

 

「止めて、レイジさん!」

 

部屋の奥、つまり校長の机やら応接セットやらがある方向から、

女の子の悲痛な叫び声が聞こえてきた。

僕はその聞き覚えのある、そしてありえないその声に思考を止めた。

 

「お前を守る為に、世界すら敵に回すと言ってのけた奴だ。

 どれほどのモノかと思ったが…。

 話にならんな、帰るぞ、伊里野」

 

僕に背を向けながら語る男の人。

その名を聞いた僕は止めていた思考を再び活動させ始める。

そうだ、あの声は伊里野のものだ。

聞いたことの無いぐらいに切羽詰っていたけれど、確かに伊里野の声だ。

走る痛みの所為で言うことを聞かない身体に鞭を打ち、

僕は何とか視線だけでも上げようとする。

 

「レイジさんの言うとおり、浅羽は強くない。

 でも、それでも私は浅羽が良い。

 ううん、浅羽じゃなきゃ嫌。

 浅羽が弱いのなら、私が浅羽を守る」

 

そして見上げた視界には、男の人から僕を庇う様に両手を広げて立つ伊里野の背中があった。

会わなかった時間の分だけ伸びた彼女の髪は、その大部分が色が抜けたままで、

根元から伸びた分だけ彼女本来の髪の色を取り戻していた。

ただ、その身体からは、以前には無かった言葉では上手く言い表せない強さのようなものが感じられた。

 

「OKだ、伊里野加奈。

 お前がそのガキを守れるというのなら、やって見せろ」

 

そんな言葉と共に男の人が投げつけた何かが、伊里野の足元に突き刺さる。

突き刺さった後でようやく認識することが出来たそれは、

あの夏に伊里野が持っていたのと同じ型のナイフだった。

 

「俺から一本取って見せろ。

 それが出来れば、お前の言葉を信じてこの学校に通わせてやる。

 出来なければ、このままお前を連れ帰るだけだ」

 

言いながら跳び退り、伊里野から距離をとった男の人は、

手のひらを上に向けて手招きするように伊里野を挑発をする。

伊里野はそれに対して、足元に突き刺さったナイフを抜いて、

その男の人に突進することで答えようとする。

雄叫びすら上げて男の人に向かう伊里野の背に、

僕は言葉すら投げかけることも出来なかった。

身体に残る痛みに耐えながら、

ただ、見ていることしか出来なかったのだ。

僕はあまりにも無力だ。

そんなどうしようもない事実を実感した。

自分のふがいなさに落ちこむ僕にも関り無く、

ナイフを手にした伊里野の動きは俊敏で、

今目の前にあるのは現実なんかじゃなくて、

スクリーンの中の出来事なんじゃないかと錯覚しそうなほどだった。

まるで映画の登場人物の様な躍動を見せる伊里野だったけど、

それ以上の動きを見せたのは男の人のほうだった。

両手をジャケットのポケットに入れたまま、

伊里野が振るうナイフをダンスでもするようにかわしていた。

たとえ部屋の隅に追い詰められても、

体重を感じさせない跳躍で伊里野の頭上を飛び越し、

そのナイフの刃をかわしてしまうほどだった。

 

「1分経過だな」

 

右手をポケットから出し、何かを覗き込んだ男の人は多分伊里野に向けてそう告げた。

良くは見えなかったけど、恐らく懐中時計のようなものを男の人は見ているように思えた。

ポケットに右手のものを突っ込んだ男の人の動きががらりと変った。

先ほどまでの軽やかな動きをぴたりと止めたのだ。

そして響いたのは何かが何かを叩く音。

そして僕の目の前に突き刺さるナイフ。

ナイフを握っていたはずの右手を不恰好に上げて顔をしかめた伊里野から、

男の人が伊里野の握っていたナイフを弾き飛ばしたのだと推測した。

再び響く打撃音。

左側から何かに弾き飛ばされたように床に叩きつけられる伊里野。

男の人の右足が伊里野が立っていた場所からゆっくりと下ろされるところからすると、

伊里野は右のハイキックで蹴り倒されたのだと理解した。

よろめきながら何とか立ち上がった伊里野だけど、その前には既に男の人が立ち塞がっていて…。

 

「やめろー!!」

 

そして僕はそう叫びながら駆け出していた。

迷わず手にしたのは伊里野がさっきまで握っていたナイフ。

けど、ダメージを受けた僕の体はちっとも思うとおりに動かなくて。

立ち上がった伊里野の腹部に男の人の膝蹴りが突き刺さる。

完全に息を詰まらせ、一歩後ろによろける伊里野。

そして男の人がその場でくるりと半回転し、後ろ回し蹴りを繰り出した。

真正面から蹴りを受け、壁まで吹き飛ばされる伊里野。

気を失ったのか、その場でがっくりと力なくうなだれてしまう。

そして駆けつけた僕の手にしたナイフはようやく男の人に届いた。

ただ闇雲に突き出したナイフは、男の人の手のひらを貫いていた。

いや、貫かせることで、止められていた。

その推測を証明する様に、男の人はナイフに貫かれた手が物凄い力で僕の手を掴み返してくる。

ビクとも動かせなくなった手には、男の人が流す生暖かい血の感触が伝わってくる。

そして僕を見下ろす、男の人の視線。

それは僕が今まで生きてきた、どんな時にも感じたことの無いくらいに恐ろしいものではあったけれど。

僕は何とかそれを真正面から受け止め、それでも身体の震えは隠すことが出来なくて。

そのまま震える声にはなってしまったけど、その人に向かって口を開くことが出来た。

 

「伊里野に、酷い事をするな」

 

今にも逃げ出したいと言う強烈な衝動を押さえ込み、何とか口に出来た言葉。

 

「ヒュー、オットコのこー」

 

そんな茶化すような女の人の声が、男の人の後ろの方、つまり応接用のソファーから聞こえてきて。

僕を空恐ろしい視線で見下ろしていた男の人も、その視線を弱め、微妙に唇をゆがめた。

 

「ま、及第点だな」

 

そして男の人のそんな呟きが僕の耳に届く。

次の瞬間、左側から迫った何かに衝撃を受け、僕はあっさりと意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、次に僕が目にしたのは保健室の天井だった。

 

「意識が戻ったようね、一人で起きられるかしら?」

 

背中越しに僕にそう声をかけてきたのは保険医の先生。

自身の状態を確かめる様に、ベッドの上で僕はゆっくりと上半身を起き上がらせる。

そして異常の無いことを確かめる為に、手足を軽く動かしてみる。

動かしてみても特に痛むところも無く、ただ自分の左頬に貼られた湿布の感触が気になった。

 

「呼び出された校長室で突然倒れたそうね。

 多分そのときに顔の左側をどこかにぶつけたんでしょうね。

 少し熱を持っていたから、湿布を貼っておいたの。

 そんなに酷いものじゃないから、一晩も経てば腫れが引くと思うわ。

 明日になっても腫れが酷かったら、念のため午後から外科に行きなさいね。

 じゃあもう帰って良いわよ」

 

カーテンの向こうにある机に座ったであろう保険医の先生の言葉。

僕の記憶とは違うその説明に、僕はつまりそういう事なのだと理解した。

先生はそういう風に説明を受けただけで、僕が何を聞こうともきっと何も知らない。

それは多分他の先生でも同じ事で、そういう風にしか知らされていない。

唯一の例外はあの場所に居たであろう校長だけど、

仮に僕が何を言おうとも校長はしれっとした顔で僕の言うことを否定するだろう。

つまりは、伊里野に関することで良くやられていた様に、今回もそうしているということなんだろう。

 

「あ、教室に置いてあった荷物はクラスの子が持ってきてくれたわよ。

 女の子で、名前は確か佐藤…じゃなくて、志藤…でもなくて」


「須藤ですか?」

 

首をひねっているであろう保険医の先生に、

ベッドの横に揃えてあった上履きを履きながら答える僕。

 

「ああ、そうそう、その子。

 クラス委員って風でも無かったし、ひょっとしてガールフレンド?」

 

そこで保険医の先生は、予想外にも多少砕けた感じでそう訊いてくる。

 

「女の子の友達と言う意味ならガールフレンドですけどね。

 2年からクラスも一緒ですし、部活も同じですから、

 付き合いで持ってきてくれたんだと思いますよ」

 

ベッドのすぐそばの籠に入れられた自分の荷物を確認しながらそう答える僕。

ちなみに荷物は今日持ち帰ろうと思っていたものが全てあって、

教室まで戻る必要性は無さそうだった。

保健室まで僕の荷物を運んでくれた須藤にはとりあえずこの場で感謝した。

 

「なるほど、ね」

 

そんな僕の答えに、保険医の先生は机に向かったまま短くそう答えてくる。

どこと無く揶揄するような感じがするのは気のせいだろうか?

ともかく、すぐにでも帰ることが出来る状態になった僕は、

ベッドから降りて保健室の出口へ歩いていく。

引き戸を開けて、もう一度保健室の中の方を振り返る。

 

「お世話になりました」

 

ぺこりと一礼しながらそう告げる僕。

 

「気をつけて帰るのよ、浅羽君」

 

机に向かって何かを書き込みながらそう返事をする保険医の先生。

 

「はい、解りました。椎名先生、さよなら」

 

最後にそう挨拶をした僕はガラガラと引き戸を閉める。

そして保健室の中からは何かをひっくり返すような音が聞こえて来る。

その反応に満足しながら、僕は昇降口へと足を向けた。

そんな僕が考えているのは一つのこと。

あの校長室での出来事は本当の事で。

何より一番大事なことは、伊里野加奈という少女がまだ失われていなかったと言うこと。

両手に残る赤錆にも似た匂い、

左頬のはれぼったい感触、

そして去年の夏に伊里野がこの学校に居た時だけいた保険医の先生。そ

れらは全て伊里野加奈が生きていると言う証拠に僕には感じられた。

2度と会えないと思っていた伊里野にまた会える。

そのことは僕に無常の喜びを感じさせてくれて、

痛み出した頬にも関らず、僕は上機嫌のまま学校を後にした。

 

 

その時の僕は、伊里野が生きていてくれた事だけに喜んでいて、

伊里野が今、本当はどんな状態にあるのかなんて知らずにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーす、浅羽。ってお前どうかしたのかその顔?」

 

おはようと朝の挨拶をしたところ隣の席の花村からはそんな言葉が返ってきた。

原因は顔の左頬に貼ってある湿布。

一晩経っても完全には腫れが引かなかったので、

今朝新しい湿布に換えてきた所為だろう。

 

「ひょっとして、昨日の呼び出しの時、生徒指導の姫王子にぶん殴られたのか?」

 

後ろを振り返りながら更に質問を重ねてくるのは、僕の斜め前の席の大久保。

殴られたという点では正解なだけに鋭い指摘でもある。

まあ、二人とも1年の頃からの付き合いだしね。

 

「そうじゃないよ、その、呼び出された校長室で倒れちゃってね。

 その時にどっかぶつけたらしいんだ。

 正直倒れた時の事なんて、全然覚えてないんだけどね。

 それでも昨日に比べれば腫れも引いたし、もう大したこと無いよ」

 

中身が何も入ってない学生鞄を机の横に掛けながら、二人にそう答える僕。

もちろん本当の事を言ったわけじゃなくて、本当の事になってることをぼかして伝える。

見知らぬ男の人と伊里野加奈が校長室に居て、

伊里野がナイフを振り回して男の人を追い回し、

最後には僕が男の人をナイフで突き刺したら、

逆に男の人にぶん殴られて気を失った。

今、昨日の状況を簡単に並べてみても信じられないようなものだし、

二人に話したところで僕の話を戯言と取られるが関の山だろうから。

 

「ふーん、災難だなそりゃ。

 でもよ、浅羽、不運だったわりにゃ、朝からご機嫌な様子だな。」


「その顔の緩み具合…、ズバリ、女と見た。

 あれか、昨日、保健室まで鞄を持って行った須藤と何か在ったんだな?」

 

自分ではそんなつもりは無かったんだけど、

大久保が言うには、どうやら表情に何か出ていたらしい。

そして花村からは鋭い指摘があった。

何を勘違いしたのか須藤の名前を上げてたけど。

 

「違うって、須藤とはそんなんじゃないよ。

 そりゃ、前に二人に白状させられたとおりにだけど、

 それ以降何か在ったわけじゃないしね。

 それでも前と同じに、友達で居てくれる須藤には感謝してるけどさ」

 

苦笑しながら二人に答える僕。

今の言葉の通りに須藤とはちょっとしたことがあった。

彼女からの『好き』と言う言葉に、『ゴメン』と僕が答えた。

ただ、それだけのこと。

その後も僕を嫌うでもなく、今までどおりに接してくれた須藤の義理堅さには、僕は本当に感謝している。

けど、二人はそんな僕の言葉に納得していない様子で…。

 

「大久保の旦那、浅羽の野郎、あんなこと言ってやがりますぜ?」


「かー、信じられねえな、この野郎は。

 ひょっとして、アレか、態とか。態となんだな?

 さて、こういう場合は、どうすれば良い、花村の?」


「ええ、そりゃあもう、アレですぜ、アレ」


「そうだな、アレだよな」

 

そう言葉を交わした後、ククククと笑い合う二人に、

間違いなく逃げた方が良いと判断を下した僕。

そして教室に入ってきた須藤を見つけた僕は、ちょうど良い言い訳を思いついた。

 

「須藤に昨日の鞄のお礼を言ってくるから。じゃ」

 

そう言い残し笑いあう二人から離れる僕。

 

「「さて覚悟しやがれ、浅羽。って逃げるな!」」

 

そんな二人の声を背に、逃げ出した僕。友達と話をしている須藤の方へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何で気がつかねえのかね、あの馬鹿」


「まったくだね、須藤なんて未練たらたらじゃないか。

 見てみろよあの嬉しそうな顔」


「普段はメチャメチャ勝気なのに、浅羽のまえだと『ああ』だからな」


「友達やってる俺が言うのも何だが、アイツの何が良いんだ?」


「よくある、たで食う虫もなんとやら、ってやつだろ」


「そんなもんかね」


「そんなもんだろ」


「それにしても、潤い欲しいよな」


「全くだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 


須藤に朝の挨拶をしがてら昨日の鞄のお礼を言い、

二人にしたように色々と昨日の事をごまかしながら説明する。

そうしていると予鈴が鳴り、僕は自分の席に戻ることにした。

その後すぐに担任が来たこともあり、僕が花村と大久保に何か追求されるようなことはなかった。

仮に二人が何かしてきても、僕は一切気にならなかったに違いない。

なぜなら僕の意識は、教壇に立つ担任の横に居る一人の少女に全て向けられていたのだから。

担任は朝の挨拶もそこそこに、自分の横に立ち左腕に包帯を巻いた少女、伊里野加奈の紹介から始めた。

 

「あー、知ってるものも多いとは思うが、今後復学することになった伊里野加奈だ。

 本格的には2学期からの共に学ぶことになるんだが…。

 とりあえず、目処が立ったんで挨拶にということだ。

 伊里野、夏休み明けには忘れられてるかもしれんが、一応挨拶ぐらいしとけ」

 

そんなぞんざいな担任の言い方にクラスには笑いが広がる。

その中心に居るはずの伊里野はあまり良く解ってなかったみたいだけど。

 

「2学期から復学することになった伊里野加奈です。

 また学校に通えることを嬉しく思います。

 皆さん、よろしくお願いします」

 

教室の笑いが静まった頃を見計らい、伊里野はそう言ってぺこりと頭を下げる。

何が嬉しかったのか、クラスの男子連中が騒ぐ中、僕は伊里野の態度に少し違和感を感じていた。

 

「あー、伊里野、悪いんだが今日はそこのパイプ椅子に座っておいてくれ。

 二学期からはちゃんと席を用意するからな」

 

担任はそう言って教室の前の窓際に立てかけてあるパイプ椅子を指し示す。

確かに教室には新しい席は用意してなかったし、

伊里野の復学はやはり急な話なのだろうと思った。

席も用意してないことにクラスメイトからブーイングがあがったけど、

伊里野はそれを気にもせずにパイプ椅子まで歩いていって、そこに座ってしまう。

 

「あー、それと浅羽と須藤、見ての通り伊里野は本調子じゃないらしい。

 同じ新聞部員だったお前らでフォローしとけ」


「「は、はい」」

 

突然話を振られた慌てて返事を返す僕と須藤。

その後思わず二人で視線を交し合ってしまった。

かといっても、何かが通じたわけじゃないけれど。

 

「よし。それじゃあまず、今日の行事予定からだが…」

 

僕らの返事に満足した担任は満足げに頷いて話を続けていく。

もちろん僕の耳には担任の言葉なんて半分ぐらいしか入ってこなくて、

教室の前でちょこんと座っている伊里野の方にばかりに注意を向けていた。

ただ、その伊里野がじっとうつむき加減だったのが、僕には随分と気がかりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからクラス全員というか全校生徒が体育館に集まり、終業式が行われた。

移動の時も終業式のときも、伊里野の不慣れさを同じ女子である須藤がフォローしていて、

先生に頼まれたとはいえ、男子である僕の出番はなかった。

そして結局そのままに最後のホームルームが終わるまで、伊里野と会話をすることも出来なかった。

けど、その最後のホームルームが終わって、皆が嬉しそうに帰り支度をはじめる中、

いつの間にか僕のそばまで来ていた伊里野が、僕のシャツのすそをつっと引っ張った。

 

「浅羽、大事な話があるの。一緒に来て」

 

振り返った僕の顔をじっと真剣な、それでも何かに怯えるような眼差しで見つめる伊里野の言葉。

その突然の伊里野の行動と発言にクラスの皆が僕らを注目する。

けど伊里野の真剣な瞳に捕らえられた僕にはクラスメイトの視線を気にしてる余裕は無くて。

それでも居心地の悪さだけは感じていた。

 

「解ったよ伊里野。じゃあ行こうか」

 

そう答えながらちらりと教室の出口へと視線を投げかける。

僕の視線の意味を理解した伊里野がこくんと頷き、そして僕らはそろって走り出した。

教室から飛び出した僕らは廊下を駆け抜け階段を駆け上がる。

そして辿り着いたのは、グランドに面する様に設置されている大時計の機械室の中。

屋上へと出る途中に設置されているところだ。

園原電波新聞部に伝わる合鍵を使い扉を開けてその部屋の中に入った。

普段は施錠されているココなら、人が来ることもないだろう。

 

「伊里野、大丈夫?」

 

階段を駆け上がった所為で多少乱れた息を整えながら、僕は伊里野にそう訊ねる。

今朝から見ててそう不自由そうな感じではなかったけれど、

昨日の事もあるし、何より伊里野の左腕には白い包帯が巻かれたままなのだから。

 

「私は大丈夫」

 

息一つ切らせずにそう答える伊里野。

ひょっとしたら伊里野のほうが体力があるのかもしれない。

そして大丈夫と言った伊里野だけれど、包帯を巻かれた左腕を気にしているようにも見えた。

 

「その腕、やっぱり昨日の…」


「うん。回し蹴りを十字受けした時に骨にひびが入った」

 

伊里野の答えに昨日のことを思い返す僕。

ハイキックを受けて倒れた伊里野が何とか立ち上がり、

そこへ膝蹴りからの後ろ回し蹴りの追撃。

後ろ回し蹴りは伊里野を壁際まで吹き飛ばすほどの破壊力だった。

壁に叩きつけられた伊里野はそのまま気を失い。

そして僕はナイフを手に取りあの人を・・・刺した。

よみがえってくる生温かいヌメヌメとした血のしたたる感触。

 

「でも、浅羽は私の為にレイジさんに向かって行ってくれた。

 私の代わりに浅羽がレイジさんに一撃入れてくれなかったら、

 私、二度と浅羽に会えなかったかもしれない。

 昨日、目が覚めてからそれを聞かされたとき、私、嬉しかった。

 こうして浅羽に会える様になったことも、

 浅羽が私の為にレイジさんに向かって行ったことも。

 ありがとう、浅羽」

 

伊里野は本当に嬉しそうな笑顔で僕にお礼を言ってくる。

僕は先ほど思い返した感触などどっかに飛んで行ってしまって、間近に見るその笑顔にドキドキしていた。

 

「あ、うん、どうしたしまして。あの、ところで、レイジさんってどういう人なの?

 随分と伊里野と親しいようにも、そうでない様にも見えるし…」

 

そのドキドキを誤魔化すように、僕は伊里野に訊ねていた。

もちろんあの男の人がどういう人なのかと昨日から気になっていたけれど。

そして伊里野は思い起こすようにゆっくりと語りだす。

 

「私がレイジさんに出会ったのは、あの最後の出撃の後で大気圏を突破した頃のこと。

 何百という敵の中にあった一隻の宇宙船。

 その船の主がレイジさんなの。

 私はその船を敵の仲間だと思って撃墜しようとした。

 でもあっさりと捕獲されて、それで周りがようやく見えて、

 敵だと思っていたものが全て敵の残骸だったことに気が付いた。

 レイジさん達は私達の恩人だったの」

 

語る伊里野の表情は真剣で、

正直にわかには信じがたい話だったけれど、僕はその話を信じることにした。

 

「その後ブラックマンタを無力化された私は、レイジさん達の母船に収容された。

 もちろん武装解除された状態だった。

 その後すぐにレイジさん達と面会したけど、レイジさん達は意外にも人型だったから驚いた。

 そのときの私の知識だと、奴らので大気圏の外まで進出できている国は無かったはずだったから。

 そして私は勘違いで撃墜しようとしたことをすぐに謝った。

 そんな私をレイジさんはすぐに許してくれて、

 でも私には治療が必要だって言って、そして私は気を失った。

 次に私が目を覚ましたの地上の軍の施設だった。

 そして私の身体からは以前のような痛みとかが全部無くなってた。

 ブラックマンタと私をつないでいたコレも随分と小さくなっていたし」

 

そう言ってイリアは前と同じに手首にはめているリストバンドをずらして僕に見せる。

以前そこにあった楕円状の金属はその大きさを随分と小さくしていた。

少なくとも半分以下にはなっているだろう。

 

「私の意識が無かった一ヶ月の間に何があったのかは知らないけれど、

 レイジさん達はVIP扱いで政府に受け入れられるようになってたし、

 私の所属も連合軍からレイジさん達の保護下へと換わってた。

 ブラックマンタが壊れてしまった以上、私が連合軍で出来ることなんて無かったけど。

 それからはずっとレイジさん達と居た。

 色々な所を転々としながら、やってたのは式典に参加する事と訓練だけ」

 

とそこで伊里野は言葉を止め首をかしげる。

 

「ごめんなさい、いつの間にか私の話になってた」

 

そう言いながら軽く舌を出し照れくさそうに謝る伊里野。

以前には見せたことの無いその表情に僕はやっぱりドキドキしていた。

けど伊里野はもう一度真剣な表情に戻ると、慎重に言葉を選びながら再び語りだす。

 

「レイジさんは、化け物なの。

 人の形をした化け物。

 自分でもそう言ってるし、

 一緒にいたときに見せたその力の片鱗は、間違いなく人間の範疇を超えてた。

 私はそれを見て怖かったし、でも少なくとも今はレイジさんが敵でないことに安心した。

 昨日の事だって、レイジさんは随分と手加減してくれてた。

 レイジさんが本気だったら最初の一撃で私の上半身は無くなってたもの」

 

伊里野の口から出た言葉は、僕の予想通りに通常には信じがたいものだった。

けど、少し声を震わせながら話す伊里野に、僕は伊里野のその言葉を信じることにした。

 

「ありがとう、話してくれて」

 

僕はそう言いながらまだ少し震える伊里野の手に自分の手を重ねる。

一瞬びくっとした伊里野だったけど、何も言わずに重ねた僕の手をそっと握り返してきて…。

そして僕らは伊里野の震えが止まるまで、何も言わずにしばらくそうしていた。

 

「ところで伊里野、大事な話って何?」

 

伊里野の震えが収まった頃を見計らい、僕は本題に入ることにした。

伊里野は一瞬戸惑うように視線を落とし、そして僕の手を両手で握りなおしながら僕を正面から見つめてくる。

 

「あの、浅羽にお願いがあるの。

 明日からの夏休み、私と一緒に来てほしいの。

 長期間の泊まりになるけど、浅羽は去年、部長と一緒に泊まりで過ごしてたって聞いたし…。

 それで今年は私と一緒に居てほしいの」

 

その伊里野の突然のお願いを、僕が完全に理解するのには三秒ほどの時間を要した。

思わずごくんと生唾を飲み込み伊里野の顔を見返してしまう。

はっきりしない僕の態度に、不安げな顔を見せる伊里野は更に言葉を続ける。

 

「レイジさん達が浅羽を鍛えてくれるって言ってるの。

 私も強くなるけど、浅羽も強くなれば、

 私と浅羽とずっと一緒に居られるかもしれないの。

 だからお願い、私と一緒に来て」

 

伊里野と一緒にお泊りと考えた僕は、正直的外れな想像をしていたわけで。

そして真剣な伊里野の表情にやっぱり僕は弱くって。

でも、それ以上に僕はその時強くなりたいと思っていたのも事実で。

だって、昨日みたいに何の努力もせずに居た自分の無力さを、

これでもかと思い知らされるのは本当に嫌だったんだ。

 

「解ったよ、伊里野。一緒に行こう。

 僕も強くなりたい、君を守れるぐらいにね」

 

だから僕は伊里野の手を握り返しながらそう答えていた。

そして伊里野はその喜びを素直に身体全体で表現してきた。

つまり、僕に勢い良く抱きついてきたのだ。

突然のその行動に反応が遅れた僕は伊里野の身体を支えきることも出来なくて、

押し倒されるままに床にひっくり返てしまい、

そのままの勢いで床に頭を打ち付けて、意識を手放してしまった。

随分と情けないことになってしまってけれど、それは一つの起点でもあった。

それが僕の去年よりも暑い夏の始まり。

そう地獄の夏へと続く扉を開けてしまった瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 



過ぎ去ってしまえば、40日間という地獄の夏休みも、あっと言う間だったのかもしれない。

 

「良いだろ別に、もう一人ぐらい増えたって」

「そんな程度の覚悟じゃ、アナタもあの娘達も死ぬわ」

「否、ここに居るのはただ一人のエロコマンドに過ぎぬ。いざ行かん桃源郷へ!」

 

去年とは違った別の意味で充実した日々は、今までに体験したことの無いくらいにきつくて。

 

「つまりさ、アンタ等が世界にとって特別になれってこと」

「今現在、アイツは世界でただ一人の存在だ。だからだよ」

「多分きっと死ぬほど痛いわよ、もう覚悟は良いの?」

 

 

それでもきっと伊里野が、ううん、加奈が一緒に居たから堪えることができた。

 

「一月前まで素人だったにしては、良い結果を出せたと思うわ」

「正直、アンタはさ、良くやったよ。まあ、後は運しだいだね」

「あーなんだ、とにかく、おめでとうだな。それよりも着替えたらどうだ?見えてる ぞ、色々とな」

 

でもなぜだか晶穂も一緒になって、結局最終的には園原電波新聞部の合宿になってた。

そして今の僕は行ってしまった人たちの事を考えながら、あの人達が去っていった空の彼方を見上げる。

 

「直之ー、待ちなさいよ」

 

空を見上げている僕にそんな声がかけられる。

晶穂の声だった。

その方向を振り向くと、晶穂の家に居候することになった加奈が、

晶穂と一緒になっててこちらに手を振っている。

僕はその場に立ち止まり二人が追いつくの待った。

 

「おはよう」

 

二人にそう声をかけ、僕らは3人並んで学校へと向かう。

以前には決して無かった光景。

でも多分僕らが一番望んでいた光景。

僕はもう一度空を見上げた。

そこには相変わらず青い空が、それでも前よりは眩しく感じられる空が広がっていた。

 

「直行君?」

 

足を止めた僕を心配そうに覗き込みながらの加奈の声。

 

「まだ、夏休みボケ?」

 

腰に手をあてて少しあきれた素振りを見せる晶穂。

 

「ちょっと、考え事」

 

そう誤魔化しながら僕は再び歩み始める。

 

きっと僕らは夏休み以前よりも前に進めてる。

 

どこまでも広がる青い空を見て、僕は漠然とそう思った。

 

だからこそ、僕らの夏はまだ続いていく。

 

そしてそれが事実だとであることを、僕は実感していた。

 

 

 

終わり


あとがき

というわけで、シルフェニア150万ヒットおめでとうのSSをお送りしました

ジャンルはなぜだか、イリヤの空。

相変わらず狭いところを突いております。

世間一般で言えば、イリヤ=悪魔っ子&弟子一号、ですからね。

まあ、良いじゃん、こっちのイリヤが好きなんだし。

ええ、無論、ロリっ子のイリヤも大好きですよ。

あと、ココまで読んでいただいた方には感謝を。

えーと、出来れば感想などいただけると今後の励みになります。

ではまた。



感想

くまさんに150万HIT記念を頂きました♪

イリヤの空アフターで来ましたか〜

レイジもしっかり出ていますね〜

というか、イリヤ宇宙に出た時は解決していたとは!(爆)

まあ、実際普通は生き残れないでしょうからね。

こういう風に繋いだ事によって、どうにかと言った所でしょうか?

そうですね。

浅羽君を強くしようと言う意図があるのかな?

ただ、強くなった浅羽君の例が無いので分りませんが。

どちらかと言うと、浅羽君なら自分で頼み込みに行くかも?(爆)

どうでしょうか?

見送りの時に引き止められなかった後何をしてでも追いかけるとかそういったシーンでもあれば信じますが。

無茶な……

まあ、2人の恋の行方が平穏であるように祈りましょう。

無理やりまとめにかかってますね。

所詮貴方の感想なんてそんなものです。

ぐばぁ!?

くっ……くまさん、記念作品ありがとうございました……ガク

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