…心に…



そして…それと同時に、遺跡が振動し始める…

不自然な傾きの前に動きが取れなくなる一同…


          ゴ ゴゴゴ…


「如何したんだ!? アメジスト!!」


アキトが叫ぶが、

振動のせいか聞こえていないらしく、アメジストは反応しない…



永遠の祝福 をもたらすもの…



光を纏ったアメジストは無表情に言葉を読み上げていく…


今度は、何か不思議な浮遊感が全員を襲う…

それに気付いたシェリーが…


「これ、もしかして空を飛んでません…?」


余りの出来事に全員が半場呆然とする…



ゼノフィー ド ――



どんどん高度を上げていく遺跡の中、

アメジストは一人呟くのだった・・・






機動戦艦ナデシコ
〜光と闇に祝福を〜





第四話 「メイドさんはいかが?」(後編)その5



第三艦隊旗艦・トビウメは、クロッカスとパンジーを伴いナガサキ基地から出航後、南下を開始する…

空を飛べる船にとって、目的の島までの距離はあって無きが如しと言ってもいい程短いものだ。

実際、半時間もしないうちに目的地の見える空域までやってきていた…


「全艦ハロン島上空まで前進後、その場で待機!」


コウイチロウはブリッジで腕を組み仁王立ちをしながら、一歩進み出る…


「通信士、外部回線を開いてくれ」

「はい! 外部回線開きます」


通信士が作業を終わらせ、コウイチロウにOKを出した。

そして、コウイチロウは戦闘の続く地上に向かい警告を与える…


「私は連合宇宙軍第三艦隊提督ミスマルである!

 直ちに戦闘行為を中止し、投降せよ!

 さもなくば、第三艦隊は全力での鎮圧を行う!」



それを聞いた地上のSS達は直ぐに撤退を開始した。

しかしまだ倒されていないネオスが抵抗を始め、混乱に拍車を掛ける…

あわや、第三艦隊介入かと思われた頃…

突然森が不自然に盛り上がり、木々が倒れ始めた。

振動で島全体が揺れる…

SSたちが逃げ惑い、ネオスも次々と倒れていく中、

地面の下から<何か>が地上に現れようとしていた…


「何だね、あれは…?」

「さあ…もしかしたら、秘密兵器でも隠していたのでしょうか?」


コウイチロウが不思議そうな顔でトビウメの艦長に聞くが、

もちろん艦長にも分かるわけは無く、あてずっぽうの回答が帰ってくるだけだ。

しかし、そうしている間にもどんどん森は崩れながら山をなしていく…

そして…とうとう地面から離れその威容が姿を現した。

その大きさは約一km…

巨大な建造物が、大量の土砂を落としながら浮上していく…

もちろんコウイチロウ達に分かる筈も無いが、それは木星のプラントを小さくした様な形をしていた…


「これは…宇宙船なのか…?」

「良く分かりませんが、少なくともこれは重力制御を行っています」


厳しい顔で考え込むコウイチロウに、オペレーターが遺跡をスキャンした結果を伝える…

コウイチロウはうなりながら、


「兎に角、通信回線を開け…あらゆる周波数帯でな。

 これは、ただ事ではない…

 呼びかけに応じなければ、撃沈もやむなしだな…」

「はっ! 全周波数帯による呼びかけを開始します」


こうして、第三艦隊は一時的に行動不能に陥った。

ネルガルSSはこの隙を突いて、我先にと逃げ出していくのだった…










―― 遺跡内部 ――

振動で立っていられない程に揺れていた部屋は、今は不思議な浮遊感に包まれている…

先程の振動で殆どの者は床に這いつくばった状態になっている。

コーラル等は何かに引っかかったのか、じたばたと這いつくばったままもがいていた。

俺の目の前の空間は薄紫の光に包まれている…

光はアメジストの手の中、黒いプレートから放たれている。

アメジストは黒いプレートを手のひらの上で踊らせながら、宙を見ている…

いや、その目にはまるで何も映っていないかの様だ。

これまでの事がアメジストの意志で行われたとは考えにくい…

恐らく何か別の意志が働いているのだろう…

だがそんな事より今は、一刻も早くアメジストを正気に戻さねば。

俺は振動が落ち着いてきたころを見計らい、アメジストに飛びつく。

そして、抱え込みながらアメジストに呼びかける…


「アメジスト! しっかりしろ!」

「……」

「アメジスト!」

「…あ………」

「アメジスト! 俺が分かるか!?」

「…アキト? ……アキト! アキト! アキト!

「良かった…どうやら意識がもどったァ?!

「きゃー!?」


アメジストが正気に戻ると同時にアメジストを包んでいた光が消失し、空中から投げ出される。

俺は如何にか体制を立て直そうとしたが、真下にはまだ這い (つくば)ったままのコーラルが待ち受けていた…


      ドスン…!!


「ぐえ!!

 …ひ…酷いですぅー!!


コーラルは俺とアメジストの下敷きになり、見事に潰れていた…


「す…すまん……(汗)」

「お…重いですぅ…どいて下さいぃ…」

「分かった…」


俺はアメジストを立たせて、コーラルの上から退く…

良く見れば、コーラルはスカートが培養層の底部に引っかかっていた。

俺はお詫びにそのスカートを培養層から取り外してやり、手を取って立たせる事にした…


「すまなかったな」

「いえ、いいんですぅ…考えてみれば、これもメイドの務めですから…」

「……は? メイドの務めって?」

「はい! ご主人様を守る事ですぅ!」

「…ご主人様…?」

「はい! 今日からアキト様が私のご主人様なんですぅ!」


………ハ?

…ナニヲイッテンノ?

…いや、待てよ…


        ギギギギギ……(怒)


俺はそんなことを吹き込みそうな人間に向き直る。

案の定、その人物は既に逃走をはかる体勢に入っていた…


「おい!」

「あら、アキト様…ごめんあそばせ。

 私、これから急用がありまして…質問にはお答えできませんの…」

「待て!」


あくまで笑顔だが、表情が少し引きつっている。

俺は問い詰めるために駆け寄ろうとしたが…

言うが早いか、シェリーは直ぐに部屋を出て行った。

しかし部屋の入り口から首だけ出して、付け加える…


「アキト様…その子の本名をお教えしますわ。

 その子の名前は<コーラル・ド・マロネージュ・アイドクレーズ>

 アイドクレーズ家現当主にして、アクア様のご友人…

 最も、彼女はその事を忘れてますけど…」

「何ィー!?」

「アキト様、今までとても楽しかったですわ…

 またお会いしましょう。それではご機嫌麗しゅう…」


そう言い残すと、今度こそ彼女は気配も残さず消えてしまった…

俺達は余りの事に呆然としてしまっていた為、

そのまま、いち早く復活したイズミさんのリサイタルまで聞く羽目になった…(汗)





暫くして、如何にか立ち直った俺達はこれからの事を話し合う。

しかし、兎に角ここを出なければ話にならない…

空中に浮いている、この遺跡から…


「コーラル、ここで何か空を飛べるような物はあるか?」

「すみません…私もここは始めてなんですぅ」

「先ず、出口に行ってみようよ。考えるのはそれからでいいんじゃない?」

「中国のカエルは頭が良いんだって、それはきっと漢ガエルだから…ククッ…


結局ムラサメの意見が採用され、俺達は出口に向かう事となった…


途中タカチホさんと合流し、シェリーのことを聞くが…見ていないとの事。

まあ、あの女なら直ぐ近くにでも来ない限り気配を察知する事さえ難しいから、

タカチホさんに見つからず出て行く事など容易いだろうが…

アメジストとラピスがタカチホさんを支え、また遺跡の出口へと向かう。


そして森に出る筈の入り口までたどり着き、扉のロックを解除する…


         ゴォーーー!!


…凄い風だ。

下を見ると、島が数十cm程度まで縮んで見える。

恐らく島の上空2・3000mと言った所か…

しかしその事よりも目を引くのは、目の前にある戦艦トビウメ。

その背後に見えるクロッカスとパンジーだった…


「あれは…第三艦隊旗艦トビウメ…かなり不味い事になっているみたいね…」

「ああ。下手をすると、俺たちごとこの遺跡を破壊してしまいかねない…」

「うぅ〜こんな高さからダイビングなんて嫌だなー」

「わっ…私がんばってご主人様の下敷きになりますぅ」

「いや、関係無いだろ」

「アキト…私が特うみゅ…」

「いや、別にいいって!」

「長針の抜けた時計の持ち主に聞く、今何時…今は2ジゴロ…だめか…


そうこうしている内に、艦隊からの砲撃が始まった…


          ドドーン!!

                       ガラガラガラ……


「くそ! これじゃ投降も出来ない…」

「手旗信号やモールス信号は?」

「ここから出て、それやれるか?」


         ゴォー ン!!


「無理そうね…(汗)」


この遺跡にはディストーションフィールドが張られていないらしい。

だからこそ入り込めたのだろうが、このままでは30分も持ちこたえられそうに無い…

しかも、衝撃がもろに通路まで響く…

かなりの振動だ。

このままでは、遺跡の中から出る事が出来ない…

ボソンジャンプをしようにも、C・Cも無い…

この遺跡は極冠遺跡の様にC・Cで出来ているという訳でもなさそうだ。

最も出来たとしても、確実に助けられるのはラピスとアメジストだけだろうが…

そう考えている俺に、ラピスが話しかけてきた…


「アキト…マロネーが、何カアノ部屋のムコウに有るッテ言ってタ」

「何!?」


俺はムラサメの方に向き直り、事情を聞く…


「うん、ラピスちゃんでないと出来ないとか言ってたけど…

 さっきは思いつかなくてゴメン!」

「いや、分かった。行ってみよう」


俺達はまた広間へと戻った…

何回かに分けて生き残ったSSとネオス達を広間に集め、気付けを施していく。

SS達は当初抵抗したが、事情を理解した後は一応素直になった…

ネオスに至っては気が付いてもぼーっとしているばかりだ…

先程から砲撃は続いているらしく、数秒事に振動に見舞われる。

その中を俺達はバランスを取って歩き、

どうにか辿り着いた広間の奥の部屋に入って中を調べる…

そこは、まるで宇宙船のブリッジの様だった…


「これは…」

「まるで、今まで使っていたみたい…」

「でも、私達に使えるのかしら…」


そう…遺跡の内部はどこもだが、ほこりやクモの巣などといったものが一切見られない…

そして部屋を見回してみると、恐らくブリッジクルー用の席だろうと思わせる椅子が点在していた。

それらは遺跡の素材で出来ているのか、壁や床と同じ様な色をしているが、座れる様に柔らかくなっている様だ。

そしてこれらの椅子の前には、モニターやオペレーターIFS用のボード等に見えるものが並んでいる…

これは…

ナデシコと同じシステム……何故遺跡にそんなものが…?

いや、これは古代火星人の宇宙船なのか…

…まさかな。


「兎に角、マロネーはこれを使って何かをしようとしていた。このままここに居ても死ぬだけなら…」

「やってみようよ」

「そうね」

「やりましょう」

「うん」

「アキトガ言ウなら…」

「ご主人様の命にしたがいますぅ」


何だか最後の方が不穏当な発言だった気がするが…

気にしない事にして、それぞれ椅子に座って操作を始めた。


先ず、ラピスが船のコンピュータを呼び出す…

すると、コミュニケのデータウインドウが開く。

やはりこれは船の様だ。全体像を見てもそれが分かる…

それを見ていると、ラピスが話しかけて来た。


「アキト…コノ船、A.Iを積んでナイ…」

「なっ…!

 初歩的なものもか?」

「ウン…何にモ」

「今から作り出す事は可能か?」

「出来なくハ無いケド…間に合わナイよ」

「クッ…!」


A.Iによる制御がない状況で船を操るのは難しい…

それどころか、何も出来ないといっていい。手動ですれば良いと思うかもしれないが…

システムとシステムを繋ぐ役を担っているのがAIである以上、

それを手動で行う為には、何十人というブリッジクルーが必要だ。

今の状態では通信もままならない…

まして、人類の物ではないのだ。どこにどんな欠陥があるか分からない…

如何すれば良い…

何か方法は無いか…?


(アキト…ラピスがオペレーターIFSを使うんだったら、私も使っていいよね?)

(何?)

(ネオス達がハッキング出来るのは何故だと思う? あれも、私から移植された能力だからだよ)

(そういう事か…)

(ただ…ルリやラピスみたいに使い慣れてないから、どれ位のことが出来るのか分からないけど…)

(…分かった。ラピスのサポートを頼む)

(うん)


俺に伝え終えたアメジストはラピスの隣に座り、オペレータIFSを手に浮かび上がらせる…


「ラピス、色々教えてね」

「ウン」


アメジストとラピスはお互いに嬉しそうに言葉を交わす…

二人は最近姉妹の様に見える。

いつの間にそんなに仲良くなったのか、不思議では有るが…

兎に角、これで各部のサポートは何とかこなせるだろう。


しかし、一番の問題があった。

実はカグヤちゃんの周りの少女達は、それぞれ戦艦のクルーとしての訓練を積んでいるのだが…

当然、担当となる部署がある。

タカチホさんは火器管制…つまりは砲手。

ムラサメはレーダー及び通信担当、

操舵手はホウショウちゃんという風に…

そして、今ここにはホウショウちゃんは居ない。

俺とイズミさんはパイロットだし、コーラルには縁のない話だ…

SS達やネオス達にも聞いてみたが、やはり駄目だった…

つまり、今この場には操舵手が居ないという事だ。

いや、助かればいいのなら他にも手はある…

「ムラサメ、救難信号は出せるか?」

「無理…そう言うシステムは付いて無いや…

 そもそも<これ>使ってた人達、私達とはそんな時の手段も違ったのかも…」

「なら、第三艦隊に通信は繋げるか?」

「う〜ん…出来なくは無いけど…どうするつもり?

 アタシ達、明らかに不審者だし…特にアキトはその格好じゃ…

 下手をすると問答無用で撃沈されるよ?」

「それもそうだな…」


俺はマントを脱ぎ、SSの着ているのを一つ借りて

対弾・対刃・対爆風能力のある特殊ジャケットを羽織る…

特殊ジャケットは深いグレーなので、黒いタイツ部分の上でも何とかそれなりに見える。

バイザーはイズミさんが付けているので今はしていない…


「まあ、下半身を見せなければこれで何とかなるだろう」

「う…どーなんだろ…」


ムラサメの評価はイマイチの様だ…


「兎に角、通信開いてくれ…」

「うん、わかったよ…こちら、こちら…何だっけ?」


      ズル……


「何でもいいから、兎に角つないでくれ!」


ムラサメの言葉に皆がこける。

それを見ているイズミさんは何かとても悔しそうだった…


「えー、こちら遺跡内部。第三艦隊旗艦トビウメ、応答願います…

 第三艦隊旗艦トビウメ、応答願います」

『こちら第三艦隊旗艦トビウメ。貴官の所属と姓名を述べよ…』

「えー…<テンカワ・アキト親衛隊>所属、ムラサメです」

「『テンカワ・アキト親衛隊!?』」


思わず俺と向こうの通信士の声が重なった…

詰め寄る俺に、ムラサメは通信オフの状態にしてから言って来る。


「何でもいいからって言ったでしょ。それに…

 この面子、全員アキトの為の面子なんだから。

 アタシとタカチホはアキトのサポート。

 ラピスちゃんとアメジストちゃんはアキトを追っかけてきたんだし、

 イズミが用が有ったのもアキト。

 コーラルなんてアキトのメイドじゃん」

「な……一寸待て!

 ラピスとアメジストは兎も角、後は直接は俺の何かというわけじゃ無いだろ!」

「ええ〜!? 私はもうクビですかー!?」

「雇った覚えも無い! それに大金持ちなんだから、別に働かなくても良いだろ!」



周囲の視線が集まる…

俺を非難しているのがありありと分かる表情をしている。

ああ・・・やはりこう言う時は何を言っても無駄だ…(泣)


「…分かった、俺の負けだ。好きにしてくれ…」

「さっすがアキト話せるぅ!」

「ありがとう御座いますぅ〜ご主人様ぁ!」



こんな事で喜ばれたく無いんだが…

コーラルは同じお嬢様のカグヤにでも頼むとしよう…


「もう親衛隊でも、カン○ュウハイでも良いから通信をつないでくれ…」

「分かった!」


イズミさんが何か言いたそうだったが、無視する事に決めた。

「真冬になると元気になる奴…寒中ハイ…クク…

それからムラサメはしばらく向こうの通信士と話して、ミスマル・コウイチロウ提督へと繋ぐ。

向こうでは父さんと呼んだ人…

そして、子供の時会って以来一度も会っていないユリカの父…

俺は……いや、今は救助を頼むだけだ。

目の前の大型ウィンドウが開き、ミスマル・コウイチロウ提督が大写しとなる…


『私が連合宇宙軍第三艦隊提督ミスマルである。

 通信を開いてきた目的を述べよ!』


「俺はテンカワ・アキト、明日香インダストリーに身を置くただの一般人だ。

 目的は我々の救助の要請だ」

『テンカワ…テンカワ…はて? 何処かで聞いたような…』

「その事は後でお話しましょう、ミスマルのおじさん…」


そう言えば、ミスマルのおじさんは前回の時も俺を忘れていたっけ…

いや、ユリカから聞いただけだが…


『君はテンカワ博士の…そうか…だがそんな君が如何してここに居るのかね…』

「はい、火星を脱出出来たのは良かったんだけど…

 その後行く当ても無いから、明日香インダストリーのお世話になってます」


どんどん口調が昔に戻って行く。

何故か懐かしい…俺にとってやはりこの人も家族なのだろう…


『しかし、それは一体なんだね? 船の形をしていないが…』

「これはアイドクレーズ家の私有船なんすけど、見ての通り浮く事しか出来ないんで…」

『では、今まで通信に出なかったのは?』

「アイドクレーズ家の“お家騒動”に巻き込まれちゃったんスよ。

 俺達がこの船のことを知ったのもついさっきなんで…

 通信しようにも出来なかったんス…」


そう言うと俺は苦笑しながら頭をかく…

別に嘘は言っていない…後はおじさん次第だ。

ミスマルのおじさんはしばらく考え込んでいたが、不意に表情を崩し…


『…分かった。救助に向かおう…』

「感謝します」


すぐに真剣な表情に戻ったので、本当に俺の事を信用しているのかどうかは読み取れないが…

今はそれに賭けるしかない…


『ただ…』

「ただ?」

『それだけ女の子に囲まれてるんだから、ユリカに手を出すんじゃないぞ!』

「はっ…はあ……」


こんな時、コウイチロウのおじさんはどこまで行っても<ユリカパパ>なんだなと思う…










その後俺達は一時的に軍に拘束されたが、

カグヤちゃんの方から手を回してくれたらしく、三日後には晴れて釈放となった。

その間島の事等色々聞かれたが、どうやらネルガルの粗探しをしているらしかった…

これを仕組んだのはシェリー辺りか…アクアのお付きみたいだし(汗)


あの船は軍が欲しがっていたが、アイドクレーズ家の私有船である事を盾にとり、

明日香インダストリーが買い受ける方向で話が進んでいる…





その後俺は……

まず、帰ってきたとたんにカグヤちゃんに半日説教され…

ふらふらと出てきた所をアイちゃんに見つかり、デートをせがまれ…

更に何故か、アメジストとラピスの親衛隊に追い回された。

理由はどうも、二人が数日居なくなったかららしい…(手引きしたのセイヤさんだろ…)



親衛隊を撒いた後、カグヤちゃんに頼んでおいた俺の部屋…

六畳一間の小さなアパートへ帰る事にした。

まあ、ラピスもアメジストも既に住む場所を決めているので、住むのは俺一人だ。

別に何も心配する事は無いな…



部屋の前で鍵を取り出す…

しかしおかしな事に、もう部屋に電気が灯っている。

しかも、気配がひいふうみい…(汗)

俺は意を決して扉を開ける…


「お帰りなさい、ご主人様!」

「「お帰りアキト」」


「なっ……」


アメジストにラピスそれにコーラル? 何で?

大体コーラルはカグヤちゃんに預けた筈だ…


「如何いう事だ?」

「私達戸籍が無いでしょ? だから…セイヤさんの所で戸籍を作ったの…」

「ダかラ、私はラピス・ラズリ・テンカワ」

「私はアメジスト・テンカワになったの」

「ついでに私の方もご主人様のメイドとして、雇用登録してもらいましたぁ〜!」

「何ィー!!?」


俺はあまりの事に、入り口で固まってしまうのだった…








次回予告

コーラルの登場によって辛くも危機を逃れた明日香インダストリー。

しかし、ネルガルもクリムゾンもまだ何も諦めていなかった…

そんな時、クリムゾン家主催のパーティーの招待状が…

疑惑が疑惑を呼ぶ中、とうとう現れるその人物とは?

次回、機動戦艦ナデシコ〜光と闇に祝福を〜

第五話「それは、今だけしか言えない言葉」をみんなで見よう!







あとがき


嬉しい…第四話本当に終わるかどうか心配だったけどどうにか終わった…

そうですか、それは良かったですね…

…え?

それにしても、よくも私をほったらかしにしてくれましたね…

もしかして…ルリちゃん?

あなたなんか にルリちゃん等と 気安く呼んで欲しくありません!ルリ様もしくはルリ姫と呼びなさい!

はっ…はいルリ様(かなり怒ってるな…こりゃ)

大体何です か!この話!本当は前後編だけの息抜き企画じゃ無かったんですか!

いや、その筈だったんだけど…作っているうちに…ははは…

はははじゃあ りません! おかげで私は14回も出ていないんですよ!読者さんも呆れて帰っちゃいます!

うっ…じゃあ次は何とか都合付けるから…

本当でしょうね…チョイ役とかだったら殺しますよ…

な…そんな訳無いじゃないか…(汗)

やはり死にたいようですね…

           ヴォン…ヴォン…ヴォン…

地面が…俺のパソコンが…光に変わっていく…そして光がルリちゃんの右手に…

またルリちゃんって言いましたね、死になさい…

もしかして、アルター!?逃げねば…

逃がしませ ん!

瑠ぅ璃色のぉファーストブリッドォー!!


          ドッ ゴォーン!!

そ れって何かまざってるぅー!!

悪は倒れました。次回からは私とアキトさんの甘々ラブラブな日々をお送りし ますのでよろしく(ぺこり)

し…死んで…無いって…(ガク)

 



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