「先ずはテイラー展開について話しましょう。sin(0.1)はどの位の値かと言う事を調べるにあたって sin(0)が0なので、 sin(0.1)は大体0となります。でも、sin(x)はxがπの倍数でなければ0ではないので、sin(0.1)は0ではないが0に近い数です。です ので、sin(x) のグラフにx=0で接線を引いて見れば。接線という位になりますので、x=0の近くでは、相当sin(x)に近いはずです。そこで、sin(x) の微分はcos(x)なので、求める接線の傾きはcos(0)=1となります。更に、点(0,0)を通るので、接線の方程式は……」


俺は、ルリちゃんもやっぱりイネスさんの同類に違いないと思いつつ、

あまりにも聞いた事のない異次元の言葉に眠気を誘われはじめると、

ルリはいきなり顔を近づけてこう言った。


「いきなりはやはり無理ですね。ごめんなさい、式とその理由さえ暗記しておけば数学は比較的楽な教科だと思ったものですから…」

「いや、すまない。俺は中卒程度の知識しかないのでな」

「はぁ…いえ、三角関数のsin(サイン)、cos(コサイン)、tan(タンジェント)は習っていると思うのですが…」

「うっ!」


さすがの俺も三角関数くらいは知っている。

しかし、既に昔聞いた事なので内容はさっぱりだ。そんな状況で難しい解説の中に含まれていても全くわからない(汗)

こんな状況でやっていけるのか、早速不安に襲われる俺に、ルリはにっこりと笑ってこう言った。


「24時間付きっ切りで教えてあげますから、頑張りましょう」


ルリのその笑顔を前に、俺は視界が暗くなるのを感じた……(泣)



機動戦艦ナデシコ
〜光と闇に祝福を〜





第十六話「いつもの『自分』に休息を」そのA



コロニーフタバアオイの中で生活する人間の数は約100万人とされている。

戦争前は200万人が住んでいたのであるから凄まじい、宇宙コロニーの中でも最大規模のものであることは確かだろう。

数百あるコロニー群の中でもまだ片手で数えるほどしかない巨大コロニーである。

そして同時に、宇宙では珍しく大学のあるコロニーでもある。

元々が日系の資本の元運営されていたのだが、十数年前に運営している公社の株式を西洋系の会社が買い取ったらしい。

その所為で、勢力が二分化してしまっている。

東洋系が技術者、西洋系が学者を多く送り込んだため、それらによる対立の構図が出来ているらしい。

だが、学園内では相互不干渉な形を取っているらしい。

そのシステムを受けてか、学部棟ごとに独立経営の形が成り立っている所為だ。

俺たちが通う事になったのはそのうちの一つ、 航空学部というものだった。

政治家などとの知り合いになるには、法学部に入らないと意味がないのではないかと思ったが、

ルリになぜそれを選んだのかと尋ねたら、

「アキトさんの付いていけそうなものを基準に選びました」

と言われた(汗)

まぁそれだけでもないらしい。

実際、法学部はガチガチのエリート官僚を育てる学部であるための学部だから、

例え学力的についていけてもせいぜいライバルとして認められるだけ。

下手をしたら追い落とし対象にされる。

つまりは、勉強が出来たところでただの生意気な新入生にしかならないらしい。

どのみち俺は勉強についていけはしないのだが(汗)

その点、航空力学ならセイヤさんに少しだけ習った事がある。

といっても、例の図面(未来でセイヤさんにもらった図面データ)を見るついでにちんぷんかんぷんな講義を受けただけだが。

それでも、何も下地がないよりはマシという程度ではあろう。

それに、ルリが言うには航空力学専攻の人間は少なく、また研究が盛んではない、

(現在航空機は宇宙船に比べて目が行かない部分も多い、更には重力制御が出来るようになってからは推進剤が補助的な役割しかしなくなった所為でもある)

まあ、比較的講師達も手を抜いている部分が多いため付いていくのが容易いだろうという計算もあるわけだ。

それに、政治家の子弟もかなり通っている事が確認されている。

俺としてはありがたい限りである。


「しかし……」


この格好はどうにかならないものだろうか?

二十二世紀の医療技術によって骨折治療の速度はかなり速くなった。

しかし、一週間でくっつけても、安定させるには結局そこそこ時間がかかる。

一ヶ月は見ないといけない。

そのため、俺はまだ車椅子を卒業できずにいた(汗)

だから、転入手続きもルリに車椅子を押してもらって行く事になった。

IFS方式なので別に押してもらわなくてもいいのだが、手の包帯が邪魔できっちりと手をつけにくいのが欠点だ。

もっとも、この車椅子セイヤさんの手が入っているらしいので包帯の上からでも何とか動かす事が出来ているのだが。

ただまぁ、赤いボタンとかは怖いので押さない事を決意している(汗)


「アキトさん?」

「あっ、いや、すまない……」

「いえ、構いませんけど。さっきから百面相してましたがどうかしたんですか?」

「ははは、百面相か。いや、この車椅子セイヤさんがどんな改造をしたのか想像してたんだが……」

「それは……考えるまでもないです。合体変形とか自爆装置に決まってます」

「ミサイルとかも捨てがたいな」

「あまり役に立つ装備とも思えません。というか、絶対触らないようにしてください。

 以前は屋台を作ってもらってひどいめにあったんですから」

「そうだな、自爆装置とかミサイルといっても致命的なものではないだろうが……」

「漫画みたいにアフロヘアになりたいなら止めませんが……」

「ははは、ありそうだな」

「はい」


後ろの雰囲気が少し和らいだのを感じる。

ルリは俺が後ろ向きな感情に走っていないか心配していたのだろう。

確かに、こんな状況を続けるよりも早く動いて戦争終結やユリカの捜索を終わらせたい。

平和を享受できる現状ではないのだから。

しかし、今の俺は少しだけ前向きであった。

幾つかの物象がある、火星の人達の何割かを助ける事が出来、今回も少しながら助けた。

更にはサツキミドリ二号はまだ健在で、ガイもぴんぴんとしたものだ。

少なくとも現状歴史改変は悪い方に働いていない。

オメガが死ぬ間際に言っていた事は気になっているが……

それでも、前向きでいようとは思うことが出来た。


一通りの書類を受け取り、航空学部棟に向かう。

政治家の子弟がどの程度いるのか、また一体何を研究しているのか?

そもそも、航空力学は重力制御によって研究される者の減った学問である。

もっとも、軍の使う兵器には大抵サブとしてスラスターがついているし。

ミサイルは未だに燃料推進だ。

それを考えると、まったく研究されていないわけでもない。

だが、それでも一般的でないことは確かだろう。


「はぁ、まさかまた学校に通う事になるとは思わなかった」

「ふふっ、私もです」


たわいない話をしている間にも、航空学部の学部棟が見えてくる。

割合立派だな……

そう思って見ていると、ルリは途中で方向を変えた。


「ん? アレが学部棟じゃないのか?」

「はい、あれは学部棟です」

「でっ、なんで離れていくんだ?」

「だってあれは法学部の学部棟ですから」

「!?」


俺が航空学部だと思っていたのが、法学部?


「いや待て、法学部は大学中央になかったか?」


そう言われて、初めて気づいたようにルリは止まる。

その後、少し間をおいてから少し面白そうな声音で俺に話しかける。


「実は元々航空学部だった棟は法学部に吸収されてしまったんです」

「…!!」

「だから、こっちが現在の航空学部です」


そう言ってルリが指差したのは、明らかに学部棟ではない代物だった。

昔立てた寮がそのまま放置されたような……

二階建ての軽量鉄骨、ヒビの入り具合から何十年も改装すらしていないのが伺える。

ヒビが致命的なレベルに達するまであといくばくも無いだろう。

正直、ここが学部棟だと言われても信じる者などいない、むしろ一刻も早く潰さないとけが人が出そうだ(汗)


「……本気か?」

「大丈夫です。あれでも一応、教授から生徒まで合わせれば30人程度はいますので」

「………」


30人……微妙な数字だ、講師とか助教授はいるのか?

それに講義を受けに来る生徒の教室はあるのか?

というか、講義を受けているのは航空力学専攻の人間だけじゃあるまいな……

いや、まあ所詮俺が言えた義理でもないんだが……

不安の種は尽きないようだった……














――木連移民船団都市・研究船ゆきみづき――

ヤマサキ・ヨシオ技術総監の船として使われている研究用の”元移民船”である。

円盤の様な丸い胴体部分と、下部に無数の腕の様な物が付いたクラゲの様なフォルムを見て普通の船だと思うものは少ない。

この船には、現在ヤマサキ以下200人の技術者と実験材料となる多数の生物が生活している。

だが、それとは異なった理由で船の留まらざるを得ない人物もいた。

その人物は今も寝たきりであり、筋肉なども落ちている。

しかし、その目だけは澄んで全てを見通すように輝いている。

雪谷進一は、その男にヤマサキの実験から救われて以来、その男の部屋に通って看病を続けている。

ヤマサキや研究員達も、もう先は長くないのだからと見逃していた。

それを良いことに、進一は毎日男の部屋にやってきている。

だが、あまりに熱心なその様子にヤマサキたちも最近では少し不審に思い始めていた。

進一は部屋に入ると手馴れた様子で、コンセントに奇妙な機械を差し込む……

そうしてから隣の男に話しかけた。


「これで盗聴器や監視カメラには偽情報が流れるはずです」

「いつもありがとう、進一君。しかしいいのかい?

 私のところにあまり来ていると不審に思われないか?」

「いえ、神崎閣下の為になる事でしたら、なんでもするつもりです」

「はぁ、ありがたいけどね……君自身の身も危なくなるよ?」

「分かっています。それは、救っていただけた事は感謝しておりますが、それだけではありません。

 閣下の考え方に心酔したからここにいるのです。

 私にお手伝いできる事があったら何でも言ってください!」


この言葉を聴いて、神崎と呼ばれた男はため息をつく。

神崎と呼ばれた男は、元は長身で均整のとれた体つきをしていたのだろが、

今はガリガリに痩せていてナノマシンの被害が浮き彫りにされている。

しかし、今の彼はそれでもかなり元気そうに見える。

進一がオメガから譲り受けたアキトのカルテを元にナノマシンの影響を緩和している結果である。

しかし、それでも神埼は回復するほどまでは行かなかった……

そもそも、極端に体力が低下しているのだから影響を殺した結果死んでしまっても意味がない。

進一はしばらく現状のまま神崎の体力が回復するのを待とうと思っていた。


「進一君、いつもすまないね。君のお陰でかなり回復したよ」

「いえ、閣下の体力が尋常でなかっただけです。私も驚いていますよ」

「その言い方は……ちょっと辛いが、その通りだろうね。これでも武術はかなりやってたし。体力は自信があるんだよ」

「はい、木連の人々からは武神と呼ばれていたと聞いたことがあります」

「武神か……過分な言葉だね、だが今は見る影もないだろう?」

「なに、すぐに回復なされますよ。ナノマシンの影響はほぼ排除されました。後半年もあれば、体力もほぼ元に戻るでしょう」

「ははは……それは買いかぶりすぎだよ。体を元に戻す為の期間も考えると一年は見ないといけない」


その後少し日常となっている会話をしていたが、そのままの流れで神崎が聞く。


「それで、木連の状況は把握したかい?」

「はい、おおよそではありますが。どうやら主戦派が多数派であることは間違いないようですね。

 中立派、和平派等もいますが、両派を合わせても4割に届かない程度かと」

「まあそうだろうね、こう言っては君に悪いが、私も主戦派だしね」

「それはお伺いしています。しかし、和平派の人々も決して地球を許しているわけではない。

 皮肉にも主戦派の中でしか我々出向社員は生き残れないんです」

「確かに、君達の勤めるクリムゾンという会社も主戦派と協定を結んでいるわけだしね。

 彼らとしては我々の持つ遺跡技術を物に出来れば我々など用済みだろうが……

 我々もただでくれてやるほどお人よしでもないしね」

「はい、我々がいつまで生きていられるかも微妙なところです。先輩方も怯えています」

「そうだろうね、しかし、シャロンという交渉相手はなかなかに狡猾だ。簡単に君達を切り捨てはしないだろう」

「安心材料としては、微妙ですね。強硬派にでも見つかればそれまでですよ」

「まあそうなるね、草壁中将も強硬派には手を焼いている部分もある。

 それでもかなり上手く利用しているようではあるけどね。

 その所為で、戦争の被害が大きくなっている事も否定できない」

「主戦派の内部分裂が起こる可能性がありますね」

「そうだね……中でも、今回優人部隊に志願した仕官達は強硬派とは縁遠い人達だから……

 場合によっては優人部隊だけが孤立する事にもなりかねない」

「それはなぜですか? 強硬派の人たちはなぜ志願しなかったんです?」

「理由は簡単さ。強硬派には二種類いて、一種類は若手の一般兵。志願はしただろうけど影響力は低い。

 もう一種類は高位軍人。佐官クラス以上ばかりだろう。

 彼らは志願したりはしないさ。口ではどう言おうと自分が戦場に行くために危ない橋を渡るなんて問題外だ」

「つまり、志願した神崎准将は変わり者と言うことですね」

「ははは……それを言われると辛い。あの当時は草壁中将に意見を受け入れて貰いたくて、あせっていたからね。

 二階級特進は魅力的だった……まさか本当に安全面信用ゼロだとは思わなかったしね」


神崎は疲れたような笑いで進一に答える。

しかし、実のところ前回の志願自体が目障りだった神崎を追い落とすために仕組まれていた事を知った上で言っているのである。

草壁が正義と悪の二元論を使って周囲を染め上げていく上で、神崎のようなタイプのエリートが突出してくるのを嫌ったのだ。

草壁を信奉するわけでもなく、反対し和平派に属するでもない。中立派とも主張が違った。

立場的に神崎の位置は元から微妙だった。

その所為で、全ての勢力から疎んじられていたのだ。

代わりに神崎は一般兵や下士官、少佐階級までの士官などにはかなりの人気を誇っていた。

影響力が大きい人物であるにもかかわらずどの勢力にもついていない。

これは草壁にとって恐怖の対象であった。

しかし、暗殺などをするわけにもいかない。

当時は草壁の下、北辰衆が暗殺を多く行っていたため、表立ってこれ以上暗殺をすれば草壁に嫌疑がかかってしまうような現状であった。

そのため、草壁は北辰衆を一度地球へと派遣。

その間に計画が実行されたのであった。

神崎はおおよその事実を見抜いていたが、それでも露骨に殺される事はあるまいとたかをくくっていた部分もあったため、

現状のような事態となったのである。


「まあ、昔のことを言っても仕方ない。草壁閣下にとって当時の私は邪魔だったというだけの事だろう」

「それは……確かにそうでしょうね。ですが、草壁の語る正義の中には私たちの生きる場所は無い」

「そうなるだろうね、しかし、今私には何も出来ない。それに草壁閣下のしている事は間違いではないよ」


そう言って少しうつむいた神崎の前に、突然粒子の光が現れる。

進一は驚いて身構えようとしたが、神崎に手で制される。

神崎は光と共に空間に開いた穴から出てくる何かに目を向けていた。


「……一体何が?」


驚く進一と、事態を見極めようとする神崎の前に、それは徐々に姿を現していくのであった……













大学は単位制という物を採用している。

それぞれの学部棟に通いその教科の単位を取得し、論文を提出し、その評価の総合で年間の清算とする。

そのため、スケジュールはコマ数の調整を自分ですればいい事になり。

時間はつめたり空けたりを自在に行える。

しかし、同時に常に学部を移動しながら授業を受ける事になり、広い大学などでは移動時間も重要なポイントになる事もある。


「だからって……これはないだろう」

「まあまあ、別に体力を使うわけじゃないんですから。私は歩きですけど、アキトさんは車椅子なんですし」


確かに体力は使わないが……

例の棟の中で初の講義を受けるべく行ったのだが、スケジュール的にも今日は午後からしか講義がないらしい。

では、午前中は別の講義を受けるかと思っていたのだが……

ここ以外の棟は例の法学部別棟くらいしかすぐにいける場所がないのである。

困った事に、移動用のカートやチューブトレインがこの近辺には殆ど着かない。

カートは法学部に殆ど利用されているらしい。

差別を感じるのは気のせいか……?(汗)


そんな事を考えているうちにも、古文3の学部棟へと向かうチューブトレインのステーションへとたどり着く、

所要時間30分……

休憩時間でどうにかできるもんじゃないな(汗)

まあ、卒業までいるつもりでもないのだしと開き直ってしまえばそれまでなのだが……


「因みに古文3というのはなんなんだ?」

「日本語古文の事です。文字は多種多様ですから……」

「そういえば、ここは日系ばかりって訳じゃないんだよな。というか、コロニーの名前はフタバアオイなのに、殆ど日系がいないな……」


俺は周囲を見回しながらつぶやく、このコロニーでは白人や黒人を多く見かける、黄人の系統も多いが……

中国人の方が日本人より多い。

大学内の日系は一割を切る感じだな……


「それは当然でしょう。建造当時は日系が大半を占めていましたが、運営会社の株式を買収されて現在の管轄はピースランドとイギリスが中心になって行ってい ます」

「ピースランド?」

「ええ、イギリスの方が出資額が多いので中心的役割は譲っていますが、ここでかなりのコネを作っているようですね」


ルリが殆ど表情を変えずに言って来る、無理をして無表情を装っているふうでもない。

ピースランドの事は殆ど他人と思っていると言う事だろうか?

俺がないがしろにされるのも寂しいが、ピースランドの事をなんとも思っていないのも寂しい気がする……

親心は複雑といったところだろうか(汗)


ルリに連れられて(自分で移動していないんだからこの表現はそのままだ……)

古文3の学部棟で授業を受ける。

とはいっても、俺には半分以上意味不明だったが(汗)

授業を受けたはいいが……ノートを取れない現状を前に、俺は呆然とするしかなかった(汗)

いや、食べる事すら自分では難しいのだ、当然といえば当然だが……

結局ルリにノートを見せてもらうしかないんだろうな……


これからの事を考えてへこんでいると、隣に座っていた青い服の太めの男が声をかけてきた。


「よっ、あんたも日系かい?」

「ん? ああ……そうだが」

「俺は、カザオカ・リョウジっていうんだ宜しくな」

「テンカワ・アキトだ、よろしく」

「しかし、全身包帯だらけだが大丈夫か?」

「ん、ああ……確かに、あまり動いてはいけないんだが、今のうちにコマをとっておかないとな」

「確かに、それに古文3はチェックがうるさいから下手に落とすとやばいぜー」

「そうだな、気をつけよう」


気さくに話しかけてくる男だ、カザオカ・リョウジか……

見た目は割と地味なイメージだが、表情にメリハリがあるというか。

己の見せ方を心得ている感じのする男だ。

確かに、友達を作るのが上手そうなイメージがある。


「でだなアキト。お前大学入ったばっかりだろ?」

「ああ、最初のうちかなり休んでいたから今日が初日だ」

「じゃあ、今度合コ……」


俺と話していたリョウジは一瞬息を止めた。

なぜと聞くまでもない、俺の背後に現れた人影を見たからだろう。

俺に勉強させるためのノートを取り終わったので、車椅子を押しに……

ルリが背後に現れていた……


「どうも、はじめましてルリ・ミルヒシュトラーセです」

「どっっ……どうもっす!! はっはじめまして! カザ……カザ……」

「カザオカ・リョウジさんですね」

「はい、いや……いえ、その……」

「落ち着け」


リョウジはルリと話そうとして舞い上がってしまったらしかった。

まあ分からなくもない、ルリは文句無く美少女だ。

毎日顔を合わせている俺ですら時折ボーっとしてしまいそうになる。

初対面で女性にあまり免疫のないタイプなら、そうなって当然かもしれないな。


「スーハー、スーハー、すっすまん。ルリさんよろしく」

「はい。よろしく」

「ああああの……ルリさんは、アキトのお知り合いで?」

「はい、というか私はアキトさんの為にこの学校にきました」

「えーーー!!? もっもしかして……アキトの彼女ですか!?」


リョウジは何かとてつもなく不思議な事があったように驚いている。

流石にちょっと心外だ、俺も見た目は19なのだから年齢的にそれほどおかしくは無いはずなんだが……

実年齢を見抜かれたのだろうか?

それとは別にルリもおかしな行動を取った、ルリはどこかもじもじとした様子で、頬を赤らめながら。


「ご想像にお任せします」


そう言ったのだ……

ちょっと待てい!

それは、あからさまに勘違いを誘っているぞ!?

しかし、教室内でこんな事を話していたのは不味かった。

幸い講師は既に席をはずしていたので問題になる事こそ無かったが……

教室に残っていた殆どの人間が目撃する事となった。

噂は風の速さで広がったらしい……(汗)














なかがき


お久しぶりです、今まで時間がかかった事については言い訳にしかなりませんが……

三週間も続く風邪、会社が急に忙しくなったり、他のSSに逃げたりと色々あったんです。

特に今回大学に関する設定は最悪な事に大学に通った事の無い私には無理のあるお話しだったかと……(汗)

いつもいつも、いい訳しかないんで すか!

それに、話が伸びるばかりで全然盛 り上がりませんし。

一体何時になったら、本編に移るつもりなんです?

うぬ、善処するつもりではあるけど、それでも20話くらいかかる気が……

再来年?

まともな神経が無いんですか!?

再来年まで誰が待っているって言うんです!


まー言わんとする事は分るけど……

コレばっかりはね……(汗)

綺麗事をいいますね、実際は仕事 そっちのけで遊んでるぐーたら社員のくせして!

ぐは!?

否定できない……(汗)

でも本気で行った事もない大学につ いて書くつもりなんですね。

うっまあ…そうだけど…

突っ込みメールに死ぬほど恥ずかしい思いをするのが目に見えてる気がするんですが?

ははは……確かに……

でも、できれば早期に指摘してもらったほうが被害が少ないと思う。

だから、突っ込みメールは謹んでお受けします。

おばかな堕作家に、合いの手を(誤 字のあらず)と言うわけですね。

まー見捨てられるだけだと思いますが……

アキトさんとのラブラブ話に持ち込むためにも、できるだけ恥ずかしさを指摘してあげてください。

……(汗)


ここのWEB拍手はどうにか復帰(汗)

ご迷惑おかけします。

まだまだ、WEB拍手は止まっている物が多いですが、少しずつやって行きますのでよろしくお願いします。



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