そう、そうれが彼女と私との最大の違いかもしれないです。

彼女は実力主義者で私は平和主義者、彼女にとって私はライバルであると同時に目の上のたんこぶみたいなものだったでしょう。

そして、私は……。



「……もう、夜も遅いです。部屋に戻って休みましょう?」

「うん……」

「……片付けは俺がやっておく、先に帰っていてくれ」

「はい」

「わかりましたわ」



アキトさんは気を使ってグラスとボトルを食堂に戻してから帰るようです。

私も手伝おうかと思いましたが、今日は疲れが溜まっていますし、何もかも吐き出した今ならぐっすり寝られそうな気がします。




でも……悩みが消えたわけでもないですが……。





Summon Night 3
the Milky Way




第七章 「心に届く言葉」第五節



朝、俺は目を覚ますと顔を洗い、さっと身支度を済ませて表に出る。

そこでは、カイルがいつものようにストラの練習をしていた。

いつもは俺より早いという事はないのだが、今日は俺が少し遅かったせいもあるだろう、先にはじめていたようだ。



「精を出しているな」

「ああ、何れはアンタをこの拳で倒してやりたいしな」

「ふん、何十年先の事だ?」

「っかー厳しいねえ。だが、その程度の言葉は慣れっこさ、俺にとっちゃ励みにしかならねえぜ」

「まあ修練を欠かさない事は必要な事ではあるな」

「ならちょっと付き合ってくれるか?」



カイルは人差し指で俺を招くように誘う。

組み手か……久しくやっていないな。

他流に技を教えるのはあまり宜しくないのだろうが、俺は頷いて構えを取った。



「いっとくが、俺は今でもアンタに倒された事わすれちゃあいねえ。

 あんときゃ手も足も出なかったが今なら結構いいところまでいくんじゃねえかッて思うぜ」

「ふん、口だけは達者だな。ならかかって来い、返り討ちにしてやる」



今度は俺のほうからジェスチャーで誘う。

しかし、カイルはステップを踏むのみで近づいては来ない。

警戒しているのだろう、拳をつかんで投げ飛ばされる可能性があるからな。



「へへっ、流石に隙がねぇ、だがこのままって事はねぇぜ!」



カイルは俺の左斜めから突撃してくる。

正面から攻撃すれば両手で捌かれるが、側面なら片手しか使えないだろうと見ての瞬間的な動き。

俺はそれに対して半身をひねりながらスゥエーバックのように下がりつつ避ける。



「よくそんなんで体制を崩さないねえ、だが反撃の隙はあたえねえぜ!」



カイルは右へ左へ拳を繰り出し、俺の動きを牽制する。

かなりの速度で放たれるその拳に確かに俺は動きあぐねていた。

構えを取る事が出来る時間があれば腕を取って極める事も投げる事もさして難しくないのだが、

カイルもその辺りは十分承知しているらしく、距離も休む暇も与えてくれない。



「やるな」

「へへっ、どうも!」

「だが……」



俺はとっさに指を弾く、するとカイルの動きが止まった。

そのまま前蹴りを放ちカイルに迫るが、とっさにスウェーで流したカイルは俺の背後に回り拳を放つ。

だが、俺はその拳を背中越しにつかむと一本背負いの要領で投げ飛ばす。



「ったく無茶苦茶だな……しかし、今の指で弾いたのなんだ?」

「ああ、アレは指弾といって本来は小石なんかを弾くんだが、今の俺は気が充実しているからな」

「気弾ってわけかい」

「まあそういうことだ、威力は大した事ないが、怯ませるには十分だろ?」

「ったく、遠近両用ってわけかい。危うく目をやられる所だったよ」



砂地の上に叩きつけられたカイルはとくにダメージを受けた様子も無く構えをとる。

ストラといったか、やはり気功と同じようなものらしい。

もっとも、もといた世界では使い手も稀だったが、この世界では普通にいる。

その違いは何なのか、気にはなるが……な。



「シッ!」



今度は俺から飛び込んでいく。

カイルは既に迎撃の姿勢を整えていたが、俺は沈み込むようにスライディングを仕掛ける。



「ケッ! そんなみえみえの手にかかるかよ!」



そういいながら飛び上がって避けるカイル。

しかし、甘い!

俺はスライディングしていたつま先をつっぱりその場で動きを止めて蹴りあげる。

流石にその蹴りは間に合わなかったが、カイルの空中姿勢を崩すことに成功した。

そのまま後方回転風に頭を下にして蹴り上げながら、両手の踏ん張りで跳躍した。

俺の蹴りは1mほど跳ね上がり体勢の崩れたカイルを捕らえた。



「ガッ!?」



俺の蹴りを受けたカイルはそれでも俺の足を絡めながら着地。

よこから落ちたせいで少し肩を打ったようだが、そのまま俺の足を締め上げる。



「俺だって組討ちくらい出来るんだぜ!」

「ぬるいな、この程度の組討など」



カイルが極めたのは変則的ではあるが4の字固め。

この世界ではどうだか知らないが、それの返し方など誰だって知っている。


俺は足を痛めつけるようにカイルのほうへ詰め寄る。

奴も何かを悟ったのだろう、一気に攻め落とそうと加圧をかけてくる。

俺はその力が乗る瞬間を見極めて腰をひねった。

4の字固めを極められたまま、俺達は上下さかさまになる。

俺は素早く腰を浮かし、極められているはずの4の字を締め上げた。



「ぐあああ!?」

「4の字固めなど古風な技を使うので驚いたが、これは上下が逆になると締め付ける側が入れ替わるという欠点があってな」

「なっ!?」



俺はそういいつつ、カイルが悶絶し始めるまで締め上げた。

まあ、骨にも異常はないだろうし、肉離れを起こす事もない筈だ。



「ったく、容赦ねえな……」

「だが前よりは確かに強くなってるな。逆に俺に組討ちを仕掛けようとした所まではいい動きだった」

「しかし、まさかあんな返し技があるとは思わなかったぜ」

「この世界ではまだ格闘技の体系が世界中で共有される所まではいっていないせいだろう」

「というと、今みたいな返し技はアンタのいた世界では誰でも出来るってのか?」

「プロレスといってな、格闘技をショーとして観戦する娯楽がある。

 今の技はそれを見ているものなら大抵知っている。

 他にも格闘技と名のつくものは殆どがショーとして技を見ることが出来るな」

「へぇー、それはなんていうか羨ましい話だな。だが逆にそれじゃ身を守るのに向いてないんじゃねえか?」

「否定できないな、銃があれば大抵の武道は無力化してしまう」

「そりゃまた味気ない世界だな」

「まあ、そういうわけでもないがな」



それを言っても理解できるかは分からないが。

あの世界は違った意味で味気ない世界などではなかった。

そう……いや、俺はその世界を復讐の炎で染め上げてしまったのだが……。



「なあ、あんたはカタギってわけじゃねえんだろ?」

「ああ、元テロリストだ」

「軽く言ってくれるねぇ。まあ、恥じるところがないって事なんだろうが」

「そういうわけじゃない、ただ、自覚していないとこのごろ忘れそうになってな」

「ちげえねえ!」



カイルはガハハと笑いながらテロリストの話を流す。

半分は嘘であり半分は本当、今の話を要約すればそうなる。

テロリストの罪や怨嗟は今でもこの身に染み付いている。

だが、この世界にいる事で、そしてこの島にいる人々(?)と触れ合う事で確実に癒される部分もある。

どれ位癒されていて、どれくらい怨嗟に沈んでいるのかもう今の俺には自覚できなかった。



「だがよ、カタギじゃねえアンタなら分かるんじゃねえか?

 俺ら海賊にとってメンツってのは、特に大切なんだよ

 ナメられっぱなしじゃこの家業は続かねえ。

 だが、それ以上にな……俺らに跡目を譲ってくれた先代たちに顔向けできねえ……」

「わからんな、カタギじゃないといってもテロリストは所詮人殺しだ、メンツなんてとうにドブに捨てている」

「フンッ、そうかい。だが……俺らはそのために命を賭ける事になっても貫き通さなくちゃならねえ。

 一度口にした約束は何があっても守る。それがカイル一家の最大の掟なんだ。

 それだけは、あんたも知っておいてくれ」

「ああ……」



カイルの決意、なるほど確かにこいつらしい一本気な考え方だ。

折れ曲がらないその真っ直ぐさに俺は眩しいものを感じていた。













私は朝起きると甲板の上に出て新鮮な空気を吸うことを日課にしています。

とはいえ、昨日は少し飲みすぎたのか、今日はちょっと遅かったりしますけど。

そのせいかどうか、甲板の上には先客がいました。



「あーらセンセ、おはよう」

「はい、おはようございますスカーレル。今朝は早いんですね?」

「まーね、朝っぱらからあんな音させられちゃ寝るに寝られなくてね」

「え?」

「ほら、あっち」



そういって、スカーレルが指差した方向には動き回る人影が。

あー、あれはアキトさんとカイルですか。

好きですねえ、一週間に一回くらいはやっている気がします。

最近はカイルもアキトさんのくせや戦い方を知って対策を練ったり、自分の動きに取り込んだりしているみたいです。

最初の頃はカイルさんに技を教える事を渋っていたアキトさんですが、

カイルがじゃあその技を使わない範囲でいいと言ったので、最近はもっぱら木連式とかいう武術以外の技で相手をしているみたいです。

それでもアキトさんが負けたのは見た事無いんですが(汗



「まーったく、単純でいいわねあの子達は」

「はあ……」

「そうだ、センセにちょっとだけ言っておくことがあるの」

「なんですか?」

「ヤードやカイルは、あの剣を誰の手にも届かない所に捨てる考えだけど。

 正直、アタシはそんなことをしても意味がないと思っているのよね……」

「意味がないって?」




カイルさん達の目的そのものに意味がないという事……ですよね?

なら、なぜ言ってあげないんでしょう。

でも確かに人の目の届かない所にあったほうがいい気もしますけど。



「あの女隊長を見ればわかるでしょ?

 本当にそれを欲する者なら、出来る限りの手を尽くして、きっと手に入れると思うの。

 そして、人間が隠したものならば、同じ人間に見つけられないはずはないでしょ?」

「あ……」

「だからね、アタシはこう思うの。

 アナタがそれを持っている事が、何より安全な剣の隠し場所なんじゃないかって。

 センセが剣の持ち主である限りは、間違った使い方はされないって信じられるから」

「スカ−レル……」



確かに、そういう考え方もありますね。

それにアキトさんの事もあります、うかつな事をすればアキトさんが消えてしまうかもしれない……。



「でもね、それは全部アタシらの勝手な都合。

 アナタはアナタの都合を一番にしなさい。無理に周りの期待に応えなくてもいいの。

 じゃないと本当にもたなくなるわよ」



スカーレルにも心配をかけたみたいですね。

確かに私だって考えが全く無いわけじゃありません。

でも、どちらにしろまだ剣のことについては分からない事が多すぎるし、アズリアの事とは切り離して考えたい。

でも……そういうわけにも行かないんでしょうね……。












そうして、スカーレルと分かれ、一度部屋に戻ろうとした時、部屋の前にソノラが立っているのが見えました。

しょんぼりとした感じはソノラには似合いません。

でも、昨日色々ありましたからね……。

兎に角、私は明るく声をかけることにしました。



「あっ、ソノラ! どうしたんです? しょんぼりなんかして」

「えっ、あっ……うん」



ソノラの表情から、あまり明るく振舞っても意味がない事がわかります。

やはり、きちんと話さないと駄目ですね。



「ソノラ。お部屋に入りませんか? お話したい事があるんですよね?」

「……うん」



そういって、私の部屋に来てもらう事にしました。

私は最近青空学校とベルフラウの勉強用の教材で部屋が埋まってますのであまり見せられたものでもないんですが(汗)



「あの、ご用件って昨日の?」

「あはははっ、ゴメンね。まるっきり子供だよねいきなり泣いて、わめいたりなんかしちゃって……」



ああ、気にしていたのはその事ですか。

確かに昨日の言葉はぐさりと来るものがありましたけど、それは私自身が前から思っていたことだからですし、別にソノラのせいでもないです。

それより、わざわざ謝ってくれた事がうれしいです。



「ううん……それだけ真剣に私の事を心配してくれたんですよね? ありがとう」

「あ、うん……」

「正直に言っちゃうとね、私も不安です」

「え?」

「彼女と戦う事も、ソノラの言うとおり得体の知れない剣を持っていることも」

「先生……」

「ですけど、全部自分が招いた事ですから。

 アキトさんを呼んだのも、剣を受け入れたのも、結局私がしたいと思ってした事なんです。

 逃げるつもりなんて全然ないですよ。

 ちゃんと乗り越えて見せますから。

 約束、しますよ」

「う、うん……」



ソノラは少し落ち着いたようでしたが、どこか不安が残る感じです。

当然ですよね、別に何が解決したわけじゃないんですから。

でも、私だってこのままでいいと思っているわけじゃないんです。

特に、剣の事は直接アキトさんの命に係る問題のようですしね。












カイルの鍛錬に付き合って一息ついた頃、ハサハがぱたぱたとやってくるのが見える。

手に持っているのはタオルか……いつもの水晶玉のような宝玉は袂にでも入れているのか大きく膨らんでいる。



「おにいちゃん、はい」

「ああ、すまない」



ハサハからタオルを受け取り水場で適当に洗い流しながら汗をふき取って、

少しクールダウンしてから朝食の場へと向かう事にする。

ハサハはよく気がつく子だ。

ルリのように鋭敏な感覚を持つというわけでもなく、ラピスのように繋がっているわけでもない。

しかし、場の雰囲気を察するのが上手いとでも言うのか、人の感覚を読むのが上手い。



「しかし、すっかり馴染んだもんだ。アンタが護衛獣を呼んだって聞いた時はヒヤヒヤだったがね」

「フンッ、余計なお世話だ。とはいえ、実験的に呼び出した上に返す事も出来ないのはやはりな……」

「送還術って奴かい、まー確かにな。だがいずれ使えるようになるんじゃねーの?」

「まあ、修行中ではあるがな」

「おにいちゃん……ハサハのこといらないの?」

「いや、そういうわけじゃないが。お前も帰るところがあるんだろう?」

「(ふるふる)」


首を横に振るハサハ。

確か、人間になりたいと言っていたが、やはりワケアリなのだろうか?

それでも、俺にはハサハを人間にする術は無い。

どうしたものだろう?



「あさごはん、食べよ?」

「そうだな」



考えても仕方ないことだと、カイルやハサハと共に朝食をしに向かうことにした。














皆で朝食をとった後、今度はヤードさんに呼び出されました。

昨日の事があるとはいえ、私、大人気ですね(汗)

ヤードさんの部屋をノックし、相変わらず落ち着いた感じのするヤードさんを見たときは少しほっとしましたが、

やはりちょっと緊張します。



「ご用件はやっぱり……」

「はい、昨日の事です」

「ですよね」

「とはいっても、昨日の様に言いつのるつもりはありません」

「え?」

「というか、言い過ぎました。すみません」

「いえ、その……そんなに気にして無いですし」

「それでは私の気がすみません……いえ、それも私の我がままですね」



ヤードさんは自嘲気味に話します。

何か昨日の事で思うところがあるのでしょう。

昨日の事で私の問題が露呈したのですけど、それぞれ皆も少し何かやりすぎたという思いがあるみたいです。



「ソノラさんの言葉は正直堪えましたよ……。

 私達は、剣の処遇にばかり気を取られて成り行きでそれを持つ事になった貴方の心情を考えていませんでした」



ああ、やっぱりそうなんですね。

私の事を心配してくれるのは嬉しいですけど……。

そんなに恐縮されちゃうと私が困ってしまいます。



「気にしないで下さい、私、そんな大げさに悩んだりしていません。

 それに、この剣がなかったら、とっくに私はどうにかなっていたんですし。

 後悔はしていません、それは、本当ですから……」



それにアキトさんの事もありますし……。

なんて私の思考が横道にそれたとも知らずにヤードさんは語りはじめます。



「アティさん……ならば、私も覚悟を決めて話をしましょう。
       シャルトス
 その剣<碧の賢帝>について私が知っている限りの全てのことを……。

 そもそも、最初からその剣は無色の派閥の手によって作られた品物なのです」

「!?」

「派閥の始祖とされるゼノビスが、ある目的のために作成し……。

 以来、危険な品として絶対封印されてきたと伝わっています。

 その禁を破ったのは私の師にあたる人物。

 彼の指示により、私は剣に秘められた力を引き出す研究を続けていたんです」

「それは?」

「今は失われてしまった、古き召喚術の知識とそれを行使するために必要な強い魔力。

 貴方が抜剣した時に見せるあの強さです」

「……」



ちょっと待ってください。

無色の派閥が目指していた目的、そして古き召喚術を必要とする……。

アキトさんが呼び出された世界はゲンジさんによれば無色の世界のはず。

これは偶然の一致?

それとも、まさか……何かつながりが?



「派閥の文献からはそれだけのことしか読み取れませんでした。

 剣が作られた目的も、絶対封印された経緯もまったくわかりません。

 ただ……」

「ただ?」

「師は言っていました。その剣の力を引き出す事が出来たのなら始祖が夢見た完璧な世界への扉が開かれるだろう……と」

「完璧な世界……」

「私が知っている事はこれで、全てです」



完璧な世界……まさか、ですよね……?





















「留守、か……」


私は朝食後直にラトリクスに向かいアルディラさんを尋ねました。

でも、どうにも部屋の中にはいないようです。

あまり出かけるところを見かけないので、ここにいるものと思っていたので連絡を入れることを失念していました。

今の状況は色々面倒になりつつありますし、私自身少し不安定な気もします。

こんな時、アルディラさんなら的確な意見を聞かせてくれると思ったんだけど。



「あ?」

「……」



良く見れば、ベランダの隅でアルディラさんが立っています。

でも、さっきは返事もしなかったし、今も私に気がついてる風じゃないみたい。

どうしたのかな?

なんか、ふらふらしてるし、様子がおかしいみたいだけど……。



「はい……心得ております……。フェイズは第二段階に到達しています。

 外的要因による刺激を有効に利用すれば……。

 最終段階に到達することも、そう遠いことではないかと……。

 はい、わかっております。

 全ては……プログラムのままに滞りなく……」

「アルディラ?」

「!?」

「どうしたの? 一人でぶつぶつ言ったりして」

「あぁぁ……あ、れ? 私、どうしてたの?」



アルディラは一瞬凄い顔で私を睨んだ様にも思えたんですが、

次の瞬間まるで痴呆にでもかかったように表情を緩め、その後戸惑ったような表情に変わりました。

感じからすると、夢遊病のようなもの?



「どうしてたって、憶えてないの?」

「ええ……時々、こんな感じで記憶が飛ぶことはあるけど……」

「ダメですよ!? そういうのを放っておいたりしたら!

 ほら、クノンに頼んで診てもらいましょう?」

「いつもの事だから平気……」



なんだか気弱でらしくないアルディラさんの感じに私は思わず声を上げました。



「アルディラさん!」

「は、はいっ!?」

「いくら融機人でも、半分は私たち人間と同じなんですから。無茶したら困ります。心配させないで」

「アティ……はい……」



最近はなんだかどこもかしこも少しづつおかしな状況になってきているような気がします。

私は相談したかった事をとりあえず保留にしておく事にしました。

夢遊病のようにも見えたアルディラさんのことも、何かある可能性が頭をよぎります。


気のせいだと思いたいのですが、ここのところどうにも引っかかる物が多い気がします。


何事もなければいいと思いながら、私は帰途につく事にしました。






あとがき


本日はサブイベントメインです。

本格的な動きは次回と次々回というか、次々回一回で収まってしまった風味です(爆)

まー今回もゆったり進めておりますのでなかなか展開しませんがお許しを。

WEB拍手のコメントはいつもありがたく拝見させていただいております。

ですが、あまり返信に力を入れても妙な具合になるようですし、ごめんなさい。

感想掲示板にくださればお返事は必ず致しますのでお許しくださいね。


あとがき2


竜輝さんがスカーレルの挿絵を入れてくださいました♪

ありがたい限りです!

今回のは少し悩めるスカーレルという感じかな?

艶やかな感じが出ていていい絵です。

竜輝さんには感謝してもしきれないです!

今後、挿絵にふさわしいSSを書けるといいなーと思っております。




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