暗黒のベルト

クレストの世界での旅を終えたディロード一行。
次なる世界は…?

「人間とオルフェノクの共存か」

この世界に存在している人々は顔に模様を表している者達や灰色の異形、オルフェノクと平然と接している。

「どうやら、そうっぽいね」
「私達の役目は何かしら?」





世界の救済者、ディロード。九つの世界を巡り、その心は何を映す。





「で、今度の格好何かな?」
「…何と言うか、特徴薄いからな」
「そう言われても…」

現在、流姫の服装は動きやすそうな私服ととれそうなものだった。なんかさっきまでちょっとした戦いをやっていたかのように少々汚れていたり、ボロついていたりするが。

「……あれ?なんか入ってた」

ポケットから取り出したのは……。

「なになに、”大ドーム闘技場”における”出場資格証”と書かれあるね」

信彦が読み上げる。

「あ、パンフもあった」
「勝手にポケットの中漁らないで!」

怒鳴る流姫を無視して廻はパンフを読んだ。

「成程、この世界ではオルフェノク同士やそれに対抗できる装備を持つものが戦い合う。
いわば、コロシアムってやつが流行っているらしい。」
「それが流姫の服から出てきたと言うことは…」

二人は流姫をちょっとの間だけ見た。

「ま、大丈夫だろ♪」
「そうだね!」

爽やかスマイルで言いきった。

「ちょっと待った!それなに、要するに……。私が選手!?」
「「うん、そういうこと」」

見事にハモッた喋り。

「……一人で?」
「そう、一人で」
「頼むよ」

一緒に戦ってほしいというように可愛く眼をうるうるさせて言うが、現実に出場資格証は一枚きり。

「大丈夫だ、お前なら」
「…廻」
「俺は、お前だからこそ信じられるんだ。だから、大丈夫」
「……うん///」

顔を赤めて、嬉しそうに答える。

「あれってさ……」
「言うな。言ったら間違いなく殺れる」

芝居だったか?

「でもさ、さっきの言葉あながち嘘じゃないよね?」
「…うるさい///」

廻の耳や首筋はその時薄らと赤くなっていた。



***

大ドーム闘技場。

「出場選手の方ですね。こちらの控室にどうぞ」

受付の人に聞いて流姫は控え室に向かった。
廻と信彦は観客として、その席についている頃だろう。

そして、

「さあ!今回も始まった”大コロシアム”!!今回は屈強なる選手たちが観客の皆様方を大いに楽しませてくれるでしょう!!」

実況と思われる男がハイテンションでコロシアムの開始を宣言する。

「最初の戦いはこの二人!幾多ものオルフェノク達から尊敬集めるがチンピラ共の大将!クロコダイルオルフェノク!」

紹介と同時に、既にスタンバっていたクロコダイルはフィールド上でスポットライトを浴びた。

「そして、その対戦者は今大会が初めての出場!どんな力を見せてくれる?」

そうして、対戦相手…流姫にスポットライトが当たると、一気にさきほどから暗かった会場が明るくなる。

「フン!女が相手とは、こりゃ初戦は体力を温存できそうだな」

余裕をぶっこくクロコダイル。

「どうかしら?その減らず口、叩けなくしてあげる…」

≪KAMEN RIDE…≫

「変身ッ!」

≪DI‐GUIDE≫

銃口から放たれた紋章。
アーマーが形成されると、空中にあった紋章はライドプレートとなってディガイドの額に一枚突き刺さるのをきっかけに他のプレートも扇状に四対ずつ、ディガイドの顔面に突き刺さる。

「ほう、少し見くびっていたようだ」
「わかって貰えて嬉しいわ」

≪FINAL ATTACKRIDE…≫

「流姫のやつ、長々やる気無いな」

廻は客席でそう言った。

≪DI・DI・DI・DI‐GUIDE≫

ディガイドライバーの前方にディメンションクラッシュのそれとよく似た形でライダーカードのターゲットサイトが出来上がっていく。

「……フン」

―ズバアァァァアァァァ!!―

「って、おいぃぃぃ!俺完全にかませ…ドアァァァァァ!!」

ディメンションバーストの砲撃で吹き飛ばされたクロコダイルはそのまま気を失った。

「おーっと!これは凄いぞ!ディガイドォ!前置き無しのセコい攻撃とはいえ一撃で相手を沈めたァ!」
「腹の立つ実況ね」

その時、ディガイドは銃口を実況役に向きかけたとか。



***

その頃、別の対戦を見ていた信彦は…。

「流石はこの世界のライダーか」

客席から戦いを眺めていた信彦はそう呟いた。

「おおっと!今大会優勝候補筆頭、”サタン”が、憐れな敵へと最後の一撃を決める!」

≪READY≫

サタンと呼ばれたライダーはベルトのハードポイントにセットしてある電磁警棒型ツール”サタンセイバー”にミッションメモリーを挿入。禍々しき色をしたエネルギーブレードが現れる。

≪EXCEED CHARGE≫

ENTERが押されると、ベルトを起点にエネルギーがフォトンストリームを経由して伝達される。

「……ハッ!!」

エネルギーが充填すると、サタンは敵に向けて刃を振い。サタンセイバーからは伝達されたエネルギーの塊がカマイタチのように対戦相手を吹っ飛ばして勝利をおさめた。
優勝候補筆頭の力を目前に観客たちは大いに盛り上がっている。

「これは流姫も本腰入れないと…」



***

同時刻。

「そうか、サタンは初戦突破か。ま、奴なら当然だがな。」

電話でサタンの勝利を聞いていた謎の人物は薄らと笑みを浮かべていた。

「サタン、お前にはもっと名誉を…地位も獲得して貰う。この私のために。…フフフ、ハッハハハハハハハハ!!」

うざったいほどに大きい笑いは、彼の居た部屋に隈なく響き渡った。



次回、仮面ライダーディロード

「良しッ!決勝進出♪」
「甘く見ない方がいいね」
「俺が…負ければ…」
「イラつく野郎どもだ…!」
「期待をして、損をした」

”闘技場”

全てを救い、全てを砕け!

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