真友…!

≪ATTACK RIDE…BLAST≫
≪ATTACK RIDE…EXTRA BLAST≫

――ズギュン、ズギュン!!バギュン、バギュン!!――

デスディケイドブラストとディロードエクストラブラストがぶつかり合った。
しかし、単純に高速連発のデスディケイドブラストと比べて、ディロードエクストラブラストはホーミング性能をも兼ね備えていた。…つまり。

「うおっ!?」

攻撃を喰らったのはデスディケイドの方だった。

≪ATTACK RIDE…SLASH≫

だが、攻撃を喰らってもなおデスディケイドスラッシュをお見舞いしようとするが…、

≪ATTACK RIDE…INVISIBLE≫

即座にディロードインビジブルが発動され、ディロードは巧に攻撃を避けた。

「…ハァ、実にもったいない。お前ほどの実力なら直様に提督の地位に昇り詰められると言うのに…」
「興味は無い。第一組織の上に立ったところで、いずれは寝首を掻かれるだけだ。…以前、そうなった奴を見たことがあるんでね。地位や名声など、俺からすればまやかしだ」

≪FINAL KAMENRIDE…A・A・A・AGITO≫

「共にバカをやってくれる連中が、いつも傍にいてくれる居場所がある方が、俺は遥かに幸せだな」

シャイニングフォームを召喚したディロードはそう言い切った。

「そうか。…残念だな!!」

≪KAMEN RIDE…ANOTHER AGITO≫

デスディケイドはDアナザーアギトにカメンライドした。
そして、シャイニングアギトと格闘を始める。

スペック上は互角だったが、デス・ナイト自身のバトルセンスによって。

「この程度か?オラァ!!」

勝負はDアナザーアギトの方が優勢だった。

≪FINAL ATTACKRIDE…A・A・A・ANOTHER AGITO≫

フラフラになったシャイニングアギトに止めを刺さんとアサルトキックを打ち込もとする。

≪FINAL FORMRIDE…A・A・A・AGITO≫

「堪えろよ」

だが、その直前にディロードがシャイニングアギトをFFRによって、
”シャイニングトルネイダー”に超絶変形させる。

「なッ!?」

予想外の事態の驚かされたDアナザーアギト。
ディロードは構わずシャイニングトルネイダーに乗っかると、低空飛行で一気にデスディケイドに近付いてディロードエクストラスラッシュをかましたり、遠く離れて銃撃を行ったりした。

しかし、それだけの攻撃を喰らってもな倒れる気配を見せないデスディケイド。

≪FINAL ATTACKRIDE…DE・DE・DE・DECADE≫
≪FINAL ATTACKRIDE…A・A・A・AGITO≫

デスディケイドの前方には十枚の巨大なFARカードが出現。
ディロードは其の手にシャイニングカリバー・ツインモードが出現、最高速度で飛行するシャイニングトルネイダーから勢いに乗ったままジャンプ、双剣を敵に向けて振った。。

「ハアァァァァァァァァァ!!」
「ディロードブレイクゥーーー!!」

デスディメンションキックと”ディロードブレイク”が激突すると、周囲を巻き込んだ大爆発が起こった。

濃い煙が晴れた時、デスディケイドとディロードは立っていた。

「化物だな、お前」
「人様の事言えるのかよ?」

しかも、互いにダメージは思ったより与えられていないらしい。

「…仕方ない。お前を倒すのも誘うのも別の機会に持ち越しだ」

デスディケイドは次元の壁を発生させ、去り際にこう言った。

「言っとくけど。俺はお前を諦めないから。仲間になるか、それとも俺が倒すまで死ぬなよ」

それだけ言ってデスディケイドは居なくなった。

「悪いが、俺は寿命以外で死ぬ気はない」

ディロードは平然としていた。
そんな壮絶な戦いを見ていた者はこうつぶやいた。

「クソッ、消滅者まで現れるとは………しかし今回ばかりは、ディロードに感謝すべきか…」

鳴滝はそう言ってその場から歩み去った。





世界の救済者、ディロード。幾つもの世界を巡り、その心は何を映す?





「デス・ナイト…」

自分と互角の勝負を繰り広げた者の名を静かに口にするディロード。

≪ATTACK RIDE…INVISIBLE≫

聞き覚えのある電子ボイス。
どうやら、ディエンドとディルードが威吹鬼・斬鬼・轟鬼・歌舞鬼やその他大勢の怪人を召喚して十面鬼&アポロガイストと時間稼ぎさせて逃げたようだ。

一方、クウガ・SHADOW・ディガイドはギギの腕輪を失ったアマゾンを守り、怪人を倒したようである。
ディケイドは戦いのダメージもあってか変身を解除して、人気のないところにまでふら付きながらも歩いて行った。

ディロードは状況を確認すると、変身を解除して士のもとに向かった。

「士君!」
「士…!」

夏海と廻は座り込んでしまった士に肩を貸して、安全な場所に向かった。
そんな三人のあとを大樹と了がこっそりつけようとすると…。

「海東君、坂木君」

鳴滝が現れた。

「君達の狙いは、ガガの腕輪ではなかったのかい?」
「ま…どっちかと言えば、あの二人の邪魔をすることかな?」
「俺は適当に暴れられれば、それでいい」

鳴滝の問いに二人は何気なく答える。

「それでは物足りない。もしもディケイドとディロードを倒してくれるのなら、このカードをプレゼントしよう」

鳴滝は懐からあるカードを取り出した。

「ディエンドの、パワーアップカードだね?」
「その通り。坂木君にも追々別のカードを渡してあげるが…」
「使ってあげるよ」

大樹は最後まで話を聞くこと無くカードを手に取る。

「…なんとしても、ディケイドとディロードを倒すのだ」
「…そのまえに、あんたを倒しちまってもいいんだぜ」

了はディルードライバーの刃を鳴滝に向けた。

「まあ、冗談だけどな。追々なんて言わずに今すぐ欲しいな、新しいカード」
「…良かろう」

懐に手を入れた鳴滝は了が今まで見たことのないARカードを幾枚か取り出す。

「毎度あり♪」

了はご機嫌な様子でカードを受け取り、大樹と一緒に微笑みながらその場を去った。



***

大ショッカースクールの保健室。

「良いんですかね?大ショッカースクールの保健室に紛れ込むなんて…」

夏海は消毒液に浸した脱脂綿で、士の傷口を治療していた。

「灯台もと暗しと言う奴だ…イテッ!!」

消毒液が沁みたのか、士は思わず立ち上がってしまう。

「まあまあ、我慢しろ士。俺なんて消毒云々以前に、出血多量で死にかけたことあったからな。フッハハハハ♪」

場を和ませているつもりなんだろうが、廻の発言で場の空気が一瞬凍った。
其の時、廊下から足音が聞こえた。

三人は警戒心を研ぎ澄ましてドアに視線をぶつける。

「しっかりするんだアマゾン!」
「ユウスケ!」
「信彦!」
「流姫!」

三人は入って来た四人に驚いた。

「夏海ちゃん!士に砕谷さんも…!」
「…考えることはみんな一緒ね」

流姫は自嘲気味な笑いを浮かべながらそう言った。
そして…。

「そうか…。マサヒコがギギの腕輪を」
「アマゾンがマサヒコ君を信じれば、マサヒコ君もアマゾンを信じてくれると思ってました。でも、そうじゃなかった。アマゾン…とても悲しい…」

アマゾンの悲痛な表情を見て、皆は黙り込んでしまう。
そんな時、士と廻は机の上に置いてある写真立てを見つけた。

「あの写真…」
「あのユニフォームは…」

二人は写真立てを手にとった。

「やはり、士が来ていたのと同じ」
「誰かいるの?」

いきなり聞こえてきた女性の声。

「あ、貴方達は!?」
「喚くな。ただの患者だ」
「出て行って下さい。人を呼びます!」

マサヒコの姉、リツコはホイッスルを吹き鳴らそうとするが、直前に士は写真立てをリツコに見せた。

「最近この写真を見たか?…マサヒコは今よりもずっと活き活きとしているな。何故だか、考えた事あるか?」

士の言葉に彼女は困惑する。

「実は、マサヒコ君がアマゾンのギギの腕輪を奪ったんです」
「あれがないとアマゾンは変身できません」
「アマゾンは悪い奴です。当然です」

ユウスケと信彦の言葉には冷血であった。

「違います。悪いのは大ショッカーです。アマゾン達を信じて下さい」

怪我をしたこともあって包帯を身体に巻いたアマゾンは必死にリツコを説得する。

「いいえ。ライダーは皆敵よ」

――ピィーーー!!ピィーーー!!――

リツコがホイッスルを吹くと、戦闘員達がこぞって保健室目掛けてやって来た。

廻達はアマゾンを連れてそこから素早く逃げた。
リツコに写真立てを返して。



***

ある草野球場。そこにマサヒコはいた。
その表情は何だか暗く沈んだものがあり、その手には野球のボールがあった。

彼の脳裏には大ショッカーが現れる以前、父親と楽しく遊んだ日々が思い出されていた。
マサヒコは今にも泣きそうな表情になり、ボールを遠くに投げた。

地面に落ちたボール、それを拾ったのは…。


「…アポロガイスト様…」



***

『マサヒコ君。何故すぐにギギの腕輪を届けてくれなかったのですか?』
「…不安だったんです。十面鬼様が、もう一度僕を大ショッカーの一員として受け入れてくれるかどうか」

十面鬼の質問にマサヒコはそう答えた。

『当然、受け入れますよ』
「大ショッカーは、君の心と共にある」

十面鬼とアポロガイストはマサヒコの疑問にそう答える。
マサヒコはギギの腕輪の入った袋を差し出した。

『では、拝見させていただきましょう』

アポロガイストは差し出された袋からギギの腕輪を出した。

「確かに、本物のようだ」
『これで遂に、全人類怪人化計画を実行できるな』
「え?全人類を怪人化!?」
「褒美としてお前を怪人にしてやる。それが大ショッカーの一員という証だ」

計画を聞いて驚くマサヒコにアポロガイストは褒美かどうか…というかもう実験台くさいことを言い出す。

『イィー!』
『イィー!』

周りにいた戦闘員達はマサヒコを抱え上げた。

「嫌です!僕は怪人になりたくありません!!」
『連れて行け…!』

マサヒコの主張も悲しく、十面鬼は無情な一言を言い渡した。



***

光写真館。
アマゾンが一時的とはいえアジトにしていたこともあって、なかは滅茶苦茶な状態にされていた。
廻達の小屋は大丈夫だったが、

「向こうは酷い状況だったな」
「うん…」

なお、今回も前回同様信彦は写真館の方に居ます。

「ま、少しばかりしたら…この世界の統括者である十面鬼を潰してこの世界とおさらばするだけだ。それまでは身体を休めよう」
「そうだね。戦う時に戦えなかったら、洒落にならないもんね」

二人(かいとるき)は寝床に転がって一緒に心地よい安眠に入ろうとしたが、

「二人とも大変だ!マサヒコ君が!!」

信彦が血相をかいて現れた。



***

「やめろ!誰か助けて!誰か!!」

手術台に拘束されたマサヒコは必死になって助けを求める。

「これより大ショッカーの改造手術を始める」

二人の白い覆面と白衣を着たショッカー科学者のうち一人がそう言った。
恐らく執刀医的立ち位置なのだろう。

「何怪人にする?」
「ん〜、ナマコ怪人でどうだ?」

助手と思われる男に尋ねられると、えらく地味でカッコ悪そうな怪人に決定している。

「そんなの嫌だぁー!」

当然マサヒコは精一杯反発する。
其の時、手術室のドアが開き、

「ナマコは俺も反対だな」

四人の戦闘員が入ってきた。

「なんだお前ら!?」
「手術中だぞ!」

邪魔されたことに怒り心頭のご様子だが、

――ドガ!バギ!グボ!ガジャ!――

なんか聞こえちゃいけない音が部屋に響いた。

「…全く人がこれから二人っきりの楽園に旅立とうと言うタイミングで…!」

白衣の二人を一人でノックダウンさせた戦闘員は覆面を脱ぎながらマサヒコの拘束を解いた。

「貴方達は?」
「お前の嫌いなライダーだ」
「マサヒコ君。ギギの腕輪は?」
「早く取り返さないと!」

黒戦闘員の正体は士・ユウスケ・信彦・廻だった。

「それが大変なんです!」

そして四人はマサヒコからことに真相を聞かされた。

「全人類怪人化計画か…、アポロガイストめ」
「どうする?」
「…俺達がその計画を阻止する。ユウスケと信彦はマサヒコを頼む」



***

ユウスケと信彦はマサヒコを外に連れ出した。
そして、街中を歩くリツコを見つけた。

「リツコ姉ちゃん!!」
「マサヒコ!!」

マサヒコはリツコに駆け寄った。

「僕、怪人にされるところだったんだよ」
「え…?」

ユウスケと信彦が小走りで近寄ると、

「お兄ちゃん達、アマゾンは?」
「…アマゾンは、俺達と一緒に別の世界に旅立つことにしたんだ」
「そんな!なんでなの?」
「アマゾンは、もう誰も信じられないと言っていた」

ユウスケと信彦の説明にマサヒコの表情は曇る。

「僕が酷いことしたからだ…」
「ライダーがいなくなれば、この世界に平和が訪れるわ。良かったじゃない」
「違うよ!僕達が大ショッカーに騙されてたんだよ!」
「どういうこと?」

リツコの質問にマサヒコは答えずに走り去ってしまった。



***

光写真館。

夏海とアマゾンがコーヒーを飲んでいると、信彦達が急いで駆けつけてきた。

「アマゾン…!」
「弟を、助けてやってください…!」
「マサヒコ君が、どうかしたんですか?」
「一人でギギの腕輪を取り返しに!」
「ギギの腕輪を?」
「なんでそんな危険なことを?」

「弟は言っていました。本当に自分を信じてくれたのは、アマゾンだけだった。だから、その信用を取り戻すって…」

リツコは複雑な心境を入り混ざる声でそう言った。

「マサヒコ君が?」
「私たち姉弟(きょうだい)は、父を失ってから、心にぽっかりと穴が空いてしまって…。そこに、大ショッカーが現れたんです。私達は、大ショッカーを信じることで、その心の穴を埋めようとしたんです」
「アマゾンと同じ…。マサヒコ君たちも、安住の地を探していた…」

アマゾンはマサヒコの心の何かを知った。

「お願いします。弟を助けて下さい!」

そのとき、アマゾンは力強く立ち上がった。



***

右腕にガガの腕輪、左腕にギギの腕輪をはめた十面鬼。

「イィー!」
「では見せてもらおうか」

大ショッカーの一員と思われる男とアポロガイスト。
十面鬼は両腕の腕輪から超古代文明の力をエネルギー波として放出し、それを浴びた男は魔化魍のヨブコに変貌する。

『このギギとガガの腕輪が揃えば、超古代文明のパワーを無限に引き出し、全人類を怪人化できる』
『フフフ、全人類にとっては、正に大迷惑な存在なのだ』
「迷惑だと思ってるなら止めるんだな」
「正直ウザいしな」
『其の声は!!』

≪FINAL ATTACKRIDE…DE・DE・DE・DECADE≫

『ディケイド返しだ!!』

ディメンションキックを発動させるディケイドに対して十面鬼はディケイド同様に飛び蹴りを行って技を相殺させる。だが…。

≪FINAL ATTACKRIDE…DE・DE・DE・DEROAD≫

『グァァァァァァ!!』

背後からディロードがディメンションクラッシュを決めた。

結果、ディケイドは相殺された技のダメージもあって変身が解けてしまった。しかし二人が十面鬼に与えたダメージは相当なもの。そこへマサヒコが現れ、十面鬼の左腕からギギの腕輪を奪い返した。

「マサヒコ君!」

アマゾンも駆けつけてきた。

「アマゾン、これまで酷いことしてゴメンね。アマゾン、僕の世界を救って」

マサヒコはギギの腕輪を差し出しながらアマゾンにそう頼んだ。

「マサヒコ、アマゾン、トモダチ」

アマゾンは両手でトモダチの印を作った。

「この世界はアマゾンが救う」

マサヒコはアマゾンにギギの腕輪を渡し、トモダチの印を作った。

『バカめ。また裏切られるのがオチだ』
『我々の創った大ショッカーの世界に、安住していればいいものを』

「お前等の創った世界は最悪だ。人が人を疑い、誰も信じることができなくなった世界。…だがこの男は違う!」

アマゾンはマサヒコを見ると、マサヒコはもう一度トモダチの印を作っていた。

「この最悪な世界でも、信じることを忘れなかった。だから本当に信じあえる友達と出会えた」
「誰も信じられないと言うことは孤独になるのに等しい。独りでは恐ろしいことにも、困難なことにも立ち向かえない。だが、友達が居てくれれば、お互いを支え合って全てを越えて行ける!」

士とディロードはそう断言する。

『貴様ら、何者だ?』
「最強最悪の仮面ライダーと」
「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ」

「アァァァマァァァゾォォォォォン!!」
「変身!」

≪KAMEN RIDE…DECADE≫

三人は十面鬼とアポロガイストに立ち向かっていく。

ディケイドはライドブッカー・ソードモードを一時アマゾンに貸してケータッチを取り出す。

≪KUUGA・AGITO・RYUKI・FAIZ・BLADE・HIBIKI・KABUTO・DEN-O・KIVA≫
≪FINAL KAMENRIDE…DECADE≫

コンプリートフォームになったディケイドはライドブッカ−を返してもらい、再び戦いを開始する。

「大切断!!」

アマゾンがアポロガイストに腕に生えたヒレカッターを用いた”大切断”をお見舞いした。

『覚えていろ〜!』

捨て台詞を吐いたアポロガイストは次元の壁に逃げて行った。

さらにそこへ十面鬼に銃撃と斬撃が…。

「了…」
「海東…」

「ガガの腕輪は僕達が貰う」

≪KAMEN RIDE…≫

「「変身ッ!」」

≪DI‐END≫
≪DI‐RUDO≫

ライダーに変身した二人は十面鬼との戦闘に突入する。

「新たなカードの威力を見たまえ!」

≪ATTACK RIDE…ILLUSION≫

銃口から四つの光弾が打ち出し、それがディエンドの分身となるディエンドイリュージョンを発動させる。

「俺もNEWカードの出番だぜ」

≪ATTACK RIDE…ELEMENTAL≫

すると、ディルードライバーの刃に炎・風・雷・冷気が纏わりつき始めた。

「あらよッ!」

ディルードがそれを振ると、四大元素のエネルギーは十面鬼に向かった放たれ見事に命中した。

「見たか?ディルードエレメンタルの威力!」
『ク、クソ…!』

悔しがる十面鬼、だがそんなことをしている場合ではない。

――カチャッ…!――

『ハッ、しまった!』

そう分身したディエンドがガガの腕輪を盗み取ったのだ。
ディエンドは元に一体に戻ると、「やった♪」と喜ぶ。

其の時、ディケイドのライドブッカ−から一枚のブランクカードが現れ、失われていた絵柄の色が取り戻されていく。

「これは…?」

≪ATTACK RIDE…GAGA NO UDEWA≫

カードが装填されると、ディエンドの持っていた、ガガの腕輪はディケイドに装着される。

「そんな…!?」
「あちゃ〜」

「行くぞアマゾン、廻」
「応…!」

並び立つ三人。
十面鬼という強敵を相手にしても、三人は見事なコンビネーションで圧倒する。

≪FAIZ・KAMEN RIDE・BLASTER≫

「行こう、ディケイド、ディロード」

アマゾンが声掛けたのち、ディケイドの隣にはブラスターフォームが召喚される。
さらにディロードも、

≪FINAL KAMEN FORMRIDE…DEN-O SUPER CLIMAX≫

電王・超クライマックスフォーム…通称、超・電王となった。

「僕達の存在を忘れるなって言っただろ?」

≪KAMEN RIDE…DARK KIVA≫
≪FINAL FORMRIDE…DA・DA・DA・DARK KIVA≫

「失礼するよ」

ディルードは召喚したダークキバを切り裂き、”ダークキバアロー”に超絶変形させる。

≪FINAL ATTACKRIDE…FA・FA・FA・FAIZ≫
≪FINAL ATTACKRIDE…DI・DI・DI・DI‐END≫
≪FINAL ATTACKRIDE…DA・DA・DA・DARK KIVA≫
≪FINAL ATTACKRIDE…DE・DE・DE・DEN-O≫

ディケイド&ブラスターのフォトンバスター、ディエンドのディメンションシュート、ディルードの”ディルードデスペナルティ−”、D超・電王の超ボイスターズキックが炸裂する。

≪FINAL ATTACKRIDE…A・A・A・AMAZON≫

そして電子ボイスと共に、ガガの腕輪がアマゾンに右腕に装着された。

「お前が決めろ」
「OK,ディケイド。…ハッ!!」

アマゾンは空中前転すると、

「スーパー大切断!!」

自身の最強技名を叫んだ。

「ハアァァァァァ!!」
『グオオオォォォォォォォォ!!』

――ドガァーーーーーン!!!!――

トドメの一撃が決まると、十面鬼は派手な爆発を起こして消えて行った。



***

夕暮れの黄昏時。
ユニフォームを着たマサヒコとアマゾンはキャッチボールをしていた。
それを眺めていたリツコを含め、三人の顔にはただただ笑顔があった。

「アマゾンさん、やっち安住の地を見つけたんですね」
「三人とも満足そうで幸せな笑顔してる♪」

夏海と流姫がそう言ってると、士はトイカメラでアマゾンとマサヒコのことを撮っていた。

「この世界での戦いはまだ続くだろうが…あいつがいれば大丈夫だろう」

写真を撮り終えた士はマシンディケイダーに跨る。

「マサヒコ君やリツコさんがいる限り、アマゾンは戦い続ける。俺だって、士や夏海ちゃんがいる限り」
「仲間が、居てくれる限りね」

トライチェイサー2000とライトグラスに跨ったユウスケと信彦はそう言った。

「士君は?」
「廻は何のために戦うの?」
「「………取りあえず行くぞ」」

廻がマシンディローダーに跨ると、士は夏海にヘルメットを渡してマシンディケイダーに乗せ、流姫も廻の返答に微笑みながらマシンディガイザーに乗り、一同は夕日の中を駆けて行った。



***

とある世界で、地面から突如競り上がって来た謎の建造物。
その中心には大ショッカーのシンボルマークが刻まれている。

「安心しろディケイド、ディロード。次の世界で君達の旅は終わる。いや、君達自身も終わる。
今度こそ最期だ…ディケイド、ディロード」

鳴滝は大ショッカーの建造物を見上げながらそう言った。



***

打って変ってここは廻達の家である小屋。

「行くぞ」

廻が背景ロールを操作する。

――パララララララララララ…ピカーン!――

「…これって?」
「まさか…!?」

背景ロールの絵は並び立つディロードとディケイドに仮面ライダー達が一斉に攻め入るというものだった。それを見て、信彦は首を傾げたが、流姫の表情は戦々恐々としていた。

「覚悟を決める時が、来たようだな…!」

絵を見た廻はそう言った。
…終焉と破壊の時は、刻々と迫っていた。


次回、仮面ライダーディロード

「一つの世界でキバとブレイドは共存できない」
「頼む、世界を救ってくれ」
「剣崎、一真?」
「本当の敵は大ショッカーではない」

”ライダー大戦・集結と消滅”

全てを救い、全てを砕け!

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