えー、諸事情により、原作を二話分飛ばしてしまいました。
申し訳ありません。

Gの可能性/撮【えいが】


バグ・ドーパントを倒し、黒井と八雲が幻想郷に帰ってから十日と経たずに新たな事件は起きた。
まるで私達に安息の時間などないとでも言うかのように。

それにしても私の体内でゼロたちが奮闘している間に、フィリップの出自が明らかになったのを聞いた時には敵の内部…園崎家(ミュージアム)の誰かが既に私とゼロの正体を知っているのだということを嫌という程に味合わされた。

これからはより一層、気を引き締めなければなるまい。

「なに一人でゴチャゴチャいっとるか」

――バシッ!――

「イタッ!」

モノローグをやっていたリインフォースに、ゼロが彼女の頭を叩く。

「とっとと行くぞ。左から協力要請がきているからな。場所はシネコンだ」
「はいはい」

こうして何時ものように二人は家を出た。





*****

俺たちは依頼人・虹村あいの勤めるシネコンに行った。
その中で、あいさんそっくりな女の子が出てくる映画がかかる。
一度始まったら、終わるまで出られないらしいのだが…。

「許可できません」

シネコンのマネージャーはきっぱりと調査を拒否する。

「いいじゃないですか、調査ぐらい」
「他のお客様へのご迷惑ですから。お引取りください」
「ほー、いいのかな?」

するとゼロが一枚の紙切れと写真を見せた。
すると。マネージャーの顔はあっと言う間に青ざめる。

「許可します!」

一体なにを突きつけられたのやら?
ゼロは腹黒い笑いをしながらマネージャーについていく。

「だぁーうわっっ!?」

するとこちらでは、一人の青年・川相透が数多くのダンボール箱を落してしまった。

「あーもう先輩。パンフ運ぶ時は誰かに声かけてって言いましたよね」
「………」
「またダンまり?信じらんない」

後輩にすらうだつが上がらない。

「川相君!」
「っ、虹村さん!」

そこへ来た依頼人・虹村が川相に近寄る。

「私も運んであげるから。さっ立って!」
「………」

それを見た亜樹子は、

(はぁ〜、彼、あいさんのことが好きなんだ!)

興味津々だった。

「君、あいさんの同僚?アワアワしちゃって、大丈夫?」

手でハート型をつくったりしておちょくる亜樹子。
川相はスケッチブックにマジックペンでこう書く。

――問題ない――

「ってどんだけ人見知りやねんあんた!?しかも字小っさ!」

しかし亜樹子は思い出す。
若菜がミュージアムの代表になってしまったことで、落ち込むフィリップが強がって言った言葉を。

――問題ない――

(この人も、本音を溜め込むタイプか…)
「ナッ!!…おい、亜樹子、オイ!」
「ん?」

翔太朗が興奮気味に亜樹子を呼ぶ。
その理由は、

「見てぇ、風の左平次MOVIE…それも3Dだと!!亜樹子、これ見よう、コレ」

――パコン!――

「イタッ!」
「折角無限さんのお陰で調査できるっていうのに、なんで時代劇なのよ!?」

まあ…ヤバい手段の上でだが…。
ゼロの横にいるリインフォースも苦笑いしている。

「おい、左に鳴海。問題の映画……ってオイ」

亜樹子らは、3Dバイザーと呼ばれるメガネをかけていた。

「そっち任せた♪」
「御免なさい、無限さん」

翔太朗は超ノリ気で映写室に向かい、亜樹子も申し訳なさげに映写室に走った。

「問題の試写室は、そっちなんだけどな…」

リインフォースが呟いた。





*****

園崎家、食卓。

「来人と闘ってきましたわ。過去の自分と決別するために」
「頼もしい。本当に嬉しいよ若菜」
「オレも、婚約者として鼻が高いな」

そこには村木大地が加わっていた。

「お二人の笑顔が見れて私も嬉しいですわ」

若菜も嬉しそうに笑う。

「実はな、お前にプレゼントを用意してあるんだ」
「まあ、なんですの?」
「お前の為に作られた、女王の証だ」

琉兵衛は誇らしげにいった。

「それから、大地君との日取りはどうする?」
「私は何時でも構いません」
「オレは出来る限り早い方がいいかな」
「わかった。…私もその日を、楽しみにしているよ」





*****

映写室。

「左平次3D…!飛び出して来い、左平次・GO!!…ん、おい亜樹子。これどう見ても3Dじゃねーよな?」
「確かに、画面がセピアで一世代前レベルの映画だな」

上映されている映画はどう見ても時代劇とは程遠く、画面には黒マントを羽織った女性が映っている。

「これよ!これが謎の映画よ!」
「…この主演は確かに虹村と良く似ているが…」

亜樹子とリインフォースも喋りだす。

「ジェシカの彷徨と恍惚:傷だらけの乙女は何故西へ行ったのか:漂流編。……タイトル長ッ」


――どこへ行く?ジェシカ――
――どこへ行く…?――
――彼方へ。私の道を……切り拓く――


カカシと天使に尋ねられ、答えるジェシカの姿。

「独り善がりなムードだ。駄作のオーラが出まくってるぜ。じゃあな」
「そうか。では私は少し寝るとしよう。リインフォース、何時もの」
「はいはい」

翔太朗が映写室からでようとすると、ゼロはリインフォースに膝枕してもらって眠りにつき、亜樹子は一人だけで映画に見入っていた。

だが、翔太朗が出口で見たのは、植物の葉っぱが浮き出ている壁だった。

「……出口が無くなってる」





*****

風都ホテル

そこには、ミュージアムを裏切ったことで追放された冴子と、彼女を助けた闇の巨大投資企業・財団Xの使者たる男…加頭がいた。

加頭順(かず じゅん)。何故私を助けるの?」
「好きだからですよ。…貴女が」

加頭は無表情に答える。

「…こんなに心の篭ってない告白は始めてよ」

――ガシャン!――

加頭はスイーツを食べていたフォークを落した(皿に)

「若菜さんが主導権を握って以来、ミュージアムの計画進行度は急速に改善されています。もう貴女に、太刀打ちできない」
「私が、若菜に?」
「えぇ。ですから私が守って差し上げます。財団ではなく、私個人として」

冴子は席を立ち、加頭の視界から消える。

(堪えられない。見せ付けてやらなければ、私という人間の価値を…!せめてメモリさえあれば)





*****

再びシネコン。

「もう7時間と19分だ。こりゃ拷問だぜ」
「私ももう、明日は眠る必要がないくらいに寝たぞ」

というか7時間なんて、映画制作上かなり掟破りな気がする。
どんなに長くても3・4時間以内に纏めなければ、客が飽きるであろう。

「でも結構惹き込まれるところはあるよ」
「一体どこにあるんだ?話しが全く進んでいないんじゃ意味がない」

リインフォースはドライアイになりそうなくらいに疲れきった表情だ。

すると、ジェシカが崖の上で赤い弾を大きく光り輝かせる場面になり、一筋の光が真っ直ぐ伸びていく。

「お、遂にきたかクライマックス!」

――未完――

四人はコケた。

「…こんなに長いのに未完かよ」

上映時間、7時間19分。

「アッタマ来た・・・!おい!責任者でてこい!」
『ッ!』

翔太朗の叫びに客席の陰に隠れていた異形がビクっとした。

「テメーか。このクズ映画を作ったのは」
「で、出たー!ドーパント!!」

特徴という特徴は白くて大きくて簡素な頭くらいしかないドーパントは立ち上がり、塞がっている出口の前にジャンプしたというか飛び降りた。

『あイッテテ!』

腰を打って情けない声を出していたが。
ドーパントは右腕と同化しているDNAミキサーを壁に押し当てると、壁はどんどん形を変え、観葉植物となって逃げた。

「なんなんだアイツ?」
「リインフォース!」
「わかっている」

リインフォースは早速次元書庫にアクセスした。

『項目はガイアメモリの種類と能力。ファーストキーワードは植物、セカンドキーワードは変換』

しかし、本棚の数は数十個もある。

『んー・・・だったら、キーワードチェンジだ。植物を”生体”、変換を”組み換え”に変更』

すると一気に本は一冊に絞られる。

『成る程、GENE(ジーン)か。かなりの変り種だな』

リインフォースは閲覧を終了し、その情報をゼロに伝えた。

「そういうことか。遺伝子の記憶を操るのであれば、生体組織に別の何かを加えられば、好きなモノに変えられるというわけだな」

ゼロは一足遅れてジーン・ドーパントを追う。

「左、鳴海!」
「無限さん、今のドーパントことわかった?」
「無論だ。なあ、偽者!」

――バギッ!――

ゼロは近くにいたマネージャーを殴った。

「ったく、こんな変装・・・本人が近くにいては意味がない」
『ッ!!』

ジーンは逃げ惑う人々をよそに、ポップコーンの入った器になにかを入れて遺伝子操作を行い、大量のマキビシを地面に投げた。

「往生際の悪い」

ゼロはマキビシなどモノともせずジーンを追い、屋上に追い詰めた。
すると翔太朗も少し遅れて到着した。

「フィリップ!」

【JOKER】

ドライバーを装着し、メモリを起動。

【CYCLONE】

「「変身!」」

【CYCLONE/JOKER】

翔太朗の肉体はWへと変身。
しかし、ゼロは加勢は必要なしと判断したのか、変身しないでいる。

「オラ!ジタバタすんな!!」

Wはジーンを圧倒する。
ジーンは他のドーパントにはない稀有な能力を有するが、代わりに白兵戦能力はマスカレイド・ドーパント並でしかなかった。

『ん〜・・・!それッ!』

ジーンは即興で作った小型爆弾(爆弾といっても花火程度)をWに投げつける。

――バチバチ!!――

「イッテーなぁ」

【HEAT/JOKER】

サイクロンの代わりにヒートをインサートして、ヒートジョーカーになって突っ込んでいく。

「痛いだろ!」

――パコン!――

ジョーカーハンドで殴ると、今度は摂氏3000のヒートハンドでジーンの顔を掴む。

『熱ッ!!』
「どうだ熱いだろ?」

ジーンは葉っぱを取り出し、それをWの右手に押し当てて遺伝子操作をした。
結果、

「NOOOOOOOOOOOOO!!手がぁぁ!て、手が・・・牛くんにぃぃ!!」
『翔太朗、落ち着いて!』
「俺の手が!!ててて手が・・・!!?」

フィリップは幾ら言っても翔太郎はパニくったまま。
そこでゼロは、

「はいコレ」

カエル型の鍋掴みをWの左手につけさせる。

「牛くんとカエルくん、二人合わせて?」
「『パペットマペットってやらすな!!』」

Wは思わず乗り突っ込みする。

『兎に角、メモリチェンジだ』

【LUNA】

牛くんがルナメモリを起動させ、スロットにインサート。

【LUNA/JOKER】

右半身がルナサイドになったことで、ルナメモリの変化属性により右手が元に戻る。

「これが俺の手だ」

Wは右腕を伸ばして悠々と余裕で歩くジーンの足を掴んで転ばせ、次に尻を引っぱたくと、メモリが自動的に排出された。

「・・・・・・弱」

若干、ゼロが哀れみの眼を向けていたが。

「お前・・・」
「川相透、だな」

ジーンの正体、川相はジーンメモリを回収しようとするも、亜樹子によって取り上げられた。

「君だったのね犯人は。没収!!」
「か、返せ・・・!」
「そんな、川相くんが・・・怪物?」

ジーンの正体を目の当たりにした虹村もショックを隠せない。

「上映館のナンバーをすり替えて、使われていない試写室に誘いこみ、出口を塞いで自分の自主制作映画を見せていたんだな」

リインフォースが手口を説明する。

「それじゃあ、映画のあいさんは・・・」
『そう。彼が自分を組み替えて演じてたのさ』
「えぇー!?それじゃあの映画・・・監督も撮影も主演女優も・・・全部君一人ってこと?」
「どういうこと川相くん?」

聞かれた川相も、小さな声で間をもたせられるかどうかすらも怪しい台詞を吐くので精一杯だ。

「引っ込み思案にも程があるよ!!そんなの、あいさん本人に頼めばよかったじゃん!」
「まあ取りあえず、後は照井の仕事だ」
『そうだね。メモリに心を奪われた人間には、もうなにを言っても無駄だ』

Wは川相を立たせた。

「待って、私に考えがあるの。だから警察につれていくのは待って!」
『え・・・?』





*****

ディガルコーポレーション。

そこでは新社長となった若菜と補佐役の大地の怒号の嵐だった。

「遅いわよ!報告書は締め切り前日までに!」
「ナメてんならシバくぞ!!」

キツい、キツすぎる。

「チッ!邪魔よ!」
「とっとと済ませてくれ、会議が始まるまでな」

若菜は掃除用具入れを清掃員に乱雑に渡して命じる。
そして大地とともに、社長室を出た。

「・・・・・・・・・・・・好い気になるんじゃないわよ」

清掃員は忌々しげに呟く。
その正体は。

「若菜、村木」

冴子だった。
プライドを捨てた潜入策でここまでやってきた冴子は、どうあっても回収すべきものがあったのだ。

壁に備え付けてあるカード認証型の装置に自分のIDを挿入すると、認識されたことでシークレットスペースが開き、一番上段にある赤い箱の中身を取り出した。

「・・・あった・・・」

それは今は亡き夫・・・霧彦の形見ともいえるナスカメモリだった。
ナスカ文明の記憶を収めたガイアメモリは再び、新しい所持者によって胎動することになる。





*****

――カンッ――

撮影が始まり、カメラには何だかクワガタ虫を模した鎧と大剣を纏うあいと、その前に立つ二人の存在がいた。

「どこへ行く?ジェシカ」
「どこ行くんすか?」

カカシ役の照井と天使役の真倉。

「彼方へ!!私の道を、切りぃ拓く!!」

やたらと大剣を振り回し、最後に要らぬポーズをとるあい・・・というかジェシカ。

「・・・カット・・・」
「監督は腹から声出すぅー!!」

声が小さいことを亜樹子に指摘された川相だが、

「・・・カット・・・!」

頑張ってもこの程度だった。

「あのさ、なんで俺こーんなことしてんの!?」

ハープを鳴らしながら真倉が問う。

「は〜い。ボクも暇そうにみえて、暇じゃ、ないんだけどな〜」
「おい亜樹子。これはどういうつもり――――」

――パコン!!×2――

「亜樹子プロデューサー!もしくは、可愛らしく亜樹Pと呼ぶように♪」

亜樹Pはスリッパで翔太朗とウォッチャマンを叩き、本格的な意思表示をする。

「「「「「「「「「亜樹P???」」」」」」」」」

それを聞いた九人は呆れ果てた。
ちなみにこの九人とは、Wコンビにイーヴィルコンビ、照井にヴィヴィオ、御霊、真倉、ウォッチャマンのことである。

「これは、映画作りを通して、透君の社会復帰を促すの。彼センスは良いと思うんだよねぇ。だから皆で未完の映画を完成させて、ガイアメモリの魔力に打ち勝つ心をつくって上げるの」
「この映画でか?」

照井の持つ台本には”聖戦士・ジェシカ 改訂版”と書かれていた。

「聖戦士・ジェシカ?」
「ヒロイックファンタジーの決定版よ。無駄なシーンは全部省いて、理想の映画尺、90分に纏め直したわ」

すると川相の筆談。

――問題ない。内容はとても良くなっている――

「でしょでしょ!あいちゃん本人にも出てもらって!・・・アクション!」

向こう側から迷彩服着てショットガンを構えるあい。

「ギャグ!」

と思ったら今度は一昔のおっさんコスプレ。

「お色気も二倍増しよ」

次は胸元が大きく開いた白のワンピース姿。

「はぁ、ちょっと恥ずかしいけど・・・頑張ってみます!」
「よし!じゃあ二人は先に行ってて!」

促され、先に行く川相と虹村。

「・・・それでは、移動・・・」

ゼロのやる気の無い声に反応し、他のメンバーもダラダラと移動準備する。

「待って!!」

そこへ亜樹Pが待ったをかける。

「実はこの映画撮影、”ラブラブMOVIE大作戦”でもあるのよ!!」

――バサッ・・・――

翔太朗が台本を落した。

「「「「「「「「「ラブラブMOVIE大作戦???」」」」」」」」」
「今はロクに人と話せない透君だけど、あこがれのあいちゃんと一緒に映画を作れば・・・!」



亜樹Pの妄想

「えー以上を持ちまして、川相組オールアップ!!」
「「「「「「「イエェェェ!!」」」」」」」」

すると川相が花束を虹村に手渡す。

「虹村さん、お疲れ様。・・・それから、好きです」
「川相くん///」

後は遊び半分に冷やかす声のなか、抱きしめあう川相と虹村。



「ってなるのよ!」
「ぜってーならねー」
「その根拠の無い自信はどっから沸いてくる?」
「ちょっと検索してみたくなったぞ」

翔太朗、ゼロ、リインフォースは感想と疑問をぶつける。

「何故そんな余計な世話をやくんだい?」
「言いたいこと言えない誰かさんみたいなこは、ほっとけないんですー!」
「だ・・・誰のことだい?」

フィリップは答えに見当がついてるだけに、はぐらかす。


俺たちは、聖戦士・ジェシカの完成に、全力を注ぐ羽目になってしまった。
映画自体は亜樹Pのお陰で、内容も実にスッキリとした活劇になった。
なんでそもそも7時間以上必要だったのかが謎だ。





*****

――パカンッ――

一方その頃、ミュージアムサイドでは。

「これがプレゼント?なんですのお父様?」
「こいつはなんと面妖な」
「有機情報制御器官試作体・ガイアプログレッサー」

ケースの中にはジェル状の粘液に包まれた緑色に発光するガイアプログレッサー。

「この輝き、どこかで・・・」
「ハハハ!これでお前は完璧になる」
「完璧に?」

若菜はその言葉に不思議と疑問を抱いた。

「でもその為には、あるドーパントの協力が必要不可欠・・・だったよな、義父さん」
「あぁ、漸く見つけたよ。ジーンメモリの力を引き出すことに関しては、彼は天才だ」

琉兵衛の操作するノートパソコンにはジーンメモリの購入者である川相のデータがはいっていた。





*****

そして、冴子はL.C.O.Gにナスカメモリを装填し、銃口部分を鎖骨近くに押し当てて、引き金を引いた。

――バシュゥ・・・!――

「ッ!」

これにより、ナスカメモリ専用の生体コネクタが刻印された。





*****

「彼方へ!私の道を、切り拓く!!」

ジェシカは大剣を空に向けて決め台詞。

「うぅーん!いいんでないの、あいちゅわーん」
「大分ヒロインらしくなったな」
「慣れるもんだねー」

ウォッチャマン、翔太朗、ヴィヴィオは感想を述べる。

「やっぱりヒロインはこうでなくちゃ。ねぇ監督?」
「・・・違う」

川相は小さく反論した。

「・・・え?透君?いいよねこの画!」

亜樹Pの声に耳を傾けず、川相は席を立つ。

「どうしたの川相くん?私、よく撮れてると思うよ」
「・・・違う。あれは違う」
「なに?ハッキリ言って」

虹村が聞こうとすると。

「あら〜。皆で映画撮影?」
「悠長なことで(笑)」

そこへ若菜と大地が登場してくる。

「園崎、若菜?本物!?」
(あの男は?)

虹村は若菜の登場に驚き喜ぶも、リインフォースは大地の登場に寒気を憶える。

「でもここまでよ」
「ま、そういうことだ」

二人はドライバーを装着。

【CLAYDOOL】
【KINGCOBRA】

若菜はクレイドール。
大地は”大蛇の記憶”を宿したキングコブラ・ドーパントとなる。

『私達といらして、ジーン君』
『勿論、拒否権はないけどな』

右手で左手を向けながらそういう2体のドーパント。

「ど、ドーパント出たぁー!?」
「ま、マジですか?」

ウォッチャマンと御霊が驚く。

「照井、マッキー。皆を避難させてくれ」
「あぁ」
「わかった!」

その場を任せ、四人はクレイドールとキングコブラの前に出向く。

『おやリインフォース、風邪は治ったか?』
「・・・その口ぶり、バグ・ドーパントを送ったのは貴様か?」
『その通りだ、化物』
「やはり私とゼロの正体を突き止めていたのか」

キングコブラとの会話が終わり、

『あら、来人、奇遇ね』
「若菜さん・・・・・・いや、姉さん」
『フフフ♪』

クレイドールはご機嫌そうに、あるいはあざ笑うかのよう・・・・・・。

「若菜姫、少しはフィリップの気持ちも考えてやってくれ。・・・ミュージアムから離れるんだ」
『不可能よそんなこと。だって、私自身がミュージアムなんだから・・・!』

クレイドールは説得に応じない。

「もう仕方ないんだ。戦うしか、ない」
「・・・・・・同感だな」

【CYCLONE】
【JOKER】
【MAGICAL】
【LEADER】

「「変身!」」
「「変身・・・ッ」」

――バンバンッ!!――
――バシャァァ!!――

【CYCLONE/JOKER】
【MAGICAL/LEADER】

クレイドールの光弾とキングコブラの溶解液を旋風と瘴気で防ぎ、変身完了。

「・・・行くぜ」
「あぁ・・・」
『『ハアァァァ!!』』

瞬く間に戦闘が始まる。
Wとイーヴィルは2体の幹部ドーパントを相手に全くもって好勝負、いや優勢な戦いを繰り広げている。
少し広い場所に移り、光弾と溶解液が降り注ごうとしても、エクストリームメモリがそれを弾く。

Wはメモリを引き抜き、エクストリームメモリをセットしてスロットを開く。

【XTREME】

「「プリズムビッカー!」」

【MAGICAL/KNIGHT】

CJXとマジカルナイトになると、Wとイーヴィルは武器を手に突っ込む。

【PRISM】

プリズムソードを抜刀し、クレイドールをザシュザシュと斬るW。

【EVIL/KNIGHT・MAXIMUM DRIVE】

「「ナイトブロウアタック!」」

イーヴィルもナイトグレイブでキングコブラをバシン!と叩く。

『なに!?これがエクストリームの力?』
『フハハ・・・!やるねぇ!』

クレイドールとは裏腹に、キングコブラは面白げにしている。
身体の表面についたダメージを脱皮することで回復しながら。

「クレイドールとキングコブラの能力は見切った。プリズムソードなら、能力そのものを斬れる」
「例えメモリブレイクしてでも、こいつらを止めるぞ」

Wがトドメをさそうとすると、

「アッハハハハ!・・・ハハハ!フン♪」

崖の上で笑う冴子。

「園崎冴子!」
「何時の間に?」

そこへアクセルとホッパーもやってくる。

「無様ね二人とも。貴方達をいたぶりに来たのに拍子抜け。そんな力でよく自分自身がミュージアムだなってぬかしたものだわ」
『なんですって・・・!』
『まあまあ』

冴子の挑発に苛立つクレイドールにキングコブラが宥める。

「今見せてあげる。姉の意地を」

【NASCA】

「あれは、霧彦のナスカメモリ!」
『あの女が隠し持っていたのか』

翔太朗とリインフォースは少しばかり驚く。

「・・・・・・井坂先生、堺君・・・・・・」

冴子は切なそうに呟き、メモリを生体コネクタに挿す。
そうすると彼女の肉体は一瞬ナスカになるかと思えば、体色を復讐(リベンジ)深紅(レッド)に染め上げたRナスカ・ドーパントに変貌した。

Rナスカは背中のマフラー状の布をナスカウイングに変化させて地上に降り立つと、ナスカブレードでWに斬りかかる。

「速い!」
「ならば私達が!」

【SONIC】
【SONIC/KNIGHT】

イーヴィルはソニックナイトにハーフチェンジ。

『そうね。まずはあんたから討ち取るわ、化物。井坂先生の仇・・・!』

Rナスカは忌々しそうにイーヴィルと交戦を開始した。

『オレ達忘れんな!!』

キングコブラが腕を触手のように伸ばして攻撃しようとすると、

【TRIAL】
【SANCTUARY】

そこへアクセルトライアルとホッパーサンクチュアリも参戦。
その攻撃を防ぐ。

その間にイーヴィルがRナスカを羽織い締めする。

「やれ、W!」
「おう!」
『ハァ!』

Wがソードで斬りかかろうとすると、Rナスカはウイングを展開し、多量の破壊光弾を生成して全方位発射する。

その光景を遠くから見る男が一人。

「・・・レベル3・・・」

加頭だった。


――ザシュザシュ!!――

「園崎霧彦の時より、遥かに強い!」
『適合率も良いんだろうが、直挿しによってシャットアウトされていたエネルギーも流れこんでいるんだろう』

フィリップとリインフォースが分析する。
しかし、そうしていると、亜樹Pは重大なことに気付く。

「・・・あっカメラが!!折角透君が撮った画が!」

亜樹Pはカメラを回収しようとしたが、それを川相が止めた。

「なんで止めるの?君の撮った映画が、台無しになっちゃうよ!」

川相、筆談発動。

――あんな画の為に、危険を冒すことはない――

「えェーー!?気に入ってなかったの!?」

川相は頷いた。

「私が余計なことしたから?・・・皆で撮るの、ヤだった?」

川相は首を横に振り、終いには・・・。

――一人で撮る。ジーンを返して!――

「なんでぇぇーーー!!?」

その時、背後で偶然にも起きた爆発が、亜樹Pの心情をわかりやすく描いていた。

そして今一わかんない川相の真意。
解きほぐせるのは・・・・・・多分、亜樹Pだけ?

次回、仮面ライダーイーヴィル

Gの可能性/許【いし】

これで決まりだ!

押して頂けると作者の励みになりますm(__)m


<<前話 目次 次話>>

作家さんへの感想は掲示板のほうへ♪

作品を投稿する感想掲示板トップページに戻る

Copyright(c)2004 SILUFENIA All rights reserved.