Muv-Luv Alternative The end of the idle


☆☆☆ うんちく ☆☆☆

本作独自の設定が幾つかあるので、簡単に纏めてみました。
読まずとも話は通じますので、興味のある方だけどうぞ。








☆PHASE 1



 ▼RTOS-88

  出典:無し

 Revolutionary Tactical surface fighter Operating System type-88の略
 直訳するなら『革命的な戦術機OS 八十八年式』(安易な名前ですいません)

 従来型OSの機能を整理・統合する事でOS自体のスリム化・高速化を実現し、空いた分のリソースを利用して行われる見かけ上の並列処理により、動作間の硬直時間を従来の二割程度に押さえ込む事に成功する。
 また機体の自律制御自体は残されたが、各タスクの優先順位の付け替えとイベント割り込みによる処理の中断・切り替えを組み込み、自律制御中の操作不可という従来型OSの欠点を解消するなど、主としてレスポンスの改善と操作性の大幅な向上がウリとなっていた。

 製作者のルルーシュ的には、不満の残る出来だったがCPU等のハードウェアとの兼ね合いもあり、妥協した結果がこの製品。
 後々、枢木工業のドル箱商品となるRTOSシリーズの最初期型OS。

 ※イメージ的には、MS-DOSがWindows3.1に置き換わったようなものですね。




☆PHASE 3



 ▼サクラダイト

  出典:コードギアス及びスピンオフ作品群

 言わずと知れたギアス世界の文明を支える希少物質。
 高温超伝導体の調整に必須の物質であり、その他様々な使い道も多数。
 爆弾だったり、爆弾だったり、爆弾だったり。

 本作中での独自設定
 @フジサンには埋まってません。
  第三話中で書いたとおりの理由から、埋まって無いものとして扱っております。
  代わりに遺跡の建材に何割か含まれている物があるという設定にしています。
  原作でも薄っすらと赤く発光したりしてました。
  サクラダイト自体、ギアスやコードと密接な関係があるようですので。
  多分、含まれているんじゃなかろうか……な?

 A高温超伝導体は、高温超伝導体です。
  リアルの物理学では、高温超伝導体とは絶対零度よりも、やや高い程度の温度(-200℃〜-100℃位)で超伝導状態になる物質を指しますが、これですとギアス世界の技術の説明に齟齬が出てしまいそうなので、ギアス世界における高温超伝導体とは、室温超伝導体(300K)よりも、更に高温で超伝導状態を維持できるものを指すという事にさせておいていただきます。



 ▼マッスル・フレーミング

  出典:ナイトメア・オブ・ナナリー

 合成樹脂と電動シェルの芯をサクラダイト合金繊維で覆った人工筋肉。
 被覆材であるサクラダイト合金繊維がコイルの役割を果たし発電機としての機能を持つという優れもの。
 本作では、ハイブリッド車的なイメージとして捉えています。
 人工筋肉本体である合成樹脂と電動シェルを、超伝導コイルを兼ねるサクラダイト合金繊維で覆い、本来熱などに変換されてロスになる分を電気に戻して回収している感じかな、と。

 また、マブラヴ世界には電磁伸縮炭素帯という人工筋肉もありますので、それに対しては、反応速度及び変換効率面で優位にあると位置づけています。



 ▼マッスル・パッケージ

  出典:(名前だけ)フルメタ

 マッスル・フレーミングの廉価版
 人工筋肉自体の機能は、芯になっている合成樹脂と電動シェルにて賄えるものとし、被覆材を炭素繊維もしくはグラスファイバー等に置き換えた廉価版。
 ※サクラダイト不足に悩む本作独自の設定です。



 ▼メアフレーム

  出典:無し

 ギアス本編終了後、KMF民生活用に従事していたロイドの経験から生み出された土木作業用人型機械。
 後々出てくる戦術機とは異なる人型機動兵器『ナイトギガフレーム』を産み出す為の技術基盤を整える為に開発され、世界にばら撒かれた。
 ※本作独自設定です。



 ▼多機能構造(マルチプル・コンストラクション・ストラクチャ)

  出典:無し

 内骨格構造を更に推し進めた機体構造。
 マッスル・フレーミングの様に、一つの構造体に複数の機能を付加する事で、より効率良く機体内のスペースを活用する為の構造。
 ※本作独自設定です。
  アイディアはサイコフレーム等の多機能装甲。




☆PHASE 4



 ▼多機能装甲(マルチプル・コンストラクション・アーマー)

  出典:多数(リアクティブ・アーマーも広義で該当)

 装甲そのものに電装機器等を内装させ、装甲以外の機能を付加した物。
 第四話では、装甲に最新の制御システムであるOBLを組み込んだ物が登場。
 外骨格系である為、内蔵機器が装甲と密接な関係にあるので、内骨格系より簡単な作業で換装可能な事がセールスポイント。



 ▼ファントム・ジーク(F−4G)

  出典:なし(名前だけ、サザーランド・ジーク)

 日本の戦術機開発から弾かれた枢木工業が、独自の技術により開発したアップデートシステムから産まれたファントム改修機。
 母体となったファントムは、第一世代機だが、OBLを組み込んだMCAとそれに合わせて最適化されたRTOS-89Gにより段違いの機体制御と即応性を実現。
 更に装甲の構成を変更する事で、第二世代機以降の特徴であるトップヘビーな機体構造を実現し、これにより第二世代機相当の運動性をも獲得していた。
 その他、跳躍ユニットの換装、データリンクシステムを含む電子兵装更新、肩部モジュールへの追加バッテリー搭載による稼働時間延長等の改良が加えられた結果、準第三世代機相当の性能を獲得するに到る。

 基本的な換装作業は、装甲の交換がメイン。
 電子兵装の交換以外は、作業自体の簡便化が図られており技術力の無い国でも問題なく扱える工夫がなされている。
 日本製でありながら、日本の戦術機の特徴である空力特性を利用した装甲形状を採用していないのも、各国の技術レベルのボトムラインに合わせた運用を想定している為であり、満遍なく何処の国でも利用可能な様に作られている。

 スエズ防衛戦での実験部隊キャメロット中隊の勇戦を切っ掛けとして、国連軍から大量受注を獲得。
 以後、各国への輸出も活発となり、枢木の生産能力では受注を捌き切れなくなった時点で、ファントムの製造元マクダエル・ドグラム社と業務提携する事で必要な生産量を確保していった。

 世界で最も普及した第一世代機であるファントムが、このファントム・ジークへと更新されていった結果、人類側の戦力は短期間で大きく底上げされる事となり、BETAの侵攻をユーラシア内部に押し込める上で多大な成果を挙げる事となる。

 『戦争は数だよ、兄貴!』 by ドズル中将

ファントム・ジーク【ジェレミア機】
ファントム・ジーク
イラスト提供:eris様

 右肩の『忠義』が光るジェレミア機。
 スエズ戦線にて奮戦。
 国連軍への採用の切っ掛けを掴んだ殊勲機。

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☆PHASE 5



 ▼撃震・甲型

  出典:なし

 日本戦術機開発から弾かれた枢木工業が独自開発したアップデートシステムが海外で大きく評価された影響を受け、光菱、富嶽、河崎三社により泥縄式で開発された撃震強化型の試作戦術機。

 基本的には枢木のアップデートシステムの模倣であるが日本のお家芸とも言える空力特性を考慮した装甲形状を採用している為、稼働時間については本家を凌いでる。

 但し、それ以外については特段の差異はなく、電子兵装に関してはMD社と手を組んだ事により米国の最新機器を導入している枢木側が優位にある。

 結果、性能面では、ほぼ同等。
 しかし、製造工程の差から、価格面で大きな差がついてしまった為、軍からは不評を買い、結局、採用されずに終わった幻の機体となる。



 ▼スヴァルトアールヴヘイム

  出典:なし

 ゼロことスザクが、ルルーシュの為にラクシャータに依頼して建造させた最新鋭浮遊航宙艦。
 全長600mに達する巨艦ながら単独での大気圏離脱及び再突入機能を有する。
 (ダモクレスが3kmなんだから軽い軽い)

 但し、純粋な戦闘艦ではなく工廠艦としての側面が強い。
 (まあ戦艦貰っても整備できなきゃ、すぐに鉄屑です)

 膨大な技術情報を収めた量子コンピューター『ミーミル』と最新型工作機械を有し、以後、枢木の技術力を時代から隔絶させる奇蹟の種となる。

 艦名の語源は、北欧神話の『黒妖精の国』
 ルルーシュの最後の乗艦となったアヴァロンに引っ掛けた命名であるが、同時に艦自体の特性も暗示。
 (北欧神話にて、神々の武器を鍛えた工匠の妖精ドゥエルグも、分類としては黒妖精の仲間です)

 基本スペック
  全長:620m
  フロートシステム装備

 主機
  U.F.I.E.Iリアクター

 詳細なスペックは、以後、ジワジワと公開?




☆PHASE 7



 ▼輻射波動装甲

  出典:なし

 サクラダイトが不足する状況で、それを用いる事無く流用可能な兵装としてマイクロ波照射兵器である輻射波動機構が研究されていたが、開発責任者のロイドにより、対個人戦闘に特化している輻射波動は数を削る事が最優先の対BETA戦には不向きと断じられ、研究自体が一時凍結されていた。

 この辺り、ロイド個人と輻射波動の本来の開発者であるラクシャータの確執に起因する物があった様ではある。

 しかし、一九九〇年に入り、その辺りに拘りの無いセシル・クルーミーにより、輻射波動機構の再評価が行われた。
 結果として言うなら、攻撃用兵装としての評価については、ロイドとほぼ変わらずとなる。

 接触型の場合、相手に触る必要性があり、砲撃型として利用するには連射・速射に難がある。
 どちらの形態を取っても、可能な限り早く数を削る事が求められる対BETA戦に適合しないとの判断自体は変わらなかった。

 しかし、並行して行われた防御用兵装としての評価においては、戦術機の天敵とも呼べる対戦車級装備としての優秀性が認められ、新型MCAの新規追加機能として採用される。
 併用されるOBL自体が、電磁波障害に強い為、機構的な相性は悪くない。
 ただし、エネルギー消費が高い為、多用すると戦術機の稼動時間に悪影響を及ぼす等のデメリットも存在する。

 一九九一年初頭から実戦にて評価が開始され、同年末に本格的な販売が開始される。
 販売後は、各地の戦場で使用され衛士の生存性(サヴァイバヴィリティ)の向上に大きく寄与し、これ以降に開発された機体には、ほぼ標準装備として搭載される事となる。

 基本ライセンス料は低めに設定されていた為、殆どの国が正規に導入するも東側主要二カ国だけは、これを拒絶。
 一九九〇年代後半辺りから、明らかに粗悪な模倣品を独自開発技術と称して廉価で販売を始めた為、枢木との間が、更に拗れる結果となった。



 ▼ファントム・ジーク・カスタム

  出典:なし

 輻射波動機構を組み込んだ新型MCA装備のファントム改修機。
 新素材の投入等により装甲の更なる軽量化が図られている。
 また同時に行われたアビオニクスや主機の更新を含めた近代化改修により、各国で開発が推し進められていた第三世代戦術機と比較しても遜色ない性能を有するに到る。

 一九九一年初頭より『キャメロット』による実戦評価が開始され、そのフィードバックによる最終調整後、同年末より本格的な販売が開始。
 以後、南亜細亜連合や中東連合及び南アメリカ諸国などを中心に普及していき、後々、欧州やオセアニアの一部にも導入される。
 以後、二〇〇〇年代初頭に到るも、各国において主力機の座を保ち続けるベストセラー機となる。

ファントム・ジーク・カスタム【キャメロット仕様】
ファントム・ジーク・カスタム キャメロット仕様
イラスト提供:eris様

 民間軍事企業『キャメロット』の制式機として各地の戦線にて活躍する。
 ※イメージはコードギアスのロイヤルガード機で描いて頂きました。
 ※下肢の辺りが、更にシャープになっていて美しいですね。

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ファントム・ジーク・カスタム【インド陸軍仕様】
ファントム・ジーク・カスタム インド軍仕様
イラスト提供:eris様
 
 南亜細亜連合の制式機。
 連合首都『アルカディア』に移設されたラインで生産された第一期生産(ファーストロット)の機体。
 当時、国内にボパール・ハイヴを築かれ、戦況が逼迫していたインド軍に優先的に配備された。

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 ▼U.F.I.E.Iリアクター

  出典:なし

 非領域開放型爆縮炉(UnFIeld open type Effective Implosion Reactor)
 フレイヤの理論を基にニーナ・アインシュタインが開発した新型核エネルギー炉。

 物質消滅時に発生する膨大なエネルギーを引き出す為、核分裂、核融合よりも遥かに巨大な出力を産み出せる。

 名称についてはフレイヤの悪名を嫌った開発者のこじ付けと陰口を叩かれる。
 当人は『ユフィー・リアクター』と呼称させていた。

 ※百合っ娘の執念の結晶です。
 ※イメージ的には対消滅炉ですかね。
 というか物質を消滅させるという意味で、それ以外思いつかないです。



 ▼エナジーセイル

  出典:なし

 エナジーウィングの発展形。
 推進剤を消費しない宇宙における移動手段として開発された。
 基本、フロートシステムに用いられるヒッグス場中和機構との併用前提で運用される。
 推進剤を不要とした航行システムな為、充分なエネルギーさえ確保できるなら移動距離に理論的には上限は無い。




☆PHASE 8



 ▼次期主力戦術機試作三号(TSF-X03)
  出典:なし

 日本帝国が一九八〇年代後半から前半に掛けて推進した次期主力戦術機開発計画『耀光計画』において試作された試作戦術機の一機。

 計画に携わった光菱、富嶽、河崎三社が共同で取り纏めた基本設計をベースに、各社が独自の特色や提案を盛り込み試作した計七機の内の一機に当る(製作は河崎重工)
 基本設計を忠実に生かした上で、整備性や操縦性の改善に力点を置いた設計が行われている七機中最もベーシックな機体であった。

 これは将来的な技術革新を織り込み、数年後の改修を念頭に入れた上で、意図的に行われたもので、その為の拡張性も事前に確保されている。

 但し、その為、完成時点の機体性能は七機中最下位でありスペック重視に偏る上層部の不評を買ってしまい、不適格の烙印を押される破目に。

 本来ならそのままモスボール化される運命だったTSF-X03。
 だが、その可能性に目をつけた篁により、その運命を捻じ曲げられることと成る。




☆PHASE 9



 ▼バルディ(Mk-1)
  出典:コードギアス

 日本の枢木工業と米国マクダエル・ドグラム社が共同開発した新型機動兵器『ナイトメアフレーム』の第一世代機。
 (実態は、第五世代KMF『サザーランド』の劣化コピー機。
 機体構造は、ほぼ同じだが、サクラダイトに由来する超伝導モーター等が無い為、パワー・スピード共に本来の機体より劣っている)

 『戦術機殺し』の異名を持つ戦車級を狩る事に主眼を置き戦術機と強化外骨格の中間、言わば対小型種BETA専用兵器として、枢木が販売していた人型建機『メアフレーム』をベースに、一九九一年五月より共同開発がスタート。
 その僅か四ヶ月後には、試作機の完成まで漕ぎ着けた事で『末期戦特有の急造兵器』と陰口を受けるも、トライアル後、米軍から大量受注を獲得。
 更に、枢木と縁の深い南亜細亜連合からも制式兵器として採用される事となる。

 当初は、コネと金で急造兵器の受注を勝ち取ったと非難する向きもあったが、連合の国土防衛戦及び在外米軍の対BETA戦において、戦術機の補助戦力として活躍。
 特に当初予定されていた対戦車級において秀でた活躍を示し、あり合せの急造兵器などでは無い事を示した。

 以後、実戦証明が進む毎に評価も高まっていき、各国の軍へも大量に納品され、拠点防衛戦力として、或いは戦術機の護衛戦力として、無くてはならない存在へと成長していく。

 機体名の語源は、南北戦争時の名馬オールド・バルディ。
 この縁から以後のKMF名も、歴史に名を刻む名馬から取られる事が多くなる。

 武装
  12.7mm機関銃
  36mm機関砲
  120mmロケット砲
  ※強化外骨格や装甲車両向け兵装を改造した物。
   後にKMF専用のアサルトライフルも開発される。
  スラッシュハーケン×2
  突撃槍『ローズバルサム』
  半月斧『バルディッシュ』
  ※その他イージーオーダー応相談



 ▼ナイトメアフレーム(Knight Mare Frame)

  出典:コードギアス

 言わずと知れたギアス世界の主力兵器。
 こちら側では、兵器としての機能をオミットしたものを、人型建機『メアフレーム』として、ルルーシュ達が販売していたが、これに目を付けた米国MD社により本来の形――対小型種向け兵器として、この世界でも産声を上げる事になる。

 全長は4m後半から6m前半が一般的なサイズとなり、戦術機に比べてかなり小さい。
 但し、その分、揺れ(特に縦揺れ)も小さくなる為、戦術機に比べて乗り手を選ばず、パイロットの確保が遥かに容易でもある。
 更に言うと、操縦系についても技術・設計思想を引き継いだ結果、非常に扱い易くなっており、長期の訓練を必要とはしない為、より敷居が低くなっている。
 (一応、KMFは正規訓練を受けていない人間でも、そこそこ動かせる位には扱い易いそうですので)

 又、当然と言うべきか、戦術機に比すと価格も圧倒的に安い。
 そもそも一機当たりの生産に必要となる資源の量は、戦術機の三十分の一以下、そうなると完成品コストもそれに準ずる事になる。
 まあ実際の所は、そこまで単純でもないが、それでも一般的な戦術機一機分のコストで、二十機以上のKMFを調達出来る。

 扱う人間を揃え易く、機体も揃え易い。
 即ち、戦力として数の調達が容易という訳であり、数の多さで押してくる戦車級を相手取るには、理想的とされる事となる。

 フレームの名が示す通り内骨格系の機体構造を持ち、またギアス世界の名残から、この世界の第一世代機は戦術機とは逆にモーターを多用した構造を採っており、人間以上の関節稼動域などは有していない。

 もっとも後に開発される戦術機サイズの機体――『ナイトギガフレーム』及びその技術フィードバックを受けた第二世代機以降は、戦術機の影響を受け人工筋肉を機体構造に多く採用するようになるが、やはり人間以上を求める事は無かった。

 これは操縦に思考制御を併用している時点で、人間にはできない動きを、無駄として省いた為でもあり、開発者であるロイドなりの拘りでもあった。
 この一点を以って、戦術機の方が機構的に優れていると主張されても、一向に改めなかった辺り、徹底していると言えよう。

 1.機能・装備
  基本的な機能は、ギアス世界のKMFに準じる。
  但し、技術的理由から第一世代機ではファクトスフィアの搭載は見送っている。
  対して、ランドスピナーとスラッシュハーケンは共に健在。
  この他、KMF専用跳躍ユニットも装備している為、短時間なら跳躍も可能。

 2.動力
  主動力はバッテリーの為、長時間の戦闘行動には不向き。
  その為、拠点防衛と戦術機の護衛が主任務とされる。

  拠点防衛又は警備時は、外部電源からケーブルを引いて稼動。
  バッテリーの消費を抑える工夫もなされている。

 3.コクピット
  コクピットが脱出カプセルを兼ねている点も変わらない。
  但し、逃げ出して終わりといかぬ世界である為、射出後の対応は異なっている。

  射出後は、備え付けの小型固形燃料ロケットモーターにより高度二十mを、
  時速百キロで八分間だけ跳躍できる機能を有し、跳躍後は、カプセル自体が
  簡易装甲車として約七十キロを走破可能となっている。

  但し、これらの機能を加えた分、戦術機の管制ユニットの様に操縦席自体が、
  強化外骨格を兼ねる機能は除かれており、損傷により射出不能となった場合、
  脱出不可能となる件について不安視する声も少なからずある。
  とはいえ、コクピット周辺に射出不能になる程の損傷を受けた場合、
  中の人間が無事な方が少ない為、例え運良く機体から脱出出来ても、
  ロクに逃走も抵抗も出来ぬまま食い殺される例が多数派である。
  それらを踏まえての機能であったが、従来通りの物を要望する声も
  大きかった為、跳躍&自走機能をオミットし、強化外骨格に置き換えた
  コクピットモジュールも、販売されるようになる。

 4.武装
  主な武装として、使用火器には、当初強化外骨格や装甲車両向けの兵装を
  KMFが手持ち出来る様に改造した物を使用。
  後に、戦訓を元にKMF専用のアサルトライフも開発される事になる。
  対して、近接戦用兵器としてはスーパーカーボン製の突撃槍『ローズバルサム』
  と半月斧『バルディッシュ』が用意されている他、個人の好みでスパイク付棍棒
  やハンマー等々も調達が可能となっている。
  尚、打撃破砕系の装備が多いのは、力任せに『叩き潰す』方が『斬る』よりも
  技量を要しない為であり乗り手の敷居を可能な限り低くする為の配慮でもある。

 5.経緯と現状
  当初は戦時急造の色物兵器として批評され、米軍及び南亜細亜連合軍でのみ
  採用されただけだが、一九九二年初頭から国連軍として各地の戦線に参加した
  米軍及び南亜連合軍による国土防衛戦において、第一世代機『バルディ』が、
  実戦投入され始めると、対小型種戦闘において大きな戦果を示す様になる。

  また本来の用途以外に哨戒任務や戦場で放棄された戦術機の回収の護衛等
  にも幅広く利用され、その利便性を遺憾なく発揮する事で、徐々に評価を
  上げていき、各国の軍にも納品される様になるのだが、東側主要二カ国は
  やはり同じ様な対応を取り、対立を深める結果となる。



 ▼蜃気楼(TSF-X03)

  出典:なし(イメージ的には不知火・弐型フェーズ1で)

 光菱・富嶽・河崎の三社が耀光計画にて開発を推し進めていた次期主力戦術機の試三号機を素体に、米国の最新技術を導入し強化改修が行われた試作第三世代戦術機。

 『戦術機開発の鬼』ことフランク・ハイネマンの手により、機体が本来有していた潜在能力を余す事無く引き出される事で他の試作機を大きく上回る機体性能を発揮し出す。

 結果、一度は失敗作と見限った筈の帝国軍も、手の平を返し、開発そのものを後押しする空気が強くなっていった。

 だが一方で、純国産こそを理想とする国産派からは、米国の手により汚された機体として忌み嫌われる事となり、その為、篁と国産派との間に深刻な軋轢を産み出していく結果となった。

 後に、推進者であった篁急死後の混乱の中、開発機材諸共に行方不明となる。

 帝国軍・国産派の過激派により、闇から闇へと葬られたというのが通説となるが、実際は、不遇な機体を惜しんだハイネマンの手により、ユーコン基地内の機密ハンガー内に封印され、篁の遺志を継ぐ者が現れる時を待つ事となった。



 ▼南亜細亜連合

  出典:なし

 インド及び東南アジア諸国による対BETA軍事同盟(議長国はインド)。
 各国独力での国土防衛の困難さ、また表向きはともかく、内実は大国の政争の場と化している国連に見切りを付けたユーラシア南方諸国により一九九一年九月に結成される。
 名目は軍事同盟であるが、最終的には域内統合も目指しており、数億の人口と豊富な地下資源を有する一大勢力になる可能性を秘めている。

 もっとも発足当時は、それらは全て画餅に過ぎず、発起人である枢木の資本投下と情報提供及び好意的黙認の立場を取る米国の威光があってようやく成立している組織でしかなかった。
 とはいえ、対BETA戦が激しさを増すにつれ、連合加盟国の危機感も高まり、その紐帯を強くしていく事になる。

 また余談ながら、当初は『蓬莱島』と名付けられる予定であった連合の暫定首都『アルカディア』だが、中国の神話起源の名称の使用をインドを始めとした連合諸国が嫌った為、急遽、西洋風の名称で落とし所を図ったという逸話も存在する。
 これだけなら単なる笑い話だが、その根底には、未だ大陸の盟主を気取る統一中華に対する連合各国の反感が根強く滲み出ており、以後の連合の行動も、統一中華とは距離を置いたスタンスが基本となっていく。



 ▼アルカディア

  出典:なし

 インド洋・セイロン島沖南東五百海里の洋上に建設中の巨大浮体式構造物(ギガフロート)

 当初は、洋上の合成タンパク精製プラントとして国連には報告がされていたが、南亜細亜連合発足後、MD社から買い取った戦術機生産ラインを備えた兵器供給プラントとして申請が変更された。
 その後、更なる拡張が図られ南亜細亜連合の首都としての機能を与えられる事となり、名実共に大陸南方の守りの要として機能する事になる。




☆PHASE 11



 ▼鬼葦毛(Mk-1J)

  出典:コードギアス

 制式名:93式自在戦闘装甲騎 鬼葦毛。
 枢木よりライセンスを受け、日本の遠田技研が、一九九三年より生産を開始した日本版バルディ。

 原型騎の設計を忠実に再現したこの機体は、その信頼性とBETA小型種を相手取るには充分過ぎる性能故に、帝国軍の機甲戦力において欠く事の出来ない存在として重宝される事になる。

 なお、一点だけ原型騎と異なる箇所として背部コクピット脇に設置された93式近接戦闘用長刀の存在が挙げられる。
 これは日本人のアイデンティティとも言える刀の搭載に遠田の創始者が拘った為だが、蓋を開けてみれば刀の搭載に使用者側も拘った為、遠田翁の読みの的確さを証明する実例となった。



 ▼ファントム・ジーク・サイレント(F-4GS)

  出典:なし

 ロイド・アスプルンドとセシル・クルーミーにより開発されたファントムをベースとした先進技術評価用概念実証機。

 ゲフィオンディスターバーを応用した完全なステルスシステムを搭載している為、ステルス機を暗示するサイレントの呼称を付けられてはいるが、搭載されているのはそれのみではない。

 念願叶ってようやく確保に成功したサクラダイト関連技術を実戦にて運用・評価する為のプラットフォームとしての役目を担っていたこの機体により、様々な関連技術が極秘裏に実戦で評価されていき、蓄積されたデータは、後々、ロイドによって産み出されるKGFの礎となっていく。

ファントム・ジーク・サイレント
ファントム・ジーク・サイレント
イラスト提供:eris様

 先進技術の実戦評価の為、世界各地の戦場に無許可で出没しBETAと交戦。
 九〇年代中盤以降、謎の所属不明機(アンノウン)として衛士達の間では有名になっていく。

 曰く、

 ―突撃級の突進を真っ向から迎え撃ち、装甲殻ごと真っ二つに叩き斬った。
 ―光る楯を産み出し、光線級のレーザーを防いだ。
 ―突撃砲からレーザーと思われる光条を放ち、要撃級の群れを薙ぎ払った。
  いや、信じられない程の発射速度の突撃砲で、要塞級を肉片に変えたのだ。

 ……等々。

 眉唾モノの証言に、戦場で錯乱した衛士の妄想の産物として表向きは処理されているが、各国の軍上層部及び情報部門では、いずこかの国が新兵器の実験を行っているものと見做して、秘かに調査を行っているものの巧妙に尻尾を掴ませない事から、その筋では黒い亡霊(ブラック・ファントム)と呼ばれる事になる。


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☆断章《白山吹》



 ▼ランスロット・ゼロ(Lancelot Zero)

  出典:(名前だけ)コードギアス

 ロイド・アスプルンドにより建造された原初のナイト・ギガ・フレーム。
 以後、アヴァロンで建造された全てのKGFの基礎となった機体でもある為、特別に『原型騎』とも呼ばれている。

 一九九三年十二月二十四日、帝都近郊の斯衛軍戦術機訓練場にて行われた模擬戦において、初めて公開され、斯衛軍制式戦術機『瑞鶴』五機を相手に圧勝、更に帝国最強を謳われる紅蓮中将が駆る最新鋭の第三世代戦術機『不知火』をも降し、その別次元とも言える戦闘力を満天下に示す。

 尚、この際に採取された各種データから、その基本性能の高さに帝国軍・斯衛軍共に驚愕し、開発中の『武御雷』の要求仕様変更や、翌年より導入予定だった『不知火』の改修要求を出すなどの頓珍漢な行動を取らせる原因となった。

 当時の技術廠の解析では、片手で瑞鶴を振り回してみせた事から、単純な膂力だけでも瑞鶴の四〜六倍以上。
 機体の外形から推測される機体内容積から、通常の電磁伸縮炭素帯(カーボニック・アクチュエーター)では、どの様な配置を行ったとしても、それだけの膂力を発揮するのは不可能との分析がなされており、従来の物より遥かに高効率・高出力な電磁伸縮炭素帯(カーボニック・アクチュエーター)が使用されているものと推測されていた。

 また、ソレを支える機体主機出力は少なくとも瑞鶴の四倍以上と見積もられていたが、後の帝都防衛戦においてレールガンやビーム兵器などを機体主機のみで運用していた事から、主機出力は高出力の原子炉並であったのではと上方修正される。

 模擬戦時の映像記録に残る慣性を無視した様な急加速・急停止については、当初、新型跳躍ユニット&耐Gシステムの恩恵との説明が枢木側からは為されていたが、二〇〇〇年代に入り、国連ユーコン基地にて行われた情報公開により、ヒッグス場制御による慣性制御システムが実装されていた事が公となる。

 一九九四年以降、試作機の名目の下、様々な試験に利用されてはいたが、表向き、実戦に参加した記録は無い。
 そして一九九〇年代末期に起きた想定外のBETA大侵攻の際、帝都防衛戦に参戦するも、混迷する状況の中、大破してしまう。

 騎士の甲冑を想わせるその機体形状や、白を基調とした機体色から、『白騎士』と呼ばれる事が多いが、枢木に敵意を持つ者達からは、本来の家格の色である山吹より一段格下の白を使っている事から『白山吹』と陰口を叩かれる事も少なくなかったという。

 形式番号:KOR-00
 分類:第一世代KGF
 主機:ユグドラシル・ドライブ
 機関:フロートシステム
 武装:
  ■一九九三年模擬戦時
   メーザーヴァイブレーションソード×2
   スラッシュハーケン×2
 特殊装備:
  ブレイズルミナス(模擬戦時未使用)
  輻射波動装甲(模擬戦時未使用)



 ▼ナイト・ギガ・フレーム(Knight Giga Frame)

  出典:なし

 開発元である枢木が以前より販売していたメア・フレーム、そしてそれをベースとして米国マクダエル・ドグラム社と共同開発したKMFの系譜を受け継ぐ戦術機とは似て非なる新たな人型兵器として開発されるも、一九九三年の初公開以降、数年に渡り、新型戦術機として戦術機の一機種にカテゴライズされてしまい開発者であるアスプルンド博士の機嫌を大いに損ねたという逸話を残している。

 フレームの名前通り完全内骨格系(ムーバブルフレーム)の機体であるが、戦術機も世代が進む毎に内骨格化が進んでおり、素人目には区別が付き難くなっている事も、両者が混同された理由とも言われている。

 戦術機との主たる差異としては、二〇〇〇年代に入ってから公表されたサクラダイト系技術である超高出力主機『ユグドラシル・ドライブ』や電磁伸縮炭素帯(カーボニック・アクチュエーター)とは異なる人工筋肉『マッスル・フレーミング』、ヒッグス場制御による慣性制御を実現した『フロートシステム』とその発展形である『エナジーウィング』が挙げられる事が多いが、これらの装備を戦術機に搭載すればKGFと呼べるのかと言えば微妙なところである。

 KGFと戦術機との機構的な差異を敢えて挙げるなら、KGFはモジュール化を徹底的に推し進めた機体であり、基本となるベース・フレームに任意のモジュールを組み合わせる事により様々な特性の機体を容易に構築できるという点が挙げられる。
 後々、アヴァロンの主であるルルーシュの斯衛とも言うべき『円卓の騎士(ナイツ・オブ・ラウンズ)』に所属する騎士達に、それぞれの資質に合わせて調整されたワンオフ機(KORシリーズ)を供与出来たのも、この機体特性の恩恵と言える。

 また、それとは別に設計思想や運用目的の観点から互いの差異を求めるなら、対BETA戦における戦術レベルの兵器である事を前提とした戦術機に対し、KGFは戦略レベルの兵器である事を念頭に置いて設計・建造が為された点が挙げられる。

 平たく言うなら、文字通りの『一騎当千』、否、『一騎当万』である事を突き詰めて産み出された機体であり、少数精鋭を以って、敵地(ハイヴ)の奥深くまで侵攻し、これを制圧する事こそが、本来の製造目的でもあった。
 そういった意味では、戦術機よりもHI−MAERF計画において産み出された戦略航空機動要塞のソレに近い存在とも言える。

 慣性の軛から解放されたが故の常識外の高機動性と加減速力。
 レールガンやハドロン砲といった従来の火砲とは一線を画す強大な火力。
 光線属種のレーザー照射にも耐えるブレイズルミナスによる鉄壁の防御。
 そしてそれらを支える膨大な出力の源泉たる『ユグドラシル・ドライブ』。

 それら全てを戦術機サイズの機体に納め、単騎であってもBETAの津波を薙ぎ払い、ぶち抜き、蹂躙して、ハイヴの最奥まで至る事を目的とし、設計・建造が為されたのがナイト・ギガ・フレームという存在と言える。

 そんなKGFにとって、本来、近接格闘戦能力は余技に近いものである。
 その運用思想は、圧倒的な大火力で敵を薙ぎ払い、空いた穴を一気に駆け抜ける事が前提であり、身を擦り合わす程の接近戦を行う事は運用上、好ましくない筈なのだ。
 にもかかわらず、メーザーヴァイブレーションソードの様な強力な近接戦用兵装を有し、瑞鶴の頭部を握り潰した上で引き千切る程の膂力と強靭なマニピュレーターをも備えている。

 重要性の高くない筈の近接格闘戦能力を、強く意識した装備・機能を有しているのは、ある種の矛盾ですらあるのだが、その点について開発責任者であるロイド・アスプルンド博士が明確な回答を返す事は無かったという。

 ただとある宴の際、酔った拍子にアスプルンド博士が漏らした一言

 『ランスロットこそが、最強』

 その一言こそが、KGFの持つ矛盾に対する答であるとされている。

 ――全てを超えて最強であれ。

 そんな夢物語を、現実に変えた存在。
 それが、ナイト・ギガ・フレームなのだと。



 1.機能・装備
  基本的な機能は、ギアス世界の第九世代KMFに準じる。
  但し、サイズ的な問題から、ランドスピナーの採用は見送られている。
  推進機関は、当初は技術水準の隠蔽の為、風変わりな跳躍ユニットと
  強弁出来るフロートシステムを採用。
  後に、隠蔽の必要が無くなった段階で、エナジー・ウィングが主流となる。

 2.動力
  ユグドラシル・ドライブを主機とし、補助としてはサクラダイトを使用した
  超伝導バッテリーを有する。
  ユグドラシル・ドライブ自体は、KGF用に新規開発された物を実装。
  また、機体容積の余裕から、エナジーフィラーの予備も多数搭載されている為、
  長期間の作戦行動も可能となっている。

 3.コクピット
  コクピットが脱出カプセルを兼ねている点はKMFと同様である。
  但し、脱出カプセルそのものに、小型のフロートシステムが組み込まれており、
  長距離を高速で移動できる仕様になっている。
  この為、万が一の際の騎士の生存性(サヴァイバビリティ)は、戦術機のそれに比して
  かなり高くなるものと見積もられている。
  これは、基本的に少数精鋭主義にならざるを得ないアヴァロンの事情が
  大きく関わっており、稀少な騎士の損耗を可能な限り抑える為の措置でも
  あった。

 4.武装
  近接戦用兵装としてはMVSが主流。
  主兵装としては、ハドロン砲系とヴァリス系レールガンの二系統がメイン。
  また、変わり種として、広範囲殲滅戦用の電磁榴散弾砲(タスラム)なども、
  後に運用される様になる。







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