一夏 Side



ライ達が転入した次の日に、模擬戦の訓練に付き合ってくれた。


最初は接近戦で挑んだらライは接近戦も桁違いで勝負にならなかった。



箒いわく、何かの剣術などをやっていたどころか極めた領域にいるとの事。
学生とはいえ剣道の大会で優勝した箒だと説得力があった。




射撃、接近戦、回避能力。どれを見てもライはずば抜けてる。

しかも、鼻には全くかけないから、女子から凄い人気だ。



それは兎も角、ライのISはどんな戦況にも対応できるようだ。


俺の白式とちがって、羨ましいと正直思う。


もっとも、千冬姉はどれだけ武装をそろえようがうまく使わなければ意味がないといった、
その後、「ランペルージはそれを扱う判断と状況把握能力があるからあのISの武装はああなったんだろう」
と、珍しく人を褒めていた。



ライがバイトに行った後、ふと俺達はライはこの学園に来るまで、何やっていたんだろうなという話になった為シャルルに質問した。



「シャルルはライと同室だよな? なにか聞いてないか?」


俺がシャルルに質問すると、箒達も気になっていたのかシャルルに視線を向けた。


「う〜ん、特に聞いてないかな。しいて言うなら、普通に学園に通ってたみたいだよ」


「普通に学園だと?」



箒が疑いの眼差しでシャルルをみる。箒、気持ちはわかるけどシャルルを睨んでも何もならないぞ?
アレだけの能力を持っているなら、セシリア達みたいにどこかで訓練してたと思うのが普通だろ。


「うん、ライの荷物に学生服のライが友達と写ってた写真が何枚かあったんだ。
みんな、普通の学生だったよ」



箒の視線も気にせず答えたシャルル。


「やっぱり、才能?」



鈴が悔しそうに呟いた。一方シャルルは何故か黒いオーラを出しながらブツブツなにかを言い始める。




「あの車椅子の女の子とは特に仲がよさそうだったな・・・、一緒に楽しく折り紙をしていたみたいだし・・・・、それに赤い髪の女の子とも仲が良かったし・・・」



「シャ、シャルル?」


俺は恐る恐るシャルルに呼びかけるが。


「車椅子の女の子と一緒にお茶を楽しく飲んでいたし・・・・、ふたりでピクニックなんてしてたみたいだし・・・・、
ライバルは多いと思ってたけど・・・・ライすごくいい笑顔だったな・・・ブツブツ」


なんか、暗い。



「シャルル?」


「え!? な、なに一夏!?」



「いや、そ、その今日はここまでにしようぜ?俺疲れちゃったし・・・・」



「あ、うん・・・そだね」


あれ以上、放っておくなんか嫌な予感がするので今日の特訓は終わりにした。


翌日、ライはバイトが休みなのか今日は最後まで付き合ってくれるようだ。



そのお陰か、射撃に対してのアドバイスお貰った。


「私のアドバイスを聞いていなかったのか」

「せっかく人が親切に教えてあげたってのに」

「わたくしの理路整然とした説明があったというのに」



とまあ、前コーチ達からは不満の声が上がるが、正直言って、
ライとシャルルの教えとは天と地ほどの差がある。


それを口にすると、俺はこの世にいられないから言わない。



「そういえば、一夏の白式って後付武装けど(イコライザ)がないんだよね?」

「ああ、何回か調べてもらったんだけど、拡張領域(バススロット)が空いていないらしい。
だから量子変換(インストール)は無理だって言われた。何でだろうな?」




ライの質問に答えて、自分のISの疑問を口にしたら。



「それって多分、ワンオフ・アビリティーに容量を使ってるからかな」

シャルルが終えの疑問に答えてくれたが。


「ワンオフ?」



「言葉通りの、唯一使用ワンオフの特殊才能アビリティーのことだよ。一夏の白式だったら『零落白夜』」



「へ〜え」


「まあ、それよりも一夏、射撃の訓練を始めようか」



ライが射撃の訓練を進めてきたが。


「他の奴の装備って使えるのか?」


「所有者が許可を出せばね」


「じゃあ、頼む、ライのあのヴァリスだっけ、使ってみたかったんだ」


「うん、いいよ」

ライはそういって、ヴァリスの使用許可を出してくれた。


「やっぱり、ライのヴァリスって、他のISの武装となにか違うね」



「そうだね、デュランダル以外が使うとなると、エネルギーの問題で弾数は限定されるけど、
それでも、ほかの武器とは威力が違うからね」


「なあ、これって、もう一丁あったよな?」



「僕も思ってたけど、あれって予備?」



「これは、連結する事でロングライフルモードになって長距離射撃が可能になるんだよ」



「随分使いかってがいいね」


「うん、僕の戦術にあわせてるからね、それに
このヴァリスは実弾のほかに加粒子砲の一種ハドロン砲の発射も可能なんだよ。
種類に分けるとノーマルモード、ハドロンモード、フルバーストモードの3形態を使い分けることができるからね、
戦場を選ばないんだよ」



「「「「「・・・・・・・」」」」」



「どうしたの?」



「いや、なに、そのチート級のライフルは?」


鈴が真っ先にツッコミをいれた。まあ、気持ちはわかる。
ISに関して知識のない俺でもそう思うからほかの四人は呆れてるんだろう。



「でも、デュランダル以外が使うと、ノーマル以外だと、一発ずつしか撃てないんだよ」



「なんでですか?」


「デュランダルに使われてるユグドラシルドライブの出力があってこそ
他の機能が使えるからね。ユグドラルドライブなしで、これを実現させようとすると、
大型になるからね」



「その、ユグドラってなんだ?」


「あるレアメタルを使ったエンジンだよ。
それで超伝導電磁石を搭載した軽量高出力エンジン、
それと、そのレアメタルは発見されないと思うから、量産できない」



「それって、政府は知ってるの?」


「いや、説明しても信じないだろうから、
次の学年別トーナメントで実績を見せて、ついでに開発費を政府から搾り取るとか言ってたかな、美園さんは」



その後、ライのISを開発した場所が小さな研究所だと知ったセシリア達は驚愕してた。




話も終わり、通常モードのヴァリスを全弾撃ち尽くした後、
もう一丁のヴァリスで一発だけバーストモードを撃たせてくれたが、
破壊力と弾速が桁違い、それに加え撃ったた時の衝撃も桁違いだった。
その所為で狙いなんかは見当違いのところに当った。


これを使いこなすライは凄いと思っていたら、周りが騒ぎ始めた。


「ねえ、ちょっとアレ……」

「ドイツの第三世代型だ」


ラウラ・ボーデヴィッヒがISを展開して、俺達を睨んでいた。

いや、正確にはライを睨んでいる。そして、何言わず発砲した。



レールカノンによって撃ち出された砲弾を、ライは瞬時に抜いた剣で真っ二つにした。



は?



レールカノンを真っ二つにしたぞ?
いや、それよりも。


「お前、いきなり撃つなんてふざけてるのか?」



「貴様はそいつのあとだ。ランペルージ、私と戦ってもらう」


偉そうに言うので、少し頭にきた俺は。

「ライ、放っとこうぜ」


この手の輩に関わると面倒なので無視することにしたが。


「それで君の気が済むなら構わないよ」


「「ラ、ライ!?」」

俺とシャルルは同時に驚いた。


ボーデヴィッヒの挑発にライは顔色をかえずに返した為か。


「その余裕の表情・・・気に入らないな」


そういって、ボーデヴィッヒは姿勢を構えたら。


『そこの生徒!何をやっている!学年とクラス、出席番号を言え!』

突然アリーナにスピーカーの音声が響く。騒ぎを聞きつけた担当教師のようだ


「・・・ふん。今日は引こう。だが、貴様等二人は必ず私が叩き潰す」



ボーデヴィッヒはそう言って、この場を離れた。
シャルルは直ぐにライに駆け寄った。

「ライ、怪我は無い?」


「大丈夫だよシャル」


「そう、よかった」


「それより、何よその剣?」


またもや、ライのISの武装質問タイムが始まったようだ。

あの剣がメーザーバイブレーションソードだという事を説明してくれた。

それよりもボーデヴィッヒが俺だけじゃなくライにまで敵意をむき出しにしたのが気になった。












??? Side



私はあの方から命令を受け、北の蛮族と戦った。

しかし、北の蛮族の数は多く力尽き意識を失い死を感じた。


そして気がついたら赤ん坊になっていた。


しかも、訳のわからないものが多い世界だった。電気、自動車、テレビ・・・・、
上げたらきりがないくらい訳のわからないものが多すぎた。

赤ん坊から少し成長して、一つずつ調べながら徐々に理解しはじめた。


そんな中、私はあの方の母君から聞いた言葉を思い出した。


輪廻転生という言葉。

死んでも生まれ変わって新しい命を授かる、あの方の母君の故郷で伝わる意味らしい。


どうやら私は生まれ変わったようだ。


それから少し成長して、私が生きた時代・・・つまり歴史を調べたら、
驚くべきことに私の前世の国が存在しなかった。それだけでなく、あの方に関しても何も記されていなかった。


あの方は、幼いながらも戦術と戦略を両方巧みに操り自らも先陣を切って我が軍に勝利をもたらした。

我々の目標であり誇りでもあった。そして、政治にも優れていて、わずか数年で疲弊していた国を建て直した。




あの方の為にこの命は存在するのに、あの方が存在しない世界に私は生まれ変わってしまった。



自分を育ててくれた両親にわずかに感謝している為、家の為にISに関わろうとした。


しかし、心では納得いかなく壁を作って誰とも深くかかわらないで生きる生活。



前世であの時死ぬはずだった私を救ってくれたあの方に忠誠を誓った、
たとえ誰が敵になっても、世界があの方に牙を向こうがあの方を御守りする、
そう誓ってラウンズになった。


それなに、無様に力尽き死んだ、自分に吐き気がした。


その為、誰とも話さず過ごした
だが、ある人物が突然私の前に光に包まれあらわれた。

その人の最初の言葉はブリタニア軍はどうなかっただった。


私は驚愕した。この世界に存在しないブリタニアという言葉に私は彼女に質問をした。


彼女にも自分の置かれた状況を説明した。

案の上、混乱したが図書館などの歴史書をみせたら渋々納得したようだ。


それから私は彼女にあの方の事を質問をした。

そうしたら、彼女の国の歴史では辺境の小国を数年で大帝国まで育て上げる基礎をつくった英雄として語り継がれていた。

そして、あの方の名は神聖なものとして扱われ皇族のものでも名乗る事が許されないほどになった。

だけど、あの方はあの戦いの後、行方不明になった。死体は確認されていないことが歴史に記されている。

私は嬉しいと同時に悲しかった。



それから、彼女『マリーカ・ソレイシィ』を私の両親が気に入ってか、家に招きいれた。

私としてはあの方に唯一つながりだという事で直ぐに賛成した。

両親にとっては他人と関わらなかった私が始めて楽しくお話しをする人ということで気に入ったようだ。


マリーカとはあの方の武勇伝をきいたり、彼女の世界の事を話をしたりで仲は良くなった。


それから数ヵ月後、私が彼女はIS学園に入学。


そして、それから少し経ち、他のクラスで男子が二人転校してきた。
転校したその日に、その転校生のクラスと合同授業で、私はあの方に再会した。



『ライ・S・ブリタニア』様に。












マリーカ Side


私があの世界にいたときの最後の記憶はトウキョウ決戦のときだった。


フレイヤの光に包まれ記憶がシャットダウンした。


その一瞬、私は死んだと思ってましたが、
意識が回復すると生きているどころか身体は無傷でした。



気絶していた私を介抱してくれた純菜(すみな)さんが言うにはいきなり、
彼女の目の前で光初めて、私がそこに現れたようです。

まるで、ファンタジーで、最初こそ信じられなかったのですが、
とりあえず純菜さんにブリタニア軍の事を聞いたら、
ブリタニアという言葉に反応したと思ったら急に『ブリタニアの英雄』に関して質問をしてきた。


必死な形相だったため、御伽噺の『ひとりぼっちの皇子様』ではなく、
歴史に記されたままの事を語りました。




ブリタニアが大帝国になったきっかけを作った英雄。
文武ともに優れ、幼いながらも戦術と戦略を両方巧みに操り
自らも先陣を切って敵陣に突撃し、そして必ず勝利して戻ってくる。



それゆえ、戦神や軍神など呼ばれた。

ブリタニアの騎士で彼をあこがれない者はいなかった。

私の兄のキューエルもそうだった。


あの方のようになりたいと常に言って訓練をしていた。


だが、ほとんどの人たちは戦術と戦略を同時に身につける人はいなかった。


いや、一人だけいた、『ライ・ランペルージ』。

ナナリー殿下の騎士であり、私が所属していたヴァルキリエ隊の指揮を執ってくれた方。


単騎で出ればラウンズに勝る戦果を挙げ、指揮を執ればシュナイゼル殿下が賛辞をおくる戦果を挙げている。


くわえて、最前線で指揮を執り、シュナイゼル殿下に見えない戦場の流れが見えるため、
シュナイゼル殿下から敵にしたくないといわせたほどだ。



純菜さんに私が知っている歴史を教えた後、私は自分の現状の説明を受けた。

うけたが、とても信じられなかった。



異世界。

ブリタニアが存在しない世界に来てしまったようだ。


最初こそ信じられなかったが、純菜さんに図書館に連れて行ってもらって、
歴史書をみて、驚愕した。

その後、純菜さんも私がいた世界の住人であったと聞かされたときは多少安心したが、
純菜さんが生きていた時代を知ったら安心が消えて驚愕がよみがえった。


もはや、何でもありだと思って現実逃避をしたのはいい思い出だ。


それから、どうしようかと思う前に純菜さんからうちに来ないかと誘われた。

私としてはあてになる人がいないから純菜さんの誘いはうれしかった。


その誘いを受け、彼女の家に向かったら、かなりの大金持ちの家だ。



その後、純菜さんの両親を紹介され、なぜか気に入られた。



それから、この世界に関して知識を学び、
純菜さんと同じIS学園に入学した。

KMFと違い女性しか動かせない兵器。
その兵器のおかげか女尊男卑の世界。



そのISに初めて乗ったときは感激ではなく、
戸惑いだった、操作はナイトメアと違って思考で操作するため簡単だが、
私にとっては逆に危険だった。


私のブリタニアの騎士であり、ラウンズにあこがれたこともある。
彼等のナイトメア操縦は他の騎士とは別次元のレベルだ。


縦横無尽に操作し、接近戦では生身以上の動きで相手を倒すその動きは、
驚愕に値する。

何度かランペルージ卿とラウンズの模擬戦を見たことあるが、
あの接近戦をやれといわれたらまず無理だと即答できる。



入学試験の実戦試験で、彼等のように出来るかもしれないと思い、
試験官と戦いました。

勝利したが、ラウンズの接近戦のようまでは行かないが、
それに近い動きでだったがゆえに筋肉が断裂しかけた。


その後、試験官の一人にこっぴどく叱られた。


私の戦いは危ないので、
記録には残さないことから、表向きは負けたと記されたが、
適正がAであったため合格した。

もっとも、筋肉痛の痛みが数日続いたため、
二度とあんな戦い方はしないと試験官の人に言われなくても自分に誓っただろう。
ちなみに、純菜さんも私に近い戦い方で勝利寸前までいったようだが、
相手が強かったのか惜しくも敗北してしまったが私と違い多少疲れただけですんだようだ。
さすが、生身の戦場を経験している人は違うと思った。




学園に入学して、純菜さんと一緒のクラスになった。


周りは一組に男子が入学したと噂が持ちきりだったが、
純菜さんは興味を示さなかったが、私は多少興味がった為、一目見に行った。
が、周りに女の子達みたいにどうしても騒げなかった。

確かにかっこいい部類はいるが、私としては何も思えない。

その理由はランペルージ卿を身近に見ていた所為もあって、
他の男を見るとどうしてもランペルージ卿と比較してしまう。



あの人と比較するとほとんどの男の人は霞んで見えるだろう。

あのナイトオブラウンズの中でも美形に入る枢木スザク卿やジノ・ヴァインベルグもそうだった。

まあ、ランペルージ卿を知らなかったとしても、今あげた二人に比べると、
やはり織斑一夏は私にとって霞んで見える。


ラウンズと比較する自体間違っていると自覚していますけど・・・・。




そして、すこし経ち。

新たに男子操縦者が転校してきた。

織斑君の時の様に周りの女子は騒いでいるが、
最初の件もあってか私は純菜さんと同じように興味が持てなかった。


それに、その日の授業はそのクラスと合同授業だからいやでも目にするだろうと達観していたがその、男性操縦者はライ・ランペルージ卿。

驚愕した。


どんな理由で、彼がここにいるのかは知らないが


『ランペルージ卿、ナナリー殿下は許可を出したんですか?』


と、私は最初に思った。



だって、ランペルージ卿とナナリー殿下の甘い雰囲気は直に何度も味わっている。

あの二人が喧嘩したことは見たことがない、
いや、政務に関して多少言い争ったことはあるかもしれないけど、
あの二人が別れるような大喧嘩は全く予想できない。

この時、私は私が知っているランペルージ卿ではないかもしれないという可能性に行き着くことが出来ず、勝手に私が知っているランペルージ卿だと思っていたことに学年別トーナメントで知る事になる。



























たくさんのWEB拍手ありがとうございます。


この小説が再開できたのはシルフェニア様のおかげです。


WEB拍手にありましたが誤字などはWEB拍手で知らせてくれるとうれしいです。



にじファンに乗せていたプロローグから二話以外はすこし加筆しながら投稿したいと思いますのこれからもよろしくお願いします。



押して頂けると作者の励みになりますm(__)m


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