ライとルルーシュは司令室で咲世子の報告を受け絶句していた。


ただでさえ、戦場で戦ったナイトオブラウンズのジノとアーニャが生徒会のメンバーになって
戸惑っているのに、ルルーシュに変装した咲世子の行動で二人は言葉を失ったていた。


何せ、シャーリーとキスをした挙句、108人の女子生徒とデートの約束までしていた。


「このスケジュールは………流石に…なんというか…」



ライはルルーシュのスケジュールを見て言葉を探していたが見つからなかった。


体力のないルルーシュが睡眠を三時間としたスケジュールはハードだろうと思ったライはルルーシュに視線を向けて
机をリズムをつけて指先で叩いた。それを見たルルーシュも苛立つ演技をしてライと同じように指先で机を叩く。


(僕がギアスを使って約束の数を減らそうか?)

(いや、これは俺のミスだ。こんなことの為にお前のギアスを使う必要はない)


(心配性だね。でも、何か困ったことがあったら頼ってくれ)


(ああ、わかってる)



二人は五本の指をそれぞれ母音にして、関節の曲げ方や組み合わせで指会話をしていた。

ロロとヴィレッタは二人ともスケジュールを見てイライラして指をたたえいるように見えたが、
咲世子はなにか会話をしていることに気づいたが、自分の妄想に浸っていたため時に何も言わなかった。



だが、二人の指会話の会話が言葉になって一夏達に伝わっているため、
彼等は二人の関係に嫉妬した。


ルルーシュはシャーリーのデートにいけない事でお詫びの品を渡して怒らせる、
ライもルルーシュもなぜ怒ったのか分からず混乱する。
二人が似ているところを見せつけられ嫉妬はさらにヒートアップしていく。



そんな中、ミレイがキューピットの日というイベントをやると言い出した。




そのイベントで女性関係を精算するために、話し合いをしているルルーシュとライの会話を聞く限り、
ライは危機感がなく、むしろは転校したばかりだから一番安全だと思っている。


これを聞いた千冬達は気が気でならなくなった。



案の定、イベントが開始する直前にはライの周りには何人かの女子生徒がいて、
ライは無防備だった。


そして、開始の合図をする前にミレイはあるライとルルーシュの帽子を持ってきたものには
部費を十倍にすると宣言した。


そのため、ライとルルーシュは全生徒に狙われることになる。





そして、ルルーシュに変装した咲世子がルルーシュとかけ離れた動きで生徒たちから逃げていた。

それを見たライは通信で。

『ルルーシュ…』


『言うな!! 咲世子は天然だから言っても意味はない』


『そうだ…えっ!?』


ライの同様にに『どうかしたのか?』と質問したルルーシュにライは。


『モルドレッド?』


『は?』


ルルーシュは何を言っていると思ってモニターを見たら、そこには戦場でみたナイトメアがやってきていた。


『『・・・・・・・』』


『ルルーシュ?』


『なんだ?』


『現代のナイトオブラウンズって一般教育を受けていないのか?』


『俺に聞くな、…頼むから』


『ごめん…そうだね。きっとアーニャとジノが少しおかしいだけだろう…うん、そうだ』


アーニャは最初に見つけたライをターゲットにしてライを追いかけた。


ライはなんとか図書室に逃げ込み、ヴィレッタがアーニャを止め、
シャーリーがルルーシュの帽子を奪いイベントは終わった。





ミレイ自身は苦笑しながらも自分の卒業イベントを楽しんで卒業していった。
















ミレイが学園を卒業して数日、悲劇が起きた。



その日、ライとルルーシュはイケブクロに来ていた。
目的は租界に設置したゲフィオンディスターバーの点検。


その途中でスザクとシャーリーに出会う。
四人で他愛のない話をしていると、シャーリーが急に混乱して、
ビルから飛び降りた。


三人の協力もあって、シャーリーは落ちずに済んだが、
ロロがルルーシュの携帯に嚮団の刺客がきたと伝えられる。
スザクが不審に思い、ルルーシュに問おうとするが、
なぜか、すっきりした表情になったシャーリーがスザクを連れ出した。



シャーリーに態度に少し不安を感じたルルーシュとライだが、
今は刺客の排除を最優先と判断した。



その刺客はかつてゼロのギアスのせいでオレンジ疑惑をかけられたジェレミアであった。
だが、ジェレミアの本心をしったルルーシュは彼を迎え入れた。


そのあと、二人は屋上で地上の様子を見ようと移動してる中、
血まみれで倒れている少女を見つけた。

その少女は彼らが知っているシャーリーだった。



二人は直ぐに彼女のそばに駆け寄った。


「誰がこんな・・・』



ルルーシュもライも、そして、その光景を見ていた一夏たちも驚愕した。



「ルル…良かった最後に話せて」

「最後じゃない!今医者を呼んで」


ルルーシュが携帯を撮り、ライは自分の衣服を破って血を止めようとしたが、
シャーリーは止めた。

「やっぱり…あの時の…ライ君なんだね」


「シャーリー! まさか記憶が?」


「ごめんね…、君のことを忘れてた…みたい…」





「そんなことどうでもいい、それより傷口を」

「ライくんに…お願いがあるの…」


「シャーリー?」


「私の代わりに…ルルを…支えてくれないかな?」


「ダメだ君の代わりは誰もいない」


シャーリーは微笑みながらルルーシュに視線を向ける。


「私ね…記憶が戻って凄く怖かった…偽者の先生…記憶の無い友達…皆が…嘘付いてる…世界中が私を見張ってるみたいで…ルルはこんな世界で一人で戦っていたんだね…たった一人で、だから私は…私もルルの…本当になってあげたいって…」

「シャーリー…」

「私…ルルが好き…お父さんを巻き込んだって分かってても嫌いにはなれなかった…ルルが全部忘れさせてくれたのに…それでもまたルルを好きになった…記憶を弄られてもまた好きなった…」

「ダメだ!死ぬなシャーリー!!」


ルルーシュがギアスをかけるも。

「何度生まれ変わってもきっとまた…ルルを好きになる…これって運命なんだよね…?」

「死ぬなシャーリー!死ぬな!死ぬな!」

それを見ていたライの握った拳には爪が食い込んで血が流れ落ちていた。
かつて、カシスが死んだ時と今の状況が重なっていた。



「だから良いよね…?ルル…生まれ変わっても…またルルを好きになっても…何度も…何度も…好きに…なるから…」

「はっ…!?シャーリー?シャーリー!?」


「……うぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



そのあと、ロロがやってきて、
シャーリーの記憶が戻っていて、ゼロの正体がバレそうだったから自分が殺した報告した。

その言葉を聞いて、ルルーシュはすぐに優しいい兄の表情をして、ろろを抱き寄せ、褒める、
そして、自分たちが自由になるために嚮団を潰そうと語る。

自分たちのためだと聞かされたロロは安堵するが、
ルルーシュとライはロロの見えないとこでかロロを冷たい視線を向けていた。

その視線はまるで研ぎ澄まされた鋭利な刃物だと思えるくらい鋭く冷たい視線だった。

それをみていた一夏達は戦慄した。
殺気や殺意など感じられなかったが、二人からロロを始末する意思を感じとった。



それから、嚮団の奇襲作戦を決行した。
嚮団の研究員や人体実験になっている人間を全て殺していく。


そんな中、V.V.が現れるも、彼を撃退するが、
ルルーシュとライはKMFごとCの世界に引き連れ込まれた。


そこで、シャルルに出会う。
ちなみに、シャルロットはこの時、ライにシャルルと呼ぶことに躊躇した理由を理解した。



それから、C.C.も現れふたりは彼女の目的を知る。


そして、二人が別の空間に閉じ込められたシャルルがラグナロクの接続を開始しようとしたとき、
ルルーシュとライはシャルルがいる空間にやってきた。


「自ら開いたのか思考エレベーターを」



「なるほど。この空間そのものが思考に干渉するシステムか」


ルルーシュがそう口にすると、ルルーシュとライの機体は巨大なブロックによって動きを封じられた。



「答えろ、C.C.、なぜ俺たちのどちらかに代替わりにして死のうとしなかった?」


「僕たちに永遠の地獄を押し付けることだって出来たはずだ」


ルルーシュの叫び続き、ライもC.C.に叫ぶ。
二人の叫びをきいたC.C.の手が震えていた。



「俺たちを哀れんだのか!?」


C.C.の瞳に涙が流れそうになった。それを見たライも叫び続ける。


「そんな顔で死ぬな。最後くらい笑って死ね、
僕たちが必ず笑わせてやるだから」



その言葉を聞いたC.C.はシャルルから離れた。

システムに干渉したのか、蜃気楼と不知火の動きを封じていたブロックが消える。


「ライ!!」

「ああ!!」


蜃気楼はハドロンショットを不知火はヴァリスを神殿に向けて撃った。


「これ以上、奪われてたまるかーーー!!」
「これ以上、失ってたまるかーーーー!!」


「何たる愚かしさがああぁぁ!!」



落ちていくC.C.を追いかける蜃気楼と不知火。


「俺たちは知っているぞ、お前の本当の願いを!!」



ルルーシュの叫びにも反応せず落下していくC.C.。


ライは不知火から飛び出した。

C.C.を抱きかかえ、ルルーシュの手をつかもうとした。

その時、光が溢れ彼らは元の場所に戻っていた。
ただし、C.C.は奴隷時代の記憶をしか持っていなかった。






黒の騎士団にそのことを隠したまま、
彼らは超合衆国連合の式典を始めた。




それをみていた千冬とラウラは、
国ごとに形成された軍隊では連携を取れないと思って不安になるが。



「最後に、合集国憲章第17条。合集国憲章を批准した国家は、固有の軍事力を永久に放棄する」



超合衆国国の代表である神楽耶の言葉を聞いて、

一夏達、それにこれを見ていた人々も驚愕した。

「そんなことしたら、意味ないじゃない」


鈴がそう口にした。

その言葉は一夏達と世界中の人々も思っていた言葉だったが。


「その上で、各合集国の安全については、どの国家にも属さない戦闘集団・黒の騎士団と契約します!」

「契約、受諾した。我ら黒の騎士団は、超合衆国により、資金や人員を提供してもらう。
そのかわり、我らはすべての合集国を守る盾となり、外敵を制する剣となろう!」


「それぞれの国が武力をもつのは騒乱のもと。
超集衆国では、最高評議会の議決によってのみ軍事力を行使します」

「それでは、私から最初の動議を。
わが合衆国日本の国土は、他国により蹂躙され、不当な占領を受け続けています。
黒の騎士団の派遣を要請したいと考えますが、賛成の方はご起立を」




それを聞いた一夏達はルルーシュとライなら本当に世界を平和にできると思っていた。





自分達と大して歳の変わらない二人の思考レベルに体が震えていた。






それから、シャルルが電波ジャックをして宣戦布告した。
その事でルルーシュはナナリーの身のことで焦り始める。



C.C.の言葉でルルーシュはスザクを信じてみようと、ナナリーを助けてくれるよう頼み、
枢木神社でルルーシュ一人で来いと行った。


ルルーシュは一人で行き、ライはキュウシュウ戦に参加した。

ライはそこで、ブリタニア最強十二騎士の頂点に立つナイトオブワンと戦っていた。



最初はお互いの力量を図るため、様子見をしていたが、
ビスマルクは不知火の運動性能では部が悪いと思い一気に攻め決着をつけようとした。
そして、ライはギャラハット相手に遠距離攻撃は無為意味と判断して二本のMVSで決着をつけようとした。





不知火は双剣でギャラハットの攻撃を受け流し反撃する。


ライの強さは対人戦での経験おかげなのか、
ライが一番力を発揮するのは一対一のであった。
そのため、徐々に不知火が押し始めていた。



「なるほど、手を抜いて勝てる相手ではないようだ」


ビスマルクはそう言うと、閉じていた方目を開ける。

その目にはライと同じギアスが宿っていた。


それから、不知火の攻撃は読まれたり、
回避先を読まれたりして、ライは不利になっていった。



「動きが読まれる?」


カウンターに関しては不知火の運動性能のおかげで致命傷は避けられている。




「この力――マリアンヌ様以外に使うことがあろうとはな!」





「マリアンヌ!?」


その言葉で多少動揺したものの、ライは冷静にビスマルクの能力を分析していた。



(動きが読まれるということは、マオのようにこちらの思考を読む力か、
……あるいは未来を読む力………顔写真では片目が閉じられていた、
…ならギアスの類と思って間違いないだろう)



ギャラハットの攻撃を紙一重で避けながら、ライは分析を続ける。


「よく避ける」


(賭けに出るか)


ライは不知火を上空に飛翔させる。



「さあ、どうする」



ギャラハットは大剣を構え、不知火も双剣を構えた。
そして、一気に上空からギャラハットに向かった。



「正面!! やけでも起こしたか?」



ビスマルクは現在の不知火と少し未来先の不知火を捕らえた。
ビスマルクは未来先の不知火の双剣に集中したが、
突然、ギアスで捉えていた少し未来先の不知火が消えた。


「何!?」


ギアスに写っていた不知火が消えた次の瞬間、
ギャラハットの画面が揺れた、そのことで二度も驚愕する。
その瞬間、本来の不知火も目の前で消えた。

「くっ!!」



ライは不知火とギャラハットが激突する瞬間、
驚異的な速度と正確性でギャラハットの後ろを取った。
背後をとった瞬間に、双剣がギャラハットに襲いかかる、
ビスマルクは勘で回避行動をるも、わずかな差で間に合わず、
左腕とフロートユニットを失った。


左腕が切断さたとき、片方の腕で握っていた大剣を手放し、腕を不知火がいる方向に向けてハーケンを撃つも
不知火はシールドを展開して防いだ。



「終わりだ、ナイトオブワン」


ライはそう口にして、ギャラハットの残った腕を切断した。


「見事!!」



ビスマルクはそう言って、脱出レバーを引いて脱出した。


「ルルーシュの母親に関して何か知っている感じだったが、
今は、星刻の援護に向かうか」



ナイトオブワンを倒したことで、黒の騎士団の士気は最高潮に達した。

そのおかげで、戦況は黒の騎士団に傾き、ライはトウキョウに向かった。




そのころ、ルルーシュは約束通り、
スザクとあっていた。




ルルーシュはナナリーを助けたいという本心だけをみせ、
ほかの質問は自分の為だとスザクに偽わった。


スザクはそれが偽りだと悟り、
ゼロとして責任を取るならナナリーは救うと言って手を取り合おうとしたが、
シュナイゼルの介入によりルルーシュはスザクに裏切られたと思った。


そして、あらかじめギアスをかけていたギルフォードを利用して、
その場を切り抜けた。



「そうだ、スザクを信じた俺が愚かだった。
俺が信じるのはライだけでいい」



ライの過去を知り、自分とライは似ていると確信できるほど、
二人の生きてきた道筋は似ていた。


ルルーシュはそう判断して、トウキョウ租界に向かった。










そして、黒の騎士団の奇襲作戦がはじまり、
租界は戦場となった。




そこで、ライは戦場でジノと初めて会話をした。



「戦場で会話をするの初めてかなジノ?」


「ライ!? なるほど、お前がその機体に乗っていたのか?」


「あまり、動揺はしてないみたいだね?」

「まあな、足運びは只者じゃないと思っていたし、それに…」


「それに?」

ジノは笑みを浮かべ。


「お前とは戦ってみたいと思っていた」


「僕は戦いたくなったけど」



「そうつれないことを言うなよ。
せっかくなんだこの場は楽しまないとな」


「そうか」


不知火はMVSとヴァリスを握り、トリスタンと戦闘を開始した。



トリスタンは飛行モードに変形して、
不知火を翻弄していく。

ライの射撃能力は高いが、相手はラウンズでその射撃をかわすのは難しくはなかった。
そのため、両者の戦いは拮抗する。








ガレスに乗っていいたヴィンセントが不知火を目撃すると、
直ぐに不知火に襲いかかろうとしたが、ジェレミアに阻まれる。



『ゼロ様の親友に手を出すことは私が許さんぞ』




『その声は!? ジェレミアか!!』



『ほお、貴様はヴィンセント卿。
軍学校以来ではないか』



『オレンジの疑惑は本当だったのか!』



『オレンジ。 ふふ、それは我が忠誠の名前』



『我が愛機を寝取り、陵辱して挙句、捨てるような組織に入るなど、
私は許さんぞ!!』



二人のやり取りを見ていた一夏達はジェレミアの忠誠心と純菜の忠誠心が重なって見えた。




『私の忠義の嵐を受けるがいい! ヴィンセント卿!!』

『貴様の方こそ。我が怒りの波動をうけるがいいオレンジ!!』


ジェレミアはミサイルの嵐をお見舞いし、
ヴィンセントはガレスのハドロン砲でミサイルを落とすも、数が多すぎて機体は甚大なダメージを受け撤退を余儀なくされた。







一方、蜃気楼はナイトオブテンに苦戦していたが、
カレンが復帰したことでパーシヴァルを難なく撃破する。

そして、ゼロの命令でスザクのランスロットを追い詰め、
完全に殺す寸前まで追い詰めるも、スザクに命令したギアスが働き、
スザクはフレイヤを撃った。










そして、トウキョウ租界は死んだ。


その光景は誰もが驚愕した。



「なっ…これ…」


誰が、そう口にしたか判断できないほど、
彼等は混乱していた。



円に沿って、綺麗に消えた租界を理解できないでいた。


だが、その場で戦っていた者たちの恐怖は彼らの比ではなかった。



ゼロもライも思考が混乱していた。








そのあとは、黒の騎士団は斑鳩に戻り撤退を余儀なくされた。
ルルーシュは混乱していてとても会話ができる状態じゃないと判断したライはルルーシュを一人にさせた。

そこで、シュナイゼルがやってきて、
ゼロの正体が自分の弟であることをつげ、
彼にギアスがあることを騎士団に伝えた。



そのことで、黒の騎士団の幹部である藤堂たちはゼロに見切りをつけ始めていた。
一方ライは彼等の会話を聞いて、シュナイゼルの話術に感心する一方、
黒の騎士団のメンバーに落胆していた。


なぜなら、自分達の意思だけでゼロに見切りをつけたなら、それは彼等に信用を得ようとしなかったルルーシュがわるいとライは判断できたが、今回は敵の中で最も警戒すべきシュナイゼルの言葉を聞き入れ、自分達のリーダーを引き渡そうとした。


ギアスのことを聞いても、それを利用してやるという思考もできないでシュナイゼルの言葉を聞いた彼らに落胆していた。



「好きにすればいい、私は黒の騎士団を抜けさせてもらう」


ライはそう言って、立ち上がり立ち去ろうとしたが、扇がライの肩を掴んだ。


「待ってくれ、君にはゼロの跡をついで欲しいんだ」


その言葉はそこにいた藤堂達の代弁でもあった。


「触るな」


ライはそう口にして、シュナイゼル達の会談の為に護身用に持ってきた刀で扇の手首を斬った。



扇自身、何が起こったのか理解できなかったが、ヴィレッタが扇の名前を叫んだことで、
扇は自分の手首が切断されたことを理解した。

「うぁあああああーー!!」


扇が叫んだ瞬間、ライの足払いを受け地面に倒れる。

「扇!!」


「動くな」


たった一言発しただけで、ライ以外の動きが止まった。
ライがギアスをかけたわけでなく、ただ、王だった頃の覇気を発した。
そのことで、痛みに叫んでいた扇ですら叫ぶのをとっさにやめた。




「動くと、貴様ら全員殺す!」


部屋に殺意と覇気が充満する。

戦場を経験したコーネリアや藤堂達すら呼吸することを忘れていた。



「ルルーシュは好きにしろ、だが私は貴様らを従えてブリタニアと戦う気はもうない」


何しろ、彼らはギアスのことでフレイヤについて忘れていた。
シュナイゼルが意図的にそうしたが、それを踏まえても黒の騎士団は利用価値すらないと判断した。




ライはその場から立ちさ去った。




ライはロロのところに向かい、彼にルルーシュが処刑されると伝えた。



ロロ自身、ルルーシュに拒絶され生きる理由がなくなった状態だったが。


「どうして、僕にそんなことを、
僕は兄さん…ルルーシュに拒絶されたんですよ」



「はっきり言っておく、僕は君が憎い、
ナナリーの居場所を奪い、シャーリーを殺した君を殺したいくらいにね」


「…」


「君にとって、この一年どんな意味があった」

ライはそう言って、ロロの前に黒の騎士団たちの行動を予測したデータをおいて立ち去った。



「最低だな」


ライは鏡の中の自分を睨みながらそう口にし、
黒の騎士団の戦闘データをとり始めた。



そして、ロロは蜃気楼に乗りルルーシュを救出した。



自身の命を削りなが、黒の騎士団から逃走した。
ルルーシュは自分はもう生きる価値はないとロロにいうが、
ロロはそれを無視してギアスを行使した。


自分がだれかの道具だと自覚して、
命を削り取っていった。

たとえ、ルルーシュに使われていた思っても、
ロロにとって、ルルーシュは兄であり家族であった。


その思いのおかげで自分は人間になれたと口にして、最後は自分の意志で行動したと叫んだ。



そして、最後はルルーシュに家族だと認められて眠りについた。


ライはルルーシュの前に現れ、
自分がロロを誘導したと伝える。


ロロの敵は自分だと伝えるも、
ルルーシュは己が招いた罪だとライに言う。





そして、ふたりは決着をつけるために行動を開始する。









光景がかわる、そこにはスザクはクレーターの前にたっていた。

徹底抗戦をとなえた父を殺して、
これで戦争は終わり、無駄な血が流れずに済むと思っていた幼い願い。

だが、その願いはかなわず、戦争は終わらなかった。


それどろころか・・・。





「フフ、フフフフ。フッフフフフ、ハハハハハ!アーハッハハハハ!」



壊れたように笑うスザク。そして、彼の表情は今まで違っていた。
ニーナにフレイヤを賞賛する。




そして、アヴァロンでは不敬ともとれる態度でシュナイゼルに自分の功績だと伝えた。




「フレイヤ弾頭を撃ったのは自分です」


その言葉に、コーネリアたちは嫌悪感を抱いた。

「あれは自分の功績です。ナイトオブワンになるために必要な」


「おいスザク」


「この処置は、ギルフォード卿の名誉を守るためですか?」

「よしたまえ、スザクくん」


「いいえ。これまでの自分は甘かった、
結果より手段といいながら、自分が大事にしていたのは、理想や美学だったのではないかと」


「しかし」



「それとも、殿下がしていただけるんですか?自分をナイトオブワンに、
ヴァルトシュタイン卿は黒の騎士団のパイロットに負けました、
自分ならアルビオンでそのパイロットを殺してみせます」





「たとえ、ナイトオブワンが敗北しても、
ナイトオブワンの任命は、皇帝陛下にしかできないんだよ?つまり」


ロイドがスザクにそう言うと。

「では、なるとしよう」


シュナイゼルがそう口にした。
シャルルはもはや皇帝の資格はないと彼らに伝える。


「陛下。ラウンズの自分なら、陛下に謁見がかないます。自分に、皇帝陛下暗殺をお命じください」

その言葉で、スザクの目的を知った一夏達。
スザクの目的はルルーシュとライと同じシャルルの命だった。

「スザク…!」

ジノが、スザクを止めようとするが。

「人を殺めるというのが自分の業ならば、ジノ、僕はこれを認めよう。必要なものは、結果だ」


この言葉で、一夏は喪失感に襲われた。
ルルーシュやライが結果を出したとしても、
本心はスザクが目指していたものに共感していた。

だが、そのスザクですら最終的に必要なものは結果だと判断したことに
ショックを受けた。















そして、彼等三人はCの世界で再会する。



そこでルルーシュは真実を聞かされる。


母親の本性を、そして、二人の目的を知った。


ルルーシュにとって、全てはショックなことだったが、
ルルーシュはこの時、自分を知り、父と母が目ざす世界を否定した。



そして、ライもスザクもルルーシュと同じ気持ちであった。


これまで、気持ちが交わらなかった三人が、
同じ気持ちになり、シャルルとマリアンヌを否定する。

「そうだ。Cの世界は人類の意思。そして、人は平等ではない。共におまえの言葉だ。
平等ではないがゆえの俺の力を知っているな?」

「愚かなりルルーシュ!王の力では神に勝てぬ!」

「勝ち負けじゃない!これは願いだ!そう、俺は今こそ自分を知った。
神よ!!集合無意識よ!!」


そして、ルルーシュはCの世界に、集合無意識にギアスをかける。


「時の歩みを!とめないでくれ!!」



マリアンヌはルルーシュを止めようとしたが、
ライとスザクはマリアンヌの前に立った。


「こんなことは誰も、ユフィも望んではいなかった!」


「ユフィと話をさせてあげるために助けたのに」


「それを押し付けというんだ!!」


「できるはずがない。神に、人類そのものに」

「それでも俺は!明日がほしい!」


その時、ライと同じく両目にギアスが宿った。
思考エレベータが崩れて行く。

シャルルがラグナロクの接続をはじめようろしたとき、
足が消え始めた。

そのことで、マリアンヌも驚愕して焦り始める。



「バカな!わしは不老不死のはずなのに、飲み込まれる?!Cの世界に…!」


「C.C.はどうして消えないの?この計画に賛成していたんじゃ」


「すまない。気づいてしまったんだ。おまえたちは、自分が好きなだけだと…」


「違う。ルルーシュやナナリーのことだって」

「おまえたちは知っているのか。ナナリーの笑顔の意味を」

「笑顔?」

マリアンヌのいぶかしげな表情を見たルルーシュは涙を流しながら答える。

「なぜわからないんだ!ナナリーは目もみえず、歩くこともできなかった。
だから、世の中には自分ひとりではできないこともあるって知っていたんだ。
ナナリーは、ナナリーの笑顔は…せめてもの感謝の気持ちなんだ!」



「そのような誤魔化しこそが」


「それを嘘だとは言わせない!言わせてなるものか!!
現実をみることもなく、高みにたって俺たちを楽しげに観察して……ふざけるな!!
事実はひとつだけだ。おまえたち親は、俺とナナリーを捨てたんだよ!!」



シャルルがルルーシュの首を掴む。


スザクとライが動こうとしたときルルーシュが止める。



「わしを拒めば、その先にあるのはあやつの、シュナイゼルの世界だぞ!
善意と悪意はしょせん、一枚のカードの裏表。それでも貴様はあ!!」


「…だとしても、おまえの世界は俺が否定する。消え失せろ!!」





その言葉で、シャルルとマリアンヌは消えて行った。

これで、3人の共通点が増えることになった。



その後、C.C.はこれからどうするのかと三人に質問をする。














光景が変わる。



宮殿ではシャルル皇帝から重大な発表があるという事でブリタニアの中枢をなす者たちが集まっていた。


その中でライが現れ、ライは玉座まで歩み始めた。

そして、玉座につき自分が皇帝であることを発表した。



そして、前皇帝をであるシャルルを殺したと口にする。

その言葉で、警備兵がライを拘束しようとすると、ライは王だった頃の覇気を発した。

オデュッセウス達は恐怖をと畏怖を感じて無言になる。


そして、ルルーシュとスザクも現れれ、ライはルルーシュを参謀に、
スザクはラウンズを超えるラウンズとしてナイトオブゼロの称号を与えた。



その後、場は混乱するも、ルルーシュが自分たちを『認めろ』というギアスでその場は収まり、
ライは皇帝となった。






いきなりのことでラウラ以外は混乱した。



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