第十一話

 

 

 

 

 とある空間の中で、巨大な鳥━ガルーダ━の周りを紫電と黄金の影が跳び回る。

 「アキラ、いまだ!!」

 紫電の影はその身に魔人の力を宿したダンテ━━━

 「クラウ・ソナス、ダブルサイズモード!!」

 片や黄金の影はリテラエルネルア状態の暁だ。

 暁は黄金の翼を羽ばたかせると高く翔び上がり得物を大鎌状に変型させ魔力で刃を形成すると横に構える。

 〔ハーケン・ブラスト〕

 クラウ・ソナスから発せられた声と共に暁の周辺に幾つもの陣が展開される。

 「切り裂け!!」

 暁はクラウ・ソナスで空を薙払い、魔力形成された刃を放つ。
 同時に陣からも同様な刃が放たれ、敵を襲う。

 その攻撃をまともにくらい、ガルーダはボロボロの雑巾みたいになり地に落下するがまだ生きている。

 「トドメだ!!」

 落ち行くガルーダに自身も急降下し後を追う。

 「魔神衝裂破!!」

 落下エネルギーも加わり、更に威力を増した攻撃がガルーダに繰り出される。

 その一撃でそのでかい体躯は真っ二つに斬り裂かれる。

 そこへ追い討ちの攻撃が加わる。 身体を軸に回転し衝撃波を放つとガルーダはその身を消滅していった。

 消滅した後その場にはこぶし大の大きさの光が現れ暁に吸い込まれる様に体の中に入っていった。

 「ふぅ……、これで二つか」

 暁はビルの屋上に着地するとリテラエルネルアを解除し、結界を解くと息を吐く。

 夜に映える街灯や家の明かりがたくさんついてる事から夜だと頭が認識される。

 「オイ、残りの欠片は幾つだ?」

 数瞬遅れて降りて来たダンテがデビル・トリガーを解除し暁に問う。

 「あぁ、残りは三つだけど……魔界に一個あるからあとは二つだな」

 暁の発言に前に可奈が話していた内容を思い出す。 今は魔界は開いていない状態だからこの大丈夫だ、と言っていた。

 「いずれ魔界の扉が開かれるだろうからな、その前に残りの二つの欠片は回収しておきたいな」

 「そうだな。ところでダンテ、その剣、アラストルって言ったっけ? 物凄い魔力だな」

 暁はダンテが背中に背負ってる紫電を放っている大剣を指した。

 「これか? コイツは魔人の力が宿ってるんだ、魔力も桁違いなのは当たり前だ」

 「魔人、か。 じゃあその魔人の力を借りてさっき悪魔化したんだな」

 「そういう事だ。 ああいう魔人化を『デビル・トリガー』って名付けている」

 暁は相槌をうつと、自宅に戻ろうと踵を返す。

 「アキラ」

 「ん?」

 振り返るとダンテがちょいちょい、と指でとある場所をさすのでその方向を見ると。

 「コンビニ?」

 それが何の意味を示すのが分からないので間の抜けた声を出した。

 「アキラ、明日はガッコウって奴は無いんだろ?」

 「そうだけど?」

 何が言いたいんだ?と思いつつ応えていく。

 「だったら今夜付き合え」

 その言葉が意味するのはつまりは朝まで酒を飲み明かそうと言う事だ。

 「マジ!?」

 「大マジだ」

 ダンテは子供が悪戯に成功した様な笑みを浮かべながらコンビニに入っていった。











 「――――んで、なんで二人は出来上がってんの?」

 暁達が帰宅してから二時間ぐらい経ったあと、菫に付き合わされてた女性三人組が帰宅した。

 三人は、リビングの惨状に頭を痛めていた。

 テーブルに無造作に転がっている瓶の数が異常だ、一本や二本じゃない軽く見ても十本ぐらいはしごしてるだろう。 しかもどれもアルコール度数が高そうな 物ばかりだ。

 「あぁ、この国に来てから少しも酒飲んで無いからな。 久々の酒をアキラと飲み交わしてるんだ。 どうだい、お前さん達も一杯いくか?」

 ダンテは、空のグラスにウォッカをなみなみと注ぐとそれを三人に差し出す。

 「いや、私はこれから調べ物があるから遠慮するよ」

 「私は下戸なので申し訳ありませんが、辞退させて頂きます」

 「私はまだ高校生ですから飲めません」

 三者三様に断わられ、ダンテは渋々差し出したグラスを引っ込めた。

 「にしてもアキラ、良い飲みっぷりだな。ほれ飲め♪」

 「あぁ、サンキュー♪」

 また一本テーブルの上に空の瓶が置かれた。

 「すみちゃん、この酔っ払い共はほっといて先に休んじゃいな?」

 「は〜い」

 可奈の言う事を素直に聞き、菫は自室へと向かった。

 「・・・・・・・・・・で、魂の欠片は手に入ったの?」

 菫がリビングから出て行ったのを確認すると、真顔で本題に話を移した。

 「あぁ手に入ったよ、だが……」

 「『だが』?」

 言葉を濁すダンテに可奈は不思議に思い聞き返した。

 「姉ちゃんと魅緒は戦闘には参加しないで欲しいんだ」

 「な!?」

 「……詳しくお話頂けませんか?」

 ダンテの代わりに暁が放った言葉に二人は驚愕する。

 「今日の戦闘は、以前のデス・サイズとの戦闘とは比べ物にならないほど強敵だった。 俺とアキラでも随分苦戦したしな」

 「だったら皆で戦えば良いじゃない」

 「無理なんだ。 普通の悪魔なら大丈夫だけど、魂の欠片を持つ奴とやる場合は隔絶空間内で行うんだ。二人は生身の人間だから侵入さえ出来ない」

 魂の欠片を持つ人間から欠片だけを獲るにはその魂を具現させるしかない。 そのための隔絶空間だ。 しかし、その中で活動するには生身の体では耐えられ ないのだ。 悪魔とのハーフであるダンテと暁は耐えられるものの生粋の人間である魅緒と可奈は例え空間内に入ったとしても入った瞬間肉体が崩壊しかねない ほどの衝撃が襲い掛かるのだ。

 暁はその事を説明する。

 「アンタ等の力はわかってるつもりだ、だが魂の欠片を持った奴らと戦うときは別だ。 その時は退くんだ」

 「「・・・・・・・」」

 ダンテの決定的とも言える一言に、魅緒と可奈は押し黙ってしまう。

 「・・・・・・・そういうことなら、わかりました」

 「魅緒!?」

 一時静寂に包まれた空間は魅緒の一言で終わりを告げた。

 「ですが私の役目は暁さんを守る事に変わりはありません。 そこはたとえ暁さんであろうとそれは曲げません」

 決意を秘めた瞳がダンテや暁を射る。

 「・・・・・・・・わかった」

 その決意が伝わったのか暁は数瞬黙った後魅緒の意を汲むことにした。

 「魅緒」

 「なんですか?」

 「ありがとな」

 暁は笑顔で魅緒に礼を述べた。

 「/////!!」

 魅緒は顔全体を紅潮させその身も硬直させた。

 「・・・・・・・・・・・出たわね、必殺『女殺しの笑み』・・・・・」

 可奈は呆れた表情で二人の光景をみた。 ダンテもやれやれ、といった感じでコップに注がれたウォッカを飲み干した。

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 部屋の外から耳を立ててこの話を聞いていた人物がいた事は四人には気づかなかった。


 あとがき

 今回、意外に短いな・・・・・(ビックリ)



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