ふぅ、やっと授業が終わりました。しかし無駄な授業でもそこに意味があると思うと不思議と苦ではありませんね。・・・退屈ではありますが

そういえばかなめさんは授業が終わると同時にこそこそと出て行ってしまいましたね。

まぁどうせ目的地はわかってますから私も行くとしますか。




フルメタルパニック!、機動戦艦ナデシコ、クロスオーバー
〜テクノロジー、その先に・・・〜
第6話   恋する乙女ゆえに!?




「・・・。」

かなめは授業が終わるとソースケが貰った手紙に書いてあった体育館裏に行き、柱の裏に隠れていた。

(ソースケは・・・まだ来てないわね。)

「カナちゃん。」

「ひゃぁっ!」

ソースケがまだ現れていないことにどこか安心していたかなめは突然声をかけられ驚いて声をあげる。

「きょ、キョーコ!おどかさないでよ!」

「私もいますよ。」


「うひゃぁっ!」

恭子の声に反応してそちらを向くとその逆からルリに声をかけられ、かなめはさらに素っ頓狂な声をあげる。

「あ、あのね〜。あんたたち何しにこんなとこまで来たの?」

「私はサガラさんと一緒にアキトさんがいるはずだからです。」

「私はおもしろそうだから。」


ルリと恭子は悪びれる様子もなく自分の理由を言う。

「はぁ・・・、あんたらいい性格してるわね・・・。」















「あ、ホントにいた。」

3人は柱の影から気づかれないようにあたりを見回すと20mほど離れたところに1人の少女が立っていた。

「・・・サガラさんの予想は外れたようですね。」


ルリは少女の顔を見つめながらつぶやいた。

「って、あんた、あのバカが言った事が正解の可能性が1%でもあるとおもってたの!?」

「ええ、可能性としてはありえると考えていました。」


ルリはさも当然のように答える。朝の出来事でルリの中ではこの時代の治安は非常に悪いと考えているのだ。

「あ、そう、・・・じゃぁなんで今は見ただけで信じたのよ?」

かなめは呆れたように質問する。今、かなめのなかでルリの常識レベルがソースケに毛が生えた程度のものと位置づけられた。

「恋する乙女には通じ合うものがあるんです!!」

ルリは字は大きいがあくまで小声でいう。しかし気迫だけはすさまじい。

「る、ルリルリって面白い子だね・・・。」

恭子がひきつった笑みを浮かべながらいうとかなめはなにをいまさらとジェスチャーする。


(ダッシュ、そろそろアキトさんの居場所はわかった?)

〔彼女の付近にある茂みの中に迷彩で身を隠しています。ちなみにサガラソウスケ軍曹も同様です。〕

ルリはかなめと恭子が話している隙にダッシュにあらかじめ出していた検索の結果を聞く。

(もちろんそこからはあの子の様子はみえるはずだから・・・。)


「それにしても肝心の相良くんはまだかな。」

ここに来てすでに10分はたっている。会う気があるのならばすでに来ていてもおかしくない時間だ。

「もうすぐ出てきますよ。アキトさんは昔はどうしようもないくらい鈍かったですが最近は成長したはずです。というより彼女の顔を見てもわからないならお仕 置きです!」

「「?」」

かなめと恭子はルリの言っていることの意味がわからなかったが、ルリが信頼に満ちた瞳で恵那(正確には、の近くの茂みだが)を見つめていたのでとりあえず 黙った。
















「・・・。」

時刻は7時を少し回ったところ、ルリからはピリピリした空気が伝わってくる。

「やっぱりこないんじゃないかな〜。」

恭子は6時を回ったあたりから帰ろうかとしていたがそのたび「もうすぐ出てくるはずです!」とルリに止められてこの時間になっていた。

「・・・もう我慢できません・・・。」

ルリはそうつぶやくと立ち上がろうとする。ルリの中で恵那の前に現れないソースケやソースケがそうするよう促さないアキトへの怒りがこみ上げてきた。

「まって、誰か来るよ!」

恭子の声を聞いてルリはすばやく隠れる。そして期待に満ちた目でそちらをみる。ダッシュの解析が間違えで元からこの時間に現れる予定だったと思ったのだ。


「おおっ!だれかいるじゃん、こんな時間によ〜。」

「え?だれだれ?」

「おほ〜!かわい〜じゃん!」

「なにしてんの、お姉さん?」


ブチッ!

かなめと恭子には確かに何かが切れた音が聞こえた。


「あ、あの・・・わたし・・・。」

恵那は明らかに現れた不良たちにおびえてたどたどしている。

「一組の子じゃない?佐伯さんだっけ?」

「夜は怖いよ〜。ほら、オレらみたいなのがいるからさ〜。」

「そっ。たとえばこんな具合に・・・。」

そういうと不良の1人が恵那に抱きつこうとする。

バンッ!

その瞬間、ルリは立ち上がると同時に不良の足元に発砲する。不良たちは銃声と突然現れたルリにぎょっとして振り返った。

「だ、誰だ、お前!!」

ルリはその問いかけに返事をせずにもう1度発砲する。今度はリーダー格の頬をかすって銃弾が木にめり込んだ。

「これはおもちゃじゃない。一発で人の頭を撃ち抜ける本物・・・かっこよくないかい?」

というとルリは不良たちに冷たい微笑を浮かべ殺気を放つ。その殺気は戦場の経験や武術の心得のない不良にも本能で危険を感じさせるのに十分なものだった。

「「「う、うわぁぁっっっ!!助けてくれ〜〜!!」」」

当然、不良たちは我先にと逃げたした。


「カナちゃん、今のルリルリ、キャラ違うよね?」

「しっ!それは私たちがいっていいことじゃないわ。」



「さて、そこに隠れてるアキトさんとサガラさん。死にたくなかったら出てきてください。」

ルリはそういいながら銃口を茂みに向ける。そこには怒ったルリの恐ろしさを思いだしガクガク震えるアキトとさっきの殺気で全身汗まみれのソースケが隠れて いる。

「・・・。」

ルリは無言で撃鉄を立てる。

「ま、まて!」

明らかに本気に見えるルリを静止しようとあわてて出てくる2人。

「・・・そうですね、一応こんな時間まで隠れていた理由を聞いてあげましょうか。」

ルリは銃口を2人に向けたまま言う。

「も、もちろん身の安全のためだ。そこの女が不審な動きを素振りをみせたら、このショットガンのゴム・スタン弾ですかさずノックアウトしてやるつもりだっ た。」

「つまりこの女の子にその銃を今までずっとむけていたと?」

「・・・肯定だ。」

ソースケは本能で危機を感じたが事実なので肯定する。

「・・・それでアキトさんは何も言わず近くに潜んでいたと。」

「い、いや、まってくれルリちゃん!何処かおかしいとは思ったんだ。だが作戦中にむやみに動けないし、なによりそろそろ俺は出て行こうとっ・・・。」

「問答無用です。2人とも先に帰っていてください。今夜はお仕置きです。」

みるみるアキトの顔が青くなる。一方ソースケはよくわからないながらアキトの様子にただならぬ不安を感じていた。

「ま。まて、話せばわかる。頼むから話を・・・!」

「今すぐ帰らないとお仕置き2倍です。」

「ひぃっ!」

ルリの言葉にアキトはソースケを引きずって一目散に走り出す。


「わたし、ルリルリがわからない・・・。」

「ただひとつわかるのは絶対に怒らしたらいけないってことね・・・。」



「ふぅ、さて、サエキさんでしたよね。さっき引きずられていったほうがサガラさんです。もう少し好きになる相手は選んだほうがいいですよ?・・・といって も片方は私が好きな人なんですが・・・。」

「・・・。」

恵那はルリの言葉を聞いてるのか聞いていないのかぼーっとルリの顔を眺めている。

「それとこの時代、じゃなくてこの時間は治安が悪いみたいですから遅くなったら絶対に家に居たほうがいいです。」

「あの・・・。」

「はい?」

恵那の雰囲気はまだぼーっとしているときと変わらないようだが何処か熱を持っている。

「お名前をお聞きしてもよろしいですか?」

「え?あ、はい。ホシノルリです。」

ルリは突然名前を聞かれ驚いたが律儀に答える。

「あの・・・その・・・。」

「?」

何かを言いよどむ恵那をルリは不思議そうに眺める。

「お、お姉様とよばせてください!!」<サイズ変更+2>

「・・・はい?」

明日からの学園生活にまた嵐の予感がした。



PS,次の日の早朝アキトとソースケは虚ろな目で「オシオキコワイ・・・オシオキコワイ・・・。」とうわ言のようにつぶやいていた。















後書き

こんにちは、(またはこんばんは)、今回も読んでいただきうれしい限りです。

さて今回で「南から来た男」にあたるところが一応終わりです。朝のお弁当はソースケがあの状態なので削除となりました(笑)・・・というよりかなめがかな 〜り脇役チックになってますね・・・。しかも暫く続きそうです。どうもかなめのおいしいところをルリにまわしがちになりそうです。

かなめに対してルリはかな〜りメインというか完全に主役です。多分短編関係ではほとんどそうなりそうですね。アキトやソースケには長編関係のところで期待 してください。・・・ルリがルリじゃないのはもう此処まできたら仕様ということで(爆)。これもあるイミ主人公最強系になるかもです(爆死)。

そして今回のお話。佐伯恵那嬢がルリの妹になると(違)。1年半前はアキトにうんたらと書いてますがここは短編主人公のルリにと思いまして。まぁ実はアキ ト×ルリは決定済み且つどうやってアキトに気を向けるかが問題になりまして。それにすぐに好きな男をころころ変えるのもどうかなってのもありまし た。・・・この展開でルリに「お姉様っ!」ってなるのも無理がありますが、その辺はご愛嬌ということで。いろいろこういう設定を作っとかないと短編パート が書きにくすぎるってのが本音です。

ちなみにこの投稿ペースは絶対続きません。あらかじめご了承を。基本2週間から1ヶ月に1つになると思います。1ヶ月を超えないのが目標です。

次は「愛憎のプロパガンダ」と「恋人はスペシャリスト」を・・・ルリ主役で書いて、そのあとはやっと長編「疾るワン・ナイト・スタンド」のところに入りま す。な、ながい・・・。多分長編のところに入るまでに3〜5話かかりそうです。

それでは次回もあえることを願っています。


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