第37話『国連総会』


2001年6月17日

国連本部で開かれる国連総会に出席する為HSSTの機上の人になっていた。
副司令とビダンさんも搭乗している。

ニューヨークとの時差は14時間、通常航空機で行くと大体11時間程、
勿論マッハ2クラスの超音速連絡機はあるがアメリカ上空での超音速は認められないには変わりなく、
その為地球上ならどこでも約3時間程の行程ですむHSSTでの移動となる。

HSST…再突入型駆逐艦。
リアルで言えば高性能高出力シャトルといえばいいだろう。
最大加速4G程だがシートで大体吸収され体感的には2G以下になるHSST、
只今再突入ポイントへの大気圏外での移動中であった。

香「しかし…ゲームの登場人物だったのね」

カ「ええ…運命が決まってたみたいですね」

ビ「でも…カオル君が救ってくれたから、こうして自由に恋愛が」

カ「つってなにシートベルト外してこっちにくるんすか!」

香「あらあらあついのねぇ」

カ「副司令〜笑ってないで止めて下さいよ」

香「恋路を邪魔して蹴られたくないわ」

乗「あの〜そろそろ突入なのでお座席に」

カ「ね、ビダンさんもどっ…ちょ、何故俺の上に、シートベルト何故はず!」

乗「突入しますよ!」

そんなこんなで、
『当機はまもなくジョン・F・ケネディ空港に着陸します』
機体は着陸前の滑空状態へ入っていた。

カ「あ、ワールドトレードセンターがある」

香「あら?あなたの世界にはないの?」

カ「ええ、9.11というハイジャックテロで、トレードセンターが崩落しました。
確かそのテロで2700人近くが亡くなりましたね」

ビ「え?あの最新の建築物が?」

カ「ああ…ビダンさんは完成してすぐでしたね。2001年9月11日、アルカイダというテロ組織が確か4便ハイジャックして、
内2便がサウスタワーとノースタワーに突っ込んで崩壊です」

香「それ、今年にこの世界でおこる可能性は?」

カ「ん〜多分ないですね…アメリカの中東政策の失敗からひきおこったハイジャックテロですから、
そもそも中東にそんな余裕のテロ組織がこの世界にないですし」

香「確かに中東にはないわ…けどテロ組織ならあるわよ」

カ「へ?人類同士で争ってる暇なさそうなのに?」

香「代表格といえるのがRAF、難民解放戦線ね」

カ「難民解放戦線?」

香「難民を難民キャンプに押し込めるな、
難民の生活を保障しろ…ね」

カ「あ〜…ある意味正当性ありそうな主張ですね」

香「余裕がなく、そういった窮状になっている箇所もあるから…一概にはね…」

カ「帝国の難民キャンプとかですね」

香「ええ、おまけに武力闘争をけしかけてBETA戦線に被害もでるし…
各国から指名手配をうけてる位だわ」

カ「なにやってるんだか…」

香「あと最近注意しなければならないのがキリスト教恭順主義派の動きね」

カ「キリスト教が?」

香「ええ、人類反抗計画のオルタネイティヴの反対派ね。
勿論5にも反対し4にも勿論反対してるわ…
最近だと国連からの資料暴露とか…」

カ「ん〜共生派でなく?」

香「共生派?いえ、抵抗はやめよよ…
確かBETAは神の使いである。
無駄な抵抗はやめよ。神に身を捧げよだったわね」

カ「あ〜世紀末論か。神の降した天罰であるですか」

香「神の力の根源が目の前にいるのにね」

カ「キリスト神ではないですよ。確か…」

ビ「八百万の神の誰か?」

カ「かもしんないっすね〜。またはギリシャ神話神か…
まぁ少なくとも物理法則無視できる力与える神っすから、
よっぽどの実力神じゃないですか?」

と、話してると機体はジョン・F・ケネディ空港に着陸する。
この空港もHSST運用にあたり発着場の改造をうけ、
その他民間便…アメリカ国内、またアフリカ大陸諸国便、南米便等、
まだBETA侵攻を受けてない国への国際便がでる大規模国際空港である。

空港からマンハッタン島にある国際連合議会ビルに向かう。
ワールドトレードセンターがやはりシンボルとして目立つ。

ビ「ねぇ、カオル君。あのビルが飛行機突っ込んだだけで崩壊したの?」

カ「あ〜構造的な弱点があったので…」

香「構造的弱点?」

カ「あのビルは外壁及び中央エレベーターシャフトで支えていたんですよ」

ビ「たしか、日系人のヤマサキチューブ構造でしたっけ?」

カ「それが中層に突入した飛行機の爆発炎上により鉄骨強度が失われて…
まずより低層に突入した南棟が外側の支柱強度が失われて自重で崩壊、
つづいてより高層に突入された北棟が、
中央シャフト破断の反対側に火災が広がり、
上層にいた殆どの人を巻き込み…っすね」

香「甲殻類の骨が失われた…って言ってもよいのね?」

ビ「背骨ぽっきりで耐えられるビルねぇ」

カ「耐えられるビルより、HSSTとか、ジャンボジェットがハイジャックされない方が重要ですよ」

ビ「なら反対に地中にビルを作る方法なら?」

カ「あ…確かに」
地中ならハイジャックによる突っ込まれても、
カ「でも、地震でポッキリ」

ビ「空洞なら?」

カ「高層夜景がみられない」

ビ「それこそ飛行船等の出番よ。何故壊れる物へ執着するのかしら?」

カ「経済面から」

ビ「あら飛行船も馬鹿にならないわよ〜」

カ「まぁ建築基準甘かったからでもですが…
帝国の高層ビル基準で建てられたら、飛行機突っ込まれても崩れ落ちる事ないですよ」

帝国基準、日本基準では高層ビルはダイナマイト工法での一発解体は出来ない頑丈な作りである。
なのでB747クラスが突っ込んでも上層の滑り落ちはありえるが、
上層落下による自重崩壊はない。

いざ解体するにしても2012年12月話題の赤坂プリンスのテコレップが有名だが、
一層一層丁寧に解体していくしかないが実状なぐらい堅牢である。

香「帝国の基準で建てられないでしょあんな高層ビル」
主にコスト面でだが…

カ「ん〜確かに…横浜ランドマークタワーが自分の世界でも日本最高ですね」

香「ああ、崩壊したね…」

ビ「横浜ランドマークタワー??」

カ「こっちにもあるんすね…えっと…完成1993年ですよね?」

香「…そうね」

カ「に横浜にできた300m弱のオフィス等の複合ビルです」

ビ「国民が産業の犠牲になった国がねぇ…」

カ「あ〜1970年頃はっすね。
今は規制につぐ規制で環境には気をつける国には…がBETAっすね…
で…崩壊って?」

香「艦砲射撃直撃にも耐えるくらい堅牢だったんだけど、
BETAに1階から3階あたり削られてだそうよ。
倒れた際に戦果がBETA700体ときいてるわ」

カ「そりゃ下が…基礎が無ければ…
樵に切られた木のように横倒しになりますね」

と話してると…総会議場ビルへと入る。

==総会議場内==

議「お集まりの皆様方、
オルタネイティヴ4の最高責任者香月夕呼博士による動議に応じて頂きありがとうございます。
では香月博士より提議をお願いします」

香「当オルタネイティヴ4は多大な成果をあげ、BETAの全情報及び大反抗の目処がたちました事を報告致します」

「ばかな!00ユニット等が?!」「諜報では」「本当か?」
議会内が騒がしくなり、

ガンガン!!
議「静粛に静粛に!」
ガンガンガンガン!!
木槌を叩きまくり静まってきた。
議「博士、詳しく報告お願いします」

香「まずわたしの理論をどうぞ」

「むう」「でまかせだろ?」

議長に合図する香月、

議「発言を続けたまえ」

香「はい、詳しくは5月上旬に…」

はしょるが、
カオルは異世界理論による最大の能力者として説明をされている。
今までの経緯が魔女の手により都合よく…

カオルの出番になり、

カ「自分がただ今の報告にありました、現在横浜白凌基地に居候している異世界人の渚カオルです。
現在香月夕呼副司令の直属の部下として少佐となっています」

香「わたくしの権限で地位を与えました」

カ「それでは、自分について説明します。本来でしたらこの世界に来訪する予定はありませんでした。
けれど今はこの世界にてBETA駆逐する為に努力を惜しまない…事を念頭に入ってますのでご了承を」

ア「わが国の案いがい」
ぼやきがでる…

カ「自分は、元の世界において神と呼ばれる存在に間違って殺され、
新たな肉体及び異能力を与えられ別の世界に行く予定でした」

「神?出まかせだろ」「神様かぁ」

カ「では異能力についてまずはパイル!」

光の槍に変化させる…
オオゥゥ
ザワザワ
「ひ、ひかりだ」
「天使だ」

カ「この光の槍みたいなのは、自分の世界の話エヴァンゲリオンでの敵となる、
使徒と呼ばれる存在の力でした。
またこれ以外にもブレード」

高周波ブレードを発生させる。
ザワザワザワザワ

カ「等のちからもありますがこちらからが重要です。
自分の能力、物質変化及びコンピュータ操作、つまりハッキングで、
オルタネィティヴ4の諜報員として地球上の全ハイヴ内部データー及び、
全BETAの情報、
あ号とよばれる地球上における指揮官の確認、BETA内では上位存在とよばれます。
また、この世界には他惑星に10の37乗もにも及ぶ上位存在がいる事等を報告し、
レポートとして纏めていますのでお読み下さい」

苦虫を噛んだ表情のアメリカ、
各国へ配られるレポート…

カ「なお、自分の能力としてあ号に定期的なスパイ行為を行っている…とも付け加えておきます」

少し間をおき…

カ「さて、他にも重要な事があります。
実はこの後承認を頂きたいと思っておりますが、
異世界を渡りそこでの技術情報及び異世界人のスカウト、及び異世界の力による軍の作成が可能となっています」
「異世界?」「馬鹿な!」
大きなどよめきがおこる。
場内が落ち着いたのを見計らって…

カ「ではまず異世界を渡る力世界扉について説明します。
香月夕呼博士の論文、因果率量子論にも記載しておりますが、平行世界にいける力…がこの」
世界扉を出し、
カ「世界扉です」
しばらくして消す。

カ「今のところ、自分が世界として認識している…所に限ってますが、それらの世界の力で作成したのがこれです」

B55ハンガー内機体の映像を流す…
また演習実弾武器限定のを流す。

アメリカから発言の許可を求める発言が上がる。
議長はカオルに判断求め、頷いて同意した…

ア「渚カオルさん、あなたは認識している世界に渡れる能力があるんですよね?」

カ「はい」

ア「その中に、過去の我が国のアニメ等でもある、超空間移動技術…いわゆるワープ技術がある世界はありますか?」

(きたか…)
ここからがオルタ5潰し。

カ「はい、ありますね」
トップを狙え最後のバスターマシーン3号のスレイブ作動し艦隊がワープ撤退するシーン、
マクロスF船団がフォールドに入るシーン、
宇宙戦艦ヤマトのワープシーン等の映像が流れる。

ア「こ、これらの技術も」

カ「はい。習得し持ち帰り再生する事が可能です」

ア「議長!今すぐに渚カオルさんの協力をえた、オルタネィティヴ5の発動を求めます!」

カ「大使さん、オルタネィティヴ5についてですが自分は参加しません」

ア「何故ですか!人類が生き延びる為には我が国の案しかない!
協力するのは当たり前だ!」

カ「自分の考えてる前提条件から違いますね…何故選定が10万人だけです?」

ア「人類種が生き延びれ、かつできるだけ乗せられる人数だからだ」

カ「残りの約10億人でBETAに全滅覚悟で挑み、G弾集中使用による重力異常で住めなくなる土地を更にふやして?」

ア「しょうがないだろ!それ程BETAは脅威だ!」

カ「大使さん…今までの他の世界の映像をみて何にも感じないので?」

ア「は?だから我が国の案が!」

カ「どうせなら全人類脱出計画なら、まぁそちらに協力してもよかったですが」

ア「そんなのできるわけが」
コロニーの映像を流す…

カ「このコロニーは宇宙空間にある島です。長さ30km直径6kmアメリカさんの案の10万人の100倍、1000万人すむ事が可能です」
続いてマクロスF船団の映像…

カ「この超マクロス級移民船は同じく1000万人もの人が住みまた25番目の移民船です。25番目の大規模移民船団ですよ?

お分かりかと思いますがたった10万だけはナンセンスです。
ですのでオルタネィティヴ5には協力いたしません。
が、強行採決されたいんですよね?
けど可決したさいには反対票を投じた国家の方々すべての皆様をのせ、地球脱出しましょう」
議場内が騒がしくなる。

カ「勿論安全を考え、偵察部隊で長距離ワープ、探索後安全な星にです」

アメリカ大使力無く座る…
その後移住目的地、バーナード星系に到着したと思われる探査機からは、
その後連絡が途絶えてたからだ。

カ「では…オルタネィティヴ4の発展による、
異世界軍団による各ハイヴ攻略の承認、また即応部隊としての、独立統帥権の承認を頂ければと思っています。
なを、こちらの案には先程でました、スペースコロニーによる難民受け入れもかねての案になります。
難民の住むスペースコロニーの安全を確保も含まれていますので…」

世界各地では難民の居住地の問題点が頻発している。
勿論帝国でもそう。
発言を求める挙手がきた…大東亜連合からだ。

亜「渚カオルさん、そのスペースコロニーの建設やそこまでの輸送は」

カ「勿論、独立統帥権を頂ければ異世界軍で受け持ちます」

亜「地球上の難民キャンプからそのスペースコロニーまで?」

カ「はい、またスペースコロニー間や地球との交通の確保まで行います」
大東亜連合の方座る。
別の方、中華統一連合…
中「その、スペースコロニー内の衣食住は」

カ「食に関しては農業用というのが存在しますし、ある程度一つのコロニー内で独立できるようになります。
住はコロニーで用意します。
衣は最初だけはですが民間工場の確保も視野にいれてます」
中華統一連合すわる。

ア「国の中枢を先に」

カ「いえ、まずは衣食住に困っている難民の方々からが先です」
アメリカさんすわる。
(国をうつしたらオルタ5強行だろ)

後は発言なさそうなので…

カ「ですが現在技術は再生可能ですが、作成には資源を異世界に収集しにいかなければ…という制限があります。
なお、今年の9月頃を目処にこの世界で作成可能との事で先に動いてます」

「あと3ヶ月後には…か」
ドヨドヨ

カ「さらに資源の確保が目処たちしだい大量生産体制に入りますので、
まずは12月を目処に自分のいる横浜基地の隣佐渡島ハイヴ、甲21号を攻略したいと思います」
オオオ
ア「できるわけがないだろう」

香「議長」

副司令が発言を求める。
議「香月博士」

香「当オルタネイティヴ4としましては、オルタネイティヴ5の凍結を求めますわ」

ア「な、な、なにを!!」

ザワザワザワザワ
議「静粛に静粛に!!」
ガンガンガンガン

議「博士どうぞ」

香「このように、渚カオル君の協力があれば、地球から人類が死滅する事なく、
また住めなくなる環境にならず、BETAを叩き出す事が可能といえますわ。
また引き続き、00ユニットの作成も続行し更なる諜報員の作成に鋭意推進します。
よって、オルタネイティヴ5の凍結を求めますわ」

ア「議長!オルタネイティヴ4こそ凍結、即時オルタネイティヴ5発動を!」

カ「だからオルタネイティヴ5には協力しないって…」

ザワザワザワザワ

ガンガンガンガン

議「え〜では凍結決議及び発動決議がでましたので、
まずは発動決議から入りたいと思います」

カ「議長」

議「渚カオルさん」

カ「自分の条件の中に、反対国の救済がありますので挙手での決議を求めます」
ザワザワザワザワ

議「わかりました…よろしいですか?アメリカ大使」

ア「良いわけがないだろ!」

カ「何故でしょうか?」

ア「公平でない!」

カ「何故公平でないのです?」

ア「衆人監視の元での挙手投票なぞ」

カ「一国の大使であるなら、責任を負ってほしいですね」

黙り込むアメリカ大使。

カ「議長いかがでしょう?」

議「では、投票に入ります…まずはオルタネイティヴ5の発動決議からです。
発動を求める方は挙手で願います」
アメリカだけ挙手、かなり狼狽している。
今までアメリカ側だった国々も難民受け入れ等でこっち側にきたようである。

議「発動は見送ります。次にオルタネイティヴ5凍結決議を行います。
凍結を求める国の方は挙手を願います」

結構手があがる。
が、半数にたらない…

アメリカ、ほっとするが、

カ「議長!」

議「渚カオルさんどうぞ」

カ「期限つき凍結でいかがでしょうか?」

議「ほう?」

カ「12月末までの佐渡島ハイヴ攻略、その成果がでるまでの一時凍結。
ハイヴ攻略でもって、オルタネイティヴ5計画の完全破棄で」
ザワザワザワザワ

議「わかりました。再度今の提案賛成の方々は挙手でお願いします」

アメリカ以外満場一致となる。

結果…独立した軍、異世界軍を率いるとの事で一軍の最高指揮官、
国連軍大将に就任することになった。

……




寸劇風後書き

作者「まだまだイクヨー!!ミコミコナースミコミコナースかえる…」

カオル「作者が壊れてる…」

石橋「ねえどうなるのこの物語?」

カオル「さぁ?」

作者「お、ごりょうにん〜♪」

カオル「復帰した?」

石橋「……駄目かな?」

作者「いやぁ…国連総会ネタおわったからねぇ〜
制限かかってたのドンドンやれるからさ♪
あ、ターミ〇〇〇ー連れてくるよ〜」

カオル「ネタバラし始めた…殺る?」

石橋「やっちゃえやっちゃえ」

カオル「ラミエル!!狙い撃つぜ!デッドエンドシュート!!」

大きい十字架……作者チーン

クロズミの中から起きる人影。
作者「解説ね…っと今回のネタバラか…」

カオル「復活しやがった…」

作者「まぁまて、国連総会かだろ?
安保理かなぁと思ったんだけど、
やっぱり調べると国連総会ぽかったんだよね…
まぁそんなわけで通常総会で提議をする形になりました…
今回の話のネタバラはそんなもんです。あとは飛行機か、HSSTか、どっちかなぁと悩みましたが、HSSTにしました」

カオル「ネタバラこんなもん?」

作者「だね」

以上でした

H24年4月11日改稿

ん?ビダンさんなんの為についていった?

H25年2月再改稿



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