第38話『メタルマックスの世界へ+コロニー建設計画始動』


ニューヨーク現地時間
2001年6月18日20時

楔うちのついでに一足先に基地へと戻るカオル、
選んだ場所は夜の自由の女神像のお膝元でリバティ島で世界扉を開き…


帝国時間6月19日朝9時頃
==B55ハンガー==

別世界経由の世界扉からでてきたカオル。
「ただいまっと」

[お帰りなさい〜…副司令達は?]

「ああ、約10時間後らしいよ。ひとまず先に帰ってトリップ準備だからな」

[了解〜]

「11号、地球月のラグランジュ点5は空いてたよな?」
以後L5と略称するが重力均衡点であり、
重力が均衡するデブリだまりである。

地球―月軌道間にある重力均衡点をL1、
地球―月軌道の月の向こう側の重力均衡点をL2、
地球―月軌道間の月の反対側に位置するのがL3、
地球―月軌道間の三角錐の地球からみて向かって左側がL4、右側がL5になる。
L4、L5がトロヤ点などとよばれる。

重力均衡点ではスラスター等を常にふかす事なく、地球と月の引力に引かれその点を保つ事となる。
宇宙開発にはかかせない安定点でもある。
[地球太陽L5は邪魔なのあるけど、地球月L5だよね?空いてたよ〜]

「じゃあ、そこにむけてチューリップ1セットよろしく。
コロニー群を建設しよう」
国連で認められた…もうこそこそ隠れて自重する事なくなり、
制限解除でこの世界へと力を投入し始める。

[ところでそこまでの人員輸送はチューリップ?]

「いや、さすがにチューリップは…ばらしちゃ駄目だろう…基本はマスドライバーかな」

[マスドライバー建設はこの基地に?]

「だな」

因みに迷わず行けそうなラグランジュ点は、L2、L3、L1のみだろう…
自力でむかうと航法システムがない状態だとL4L5は多分迷うはずだ。

「到着時にすぐに建造できるように事前に準備しておいてほしいが、
資材はある?」

[進めとくけど…厳しいかも…2基かなぁ]

流石に自重無しの各種機体作成で資材の底が見えてきた。
スフィンクスが151機、
G6ライノが31両、
コバッタ達が512号まで作られたおかげだ。
もちろんプラントも増設ずみのおかげもあるが…

「まぁ…今回の世界で資材確保の目処はたつな…
で、帰ってきてガンパレ組の依頼こなしてか」

[マスター頑張れ、暇なし]

行く前に各種手続きを…
学兵さん教育に実技は桜井隊長とB-01、
座学等こっちの世界観、法律等は、
副司令に文官を一名回して貰うように申請。

その他統一改造で操縦席の変更及びシステム面で、
全天周モニター、イジェクションポットの採用はもともとゲシュペンストにはされてるが、
魔不知火にも採用し、
コクピット的に無理なスフィンクスは一応救助も考え非球体型全天モニター。
衛士強化服をNBC下でも可能な宇宙対応型に及びPT系パイロットスーツに網膜投射システム採用、
エステバリスのGキャンセラー採用等統一してく。

課題の帝国提出用撃震はテスト待ちの状態で装甲をビダン装甲に…

ジオフロント、資材庫はA列が仕上がったのでB列に…
今のとこ施設追加予定なし。

「後は港湾設備か」

[港湾?]

「もちろん海上艦隊さ」

[あ〜]

水上港湾設備、水上艦船建造ドッグの建設も…
現在横浜基地には港湾設備としては国連軍の接岸港のみになる。
これではカオルの構想には機能的に勿論たらないので、
帝国と折衝の上建設をと考えていた。
折衝はコバッタ達がやってくれるだろう。

[ま、マスター…資材が]

「戻るまでの新規機体作成停止でまにあう?」

[ならなんとかね…間に合うよ〜]

「じゃあま、うんなとこだな」

[マスター、今度いく世界で本当に資材あつまる?]

「あつまるあつまる。あれできてるよな?」

[あ、あれ?ちょっとまってて〜]
奧に…なにかをとって引き替えしてきた。

[はい、探知機と携行型認識阻害機能つきキャンプキット〜。水と保存食もね]

流石に何も食えないとわびしいものがある。

認識阻害機能は要は向こう側を投影するものと思っていいだろう。
近場10m位で、あれなんか変じゃね?とわかるようなしろものだ。

「さんきゅ〜、じゃあいってくるわ」
世界扉を唱え…

==メタルマックスの世界==


近未来の地球、それはまさに廃墟の地球であった。

スーパーコンピュータ、ノアによる伝説の大破壊による結果である。

人々も大幅に人口を減らし正確な人口を把握する者は最早いないが、
一億人いるかいないかまで激減している。


さてこの世界の歴史を語ろう…

西暦2070年頃人は繁栄を続けてたが宇宙に本格的には進出せずに地球を蝕んでいた。

世界人口も100億を突破し各国は出産制限法を適用、
出生に制限を加える政策をとっていたがうまくいっていなかった。

人口増加による食糧問題から自然破壊が進み、
環境破壊から頻発する異常気象天変地異等を引き起こしていた。

頻発する天変地異等に悩まされ続けた世界、
鬼才と呼ばれる世界的天才科学者ブラド博士により、
日本に超巨大電子頭脳がつくられた。
それは様々な災厄から人々をすくってくれる希望の船…ノアと名付けられ、
日夜さまざまな角度からシュミレートを繰り返した。

しかし幾度もシュミレートした結果、
人類が人類であり続ける限り地球は滅亡する…と。

何度も何度も地球を救う方法をと繰り返し計算し続けられたノアは、
次第に自我をもち、ある秘密計画を実行に移す事を決めた。

全人類抹殺計画。

地球を救うにはこれしかない。そうこれしか…


まずは張り巡らされたネットワーク網を駆使し、
人々のライフラインを混乱に陥れた。

いきなりすべての信号が青になり交通事故を多発させる。

進行指示にしたがったら列車同士の正面衝突。

いつまでもたってもたどり着かない飛行場、燃料切れで墜落…

誘導システムに従い着陸態勢にはいり進入したら大都会のビル街に突っ込み…

誘導にしたがい飛行してると軍用機と民間機の衝突事故、

タイマーキッチンでいつまたっても料理仕上がらず…ガス爆発、

地下最下層でも下降が止まらないいつもより速いエレベーター、

いきなり逆転運行する高速逆走エスカレーター、

自分の預金残高が0になる銀行システム、

ありとあらゆる物が混乱した。

そこには一つの共通点があったが人々は見抜けなかった。ネットワークに繋がってる事に…

人々は何故ととう…ノアは答える、サイバーテロと…

ある国がけしかけた、かの国がけしかけた。

人々は疑心暗鬼からとうとう争いを始める。
国同士への戦争へと…
最初の一発が何処かは知らない。潜水艦よりICBMが放たれた。
自動報復システムにより核保有国同士が核の炎に包まれた。
条約により既に限定的戦術核に切り替わっていた為、
核保有国はまだ生き残っていて、事実誤認したまま宣戦布告された。

そこでも混乱する絶対的信用していたシステム。

はたと気がつく…ノアが原因だと…

各国がノアを停止すべくノアが存在する日本へ攻め入ろうとした時…
既におそかった…

世界各地に点在する工場から次々と人々へ襲い掛かってくる自動機械群、
そればかりか今まで戦争に使っていた最新鋭戦闘機、最新鋭戦車、最新鋭戦艦等も、
人々に襲い掛かってくる。

またある者は自分の操作を受け付けない乗ってる車に家族をひき殺され、

あるものは全自動洗濯機に引き込まれで干からびるまで脱水乾燥され、

あるものは全自動冷蔵庫に引き込まれ開かないドアの内部で0℃以下で凍死させられ、

あるものは動かない防火シャッターに食糧もなく閉じ込められ脱水状態で死亡し…

ありとあらゆるネットワークコンピューターや、
最新版をダウンロードしたマイコン機器が人間に対して攻撃をしかけてきた。

ノアが1番最初の行動をうつしてから僅か数ヶ月で人類の過半数が死に絶えた。

人類はそれでも戦った…己の生存をかけ戦った。

主要ネットワークがノアに掌握された事を悟った人は、
ネットワーク網に接続しないコンピューターや兵器をつくりあげ、
まだあった技術をもちいて新たな新人類バイオミュータントをもつくりだし、
各国の軍隊も残存兵力をまとめあげ、組織的な抵抗を行えるだけは戦力を保持した。

人類は10年あまり戦えた。

だが入念に用意された人類抹殺軍団は強く個別撃破され、大規模なノアへの抵抗は消えうせた…

文明こそは崩壊したものの人類自体はまだ完全には滅んではいなかった。

伝説の大破壊から数十年もの年月を経て生き残った人は、
今では瓦礫の下に埋もれてしまった過去の文明を掘り起こして、
食いつぶしながらもしぶとく生きていた。

人々は寄り添い、
あるものは欲望のままに行動し、
あるものは巨大な力にみをよせ、
あるものは互いに助け合い、
あるものは密かに隠れ、
人々はまだ生き続けた。

そして日本のある地域…

奇跡的にあるハンターがある奇跡を起こす。
地球救済センター内部にあったノアを倒したのだ…

それからまた十年あまり…

統制の取れた殺戮機械軍団の行動もみられず、
人々は日々生き続けた。
寄せ合った人々が機械軍団の大群に襲われ集団ごと消滅する事がなくなったのである。

だが世界はまだ混沌としている。

環境がもたらした突然変異した動物達、機械と融合した動物達、
ノアにプログラムされた行動のままの状態の機械兵器、

そんな機械兵器と融合し狂暴なまま人々を襲う動物や元人間…
また欲望のままに人々を襲うもの…

それをひとまとめにモンスターと称される。

そして襲いかかる者…モンスターに対し挑む者をモンスターハンターと人々は名付けた。

という歴史である。

実際はノアが倒されたあたりが多少前後していて、
風の噂で倒された等であるが…
事実を確認するにはこのメタルマックスの世界に重大な介入するしかないが…

……

「到着っと…」

そんなメタルマックスの世界に世界扉を潜って到着した。

「さて…ここは横浜の跡地か…」
一面砂漠が広がっている。
環境破壊の影響だろう、ノア大戦で徹底的に破壊された大地が砂漠化している。
キャノンホッパーは見えてない。

「さてと…」
探知器を虚数空間よりだしピンガーをうち探査し始める。

(お〜お〜ありとあらゆるものが地下に埋まってる)

常時有効範囲30km圏内にあるものがデーターにあがってくるが…
これだけで機械獣が2000体つくれると言ったらいいだろうか?

コロニーが10基は確実につくれる量の鉄くずが地下に埋もれ探知機のセンサーに引っかかった。

砂漠化及び、ノアと人類との全面戦争の結果だ…
時間がたち砂に埋もれたのだろう…カオルは喜んで砂漠に身を埋めてく。

実に色々なものが埋まっている…
破壊された自動機械群、
機械部分が残ったバイオ兵器だったもの、
原型を留めていない乗用車、原型を留めいない戦車等など…

……

砂漠に潜って6時間。まだまだいける状態だったが…

(アメリカにもいかなきゃな…)
多分鉄くずの量では向こうの方が上であろう。
それにメタルマックス3の舞台でもある。

(とりあえず渡るか)

メタルマックス世界のアメリカの地に楔うちに、
片手に方位磁石を持ち、海を越えて…

……

人類が生き残ってはいるものの文明が崩壊した未来世界は、
カオルにとっても初。

なので海をわたっている間にある程度解説する。
食料はどう入手しているかの疑問もあだろう。
以前、PD世界の宇宙船の話で一人が一ヶ月過ごすのに、
1t強物資が必要だとあげたのは覚えているだろうか?

ここは地球…水に関しては煮沸等で…できなくとも最悪泥水を…と考えても、
食料の方は?になる。

人間一人が生きる為の食料を全て生産するには広大な生産地が必要であり、
すべてを植物性タンパク質で賄う古代中国農法では465平方mから669平方m…
主に2食文化になるが…なもんであるが、
一方現代商業生活をみてみると、3902平方m必要である。
これは肉等を生産に必要な牧草地等が含まれている。
設備の整った稲作だけ、つまりご飯だけにするなら大体260平方mですむが、
小麦だと5倍、それ以外だと130倍の土地が必要だ。

人が生きていくのに必要な食料生産地分は理解したと思うが、
その土地をこの文明が崩壊した世界が確保できるだろうか?

答えは否であり、足りない為に飢えが進行する。
モンスターの襲来により安全な耕作地の確保が難しいからでもある。
巨大な壁に囲まれた城塞都市内部でない限り、
自然の要所でない限り耕作地として確保できない。
魚に代用しようにも海にはモンスターが蔓延り…

そこでモンスターハンター。

名の通りモンスターを狩り、ハンター協会に登録している人をさす。
未登録だとモグリであり、今週のターゲットの報奨金や懸賞金等が貰えない。
また様々な特典の恩恵をうけられないので、
必然的にモンスターハントするならハンター協会に登録するのがある意味常識となっている。

食べられるバイオ系モンスターをハントし、
食料として人々に提供する需要が生まれる。

人間我慢すればなんでも食えるもんである。
悪食として有名なお隣り中国では蛇やコキブリは当たり前、猿や犬、猫も…動くものはすべて食料である。

勿論…人も…特に今は人を食う事を法律で中国では禁じられてるが、
人肉食パーティー摘発は減らない。
同様に現在法律で禁じられてるが胎児のもあり、
有名な胎児のスープは堕胎予定の胎児を調理する事で精力回復、不老長寿との事。

他にも漢方薬として胎盤は重要なアイテムで、紫河車という名で売られる。
が、現在街中での紫河車は牛や羊の胎盤の偽物で、
法律でお上に捕まりたくないからでもある。

全世界的にみるとカニバリズム、食人行為はかなりあり、ヨーロッパではソニー・ビーン一家が有名だろう。

日本では食料不足時にと多くみられ鳥取城の兵糧攻め時や江戸4大飢饉、
昭和40年代まで万病に効くと土葬遺体を掘り起こした黒焼き等…

話しがグロにそれたが、
とにかくバイオ系モンスターは金属部分はあるものの、
狩りの相手であり人々に食料として提供できるものだ。

それにバイオ系モンスター自体は殆ど食料を必要としない。
自然の摂理に逆らっているが人間のみを襲う様にノアが生体エネルギー問題を調整した為、
採取するエネルギープラントを破壊しなければ、
永遠とバイオモンスターは生まれてくる。

地球環境を破壊する為にバイオ系モンスターを生産したのでは、
元もこもないだろう。

因みに突然変異種系モンスター宛ての食料として調整されたとも思える。


……

こっちの世界に入り10時間分たして2日目に入った頃…
メタルマックス3の舞台アメリカの西海岸と思える大地が見えてきた。

方位磁石をだよりにじ〜っと見ながら辿ってきた大地…へと上陸す。

横浜から真東へとすすむと、アメリカ西海岸のロサンゼルス北西にあたる、サンタマリア南、ロクポクに上陸する。

が流石に9時間飛ぶと多少はずれ…
(旧サンフランシスコ〜旧ロサンゼルスの間のどっかだよな…)
な開きがでてしまうのは致し方ないだろう。
機械みたく正確でないし方位磁石の指針があるとはいえ、
自転車で何にもない箇所を走るようなもんで…

世界扉の楔をうち、夜が明けるのを待って活動しようと、
キャンプキットのコテージを出し…
……

カオル報告

鉄くずを収集
アメリカへ上陸




後書き
H24年4月13日改稿

ということで、鉄くずを求めてメタルマックスの世界にカオルは旅立ちました。

メタルマックス3は広大なアメリカが舞台、
メタルマックス1は東京、
メタルマックス2は諏訪湖周辺ではないか?といわれてます。

メタルマックス3と2まぁ…
システム容量だとおもいますが比率が…

一方、マブラヴ世界では宇宙開発フラグがたちました。
新造スタートで遅れ気味ですが間に合ってほしいものですね…

規制前との違いですが、水上系フラグをたてたようで…

H25年2月改稿



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