第212話『スターゲイト編2 レプリケーターVSアスガード』


世界扉で目的あたりの時間へと移動してきて…

(さてと…)
「信じられない!!何でゲイト使用禁止なのよ!」

「カーター、ビクトリアが説明するそうだ」

「ビクトリアって?」

「ウィーアー博士だよ」

「あきれた。もう名前で…」

SG基地にウィーアー博士が赴任していた時期は少ない。
その中でゲイト使用禁止…厳密には自粛だが…とカーター少佐とダニエル博士がいる時期は一つだった。

地球に襲来してきたアヌビスの艦隊に、
地球の兵器は歯がたたずに各地が攻撃された。

唯一局所戦で南極大陸での戦いに、
F302宇宙戦闘機50機及び宇宙船プロメテウスを投入。

なんとか局所戦は全敗は免れたが被害も甚大となる…
オニール大佐が南極地下にあったエンシェントの防衛兵器を使用し、
大艦隊をその兵器のみで撃退した。
しかし…オニール大佐がその前のエンシェントのデータベースを脳に入れ、人間の脳では容量が足りずにオーバーロードで死にかけ、
エンシェントのカプセルで仮死状態で命を繋ぐ事となった。

SGCはオニール大佐の件でアスガードに助けを求め動こうとしていたが、
突出した強力なエンシェントの兵器の存在で、
上位機関にあたるIOA国際監視委員会からまったがかかっていた…

という状況となっていた。

(この後は…)
ミーティングでやはりゲイト、あらたに提案した改造テルタクの使用許可はでなかった。
しかしカーター少佐が粘り強く交渉して使用許可をとり、
別銀河への旅にでる形になる。


……

エンシェント技術で改造されたテルタクで、
カーター少佐とティルクが別銀河idaの惑星ハラへ旅だった。
惑星ハラは、レプリケーターを過去の作戦で閉じ込めた星で、
元々はアスガードの母星だった星だ。

予定では10日、ハイパードライブで時速1000光年という脅威の速度で24万光年をかけぬける。
最初使用許可がでなかったのがこの速度のおかげだった…
カーター少佐が運用テストを兼ねてと交渉したのだ。

因みに銀河間は座標計算が0.5%違うだけで1万光年も違う事となる。

……


「そろそろハイパースペースを抜けるぞ」

(やっとそろそろか…)
10日という時間を使い、カオルは分裂し自らの虚数空間内に入る技を取得、
作業で時間をつぶしていた。
なにしろテルタクは楔うっても小さい為に開けない小型船だ。

「外にでしだい緊急信号送るわ。アスガードがハラを監視してれば直ぐに気づくはず」

テルタクはハイパースペースからでる…
「惑星がみえるはずでは?」
「ええ」
外には星の光さえない。
「まずい強力な重力の干渉を受けている」
船が引っ張られている…

「なにかがおかしい直ぐに引き換えして」

「ハイパースペースジュネレーターが動かない、亜光速エンジンも全開だ、効果ない」

「…これだけ強力な重力が発生できるものって…一つしかない」
船はブラックホールの超重力に捕まっていた…

「ハイパードライブ見てくるわ」

エンジンルームへと向かうカーター少佐、

「駄目ね…ティルク、
予想より深刻な事態、ハイパードライブが焼き切れてるわ」

「最悪な事態か?」

「仮に動いてもブラックホールのこんな近くでウインドを開くなんて危険すぎる」

「座標間違えたか?」

「いいえ。ハイパースペースをでた位置は正確だった。でも理屈では合わないの。
ハラの太陽系はブラックホールを形成する質量はなかったはず」

「だが事実、ブラックホールがある」

「…亜光速エンジンの出力あげられるかやってみる」
カーター少佐再度のエンジンルームへと向かう。
このままではブラックホールに吸い込まれるまであとわずかだ…

カーター少佐がクリスタルルームで亜光速エンジンを弄り始める。
ゴアウルド系はクリスタルを利用しパワーを伝達している。

しかし…
「どんどん後ろに引っ張られてる、シールドのパワーをエンジンにまわそう」
船体がブラックホールの中心にちかづき、
ますます重力がかかってくる。

「だめぇ、シールドのおかげでもってるの。シールドを切れば重力場の力でバラバラになる」

「だが飲み込まれたらおしまいだぞ」

「…パワーをうつすわ」
カーター少佐がクリスタルを差し替えた。

「前進しはじめた」

「危険よ。船体がきしんでる。さけそう」
操舵室へカーター少佐がはいると……
船内空気が途端に動き始めた。警告音が鳴り響く。

「船殻がさけたわ!!」
一気に空気が流出し、カーター少佐が吸い出されそうになり…
船外に吸い出されようとした瞬間…

「ようこそ」
アスガード艦による転送ビームで助けられてた。

「トール」

カオルは荷物から抜け出し船体と同化。

「会えて嬉しいよ、カーター少佐、ティルク」

「こちらこそ」

「同じく、絶妙なタイミングだ」

「君らの荷物はこれで全部かね?」

「え、えぇ」
荷物を軽くみるカーター少佐、ティルク。
「それで、どうしてここに来たのかね?カーター少佐」

「あなたの助けがいるのよ。トール」

「どうかしたのかね?」

「実はオニール大佐の件なんだけど、
アヌビス艦隊迎撃の為にエンシェントの武器を探そうとして、
頭に記憶庫からエンシェントの知識を詰め込んじゃって、
撃退したのは良いけど…死にかけてるのよ」

「頭にエンシェント知識を?人間の脳では耐えられないからな…
それで…今オニールは何処にいるのかね?」

「エンシェントの施設にあった冷凍装置に自ら入って、コールドスリープ状態になったわ」

「なら…申し訳ないが…今、ここを離れるわけにはいかない」

「オニール大佐を救えるのはあなただけなんです」

「君の説明通りなら今暫くはもつ。
ここでのミッションが完了次第、喜んで地球に飛んでいこう」

「ここでのミッションとは?」

「レプリケーターが完全に消滅するのを見届ける。
君らもハラの太陽がブラックホールと化したのに気がついたはず」

「私達の船も飲み込まれました」

「救出が遅れてすまない。予期していなかったのだ」

「何度も連絡したけど応答がなくて」

「申し訳ない。ブラックホールの生み出した、
時空間の歪みが長距離通信機器を妨害しているのだ」

「だったらわかります」

「俺もだ、多分」

「時空間膨張装置は一時しのぎだ。
レプリケーター人間が装置にたどり着くのに、外界の時間で二年足らずでしかない。
恒久的な解決策が求められた」

「それで太陽を破壊したんですか」

「ああ、人工的に重力場を大きくしてな」

「すんごい…壮大ね」

「みての通り惑星ハラもバラバラに砕けた。
しかし相当数のレプリケーターが一箇所に密集して集合体をつくり、
今もブラックホールにのまれずにいる」

「でもやがては重力に抵抗しきれずにバラバラになる。それも時間の問題ー」
「おもしろい」

「なんでしょ?」

「レプリケーターの密集体がイベントホライズンから離脱している」

「どうしてそんな事が…」

「時空間膨張装置だ…どうやったかわからんが…
そいつをつかって重力への対抗装置をつくりブラックホールから逃れた」

「不気味だ…彼らがやった事もだけど…あなたにさえわからないのが…」

「同感だ…スピードが増しすぎる、ブロックが集まり一つの形となる」

「なににだ」

「船にだ。脱出に成功した。まっすぐこちらにむかってきている」

「距離を取るべきでは?」

「ああ、そうしている」

「ほんと信じられない、ブラックホールの重力に打ち勝つなんて…」

「形はわかります?」

「表示しよう」

「円筒型の…中央部に推進機関?」

「これまでにみたことは?」

「ない。この船の武器が通用するとも思えないな…」

「では逃げた方がよいのでは?」

「ハイパースペースにジャンプを」

「ブラックホールの重力場から抜け出してからでないと危険だ」

「攻撃してきた」

「シールドでふせげます?」

「多分だめだろう…」
レーダーには高速で接近する物体が映ってる。
「衝撃にそなえろ」

シールドをぶちやぶり、船体に軽い衝撃がはしる。
「外殻が破られた」
「何処です?」

「損傷は軽微だが、飛翔物体はレプリケーターで作られている。
この船のスキャナーでは探知できない。
過去に我々が敗れたのもそのせいだ」

レプリにとって脅威となったのはアスガード…機械文明であった。
とことんそれに対抗し進化していく…

ゴアウルドらはいかに自分らが護れるか…
つまり爆発エネルギーを利用した実体弾及び、
ゴアウルド技術でのエネルギー弾に対しての個人用シールドを欲しがり、
またハタク級にも同級のエネルギー弾にある程度耐えられるシールドを欲しがり、取り付けた。

そんなゴアウルドに対してほぼ艦兵器能力で駆逐できる存在のアスガードだが、
対レプリに関してはいいようにやられていた。

その理由の一つにアスガードは格闘能力はない。
体格的に向かなく、武器や兵器の力…強大な科学力で闘っていた。
その為に自動防衛装置が感知できなく、
使えない状態の今では非常に危険ともいえていた。

また原始的な物理的兵器はすたれ、
レプリは基本小型の虫タイプであるが為に衝撃に弱いが、アスガードにはない武器の理由もある。

「シールドで損傷箇所の空気もれをふせげますか?」

「ああ」

それを聞いたカーターとティルクは備品から銃を持ち出し、言われた場所へと戦いに向かう。

地球人のアスガードに言わせると原始的な携行火器は、
物理的衝撃でレプリケーターに有効であった。

暫くすると…

『トール、ティルクだ、カーター少佐が消えたそこにいるか?』

「私ではないレプリケーターにとらわれたのだ」

しばらくしてティルクが見える限りは始末したと帰ってきて、
レプリケーター船を追いハイパースペースに入る。

惑星ハラまで時速1000光年が凄い高速と話していたが…
アスガードの船はハイパースペースを時速10万光年という馬鹿げた速度で銀河をわたる。
システムからして違う…

目的地を問われ、アスガード第二の故郷、オーリラをあげるトール。
「その根拠は?」

「ニュートロリウムが豊富にある…アスガード文明にかかせない元素だ。
同様にレプリケーター人間にとっても必須の元素だ」

惑星ハラはida銀河、惑星オーリラもまた別銀河にある。
地球のある天の川とはまた別な銀河に存在する。
船を攻撃された際に母星座標情報を取得されていた模様だ。
「奴らをとめる手は?」

「ハイパースペースではどの武器も使用できない。シールドも同様だ。
しかし至近距離で自爆すれば破壊できるかも、いやそうするしかない。
もし、レプリケーターがオーリラにつけば豊富な資源で無限に増殖する。それだけは阻止せねば…」

「ではそうしよう」

レプリケーターは、科学力頼みでいたアスガードの天敵であり、
わざわざ自分の母星を犠牲にしてまでも作戦を決行していた。
今…オーリラにレプリケーターがきたら…
生態物理的に劣り、近接格闘能力がないアスガードにとっては、全滅が確定的であった。
ティルク、カーターには悪いが自己犠牲をするしかないとトールは決めていた…

「もうすこしで距離がつまる」
レプリケーターの集合体に船が近づいていく…

「今だ」
自爆しようとしたが、突如として艦内システムがエラーをおこす。

「スピードが落ちた。…なにかが操縦を妨げている。
エンジンルームの外、予備制御コンソロールだ」

ティルクがショットガンを手に取り向かう。

……

『障害は排除した』

「レプリケーターは手の届かない距離に去った。
第二の故郷を救うには間に合いそうもない」

時速10万光年と5万光年…
わずかなタイムロスで引き離されていた…

「オーリラに警告のメッセージをおくっておいた。
レプリケーター船の進路とスピードを知らせておけば、奴らがハイパースペースから飛びだす場所がほぼ正確にわかる。
ある限りの船で待ち伏せ可能だ」

「レプリケーター船がシールドを立ち上げる前に破壊できると思うか?」

「無防備な時間はほんの数秒しかない。
だが…計算がただしければ十分に可能だ」

『トール司令殿、バルハラのアジールです。
全艦隊、目標宇宙船の迎撃位置に入りました』

「了解、武運を祈る」

わずかな時間の後…通信が再び入り、

『敵船を破壊しました』

「少佐は気の毒だった」

……


ハイパースペースから離脱したトールの船を待ち構えるかの様に通信が入る。

『お帰りトール』

「ペネガル、ティルク彼はペネガル最高評議会員だ」

『残念ながら破壊したレプリケーター船の破片を阻止できなかった。
無数のレプリケーターのブロックがここオーリラにふり注いできたのだ…
彼らは増殖をかさねシステムに食い込んできた。街は維持は困難になった』

「住民の避難は考えてないのか?」

『それはもはや不可能だ』
「数が多すぎる。以前母星を脱出した時船のコンピュータに意識をコピーした。
オーリラを見つけ、後は新しい植民地で、順次クローンボディに意識を移す予定だった」

『彼らの意識を救う為のシステムが既にレプリケーターに汚染された。
この戦いに負ければ、彼らの意識は肉体とともに失われ消滅してしまう』

「オーリラは我等種族存続の最後のチャンスだ」

「ではなんとしても救おう」

「ティルク、オニール大佐がエンシェント知識を入れ、
冷凍状態になっている…といってたね?」

「ああ、そうだ。それでトールに助けを求めていた」

「ペネガル、地球にいけば対レプリケーター用の武器を入手できるかもしれない」

『わかった。アスガードの命運を委ねよう。トール』

通信を終え、すぐさまハイパースペースに突入する。

(やっぱり間に合わないか…往復してオーリラに戻るよな…)

「地球までどの位か?」

「この船なら3時間程だ」

(マゼラン星雲よりか遠い距離にあるな…となると往復6時間か…)

惑星オーリラは約30万光年の伴銀河に存在していたらしい。

さっきのハイパースペースも減速はしたが、2時間程航行していた。

「ところでトール、この船の名前はなんという?」

「ダニエル・ジャクソン級ネームシップ、ダニエル・ジャクソン号だ」

「ダニエル・ジャクソンか…いい名前だ」

「私もそう思う」

「サマンサ・カーターの名の付いた船はあるのか?」

「彼女の名は次世代型に使用したいと思う。ティルク、もちろん君の名もだ」

「光栄に思う」

……

「間もなく地球だ」
ハイパースペースから出たと同時に…

『こちら合衆国空軍プロメテウス号艦長ヘンダー・カスト大佐』

「俺が話そう…つないでくれ」

『未知の宇宙船につぐ、至急応答せよ。応答なき場合は、侵略行為とみなし全力攻撃を慣行す』

「繋がった」

「まて、その必要はない」

『ティルク』

「アスガード最高司令官トールからの要望だダニエルにつなげ」

しばらくすると…
『ティルク、こっちは大変な事になってるよ』

「どうした?ダニエル・ジャクソン」

『実は…』

地球ではゴアウルド貴族連合が対バール戦への参加を、地球に呼びかけ会合がもたれていた。

しかし会合は地球から蹴って決裂、
エンシェント兵器の効果を確かめる為に、ハタク級を派遣してきた為に監禁していた。

そういった会話をしていると、トールがハイパードライブ中の探査ログから、
地球接近中の貴族連合のハタク級がバールに襲われ、撃沈したのと、
貴族連合側が領地をバールに奪われつつあるのを表示させ、
ティルクがダニエルに伝えてた。

『ありがとう、博士がゴアウルドに説明中だ。伝えてくるよ』

SGCの中のやり取りをみていて、ダニエルを転送させるトール。
相変わらずいきなり拉致っている。
「…やあ君達」

「第二の故郷が危機にひんしている。
時空間膨張装置から抜け出したレプリケーターの群れがオーリラにおそいかかってきた」

「OK…それでどうする?」

「オニールの脳に蓄積している、
エンシェントの知識を使えば奴らを倒せるはずだ」

「でもジャックは南極で…」
無言でトールがエンシェント施設で仮死状態になっているオニールを、ポットに転送。
「おっと…」

状態の変化にダニエルが戸惑いながら確認し、
「OK、ところでサムは?」

「レプリケーターに捕まって、船ごと破壊された」

「…詳しく状況を教えてくれ」

「ハイパースペースに入りながら説明しよう。時間が惜しい」
艦がハイパースペースに入ってく。
「それで…」

「とりあえずはオニールの件が先だ」

「自分も同意見だダニエル・ジャクソン」

「ok…まず時間はどれくらいあるんだ?」

「オーリラにつくまで3時間程だ。それまでに、準備を終わらせておきたい」

「それで、どうするんだ?」

「オニールの意識を船のコンピュータと融合する」

ダニエルは、前みたいにエンシェント知識を消却したり、知識だけを取り出せないか?といったが、

トールは…オニールに詰め込まれた知識を、
「遥か昔、アスガードの科学者がエンシェントのライブラリーから、
知識の一部をひきだし…以来その解析に務めているが、まだ表面を引っ掻いたにすぎない」

小山のような干し草の中から針を見つけるようなものだ…と例えた。

「だがオニールの意識が目覚めれば、必要な情報まで導いてくれるかもしれない」
と……
かなり弱っていた為、
「意識と接続プロセスが複雑になる」

『ああーテストテスト只今マイクのテスト中…もしも〜し…つながったかあ?』

「ジャック」

「オニール聞こえるかね?」

『よう!久しぶり。どうなってる?』

「君の意識はダニエル・ジャクソンとつながっている」
『なに「なに?」』

「この船の名前がダニエル・ジャクソンだ」

「船のコンピュータをどう使おうと君の自由だ」

『ふん。いいね…どれどれ?あ〜なかなか、ちょっとためさせて貰うよ』
艦内の照明が明滅したり、スピーカーを弄り始めていて、
トールがたまらず、
「オニール」
と咎めた。

『あー悪いね』
「もしよければホログラムで」
ホログラムで瞬時にあらわれるオニール。
一行と話しをし、早速設計の為にまた消えた。

「トール、ティルク、今の内にサムの件説明してくれるかい?」

「ああ、良いだろう…」
ティルクとトールが説明し、終わりかけた時トールがスクリーンに図面を出した。

「これはなんだ?」

「わからない。オニールの意識がコンピュータと融合して形あるなにかを作ろうとしている。
問題は彼の命がどこまでもつかだ」
ポットの警告音がなり、予断を許さなくなる。
流石に死んでは生き返らない。
「ジャック聞こえるか?」

「もう復活させよう」

『まった駄目だ!』
トールの手がコンソロールを操作し、蘇生措置にはいった。

冷凍状態から回復し…

「あー頭がいたい」
オニールの本体が目覚めた…

「動くな大変だったんだ」

「今度は…なんだ?」

「あ〜最後に覚えてるのはなに?」

「頭を例のやつにがっちりつかまれた…あのエンシェントのなんとか装置だ…
それと双子がどうたらこうたらとか…
ティルク、その頭はどうした?」

「オニール」

「トール、アスピリンあるか?」

「直ぐに気分も良くなるし、記憶も回復してくる」

「ティルク、毛が生えてるぞ」

「君がつくった装置はコンピュータに残されている。早速形にしてみよう」
物質生成装置を操作し、瞬時に形成された。

「凄いな…なんなんだ?」

「わからない君がつくった」

「うそだ「ほんと」…まさか「ほんとだ」
うそだ「ほんとだ」」

「君自身がエンシェントの知識にアクセスし、
コンピュータに設計を指示させたのだ」

「私はなんにも知らないぞ」

「エンシェントの知識が消えた今、思い出せないのも当然だ」

「わかったとにかく見てみよう…ああ足が」
立ち上がるも、長い間冷凍状態におちいっていた為、
筋肉にうまく信号がいってないのだろう…ふらつくオニールを二人が支えた。

「…もういい」
考え、ため息を付き軽くトントンとそれを指先でたたくも…
「確かに…思い出せない」

しばらくすると…

「ペネガル。よかった、まだ交信できたか」

『それも長くはない。レプリケーターに対抗できる武器は手に入ったか?』

「手に入れたがまだ使い方が不明だ」

『今回襲ってきたレプリケーターは恐ろしく組織的だ。
これまでのレプリケーターとは別ものように思える』

「おそらく、人間の姿をしたレプリケーターが全体の指揮をとっているのだ」

「人間型レプリケーターが生き残っているのなら、サムだって」

「可能性はあるが…古い型のレプリケーターが、新たに人間型をつくったかもしれない」

「でもチャンスはある。生命反応を調べてくれ」

『もう調べた。反応はない』

「ペネガル聞こえるか?…通信が途絶えた」

通信の復旧を試みてたが…諦めたようで、
関心はオニールが設計した兵器へと移ってた。
「実におもしろい」

「使えそうかい?」

「正直いって何の装置か検討つかないのだ」

「私をみるな」

『トール、バルハラのア−ジル司令官です。
オーリラと連絡がとれません』

「ア−ジル、通信が途絶した。そちらはどうなってる?」

『人間型レプリケーターと思われる物体が、宇宙空間を漂ってるのを発見しました。
爆発を生き延びたものと思いますが…今のとこ動いている様子が見られません』

「座標をおくってくれ」

『きをつけて下さい』

「何をするつもりだ?」
「どこに行くんだ?」

「そいつを此処に転送する」

「どうして?」

「オーリラのレプリケーターを指揮している人間タイプが、
何処にいるのかを知りたい」

ポットに人間型レプリケーターが転送されてきた。
「誰か見覚えは?」

「ない」

「死んでるのか?」

「そうでないことを祈ろう。
すべてのレプリケーターは複雑な通信システムでリンクされている。
そいつを通じて彼らのネットワークに潜りこめば、
誰が何処に居るか、いながらにして掴める」

「もし目を覚ましたら?閉じ込めておけるのか?」

「おそらく無理だ」

「ではあまり賢いやり方とはいえないなぁ」

「必要なら直ちに宇宙空間にほうりだす。リスクは覚悟の上だ」

それを聞き、オニール達は銃を装備しはじめた。
「よし」
臨戦体制が整う。
スクリーンに何かが表示された。
「あれはなんだ?」

「レプリケーターの通信データーだ。
他の人間タイプが関わってるものを探している」
捜索してると…人の顔のようなものが…
「ズームしろ」

「サム」

「位置を特定できるか?」

「オーリラにできたレプリケーター集合体の一つだ。
我々の街にほど近いニュートロリウム鉱脈のすぐ側」

「あらたに人間タイプを増やすのか?」

「船は破壊したんだろ?」

「少なくとも一つの人間タイプがハイパースペースをでる前に、
カーター少佐と共に母船から分離している」

説明してると…人間型が目覚め…
「転送しろ!!」

「やっているが、そいつが抵抗している」
照明がおち、
「…内部バリアを破って船のコンピュータに接続した」

ポットのシールドを消し、人間型レプリケーターが起き上がっり、オニールが銃を撃ちはじめた。

虫型には体積が少ないので実弾がきくも、人間型は欠損した部分を内部から補強し効果が薄い。

接近してくる人間型に対し、ティルクが近接を挑むも相手は機械の力…
軽くのされてしまい、銃を奪われる。

銃を向けられ、ダニエルは避け、
オニールはさっき作った物を本能的にもち、
何かが発射された。浴びた人間型が瞬時にばらばらに落ちる…
最小パーツ単位に…

「おもわずこいつを …」
小さく震え縮こまっていたトールが銃声等が止んだのをみて…
「個別細胞間の伝達経路を完璧が破壊され、全細胞が不活性化なものに変えられた。
我々が何度も試み達成できなかった技術だ」

「けっこう。こいつを使えば残りの虫けらもぶっころせるか?」

「もっといい手がある。その装置の威力はみさせてもらった。
それの拡大改良型を直ぐにも制作し、オーリラに浴びせれば一気に殲滅できはずだ」

「けっこう、だがその前に」
「オーリラにあるレプリケーター船の中までは転送できない。
シールドがある。近くまでなら送れる」
「ちかくでけっこう」
「もっていけ、通信装置だ」

「準備整った」
オニール達が転送された。

……

「オニール、対レプリケーター兵器拡大…」
大気圏突入し惑星オーリラ上空でディスラプターチャージ中のダニエル・ジャクソン号から離脱し、
オーリラに降り立ったカオル。

しばらくすると…トールの船から地表にむけ対レプリケーター兵器の波動が放射され、
惑星全土に波動が伝わる。
逃げ出した一隻以外のレプリケーターは消滅し、オーリラはすくわれた。

ジャック・オニール級を…
(お、あれはかな?)
アスガード艦をみつけ同化する。

フィフスはカーターを解放して船で逃げ出し、オニール大佐一行が無事にカーター少佐をみつけ、
トールが地球送り届ける事になり、

他の船はオーリラの復旧に従事すべく…
カオルはその間に…

……




寸劇風後書き

作者「という感じでカオルはアスガードのオーリラにまだいます」

ナギ大尉「で、レプリケーターについて詳しく説明しないの?」

作者「レプリケーターは、起源はアンドロイドが作った玩具でした。
ただプログラムに自己保存及び増殖が強く組み込まれており、
その為ロボット3原則を自ら外し、創造主の文明を滅ぼします。

レプリケーターは貪欲に進化を求め…他の文明にも手を出し、
そのうちアスガードとも対峙する事になってしまいには凌駕する事に…

アスガードの天敵となります。

彼らは増殖、乗っ取り、そして即時対応…とにかくこの3つでした…
機械版BEAT…いえ、機械版バジュラに更にハッキング機能ついたといえばよいですね。
機械文明をのっとりその資材で仲間を増やし…

アスガードは惑星ハラで罠を仕掛け、命令系統に介入しましたが、
罠が発動せずに惑星ハラが完全に乗っ取られ、大地全土がレプリケーター構造体になる程でした。

放置しておくにも、その内銀河…また別銀河に広がる疫病そのもの…といえ、
アスガードは自らの勢力の殆どをレプリケーターとの対応に追われ、衰退していく…との流れですね」

ナギ大尉「で、逃げ出した一隻はまた増やして攻めて?」

作者「それは次回ということで、次回オニール将軍からランドリー将軍へ…おたのしみにぃ」

H26年2月再改稿



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