第237話『宇宙戦闘種迎撃』


外宇宙艦隊総出撃を決定したものの、完全休暇ローテに入っている艦もあった。
ドックに入ってバージョンアップ中の艦等もいる。
その最中の乗員は酒入っていたりするだろう…

デブリ破砕任務や治安警備等を行っている警備艦は寄港時には、
全員陸にあがるわけでなく、当直任務で艦には常に人がいる。
陸上艦であるトレー級やフリーデン級は旗艦時を除きヤドカリ専用運用艦としていたため、
緊急出撃等は容易であるが、
警備艦隊を除く外宇宙艦隊は、まだ戦闘は当分ないと想定してた為に、
当直はなく、訓練と非番の2シフトに割り当てられていた。

そんだったら外宇宙艦隊もコバッタやヤドカリだけで運用しろよ!の意見もあろう…

だが宇宙艦は救助した異世界人の職の受け皿として存在しているのもあった。

特に銀英伝での軍艦スタッフを数多く救助しているが、
またそれ以外でもOGの初期連合艦隊、
コロニー統合軍、
ナデシコの連合艦隊、
マクロスの新統合軍等など多数の艦スタッフを救助している。

救助した軍艦人員にはパイロットや白兵戦行う者以外にも多数のスタッフが乗艦している。
むしろ銀河英雄伝説の駆逐艦の場合だと…装甲擲弾兵は元々乗船せず、更にはスパルタニアンパイロットもいないのが基本形だろう。

駆逐艦であげると…まず艦長と副長、
一等二等操舵士、一等二等索敵手、一等二等船務長…艦のダメージコントロールや人員管理等を司る。
一等二等主火器管制士、
一等二等副火器管制士までが艦橋士官で、
さらに一等二等三等機関士長、
一等二等三等補給長、
一等二等三等保安長と士官下士官が役職にあたる。

通常時は三交替制の為に、主副火器管制士が他の三等がいない役職を担当し、
戦闘時は長時間…1日以上撃ち合いに及ぶ為に二交替制で行われている。

駆逐艦でさえそんな多数なスタッフがのっていた。

だが救助されたはいいも、艦スタッフの仕事はコバッタ達に既に占められていた。

機関科や飛行科整備士は技術屋でもあり民間へとかなり流れていく。
補給科は経理等は民間にかなり引っ張りだこであった…
T-850に奪われた保安科はやはり警備職等へと…

残されたポストは艦橋及び軍医等の衛生科、
そして機動兵器パイロットだけになった。

白兵戦スタッフは対宇宙戦闘種戦では使う機会ないだろう…

[マスター、トリア号は?]

「えっ?トリア号もういいん?」

ドック入りしていたトリア号の修理が完了したと報告が入った。

[ハイパードライブはヤマト級にも使われてる強化GUタイプを搭載し、
また気密チェックも大丈夫だね]

トリア号はハイパードライブを戦闘で欠損し、ペガサス銀河から天の川銀河へと99.9%の限界亜光速で移動していた。

乗員はオデッセイ号に避難し放置されたトリア号を回収してきた形で、
戦闘被害の修復は仮設状態のままだ。それがドック入りして…

トリア号に使われている装甲自体はさほど先進的ではない。
絶対的な防御力のあるエンシェントシールドで防いでいる為だ。
気密性を保つ為に合金Zで損傷箇所の補修が行われた。

「動力源は?」

放置されたトリア号からは使用中であったと思われるZPMが回収され、
残るは船内倉庫に空になっていたZPM6個が残されていた。
未使用のはもって行かれたのだろう…

ZPM…エンシェントテクノロジーの動力源で、人工的な小宇宙をつくり、
そこにエネルギーを溜め込み抽出するいわば乾電池の様なもの。
フルにあるならその乾電池一つで1000Gwの出力を3000年にわたり放出する事ができる。
全米の出力強の3000年分が、縦約60cm、横約30cm、長円体のZPMの中に収まる程…つまりZPM使用なら高出力発電施設がたった3m×3mだけの供給制御ルーム1部屋だけですみ、
あとは7km級の艦船内部がいろいろ使えるいうわけであった。

そんな驚異的なチートと思うが、たった3つのZPM使用で、
直径約40kmの都市を、艦船破壊クラスのビームが届かない深度約500mの海底に沈め、
その都市を潰す水圧に約1万年耐えつづけるエネルギーを発する事ができるのが理由だ。

20〜50水圧にたえつづけられるシールド…
案外シールド無しの宇宙船は脆い。

潜水艦が装甲厚で水圧に耐えられる構造をしているが、
宇宙へは自重が重すぎて化学ロケットでは打ち上げる事は不可能に近い。
ロサンゼルス級原潜でさえ約7000t…どんな化学ロケットでも打ち上げられない重さだ。
別の慣性重力システム等を必要とする…

ようはそこまで重くならないと水圧に耐えられない…
それをただの都市構造物が耐えられる為のシールドを、
発生させつづける事ができる出力をもつ。

だが大出力のからっけつのZPM以外でかんがえると…
現状ニュートロリウムリアクター、
及び非常用キャーティアリアクターしか考えられず、
同化し実現可能といえばキャーティアは1年かかり、
ニュートロリウムリアクターセットだろう…
それを導入するつもりだがヤマト改級に4セットしようした為今現状手元にない。

[1個のZPMの充電とりあえず40%だから動かす分には問題ないよ〜]

「いつの間に充電したん?」
どうやら動力源の問題は解決つきそうだ。

[恒星発電所にてね〜]

ZPMを現在作る事は不可能も、充電し再利用はできる。
6個のダイソンリングを使い…
ダイソンリングとは恒星自体を周回するミラーリングで、
太陽光を直接うける発電システムでキャーティア技術で建造された。

ダイソン球程完全変換ではないがかなりのエネルギーが充電できたもようだ。

「動力源は問題なしか…あ〜…じゃあ、あとは…」

[あとはマスターが必須だね]

艦を動かすにはエンシェントの遺伝子が必要だ。

また操船には独特のイメージ操法が必要で、
各操作卓なんかも現行システムとかなり違う。
更には言語の問題もあるだろう…

「同化しながら現行システムに変更作業しながら…かな」

[それでだよね〜]

「ところで武装は?ドローン生産できてるの?」

[ドローンは艦に残されてた31発だけで、まだ無理〜。
マスターの同化でなんかくっつけて]

「まぁ…しょうがないか…」

……


迎撃遠征軍編成
旗艦トリア号

第一艦隊ヤマト級改1番艦…ヤマト以下ヤマト級23隻
提督レーティア中将

第二艦隊ヤマト級改2番艦…ムサシ以下ヤマト級23隻
提督ウランフ中将

第三艦隊ヤマト級改3番艦…シナノ以下ヤマト改級…ミノ1隻、ヤマト級13隻
提督ルクシャナ中将

第一空母艦隊
クォーター級1番艦…マクロスクォーター以下ウラガ級
提督アップルトン中将
第二空母艦隊
クォーター級2番艦…マクロスファミリア以下ウラガ級
提督リン准将

機動打撃艦隊
クォーター級3番艦…クォーター3号以下、バトル級3隻、改マクロス級6隻
提督…キルヒアイス中将

その他各艦にゴーストAIF-7S改搭載し、
バルキリー隊の指揮下にはいり総数3560機

以上の編成が決まり…

……

2002年8月8日

アース4のプラットホームに係留中のトリア号。
ランチにて艦内へと入っていく。

「なんか暗いな…」

「あら?伺ってないのです?コバッタ君らがいうには膨大な電力を消費するんでサブに取り付けた核融合炉では、
維持システムに回すだけでていいっぱいだそうです」

「へっ?維持システムだけで?」

「何処で消費してるかまだわからないそうで…」

案内されたカオルが艦橋にて同化していくとZPMからエネルギーが供給され始める。
核融合炉動力で動いていた最低限の維持システム環境等も回線が切り替わり、
艦の命が胎動し始める…

とはいってもまだトリア号側システムはカオルが起動させただけで、
各種索敵や通信、ハイパードライブ等は異世界軍が艦に増設したシステムにて運用され、
それらへと核融合炉からの電源がフル供給されはじめる。

「超空間索敵システムオンライン、通常空間索敵システムオンライン」
持ち込んだ各種システムが立ち上がり…

トリア号の艦種オーロラ級は7km級艦船でまだまだ現時点では作れないオーバーチートの船であるが、
優れた運動性能及び強力なシールドを有していた。

また火力に関しては波動砲には及ばないものの強力な誘導兵器、ドローンがある。
だがドローン自体もオーバーチートであり、
同化以外の手段で現状同化以外での生産不可品であるが為に、完全な切り札とも言えてた。

その他には自衛用の対空砲だけだ。

「艦長!全員搭乗完了、発進準備整いました」

『よし、じゃあ離床し集結位置へ移動する』

……

「各艦集結完了しました」

今ここに亜空間戦闘を行える艦艇が全て集結し出撃の艦隊が布陣されていた。

『目標座標送れ』

「送ります……各艦受諾」

「ハイパードライブ、フルコンタクト」

「ハイパードライブ、オンライン」

「ハイパーウィンドウ開け!」

「ウィンドウ開きます」

超次元空間に入る入口、ハイパーウィンドウ…
宇宙に開かれた窓へと艦が加速しながら突入する。

「ハイパースペースへ入りました…各艦とも突入完了。
到着予定時刻1125」
約2時間半後…
宇宙戦闘種がいる宙域まで時速400光年のハイパースペース航法で15分の距離の位置に出る。
若干手前で出る理由としては、臨戦前の戦闘準備の為の再集結、
流石に3時間程臨戦態勢のまま拘束は人間にとって疲労を覚える。

ハイパースペース内が体当たり以外の攻撃手段がないのと、
宇宙戦闘種の航法とは別次元的な手段な理由もある。

なのでまだ艦内は待機体制のままだ。

今回作戦内容としては敵艦隊出現予想位置から若干手前にハイパースペースから出て、
波動砲のエネルギーチャージ開始、
100秒後、チャージ完了とともに宇宙母艦級を打ち砕くという、
単純明快な強襲作戦。

問題となるのが突貫級の存在だが1匹あたり推定500〜1000あたりであり、
また反応弾装備のバルキリー・ゴースト各隊がいる。

うまくすればヤマト級が対応せずとも殲滅できる予測であり、
万が一対応せざるえなくとも、
射程圏内はいり艦に接触する66秒間の内に少なくなった数の突貫級を対応すればよい。

とまだ楽観的であったが…だが…

……

威力偵察結果が上がってきた。
(見積もり甘かったか…)
B1から報告。

想定していた宇宙母艦級の搭載数が違っていたと脅威の事実が告げられた。

その搭載数が約3000体前後…
ヤマト級1隻に対し476匹の突貫級であり…とてもでないが…勝てる状態ではない。

相手が射撃戦をするならまだやりようがあろう。
だが相手は30%亜光速で特攻してくるだけの集団。

ヤマト主砲有効射程は20光秒の距離、
つまり66秒の間に一艦あたり突貫級を最大で476匹を主砲で打ち砕かなければならなかった…
その数にはならないだろうが、最低見込みでも1分間の内に、
100匹以上は打ち砕かなければならないと予測される。

負けは容易に推測できるものの、
威力偵察をした以上、現状BETA感応波は遮断しているが、
α宙域へ戻られると情報がつたわって対応し更に巨大な軍勢としてこの宙域へと進出してくるだろう。
けして一匹たりとて逃すわけにはいかなかった。

一応好転の材料もある。

宇宙母艦級からの突貫級等の展開が時間がかかるという点である。
強襲時に既に突貫級が展開されてる状態をさけ、
相手がワープアウトしたと同時に攻撃をしかければ…
(待ち伏せでいくか…)
待ち伏せの利点は準備万端の状態で戦える事であり、
問題は相手の行動予測であった。

宇宙母艦艦隊が進むか引くか…どちらかにベットせざるえないが、
もう勝てる見込みとすれば、
相手が全力出し切る前の待ち伏せ奇襲しかない。

当初は強襲作戦を想定してたが破棄し、
ワープアウトにて対応する待ち伏せ迎撃をとる作戦に…

……

一回各提督との会談が行われた。
絶望的な戦力比である事…
攻撃殲滅せざるえない状況である事…

待ち伏せしかないの意見が交わされ…作戦実行に移される。

……

『まもなく戦闘想定宙域へのハイパードライブを行う。
バルキリー各隊、ゴーストはハイパードライブ離脱後に発艦、展開待機、
ウラガ級は艦載機発艦後退避。
敵ワープアウトを待ち構える。

敵ワープアウト確認後に波動砲発射シークエンス開始、
波動砲発射後バルキリー、ゴーストは突撃、
第一目標敵突貫級会敵後、第二目標敵小型突貫級の殲滅を行う。
戦闘艦隊は突撃してくる残存突貫級を迎撃、殲滅せよ。
各員の奮戦を期待する』

ハイパーウィンドウが開き各艦艇が突入してく…

……

「間もなくハイパースペースから出ます!5、4、3、レディ、スタン、ナウ」

「バルキリー・ゴースト各隊、出撃してきます」

Side〜ウラガ級えんたーぷらいず、バルキリー隊パイロット〜

ビービービービー
格納庫内に警報が鳴り響き、
『エア排出20秒前、作業服非着用者は格納庫内から退去せよ。
エア排出13秒前―』
アナウンスが流れ、

『エア排出』
とともに格納庫内の空気が抜けていき、
真空状態となっていく…
人工重力はあるも真空の状態になり…
『エア排出確認、アポロ大隊発進スタンバイ』
誘導員が誘導灯を振り、誘導路へと一機一機動き出す。
正面に誘導員が来て振った。
低速スロットルを絞り、機体を前進させ、発進口へと進ませる。

前の4番機がバーナー更かせて発進する。
次は俺の番であり、シールドが解除されると共に進入サインが点灯、
『5番機進入どうぞ』
「了解」
機体をすすませ…停止位置に停止。

『カタパルトスタンバイ、ロック!何時でもどうぞ』

「アポロ大隊4番機、発進する」

フルスロットルにいれ機体が加速させると、リニアカタパルトで更に押し出されるように、
えんたーぷらいずから飛びたつ。

前は急激なGを感じたのだが今はわずかな擬似Gしか感じない。もっともGをうけたら100Gかかって潰れるらしいが…

編隊集合サインを確認、機体の向きを…

Side〜パイロット〜end

「まもなく敵艦隊出現予測時間です…」
トリア号のセンサー反応等探索しているオペレーターより報告がはいる。
敵宇宙母艦級が既にワープに入り、撤退するならα宙域方面に向かった境目、
そのまま侵攻してくるなら今現在待ち構えている宙域しかない。

「センサーに感!!未確認物体ワープアウトしてきます。
宇宙BETAの模様です!」

『各艦へ通達!!波動エンジンフルドライブ!!波動砲への回路開け!』

「フルドライブ!回路オープン!出力100%まで残り92秒!」

「敵宇宙戦闘種艦隊確認、数は10!!」
よみに勝った様だ。後は殲滅するのみ…

「出現位置当初予測より大幅にずれてます!Y+141光秒、X−1光秒、Z+−0」

「艦隊軸軌道修正!」

修正範囲は波動砲射程距離圏内の200光秒地点、まだ幸いした。

「艦隊軸線修正されました」

「ヤマトからミノ及び5号6号は目標1、ヤマト7号から12号は目標2―」センサーに映し出された宇宙母艦級に目標番号がふられ、
それに対して各ヤマト級の波動砲目標が割り振られる。

今だ拡大スクリーンには何もない状態で映っていた。
光学では200秒後に見えてくるだろう。
その前に…

「各艦共に波動砲充填率100%突破!」

『波動砲発射』

「発射します」

艦外窓からまばゆいばかりの光りが差し込んでくる。
ヤマトクラス63隻による波動砲一斉射、
目標、敵宇宙戦闘種艦隊に向け一撃が放たれた…
光りがおさまり奔流も見えなくなり…
『バルキリー・ゴースト各隊前進せよ!』

「了解。バルキリー・ゴースト各隊全速前進許可します。
繰り返します―」

トリア号オペレーターの指示で待機いたバルキリー・ゴースト各隊が、
エンジンを蒸して発進してく。

波動砲を追いかけるような形で直ぐに小さくなって…

『あとは今しばらくまつしかないな…』

「どっちにしろ結果わかるのがまだ先ですからね…」
放たれた波動砲は光の速さですすんでいく…
最短で200秒かかる距離に宇宙母艦級はいる。
そしてバルキリー各隊の速度でも約1300秒後、20分以上の距離…

あとは待つばかりであった…

しばらく何もできない理由が、
バルキリー・ゴースト隊が敵突貫級を抜けるまでは波動砲及び主砲等は放てない。
誤射の可能性、未来機動は予測できず、
またバルキリー・ゴースト隊の攻撃を妨害してしまうからでもある。
バルキリー・ゴースト隊の戦果を非常に期待してるが一回こっきりの攻撃手段。
彼らの戦果を疎外する理由はない。

発射から約90秒後、
「光学スクリーンに画像入ります」
200秒前の出現しつつあった宇宙母艦級の姿が艦隊に届いた。

何しろ200光秒の距離にでた宇宙母艦級…

宇宙母艦級がしばらく佇んでいたが、こちらを探知したらしく、前から突貫級を放出し始めている姿も確認できた。
200秒前…つまり波動砲発射20秒程前の出来事…
(やはり探知能力と展開即応能力はすぐれているか…)

あとは波動砲が200光秒の距離を到達すればであるが、

200秒前のできごとであり、超空間レーダー監視手から、
「波動砲到達まであと5、4、3、2、1、マーク!」
の声があがる。
何度もいうが光学スクリーン上ではまだ到達してない…

なのでオペ子の言葉が事実でもある。

「敵宇宙母艦級波動砲により反応消滅!」
宇宙母艦級は波動砲の直撃をくらえば耐えられないのを予想できていた。
問題は…

『突貫級、小型兵隊級の計測だしてくれ』

「は、はい!」

撃退まで…命中までかかった約300秒でどれだけの突貫級、
小型兵隊級が出てきたかが重要だ…
計測がでるまで…手に汗を握る時を過ごす。

「計測結果でました!!突貫級17481匹、小型突貫級142181匹です!」

(まずいな…)
心のなかで舌打ちをしていた。
予測より多くの内包している宇宙戦闘種が表に出てきている。
ヤマト級1艦に対して277体の割合、
この宙域に存在するウラガ級以外の艦含めたあたり230体の割合…
だが改マクロス級やバトル級はヤマトより200m級クラスへの対応能力が時間あたり低い。
マクロスアタックと主砲による手段、
またはモンスターによる射撃のどちらかを選択しなければならないからだ。

明らかに想定より荷が重すぎる。

だが、今更撤退はできない。
亜光速の15%を既にだしているバルキリー・ゴースト隊、
突貫級との交差するまで既にあとわずかな時間しかない。

戻れないパイロット達の帰る場所の確保に、
不退転の覚悟で挑まなければならなかった…

……

まもなく突貫級にバルキリー・ゴースト隊が…

「まもなくバルキリー・ゴースト隊、クロスポイントに到達します!!」

「バルキリー・ゴースト隊より反応弾射出信号確認!」

反応弾ミサイルはVF-25改やAIF-7S改の最高速から若干遅れ始める。
亜光速を更に加速はできないからでもある。
15%から10%、5%とおちていき1%、コンマ以下の速度へと…

「突貫級群とバルキリー・ゴースト隊交差します」
バルキリー・ゴースト隊が亜光速度でもって突貫級群と交差する。
中には運悪く回避する暇とれずに衝突するのもいるだろうが…
『ロストは?』

「今のところ見当たりません」

『無事に抜けたか…よし、波動砲再射撃準備!』

バルキリー・ゴースト隊は無事にぬけ、軸線をずらしつつ小型突貫級掃討へと突き進んでいく。
チャージ終える頃には波動砲の射程外へとしばらくずれ2射位は放てる予定だ。

そして置き土産のように放たれた反応弾、
「まもなく着弾予定時間です。5、4、3、2、1、マーク」
突貫級の正面に着弾した筈。
だがまだセンサーには瞬時に拾えない距離での命中。
現場では反応弾による盛大な火花をあげてるだろう。

この場からではまだセンサーによる探査でしかわからない。
光学では約1分程おくれて拾うだろう。

「センサー探知…計測数します」
バルキリー・ゴースト隊は全3560機、1機あたり2発の反応弾を発射。
全弾命中であれば一気に7120匹の突貫級が削減できる。

「突貫級4217匹消滅確認、半壊速度低下しつつあるのが2411匹」
合計6628匹が突進速度から離脱、残り10853匹。

反応弾は93%の的中率の効果をあげ大きな戦果をあげたようだ。
だがそれでもまだ数が足りない…
ヤマト級1隻に対して173匹の割合…
あとの攻撃手段は長射波動砲で撃ち減らし、そして艦による主砲攻撃だけになる。

……

接近しつつある10853匹の突貫級に対し、20%出力波動砲63門が2回放たれ、
10221匹に減少した。

だがそれでも200mクラスが万をまだ超しており、その数が特攻しかけて来ている状態。

主砲射程20光秒内に、突貫級が侵入…艦に接触する66秒で全て殲滅しなければならない。

主砲射程圏内に入った突貫級に対して異世界軍艦隊は次々と主砲を撃ちまくる。

ヤマト主砲、3連装ショックカノンは光速で放たれ、
突貫級に命中、爆散させる。

だが砲搭数が少ない…
1門では爆散する事がかなわず、砲搭単位で集中射が行われている。
あくまでも予測はされている事であったためその点については混乱はない。
駄目元で1門で撃退できれば…
の淡い希望がなくなっただけの事である。

トリア号も360度ロールしながら1門しか増設間に合わなかったアスガードビームを放ち、
切り札である同化生産していたドローンを順次放出、
近接していた突貫級へとドローンが突き刺さり突貫級を爆散させる。
ながらでつくったドローンは351発しかなく、突貫級1体に1発…ある意味焼石に水であり使いきってしまった。
そして必然的に砲搭数は自爆特攻をする突貫級の数に対して絶対的にすくなく…

Side〜ヤマト8号〜

「艦長!3時方向+30!」
主砲搭が間に合わない。
「総員、対ショック防御!」

言い放たれるのが若干早かった。
艦に直撃してくる突貫級…
通常であれば亜光速30%で突っ込まれるなら、
引き裂かれる間もなく宇宙のチリになるだろう。

だが…艦体に直撃する寸前に宙間にオレンジ色の煌めきが見え、突っ込んできた突撃級の頭がひしゃげ始める。
ゴアウルド製シールド、GUFによる防御だ。シールドが煌めく…

重力アンカーで押し出されるのをふぜきつつ…
シールド強度の方が上で、突貫級が出してた速度エネルギーにより、自身が潰れ…爆散といってよいだろう…宇宙の破片となる。

核爆発1000Mtのエネルギーにノーダメージで耐えきったGUFの強靭さを発揮した。
惑星崩壊レベル以上の威力をもつ亜光速特攻弾というべき存在の直撃に一撃は耐えられた。
文にしたらかなりの時間を感じるが、実際はたった1秒未満の出来事であった。

「シールド強度25%まで低下!フル回復まで315秒!」
一気に80%近くをもってかれ、

「次きたらシールド持たないわ!」

「10時方向+40!」

「主砲間に合わせて!」

「1番砲照準放ちます!」
ヤマト8号の目前にて主砲が命中、爆散する。
質量を失った破片が主砲直撃のエネルギーにより速度が減衰され、シールドが光り輝く。
危機は…まだ去ってない。
「0時10分方向+72!」
「どれかま―」
「10時25分方向+10」
「2時45分方向+40」「主砲は!?」
「2番ロック!発射!」
「3時方向−10!あ、消滅!」
「3番ロッ―」
「11時方―」
「1ば―」
「10時―」
「4ば―」
「2―」
「9時―」
砲塔数から足りない…
「急速転舵急速全速!!」

「間に合いません!!」
操舵手が叫び声をあげる。

叫び声から1秒後、
艦に衝撃が…
シールドが窓硝子が割れるように割れ、
船体本体に突貫級が直撃、
作業群BETAに対してほぼ無敵を誇った合金Zであったが、
合金Zの船殻が惑星崩壊レベルの運動エネルギーを受け悲鳴をあげ裂けていく。

自動防御で真空になりつつあるある通路、エネルギーパイプが強制的に閉鎖していく。
突貫級がその速度エネルギーで艦をひしまげていく。
突貫級自身も潰れていくが、ヤマト級船体が真っ二つに裂け…
エネルギーラインが強制遮断された事により爆散はさけれた模様であるが、
艦は死亡したそのものになる。

もはや戦闘行動は行えない。

ヤマト8号に突き刺さったのは最後の間に合わなかった突貫級1匹…
たった1匹がヤマト8号を轟沈同然へと追い込んだ。

そして突貫級衝突から艦が真っ二つに避けるまでたった2秒…
艦橋内部は赤い非常灯に切り替わり予備電源が通電しはじめる。

「被害確認!!」

「艦第二砲搭付近に直撃、分断されました!」

「放出者は!?」

「コバッタ達12体が艦外に流出…
追尾推進で脱出カプセルが自動放出されました。
後の被害は入ってません」

「総員退艦!!」

「はい!」

緊急パネルを叩きわり、そのまま脱出カプセル搭乗口へと急いで進む装舵手。

必ず持ち場に人員以上の数がある脱出カプセル。
緊急時に短距離ハイパースペースを行い戦場から離脱、回収をまつ形だ。
一ヶ月カプセル内で生活できる。
約100光年範囲において超空間救難信号が発進され、
B1が救助に向かうだろう…

このままではまた特攻うければ無事なところも破壊される事になり、
艦放棄は正しいともいえた。

……

ートリア号艦橋ー

「ヤマト8号艦大破!」

『急速機動!当艦の体当たりでヤマトをまもる!…あと8号の被害状態詳しく』
トリア号はエンシェント技術シールド、GUFより強度は高い。
味方砲火に誤射される覚悟を決め最終手段体当たりをカオルは敢行しはじめる。

「ヤマト5号狙われてます!」

『突貫するぞ!総員対ショック防御!』

亜光速度でもって体当たりしてくる突貫級からヤマト5号をカバーするように覆いかぶさる。
500m級の艦に対して完全にスッポリと被さったトリア号に、次々と突貫級が体当たりしていく…

数にして1、2、3、4、5、6、7、そして8…
突貫級8匹がトリア号に亜光速の30%の速度で突き刺さる。
だが…エンシェントシールドが光り輝き…船体までは届かない。
突き刺さった突貫級は先端から潰れ始め…
そしてシールドは今だ強度を保ち突貫級が自滅した。

「シールド21%低下、回復まで3秒!」

「ヤマト31号狙われてます!」
「ヤマト62号狙われてます!」

『アスガードビーム発射しつつ、62号カバーする!』

31号に接近しつつある反応は4…今3になった。
一方62号には11接近中、手が足らない。

ヤマト62号をカバーする様に覆いかぶさり、
カバーしたトリア号に次々と突き刺さってく突貫級。

突貫級の総数は迎撃により残数5千を切ってはいるが、残り30秒で到達できる距離にいるのが多数、
その後も残存すくなくなるが波状を控えて…

その間にも…
「ミノ狙われてます!」
「ヤマト12号狙われてます!」
「ヤマト13号狙われてます!」
62号を狙っていた最後の突貫級がシールドに突き刺さると同時に機動しはじめ、
完全に崩れる前に振り払う感じで半壊の突貫級が浮遊する。
焦るようにトリア号が動く。

だがミノに5体、12号に2体、13号に7体…手が足りない。

12号狙っていた2体をビームで狙撃しつつ13号をカバーする様にに機動し…
13号はカバー成功するもミノには爆沈免れた突貫級2体が突き刺さり…

……




寸劇風後書き

作者「宇宙戦闘種迎撃戦をお送りしました〜」

ナギ大尉「ちょっと壊滅的被害になるんじゃないの?」

作者「え〜……」

ナギ大尉「バットエンドで終わりじゃないよね?」

作者「ネタばれはご遠慮お願いします。
後1話なので…」

ナギ大尉「…わかった。でもどうしてこうなったのよ?」

作者「素直に宇宙母艦に対する警戒不足でしたね」

ナギ大尉「あ〜内包する突貫級の予測数ミス?」

作者「ま、この通り…ガチ当たりする際、宇宙母艦級1匹に対して30隻はヤマト級必要…または反応弾搭載機が外す確率含め2000機必要です」

ナギ大尉「1:100におさめるって話だっけ?」

作者「そうですね」

ナギ大尉「準備不足といえたのね…」

作者「今まで地上方面は有利にできてたのですが生産力不足であたったので…と…」

ナギ大尉「えっと…次回最終話、地球解放、そして…
題名に迎撃艦隊の事入ってない〜どうなるの?」

作者「次回最終話お楽しみに〜」

H26年4月改稿



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