第001話 太陽系からハイヴ駆逐後の新世界へ…


チート能力を持った渚カオルがMuv-Luvの世界へと引き寄せられた。

この世界は死亡フラグ満載であった…いや人類絶滅フラグ満載であった。
Beings of the Extra Terrestrial origin which is Adversary of human race…
通称BETAによる地球侵略をうけていた。


異世界へと渡る力、"世界扉"にて拉致しながらの人命救助、最先端技術の入手し、
技術を流入させながら、国連軍傘下の独自の軍、異世界軍を設立、
人類反撃の先鋒となり、BETAの生産基地であるハイヴへと挑んでいく。

地球における反撃と平行しながら太陽系の各惑星、各衛星の攻略へも着手していった。

地球上におけるBETAの司令的存在、あ号を攻略し、人類優勢が決まったが、
新たに知らされる事実…

BETAの宇宙戦闘種の存在だ。

地球上で人類を追いつめていたBETAは元々は採掘作業に従事する作業種に属するものであり、
人類をまるごと瞬時に消滅させる存在ではない。
異世界軍は大きく方針を変更せざるえなくなる。

だがこの時点で地球が存在する宙域での司令的存在、
あ号の上位にあたる存在に連絡とれずにいた事が良い情報であった。

調査により上位存在は超新星爆発により消滅したのが確認とれた。
そして地球が存在する宙域に関しては宇宙戦闘種がいないのが、ほぼ確定した。

だが遠方の宙域で宇宙戦闘種を確認…

いつかは地球へと宇宙戦闘種が侵攻するおそれがある。
生存競争は継続しつつあった。

いよいよ太陽系及び地球上からBETAが駆逐されようとしていた時、
別宙域から宇宙戦闘種が、地球の存在する宙域へと侵入を検知した。
今回の規模はたたけると判断した為、異世界軍は迎撃に向かう。

初の空間戦闘は勝利を飾るも、主力戦艦に被害がでてしまう結果となる。
そして地球、太陽系からBETAが駆逐され…

銀河標準時2002年8月11日23時
NY現地時間2002年8月11日10時

==NY国際連合総会議場==

渚カオルは臨時開催されている会議で壇上にて戦闘報告をし始める。

「皆様方はご承知の通り、先日、ベテルギウス宙域内に侵入してきた宇宙母艦級を迎撃、
内包されている突貫級と小型突貫級ともに殲滅、ベテルギウス宙域の存在を隠せ通せた模様です」

「おおっ!!」

ベテルギウス宙域は、ベテルギウスを中心とした半径約1000光年をさしている。

650光年先のベテルギウス恒星系に地球のあ号超頭脳級の上位種が存在してたのだが、
超新星爆発により上位種は消滅、
また存在していたと思われる宇宙戦闘種も消滅されたと推測された。

ただし半径1000光年以遠に宇宙戦闘種の存在が確認され、
銀河系はBETAに占領されつつあるのが確認された。

BETAにも担当宙域があると思われ、そのまま担当宙域をベテルギウス宙域とし、
人類の存在を護る為に異世界軍は太陽系外へと進出しつつあった。

そして迎撃に向かい、撃退したとの報告だ。

「ですが、迎撃にむかった宇宙戦艦の被害もおおきく…
迎撃にむかったヤマト級59隻の内大破が9隻」

ヤマト級は宇宙戦艦ヤマトを原型にゴアウルドシールド…以後GUFを取り入れたもの。
装甲素材は合金Z、自動化を進ませ、
艦橋要員と、パイロット、コバッタだけで運用可能になった。
またパイロットが乗らない前提であれば艦橋要員要らずに、ヤドカリとコバッタだけでも運用可能。

現在の異世界軍宇宙艦隊の主力戦艦であり、
また異世界軍の傾向は自動化及びコバッタ、ヤドカリ運用をメインに進めている。

「クォーター級は構成艦が大破の為3隻中3隻とも暫くは戦闘不能」

クォーター級はマクロスフロンティアからコピーしたのを、超光速機関やシールド等を改良、内部構造を再設計し生産している。

「同じくバトル級も構成艦大破の為3隻中3隻とも同様です」

バトル級も同じくマクロスフロンティアからだ。
上記同様な変更している。

「改マクロス級6隻中6隻中破」

改マクロス級はマクロスシティの動態保存艦をコピー、上記同様な変更。

「リオデジャネイロ改級322隻中272隻爆沈」

「約80%もだと…?」

「国家予算10年分、いや12か?」

リオデジャネイロ級は原型はナデシコの宇宙巡洋艦、核融合炉艦で、当初は異世界軍の主力をになってたが、
宇宙戦闘種の存在を知り、戦闘には難しく警備艦種へと格下げされた。
その改装を施したのが…だ。

「そしてビッグワンの51編成が完全オーバーホールの為、警戒力が低下してます」

ビッグワンは以後B1だが、銀河鉄道物語のAI機関車で、コピーし生産した。
砲搭車両を5両つけた為にボイラーにな負担がかかった。

「損傷のないクラスの艦はヤマト改級の4隻、トリア号のみですが、
ヤマト改級は戦闘行動をとる為の燃料が足らなくなり、
今しばらく戦力外か、ヤマト級以下の戦闘力に落ちます」

ヤマト改級は、ヤマト級に核融合炉からナクアドリアジュネレーター以後NAGへと変更、
アスガードシールド…以後AGを搭載したタイプだ。

「リオデジャネイロ改級とはあの…?」

「ええ、警備艦リオデジャネイロ級にゴアウルドシールドと超空間技術、亜光速エンジンに改装したタイプです。
盾としか使用道はありません」

戦闘にはB1とともに救援にかけつけ、
遠隔操作により文字通り盾として爆沈した。

「なんでそんな被害でたのかね?
たかが10匹に」

「たかがともうしましても…
こちらの当初の推測が甘かったのもありますが、
まず今回の宇宙戦闘種の主力は、宇宙母艦級に内包されている突貫級と言うべき存在です」

突貫級の映像をうかべる。

「詳細なスペックはまだ捕獲できてませんのでわかりませんが、
判明している限りですと、全長約平均200m」

「はっ?200mのBETA?」

「亜光速の30%で特攻…自傷突撃とも言うべきでしょうか」

「亜光速度…」

「それが当初は体内に500〜1000匹程内包と推測してましたが、
約3000匹程内包していると判明しました」

「200mクラスが母艦1匹につき3000…」

「こちらの艦隻数の73隻を大幅に上回ってます。約410対1です。
空母艦は除外しています」

「リオデジャネイロは!」

「後の援軍できました。…戦闘経過ですが、
当初のの戦力比の見積りを見誤った為に、宇宙母艦級を待ち伏せの形をとります」

戦場全体図を投影する。
「艦載機の発進後、待ち構えていた当艦隊は宇宙母艦級のワープアウトを探知、
目標に向け波動砲をうちこみます」

波動砲が目標へと…

「誤差があり距離にして200光秒、ワープアウトから300秒後に命中、
宇宙母艦級は全匹消滅します」

宇宙母艦級のマーカーが映像からきえる。
「ですが突貫級が約17千匹、小型突貫級14万匹が此方に向かってきます」

小型突貫級は亜光速30%というふざけた速度程はでないが亜光速の1%で体当たりが攻撃手段の5m程の個体だ。
アフリカゾウが4mで5t程、それよりは重いと推測され、
6t計算でだと6.4Mtの威力が算出される。
ジュール換算だと270億MJであり、
ゼロ戦の初期20mm機関銃が0.023MJ…
6tあたりの隕石がまともに地球に落下できないが、
できたとして36万3千MJ。威力が推測できよう。

「この時点での対比は232対1です。
この後、艦載機隊による反応弾、波動砲攻撃により主砲有効射程20光秒の距離までに突貫級は約1万匹まで削減できました。
対比が136対1です」

主砲射程圏内に突入する突貫級…

「主砲射程圏内を約66秒で駆け抜け目標であるわが艦隊へ殺到します。
単純に1秒間以内に2匹以上200m級の突貫級を殺害しなければ駄目な状態でした。

想像しやすいように、各国の水上艦船で同クラスの艦船を1秒間で2隻撃破できるか想像してください」

具体的な例え話をあげられ、無理だとばかり呟きがちらほら…

「そして、ヤマト級が大破戦闘不能数が増えた頃に…
援軍部隊が登場します。
以後ヤマト級への被害はなくなり、変わりにリオデジャネイロ級の爆散は続き…
艦隊戦は終結します」

「小型突貫級とやらはどうしたのかね?」

「対小型突貫級は、出撃機3560機が相対し、VF-19は損失無し、AIF-7S改が211機損失のみで約14万を全匹殲滅です」

共にマクロス世界からのコピー改良品で、GUF…艦載機用に出力おさえたのなのでそれほど防御力は高くはないが、
熱摩擦無視での制限突破等改良が加わっている。

14万匹の核ミサイルクラス威力の攻撃手段をもつのを殲滅でき、
機動兵器については優秀さを誇った。


「ところで…その3倍とか5倍とかの戦闘があり得たのか?」

「そうですね…可能性はあります。その場合は此方の戦力が足らず、ベテルギウス宙域への進出を阻めなかったでしょう」

「ヤマト改級とやらはヤマト級の改装タイプなんだろ?
全ての艦を改装したらどうなんだね?」

「改装は容易ですが、燃料問題があります。まずは…」

カサブランカ級の映像をだし、

「皆様方に提供しましたカサブランカ級の研究は進んでいますでしょうか?」

カサブランカ級の第一世代型を今年の2月下旬に各国に提供し、
技術発展と、自国コロニーのデブリ対策、地球へ接近する小惑星対策にと、
役立ててほしいと提供した。

元々がナデシコ世界での西暦2195年の地球連合軍宇宙戦艦のリアトリス級だ。
そこにPTサイズの機体整備可能な格納庫、自動化等の再設計をしたのが、カサブランカ級。
武装は艦首100cm大口径粒子砲×2、艦側面三連対空レーザー 砲×2、
艦底鰭の三連対空レーザー砲×2、艦鰭100cm大口径粒子砲×1、

核融合炉艦でもあり、西暦2001年…いや西暦2030年レベル相当ともいえるAL4世界での技術レベルからいえば先行技術といえよう。

第二世代艦は現用の警備艦で、そこにフォールド等を加えた形だ。

「まだコピーもできてないな…」

「我が国でもだ…」

「しっての通り、カサブランカ級では、
ヤマト級を撃沈する事は、ほぼ不可能と言えます」

カサブランカ級の粒子砲の集中打を浴びて、GUFで耐えているヤマト級の映像が流れた。

GUFは、スターゲートのゴアウルド文明産で、
ゴアウルド文明はある意味は逆行してるが、
技術レベルでは西暦4500年相当ともいえる。

スタートレックは2063年に恒星間航法を発明するが、それ以前から異星人技術の少しながらの流入、
またそれ以後異星人の技術流入もあり、急速に技術発展した為、
西暦相応とはいえない。

西暦相応と言えるのが銀河英雄伝説の2680年代までといえ、純粋に技術発展して2360年に超空間航法が実現といえよう。
ただそれでも60年ほどの遅れがあったかもしれない。
13日戦争、世界核戦争の存在だ。

2680年以後は新規技術発展の延びが出ず、西暦3000年相当ともいえよう。

「カサブランカ級のビームの出力は400Mwが3門であります」

粒子砲は1平方cmあたり30kwの出力で、
艦首と艦鰭ともに400Mw/sの高出力を誇る。

「その集中打を浴びても沈まない事がおわかりになるとおもいます。
ですが…」

画面が切り替わる。トリア号からの映像だ。

「戦闘映像をスローモーションでおくります。
まず、ヤマト級8号艦が狙われシールドに直撃します」

シールドに衝突する突貫級。頭先から潰れてく。

「亜光速の30%の速度で衝突受け、シールド80%のダウンで耐えきれました。
ですが、一撃受けたらシールドは破壊されます」

GUFはエネルギー供給うければ回復する。
が、戦闘行為を行っている為、サブの核融合炉から供給される僅かなエネルギー、
波動エンジンから供給される主砲に使われるエネルギー以外の分しか回す事ができない。

「8号艦はその後17秒間に40匹の突貫級の特攻を主砲で撃退してますが、
最後の突貫級を撃退後の1秒後にシールドへと特攻されました」

その時点での強度は24%…耐えられずにシールドが割れ、
船体に直撃、スローモーションでありゆっくりと2つに割れてく…

「ヤマト級のもつシールドでも2回攻撃されると駄目なのか…」

「我が国が今の技術で宇宙戦闘艦をつくっても…無駄金か…」

「例え再突入型駆逐艦に対宙武装を施しても全滅しか思い浮かばないな」

AL4世界での各国及び国連軍が使用している再利用型宇宙往還機、
ほぼスペースシャトルのバージョンアップ版といえ、
外付けカーゴで様々な事に対応可能な宇宙船といえよう。
軌道爆雷や軌道降下作戦の母船として使用される。

基本非武装で、レーザー種の照射で爆散する程度の装甲しかもたない。
それでもスペースシャトルより推力、装甲素材とも上で、
外付けカーゴに搭載したままの大気圏突入着陸も可能だ。

「一方、ヤマト改級ですが…」

同じくトリア号からの戦闘映像がながれる。
シールドにほぼ同時的に突貫級が突き刺さる映像だ。
「おお…」

「耐えてるな」

「この2撃でシールド30%低下にて耐えています」

「30%だと…?7撃耐えられるのか…」

「先が80%だから実質…数倍強度があるのか…」

「この様な戦闘結果になり、わが軍もヤマト改級へと燃料問題解決し、
また同時的に数を揃える為にヤマト級の建造をおこないます。

ヤマト改級の燃料ですが、それにはナクアダを大量に必要とします」

「ナクアダ?」

「太陽系には存在しない鉱石で、その鉱石を精錬する事で、
ウラン以上のエネルギーをはっします」

核分裂反応で発電する原子炉には、沸水型軽水炉でウラン235の2%〜4%の濃縮ベレットが使用され、
第三世代で1基130万kwの定格出力だ。

勿論まだまだ出力の伸びはあるが、いざ事故が起きると安全とは言い難い。
特に放射能災害に発展すると…
また廃棄物の問題もある。

「こちらがナクアダジェネレーターです

虚数空間から現物を取り出して縁台におく。

「このナクアダジェネレータは定格84.4万kw、1ヶ月連続稼働します」

「84.4万kw!?」
縁台にのるサイズ、横幅1m.縦50cm奥行き40cmの小さな物体がだ。

「放射能は?」

「いいえ。燃料は」
蓋を開け中身をとりだし、

「この通り無害のペレットです」

「このサイズで1ヶ月もつのか…」

一般発電用原子炉は大抵4年間もつ燃料棒で作られ、1年ごとに交換するが、
1基110万kw出力級で、約5万の燃料棒を炉内に装填している。
1本の燃料棒には約350個のペレットが装填され、合計で140tだ。

火力発電で100万kw出力に年間必要な量は、
石炭火力は石炭236万t、石油火力は石油130万t、天然ガスは97万tが必要だ。
重量では原子力が圧倒的に少ないが、
コストでは原子力が8.9円/kw、廃炉費用含めると11円/kwと他のに比べて割高だ。

だがこの世界では中東の石油は早々産出できなくなった為に、原子力発電が流行した。
そこで出されたナクアダジェネレーター以後NCGの燃料、ナクアダぺレット…
サイズにして5cm5cm10cmと小さく、各国代表は驚愕していた。

「更に濃度を高め転換しますとナクアドリアに変化しますが、
それではじめて高放射能を発します。
ただし、ナクアダの数百倍の出力です」

「先程の量では転換できないのかね?」

「1回の戦闘行為に必要な転換量は、先程のペレットの約3千倍は必要かと思われます。ただしあくまでも試算で、
ヤマト改級に使用した分は他世界からナクアドリアを採掘した分であり、時間がかかりすぎます」

実際はカオルがG元素精製するのと同様、
同化による精製であるが、
必要量精製するの時間がかかるのは本当の事だ。
更にG元素は表向き作れないと異世界軍以外には告知している。

「改装するのに、核融合炉やヤマト級の主機の波動エンジンじゃ駄目なのかね?」

「核融合炉は同容積サイズでは出力たりませんですし、
波動エンジンでは戦闘行為を行わないなら、アスガードシールドを張ることは可能です。
戦闘行為をおこなうなら、どうしてもゴアウルドシールドへと下がります。
アスガードシールドも無敵ではありませんので、到達される前に撃破が必要です。
今回の戦闘では突貫級の数が少なくできたからまだ対応できた形です。
その為に惑星ロドニア入手へと全力をそそぎ、地球の防衛強化をめざします」

「ところで…カオル元帥。ヤマト級の建造技術を提供はできないかね?」

「そちらの艦船技術を提供すると、テロが発生した場合、阻止できなければ人類滅亡クラスになります。
今はテロリストは当方の部隊によりほぼ殲滅できおとなしいですが、
万が一実行されたら…その時点で地上人類は半数以上が死亡します」

一番の理由がGUFの存在だ。
恭順派自爆型テロリストが占拠した300m級艦で、
GUFを張りながら大気圏突入すると減速されずにますます加速する。

シールド無しなら大気圏で加熱、無茶な姿勢及び速度で船体耐えられずに爆散または燃え尽きるが、
GUF張ってる為にその様な事が起きない。
したがって地上まで到達する。

異世界軍以外が対応すると地上軍がやっとミサイルを発射する程度だろう。
到達したのは1発、GUFは耐えて地表に衝突する。

一気に広がる衝撃破…
衝突速度が問題で隕石は秒速10〜20km程、
艦は加速をし続け秒速40km以上…同サイズの隕石以上のエネルギーが放出される。

その後の地球を襲う冷温化…取り返しのつかない事になる。

「その理由により、この技術レベルクラスは異世界軍側で管理いたします」

カオルからの戦闘報告等がおわる。

……

国連軍欧州方面軍司令より最後のミンスクハイヴの攻略報告及び被害報告がおわると、

「さて皆様方、地球はBETA支配から解放されましたが…問題はー」

次の議題へとうつる。
BETA支配圏だった土地に帰れる…各国首脳陣にとって多いに悩ませる話であった。

あまり地形が変化してない韓国は北朝鮮の首脳陣崩壊により、
ほぼ悲願の統一国家として帰還する事ができる…

まずは現地状況の調査、そして想定した予算の試算等が入る。
詳しく調査せねば試算できないが、早くから開放された地域、
インド、東南アジア、中国方面は詳しい試算ができてるのだろう。
ヨーロッパ方面は軍からの現地情報で想像はついているかもしれない。

朝鮮半島や中東以外のBETA支配地域だった多くは既に岩石砂漠状態になっている。
豊かな緑など何処にもない。
荒野ならまだ良いだろう。緑が育っている余地があるから…
中東は砂漠や荒野が多く、あんまり環境は変わらないとはいえ、都市等は崩壊し跡形もない。
オアシスも山などが削られた為に水脈に変更あったのだろう…干上がった箇所もある。

中東にみられる様に、5年以上BETA支配地であった場所は山は削られ本来であれば雨が降る地域で中々降らなくなり、
その為に川は干上がり地形図が全く変わってしまう。
川がない箇所で氾濫がおき新たな川を形成し、また干上がる…その様な状態だ。

ヨーロッパ、アジア大陸の各国の様子だが、

まずほぼ99%がBETA支配下になったインド、
完全陥落のアフガニスタン、パキスタン、ブータン、ネパール等は現地視察がすんでどうすれば良いか途方にくれ…
AL4世界ではバングラデシュは独立をはたしてはないので未参加だ。

アジアは国土をBETAにとられたビルマ、カンボジア、ベトナム…沿岸部の島でところどころ抵抗できたくらいだ。
そしてラオス…と国土の殆どを失ったタイ…
自然環境が破壊され厳しい表情だ。

東南アジアのフィリピン等は連合の立場からは少し表情が暗い。
どのくらい援助してくれの話があるからだ。

ヨーロッパ諸国は西側は資本金があるが、やはり破壊された環境にだろう…

東側陣営の7ヶ国(アルバニア)と、東欧に地理的に属する3カ国(ギリシャ、トルコ、ユーゴスラビア)は絶望的な顔をみせている。
ギリシャはクレタ島を死守できたものの、大陸側をいかに低予算で復興できるか、
他の国はとにかく金だ。

オーストリア、スイス等含めた西側の大陸に属する10カ国と、
マルタ騎士団含めたミニ国6ヵ国…

フランスとイタリアは地中海の島に元々領地をもっていた為に復興には意欲的だが予算で頭悩ましている。
特に自然環境だろう…
特にミニ国らは絶望な表情。
北欧3カ国は既に諦めてる表情。

平気な顔は諸島部国家の2と、イギリス。

中東諸国は火種があるかもしれないが、石油地下資源があり、
元々過酷な環境の国だ。表情は明るい。

ソビエト連邦…国土のほぼをBETA支配下にされ現在アラスカの約半分を租借地として、
生産力のほぼ全てをアラスカの地へと移している現在…どうするか悩ましいだろう。
いづれはアラスカの地を返却、または完全な領土として購入、または…
の問題がある。

そして大陸外の各国たが、アフリカ諸国も少し顔が厳しい。
今までほぼ自国に無制限に投資していたヨーロッパ諸国資本や中東資本が出ていく形になる。

気楽な表情のは南米諸国や、アメリカ、オーストリア、日本帝国程度であろう。


現在、ヨーロッパ、アジア大陸の殆どは川があって無いような状態であり、一旦ハリケーンが上陸すると氾濫が発生する。
更に自然環境、山々の破壊により雪融け水が形成できなくなり、水源林や湖周囲が採掘され形をなくした。

元にある形に戻すなどとうてい無理な話であり、
新たな形での自然環境の復帰、農業の復帰、都市の構築をしていかなければならなかった…

水源の確保に容易なのは厳しい環境下のソビエトなのは皮肉でもあろう。

「議長…」

「インド代表どうぞ」

「わが国の国土の環境回復には現在の国家予算凡そ約500年分が試算として算出されました。つきましてはー」

異世界軍は何してるの?だか…
現在スペースコロニー…TOKIO世界から技術取得したスペースコロニーに、
日本帝国人口の内難民2600万人を収容、
また人工農地や人工工業区画等を提供した。

そして他の国の難民にもコロニーの土地に移住、
世界総人口10億5千の内、約2億8千万人の難民だった者がコロニーへと移った。

日本帝国在住の5基のコロニーは日本帝国領土として譲渡し、
更には西日本や東日本の東北北海道以外の復興に向け異世界軍は手をさしのべている。

地上への復興は、放射能汚染に関してはコスモクリーナー搭載艦を派遣し完了させ、
重金属汚染の濾過等も着手している。
濾過についてはひたすら掘ってプラントを通し、クリーンにして放出している。
海水に関しては過剰になった水上戦闘艦を改造して作業艦とし、
海水自体を濾過して濃度を下げている。

問題は海の幸の重金属汚染だ。
レーザー属種の光線を防ぐためのAL弾が多用され、戦場地域の大地、海洋が重金属により汚染したのは知っての通りだ。

海水が汚染されると広範囲に広がり、食物連鎖の上位にあたる魚は体内に重金属を蓄積する。
汚染されたプランクトンを食べた小魚はさらに小型魚、大型魚あるいはクジラなどの海洋ほ乳類に次々に捕食。

この食物連鎖の過程で重金属は徐々に生物濃縮され、マグロ類などの大型魚は、
含有量が海水中の濃度に比べて約3,000倍ほど高くなる。

その結果、水揚げし元々この世界に存在する重金属抽出プラント経て合成食品製造プラントへ送られるが、
一回の抽出ではとうてい抽出できなく、
その段階でも食品製造プラントへと送られ難民食として提供せざるえなかった。

また海水に溶け込んだ重金属の抽出手段として養殖され使われていた。
海藻類も大西洋産や地中海産は高濃度重金属を含んで育っており、抽出プラント行きだ。

合成食品の原料だが、まだ重金属が残っている魚肉や骨や皮や内臓だったもの、海藻だったもの、木等か主に原料で、
衛士用には汚染が少ない地域産、抽出しきれたのがつかわれた形だ。

だがここまで酷いのは過去の話になりつつあった。
現段階は地中海産でも、抽出作業8回でやっと抜けきる元魚だったもの、海藻だったものが存在し、
それを原材料に量ではなく旨い合成食品へと生産方針に切り替わっていた。
もしくは養殖用の餌にだ…
コロニーからの食料品供給が開始されて余裕が産まれたからだ。

海洋資産を生でくう日本人気質を捨てきれないカオルは、
海洋資産に関しては異世界軍は汚染されてないプランクトン投入による希釈を試みていた。

汚染された母体からは汚染された稚魚が生まれるが希釈はされている。
何世代かあとには更に希釈され…いづれは無くなるが、長い時間が必要ではあろう。

一方それ以外の建造物や自然環境回復については派遣する余裕ない宣言はしていた。
規模が広く、宇宙戦闘種への対策が必須だからだ。

その為…自力で再開発しなければならないヨーロッパ各国やアジア各国が、いかに援助を引き出すか、
何処にいくら援助を投資するか目論むアメリカ、オーストラリア等の2001年度での後方支援国との交渉と化していたが…

「カオル元帥」

ヨーロッパの小国、唯一の大公国のエリミア大公が発言する。
彼女は7代目大公シャルロットの次男、
大脱出の際に唯一生存できたシャルルの三女、
9代目エリー大公の次女で、
10代目に襲名したエミリア大公、12歳だ。

本来の歴史であれば長男、長男で現在も生存してただろう。
だがこの世界ではBETAにより、大公家の者でも前線にいき、
唯一戦場に行かなかった者が残る悲惨さであった。
そして9代目の事故死により…
それが齢12歳、日本であればまだ中学1年生だ。

「我が国はスペースコロニーに避難させていただき、大変感謝しています」

現在ルクセンブルク大公国は生存者7142人、国としてはかなりきびしい。
本来なら48万人は増えていて豊かな水準を誇る国なのに、これもBETAによって狂わされたといってよいだろう。

「そしてそのまま此方を領土とし、地球領土は他国に売却したい方針なのですが」

「スペースコロニーを領土とするのも構いません」

「おおっ!」
その発言にミニ国や小国らの代表らが沸く。

「ありがとうございます」

ルクセンブルク大公の発言により、地球本土を売却し、宇宙の民への道筋を見つけだした。

会議は踊りだす…

……

会議は国土売買交渉へと発展していった。
いかに高く国土を買い取ってくれるか、
また地球での復興を決めた各国は新たな国土をいかに安く…
またこれからの国防の思惑等を含めいかに他国に渡さないかの攻防になってきた。

ソビエトは新規に土地を購入するチャンスでもあるが、自国領土の復興を考えてあまり交渉には加わらず、
一方アメリカは海外領土の取得チャンスでもあり…

インフラや都市等全てが破壊されたからこそお金でやりとり、これからの国家構想でもあるだろう。

地球統一国家であるなら素直にきまるが、まだ各国主権であり…

交渉という会議は日を跨いで、一回休会となる…



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