第010話 惑星コムネス編01 異星人発見


翌日…

(ふむ…)

まずは片付ける処理案件ヤマト級のバージョンアップ、超合金Zへの装甲素材変更もあるが、

すぐにはプラントで建造できないといわれたGXWの艦船…

引続き資源捜索で何時かは、大量生産の艦隊の夢を実現できるだろうが、
取り急ぎ1つわすれてはいけない特性がある。
通常空間の航法速度、時速うん万光年…をカオルは考えていた。

異世界軍が取り組んでる問題の1つに、宇宙戦闘種の数の暴力による火力のインフレ。

大気圏戦においてはこれ以上の強化はなくとも、
宇宙戦においては悩んでいる。

大気圏内においては火薬に破砕力は比例し、
実弾兵器による質量、速度で威力は増大するが、大気という壁により限界がある。
大型質量兵器としては、過去には飛行爆弾もあった。

無人のミサイルの原型は第一次世界大戦時にケタリング・バク等あったが、
誘導装置の稚拙でことごとく失敗した。

第二次世界大戦時には日本が有人専用特攻兵器として、ロケット推進の桜花を完成させ、
ドイツではV-1無人飛行爆弾を完成、その有人操縦タイプに関しては脱出が事実上できない…
風防操縦席の真後ろにジェットエンジンの吸入口があるため、
パイロットがボイコットし開発が断念した。
V-1は精密誘導装置の稚拙および時速600kmの速度でドイツ的には生産にみあった戦果は上がらなかったが、
無差別攻撃の対象のロンドン市民を恐怖に震え上がらせ、イギリス的評価には最優先攻撃対象として、
発射場や、生産施設があげられた。
発射場は地上に設置せざるえない為損害が続出、生産施設は後述にて…

有人の桜花は母機が必要であり、発射前の段階で多数落とされ、また800kmの低速、9秒しか噴射できない為に戦果はさほど上がらなかった。
アメリカ側は生きて帰る事ができない恐怖の有人特攻兵器でBAKABOMのコードネームをつけた。
アメリカ側も必死に対空迎撃した。
なにしろ発射後の桜花はレーダーに反応が従来機の3割、対空兵器の近接信管の作動範囲が従来機より狭く4倍の弾幕が必要であった。
狙われて命中したら轟沈必須な為に…
55機が特攻、4機が命中し撃沈1隻、大破除籍が3隻となった。

V-2も恐怖に震えあがらせた。
当初は発射基地から射出される予定であった。
諜報にて情報をえると犠牲を省みずに空爆を刊行、建設中の発射基地は放棄されてく。
遺構が現在も残っておりフランス、カレー近郊のウトンとヴィゼルヌにある。
こちらも現代までのこる程丈夫ともいえよう。

度重なる発射基地建設中断に、発射システムを移動式発射台に変えた為に、
V-2に関しては発射を阻止する事ができず…
一旦発射すると大気圏外からマッハ5と当時の兵器ではどうやっても迎撃不能な、無敵な存在になった。
こちらは誤差範囲はkm単位であり、連合軍的には助かったが、
狙われた都市の住民には堪ったもんでなく、恐怖に震えていた。
爆破被害についてはマッハ5で地面に激突するために1t爆薬であったが効果範囲は減衰した。
だが当たったら気がつく前にあの世行きであった。

V-1とV-2生産工場であるミッテルバウ=ドーラ地下強制収容所は、
陸上部隊が占拠するまで場所がわからず爆撃対象にはならなかった。
爆撃対象になったとしても破壊できたのは地上に繋ぐトンネルのみであろう。
周囲の都市が1945年4月に爆撃によって壊滅、食糧補給、搬出路等運用ができなくなり、
アメリカ軍によって発見、占拠された。

飛行爆弾や大陸弾道弾の威力をしったアメリカやソビエトだが、
アメリカは第二次大戦後に大戦時に大量につくったプロペラ機の無人標的型を、
その爆弾無人誘導タイプを朝鮮戦争、処分目的で投入。
いわゆるミサイルの原型ともいえよう。
そしてその後に、いまでは資源面からミサイル優遇されている。

せいぜいそこまでだ。

ところが…宇宙では阻害される大気がない。

光の速さ、質量がものをいう世界になった。
何べんも質量のある隕石が人類文明消失は話題に上ってるが、
惑星そのものを崩壊とは意味あいが違う。
秒速30kmで突入した100km級隕石が、惑星地表を1年にわたり1500度の熱でおおうだけだが、
100km級隕石が光速近くで突っ込んだら地球のコアごとばらばらになる…いわばものほんの惑星崩壊というべきものと違うのはわかろう。

いかに速さにより火力が違うかがわかる。

そしてGXWの世界では時速1万光年以上の速度で通常空間を超光速航行する…
通常空間でが、まさに重要だ。

プラントではまだできないが、カオルには同化による製造が可能であり、
かかる時間は技術レベル、機体の大きさに比例する。

同化により作り、独行可能な25mの軽戦闘機を超光速状態で突っ込ませる…
無人特攻してみたらどうだろう…

いや偵察衛星を突っ込ませたら…

[マスター、なに考えてるの?]

「いやさ、今回のGXWの艦船、通常空間にて光超えてるだろ?単体で」

[銀鉄のも超えてるでしょ?]

「ああ、まぁ一応はな」

銀河鉄道物語の車両はシールドに護られた軌道レール内では光速を超えている。
だが…

「レール外では衝突が怖くて基本光速以下、
シールド機能ついたビッグワン等特殊車両が、衝突警戒しながらじゃん」

[ああ…まぁね]

「でだ、ミサイル変わりに無人特攻兵器としてGXWの軽戦闘機を使ってみたー」

[マスター、破壊範囲べらぼうになるよ]

「ああ、まぁそのつもりだよ。恒星系消滅ていど、1光年以下程度だろ?」

[あの、マスター…軽く試算するけど…時速27500光年での衝突で、
爆発基点から1万光年範囲瞬時に消滅するんじゃ?]

カオル、呆けた表情にて、へ?っと声をだす。

[でもって更に100光年周囲が物理的衝撃波は確実、エネルギー波は更に外側…7000光年、合計で1万7千光年はきそうだね〜]

額に手をあてて、ホンママジか〜と、空笑いし始めた。

[本当だよ。光を超えると独自的エネルギーもつからね〜
あくまでも少なく見積もってだよ。
実験は破壊範囲がべらぼうだから、やめてね]

「α宙域でテスト考えてたが、時速うん万光年速での特攻兵器は危険すぎるか…
世界が滅びた世界でも…広いどっかには他の人種がいるかもしれんし…」

まだまだ異世界軍の探知範囲は惑星詳細になると1光年範囲、
地下になると2光秒距離にて惑星を角度を変えて16周回し探査しなければならない。

「まぁ…GXW世界艦つくるときは…通常空間超光速航法装置は危険すぎて除外確定だろうな…
プログラムからかえてになるか…
なら…じゃあさ…光の100倍程度で衝突したら?」

まだ光速度特攻兵器を諦めて無かったようだ。

[光の100倍速度ね〜…軽戦闘機の25m級の150tでいい?]

「ああ」

[当たるものによりけり被害が違うけど、太陽だと仮定すると…
まず、超新星爆発がおきるの確定で]

「へ?溶けるんじゃ?」

[25mサイズでも溶ける前にコア貫くから。
相手が突貫級だと…そうだね〜5万km範囲が影響範囲計算だから…約800かな?]

異世界軍のヤマト級宇宙艦隊の艦隊展開範囲は密集隊形で、
1辺15km程度に収まっているので艦隊近くでは放てない。

たかがそんな距離?すぐ衝突するだろ?宇宙戦では!
と、思うかもしれないが、衝突リスクよりか火力の集中、ヤドカリ達の技術で補っている。

たしかに宇宙戦での戦闘中の速度で各艦自由旋回等したら衝突はする。
例をあげるとしたら銀河英雄伝説でのアムリッツアの戦いでのムーア艦隊の味方艦同士の衝突があげられる。

戦艦は長さ600m、縦100m横50mと仮定し縦横1km間隔で展開してたとしよう…
衝突する確率は?
正直…速度によりけるといえよう。

海上艦隊では第二次世界大戦時に突入する雷撃駆逐艦で前後間隔が大体700m、
輪形陣で大和護衛で1500m、隣接艦と1000mでとっていた。
大和単艦護衛で、この距離と対空駆逐艦9隻ですんでいた。

この間隔なら水上艦の速度では衝突の危険性が少なく、また効率よく対空砲火をはなてる。

観艦式の配置で対空砲を攻撃機相手に水平射すると、
他艦に誤射しまくる結果となろう。
そして各艦自由旋回を試みたら……

5万km範囲で、800程度の理由は、
突貫級の突撃は横には展開しないも長さ…つまり前との間隔は開く。
亜光速30%であるなら5万kmはたかが0.2秒くらいの区間であるしかない。

(ふ〜む…となるとそのくらいならつかえるか?)

波動砲は直進エネルギーであり、砲線上にいる個体はまとめて貫く事はできる。
拡散エネルギーではない。

「じゃあ、まっ…小数同化により作成して試してみて、
そんころには鉱脈見つかってれば…大量生産できるかな?」

[軽戦闘機型超光速ミサイル?]

「だな、でだー」

といいかけたところで…

[マスター!!緊急緊急!]

いきなりコバッタが赤く緊急の文字をスライドさせ、騒ぎ始めた。
宇宙母艦級のベテルギウス宙域侵入いらいだろう。

「どうした?」

[これをみて!!]

映像には…BETAと軍隊との衝突というべきのが映っていた。
BETAと戦術機ではなく生身の軍隊であった。

「これは…ひどいな…」

軍隊は機械化されている戦車でもない。
人が集団でBETAの侵攻に対して、盾、槍等で攻撃をしかけていて、
突撃級の威力に撥ね飛ばされ潰され、防衛もなったもんでない状態におちいっている。

人…1.7mサイズの者がが約20m四方の突撃級に対して無謀にも生身で挑む…銃すら使用している気配はない。

異世界軍の人間サイズ代表格のターミネーターや烈火改でさえ、突撃級に肉弾戦だと…
うまく運動エネルギーをいなせばなんとかだろうが、
相撲をとるように正面からガッツリとぶつかると、流石に撥ね飛ばされる。
理由は簡単、サイズ的にもだしターミネーターの自重は約900kg、烈火改着用の第六世代は約700kgだ。
いくらパワーがあって踏ん張る力があろうと地面ごと削りとられてしまう。

BETAがくる以前の話だが、史上最大の生物はアルゼンチノサウルスの推測であるが70〜90tが最高だといわれる。
まだ一部の骨格しか見つからず全身は推測にしかすぎないが、
頭部から尾までが33m〜44m、体重の集中する胴体部分が約10mの高さ約5m程。

学説によると当時は地球重力が軽く、つまり1G未満であり、
また発見当初は100tオーバーといわれたが、その体重だと体温が50度以上になり…タンパク質の変質を招くと推測され、
70〜90t程度と落ち着いた。

今現存する最大生物はアフリカ象であり、体重は5t〜7tと、
象の身体には重力がかなりの負担になっているだろう。
体重の20%程もある頭部を支える為に首が短いが為、鼻が長く発達した。

さて突撃級の体重だが、16m四方計算で純炭素計算では7373tになるが流石にそこまでは重くはない。
およそ約1500tである。
だがその質量が時速170kmで突っ込んでくるから…1672MJの運動エネルギーであり、
人類側の兵器で73年当時、最高自重であった戦車は自重はT-64やT-55は40t前後、
運動エネルギーをもろに食らえば924km/hで撥ね飛ばされる単純計算になるが、
170km/hでぶつかる以上…その速度にはならず、
残りの754km/h分のエネルギーが撥ね飛ばしの威力につかわれ、戦線崩壊は当たり前であっただろう。

例にたとえると、車が人を跳ねるに相当すると思ってよいかもしれない。
ただし、10〜15倍程度の差のある軽自動車でなく、
2tダンプ…自重が2t強〜3t未満の最大積載2tの車両と人との関係と思ってもらいたい。

その運動エネルギーをもつ突撃級にたった質量が70kg平均で立ち向かう…戦車の1000分の1…
なんつう無理ゲーといえよう。

「この映像どこ?何故戦術機やら、つかわない?馬鹿か?」

[マスター、地球でないよ]

「えっ?」

[だって、地球上にはBETAは生存してないでしょ?]

「ああ…」

地球上から全てのハイヴが人類側の手に落ちて暫く時間がたっている。
反応炉でエネルギーを補充しなければ、
BETAは知っての通り早くて6日ほどで餓死する。

「となると…?」

[地球外の生物での生存競争、限りなく人に近い…いや、人と言うべきだろうね]

「地球外人類?!?!」
確認はできたのは初であった。
可能性としては考えられてた。

ただカオル自身、地球外人類は別世界では接触してるが、純培養とはいえないかもしれない。
設定があって存在し、それに引っ張られる様に歴史がついてくる。
いわば始めから存在すべき者であり…

純粋になんかから発展し人類となる存在とは初めての接触になろう。

「ところで…この自殺的戦争となら…」

[うん、技術的に地球レベルでみてみると …14世紀相当、そして火薬も使われてる気配無し]

B1から惑星各地へと散開した小型偵察機が地上をつぶさに偵察。
その結果から技術レベルが見え、まさに絶望的戦争に陥ってるといえよう。

[現状だと、この惑星の現地人類はもはや抵抗らしい抵抗できてないから、
早ければ25日程度で全滅だね]

この惑星は二つの大きな大陸で構成され、1つの大きな島が存在する。
直径約15千kmと地球よりサイズが一回りでかいが、陸地の総面積は約12千万平方kmと地球より少なく、
あとは海洋でおおわれている。

現地人類は現状1つの大陸にしか生存が確認されてない。
現在BETAの侵攻から生存圏が奪われ、都市と呼べる人口密集地が19、
面積として約5百万平方kmしかない。
ヨーロッパ大陸の半分にもみたない。
この大陸のハイヴ数は26を数えてはいる。

別の大陸は既にBETAの天下であり、存在確認ハイヴ数が21、
もう1つの大島では現地人類、BETAともに活動は見受けられない。
最寄りの沿岸部から約6千km離れている為に、航海技術が追いついてなく未発見なのだろう。

都市の人口も上がってくる。そこから導かれる、その惑星の現地人類総人口は既に百万人以下のレベルへと落ち込んでいる。
同技術レベル時代の地球人口は約4億前後程といわれていて、
サイズ的に大きい惑星な為、BETAに侵攻受ける前は推測で6億、いかに滅亡寸前かもわかるだろう。

密集地には城塞都市があり、大体平均6kmの長さの城壁で、直径約2km位の都市でしかない。
城壁内の都市人口は8千〜2万程度とみられる。

「残り25日しかもたないのか?…保護すべきだろうなぁ…」

知っての通り1つの惑星をBETAに明け渡す理由は、地球人類はBETAと生存競争している以上ない。

ただし殲滅型肉食兵器であるG兵器は使えない。
現地人類の絶滅を促すし、コロニー型大規模出力兵器も使えないという制約にはなるだろう。
残るは地上派遣手段しかない。

ただし…地上戦では知っての通り、
陸上平野部にて、遅滞後退戦で飽和したBETAの侵攻集団約40万を殲滅できる数はトレー級陸上戦艦が20隻及び2000kmの距離が必要であった。

その距離を短くするのに様々な兵器を使い後退する距離を短くし、
逆に停滞…その場で後退せずにBETA群40万を受けきれる数は約150隻からといえよう。
勿論撃ち洩らし掃討用のスフィンクス、対小型用のT-850らも同伴でだ。
同伴部隊にはさほど数はいらない。

ハイヴ突入部隊には釣り野伏おこない支援体勢あれは2個師団で充分だ。
同時的に4個師団、充分な数は派遣した。

そしてトレー級、ダブルトレー級含めて約150隻派遣したばかりであり、
予備戦力といえるのが地球上で各基地警備や運用艦、派遣予定艦含めて28隻しかいない。

その状態では、最低限の警備艦残すと地球からは18隻程しか派遣はできない。

18隻程度の戦力では、ハイヴ5相当の飽和侵攻40万が発生したら、
被害無しに受けきれ、侵攻BETA群殲滅できるまでに残り少ない城塞都市の6〜8つ程を失う結果にはなりかねない。

中世レベルの1日の行動距離は人間サイズで30km〜40kmあたりだが、
城塞都市でこの距離間に収まっているのは少ない。
大体が3日〜20日の距離が離れていて、
その間に農村兼宿場、ところどころに城…多分大規模領主城だとおもえるのがそんざいする。

農家を管理するマナーハウスというべき領主館もあるだろう。

日本の戦国時代で考えれば城壁都市は本拠地城、
支城に各大領主、石垣無しの簡単な堀のみの平屋支城…盗賊対策の館程度に各領主と思えばいいだろう。

次のBETA侵攻間際とおもえる都市には、農村部や他都市からの避難民と思える人びとが集まっていた。
農民人口は都市部の10倍とみえる。

本来であれば対人類同士の戦いにおいて、火薬無しなら堅牢を誇り、いざ戦が始まれば拠点としてほぼ不落の城塞都市だ。
地球の中世においてもほぼ外交において開城を迫る。
包囲による兵糧戦、包囲メインで投石機によるプレッシャーなどでだ。

正攻法では被害がでるが、梯子兵で城壁を登りきる方法だけだろう。

攻城機を作れば話はまた別だが、
投石機でも数十年以上かけて工事された分厚く組まれた城壁破壊は難しい。
城壁自体の厚さは武器を持った兵士が交互に行き来できる10m以上の厚さ、
崩せても上部から削り取る…と思えばいいだろう。
直接下部にあたっても無駄だ。
町のなかを直接攻撃でもよいかもしれない。
高さはさほど高いのは見当たらない。厚さから高い建造物をつくるのは難しいのだろう。
大体平均8mだ。

現地人類もBETAの脅威と破壊力を理解しているのだろう、同じ様な城壁都市が破壊されたのを聞き及んでいるのだろう。
更に戦火のない後方へと避難していくながれができている。

「ロドニアから回すとしても…えーと惑星の名前は?」

[P1458A-Cね]

「味気ないな…ま、座標はそれとして惑星名はコムネスでいこう」

[了解]

「で、ロドニアから抽出できるのは…」

[そうだね〜…30…いや20隻かな…?]
惑星ロドニアは陸地の面積が地球よりも大きい。
その為に戦線維持及び戦線進出に必要な隻数がトレー級相当約200隻分必要であった。
足りない分はモンスター改の火力で補う計算だ。

更にはロドニアには未攻略のハイヴが32もある。規模も99年当時の地球より上。
その為に約150隻より下回ると、惑星ロドニアにかかる時間が増えてしまう話だ。

惑星ロドニアにかける期間は、全艦揚陸から約4ヶ月を想定しており、ロドニアは
P1438A-C…星系番号からわかる通り、
つい先日ほぼ送りきったばかり…

異世界軍が惑星ロドニアに戦力を集中している理由は、異世界軍の強化できる資源惑星であるのが一番の理由だ。
地球に存在しない資源、ナクアダが存在し、純度100%の惑星…

それについこのあいだに起きた宇宙戦闘種戦では宇宙艦隊、ヤマト級に甚大な被害を出した為に強化が必須でもある。

現状…宇宙母艦級が1匹でも地球到達すれば詰んでしまう。
護る対象なければ宇宙母艦級3匹なら被害出しつつつも撃退できた。

だが地球近傍で宇宙戦闘種と戦闘がおきれば…

その前に撃退できればよいだろう…だがまだこの世界では天の川銀河のたった2%の領域を探査できたにすぎなく、
また他の1%の領域に宇宙母艦級が25匹以上確認している。

そこから導かれるのは宇宙母艦級は天の川銀河内に2500匹以上存在し、
殺到すれば到底現有戦力では護りきれない。

たった宇宙母艦級1匹との戦闘と仮定しよう…
動けない、シールド無しの地球、そこに殺到する突貫級、
地球に対して誤射できない異世界軍…

射撃できない死角があり、更には次々と撃沈するヤマト級…更に人類側の射線はへる。

とうとう大気圏に突入する突貫級…200mクラスの亜光速の突入物体だ。
たった一匹だけでも突入されたら…
通常の隕石は秒速数十kmの衝突速度であり、200mクラスで6000平方kmが焦土と化し、更に外縁部でも被害を及ぼす。
運動エネルギーは速度の2乗の為、
約4350倍の速度は約1914万倍の威力となる。
質量は2分の1がエネルギーになるが為、多少の重さの違いはほぼ問題ない。
200m級の隕石は約1500万t、突貫級が500万tだと仮定して計算しても3分の1程度の違いであり、
その結果は約2022京MJ、
TNT換算tで約4833兆メガt…

人類種滅亡クラスといわれている10km級隕石の墜落がTNT換算1億メガtであり…その実に4833万倍だ。
10km級だとまだ地球自体は崩壊せず粉塵による日照妨害が続き、
植物の成長しない為に最終的に人類種が滅亡だ。

その40倍の400kmクラスがTNT換算1000億メガtで、
このクラスの衝突で地球を一年にわたり1500度の高熱地獄で覆う。
海も干上がり…つまり地球上のありとあらゆる生命が完全滅亡になる。

突貫級はさらに上の48330倍の衝突エネルギーを発する。

ただその膨大なエネルギーでも1回だけなら地形はかわるが、崩壊まではいかないだろう。

地球の崩壊は通常の衝突速度なら地球の60%の質量は必要といわれる。

質量の塊である地球…
そこからみちびかれるエネルギーは36130垓MJ…兆京の上の単位が導きだされる。

地球崩壊はしないと推測されるが、
それでもたった1匹の突貫級が地球突入で、確実に地球上の人類は終わってしまう。

突貫級の母船というべき宇宙母艦級の体内に3000匹前後の突貫級が内包され…

太陽系の存在をしられ到達される前に迎撃できる戦力強化が必須であった。

だから…できるだけ早めにロドニアを占拠する必要があり、
それだけしか地上戦艦はまわせられない。


「それだけしか…か…となると新造して送るしかないなぁ」

トレー級は今では1隻にかかる建造時間は20日。ダブルトレー級が25日。
だが生産ドック数がたらない。
佐渡島基地でトレー級クラスのドック数は36基、
ダブルトレー級は4基のみであった。
またフルメンテを行う時のドックでもある。

地球上からBETA駆逐の目処がたち、生産の主力を宇宙戦艦製造にあて、
また余剰戦力にならないよう、駆逐前から佐渡島基地以外の生産拠点の縮小、移行、
そしてBETA駆逐後には基地施設の返還等をおこなった。
現時点では陸上戦艦の新規建造は行ってない。
過剰戦力と化してたからだ。

横浜基地は生産よりも開発施設への意味合いと化している。

惑星コムネス派遣軍が150隻に達するまで約2ヶ月…期間が足らない。

地上部分の土地がたらないのだ。
無論時間かければ地球以外の箇所に生産工場をつくる事は可能だろう。
だが惑星コムネスの状態に間に合わない…

「国連緊急会議の要請をよろしく」

国連召集の手続きがすすめられる。
普通にどっかの土地を購入し大規模軍事工場建ててもよいかもしれない…
が地上は、今は平和的な復興への道程だ。余計な疑惑の発声の芽は摘んでおくべきだろう。

[あ、マスター…これ]

「とりあえず先遣隊分だけでも大至急派遣した方がよいな…」

方針決めしていた30分程度の間にコムネスの軍隊を突破した1匹の突撃級が城壁へと到達。

街の中から見れば視線の具合により違うがこの街の城壁高さ6m程から見える甲殻が城壁にあたり、
轟音が発生し、震動が街をおそう。

1672MJ、TNT換算399kgの威力が城壁にかかる。

建物解体用で最強ともいえるが、
振り子で衝突時に133k/hのスピードでビルにぶちかます4tの鉄球、モンケンとよばれているものだ。
ビル解体用の鉄球オプションで、浅間山荘事件で活躍したクレーンに取り付ける。

騒音規制や粉塵規制の為90年代頃から他の解体オプションに変わられていったが、
仕事効率では鉄球が最強であり、規制のない中国では絶賛活躍中だ。
ただそれでも、2.73MJ、TNT換算0.65kgの威力である。
その実に約600倍の威力が城壁の一点に瞬間的にぶちかまされる。

たかがメイン素材は岩だ。岩を削り積み上げ接合して城壁をつくる。
岩がメイン素材ではその威力に耐えられず、
城壁が大きな破片岩となり空中に飛ぶ。
勢いが弱冠弱まった突撃級より先行し、宙に浮いていた岩が街並みの建物へと突き刺さって粉砕する。

また突撃級は20m程の横幅だ。さらに残りのエネルギーにて城壁を粉砕、
自身の脚力で更にエネルギーを加え窪みを広げる。

広げきった窪みから都市内部へと突撃級が突入した。

脚力がパワーをあたえ、木造の家などいとも簡単に粉砕し続け…
避難が遅れていた住民らに向かってすすみ、木で作られた住宅を次々と崩しながら街並みを壊していく。

コムネスの軍隊が押さえきれたのはたった3匹だ。
戦車や戦術機があればまったく問題ない数をコムネス人は押さえきれてない。

[了解、マスター]

1分もかからずに逃げ遅れている人々に到達、そして反対側の城壁を突き抜け、
街からにげだしている人々の列に到達するだろう…
避難民は徒歩や馬車だ…到底逃げれないだろう…

「あと、実弾武装もってたワスプがB1に搭載されてるよな?
居ないよりはましだろう。投入しといてくれ」

[了解〜]


……

「会議中要請に応じて頂きありがとうございます」

『異世界軍元帥の要請には答えなければならないだろう』

『知らぬ間に地球滅亡はかなわないからな…』

10日以上たってるのに領土譲渡関連で国連会議は続いていた様だ。
予算の方が先に済んだらしい。

『して、また宇宙母艦級が接近かね?』

『もう地球は駄目なのか?』

「いえ、ではなくある意味良いニュースと、お願いがあります」

『良いニュースだと?』

『艦隊出動は…あのあと情報は来てないよな』

『なんだ…?』

「実は同胞というべき人類、地球外人類の存在を確認できました」

『地球外生物ではなく、地球外人類かね?』

『BETAでなく人類!?!!』

「こちらをご覧ください」

偵察映像のダイジェストが流れる。
途中に『無謀な…』と誰かの呟きがはいるが、やはり生身で戦わざるえない環境に同情の表情があらわれる。
『確かに…別惑星の人類だな』

『異世界軍のT-850なら突撃級に肉弾戦挑みそうなんだが』

『だが、撥ね飛ばされ続けてるぞ?千は超えてないか?』

『城塞都市か…』

『脆いな…』

そして避難民におそいかかる1匹の突撃級に、
ワスプが背後から襲いかかり、
銃撃で倒したあと、恐怖におののくコムネス人をかれらの目で写し出す。

『な、な、エ…エルフ!!』

『何!!』
途端に通信が騒がしくなる。

1955年大ヒットの指輪物語に有るように、エルフの外見および特徴は古代神話から受け告げられている。
AL4世界でも大きく変わる1974年以前の作者だ。ドイツに原爆落とされたとはいえ、指輪物語を出版しただろうし、
通信の相手方らは丁度初版本の時期にミドルスクールや、ハイスクールあたりの者が殆どであった。
それははまっただろう…

詳細な遺伝子調査が得られなくとも耳長族…AL4の世界では既に絶滅したカヨー族、
ビルマに住んでいた耳を重いイヤリングで人工的に伸ばす習慣をもつ少数民族ではない。

尖り耳が特徴のあのエルフだ。
顔の1/3程の長さの耳、美男美女、

「ああ、そう言えばそうですね」

『長寿なのか?魔法はあるのか?』

『ホビットやドワーフ、我等のような丸耳は?』

『森に住んでないのかね?』

「まだ正直時間がなく、そこら辺はわかりません。
あと他種族はみうけられなく、コムネス人類と言えばかれらと思われます。
森にはすんでなく、都市にすみ、また農村で農耕を営んでるもようです」

『この惑星はどこにある?』

「今までの言い方では赤経5h57m25.458、 赤緯+6°59'54"の距離1045光年の未発見の恒星系に属する惑星で、
異世界軍では惑星コムネス、現地人類をコムネス人と名付けました」

『1045光年先?』

『……カタログに載ってないのか?』

『見たところ、中世レベルといえようが、何ヵ月もつのかね?
火薬も持たないようだが』

「シミュレートした結果ですが…」

惑星コムネスを投影する。

「ご覧の通り、分隊規模程度のBETAに対して、コムネスの軍隊は押さえきれてません」

基本何々隊規模といわれるのが要撃級以上大きさで、
遠距離レーダーに反応し計測数が正確に数えられる規模が小隊規模で30〜60を指している。
中隊規模が60〜250、大隊規模が300〜1000といった形だ。
分隊では10程度。

つまり分隊規模は突撃級を含んだかずが10程度であり、要塞級は大概いない規模といえる。

突撃級や要撃級数匹程度相手に歩兵だからって、数匹程度で戦線放棄するわけにはいかず、
歩兵中隊なら被害はでるが処理できる数ともいえる。
勿論携行銃器ではなく対戦車兵器や地雷などを駆使してであった。

当初は分隊規模でも戦術機が出動しており効率が悪かった。
戦車は機動力が悪い火力であり、集中投下が好ましく、残るは機動化歩兵、通常の歩兵であった。

歩兵火力でも対応できる様に対戦車兵器がえらばれる。
でも歩兵の手で発射できるAP弾等は突撃級には効果があまりなく、
すぐに無反動砲の生成炸薬弾の火薬増大型が開発され、
105mmのHEATロケットランチャーが配備された。
それでも通常歩兵は横からが好ましい。

火薬があれば別だっただろう…

映像は惑星全土を覆うハイヴを映し、
大陸の残りの部分に城塞都市を点として映す。

「そしてこの分隊規模程度で都市を1つうしなっています」
都市に1つバッテンをつける。

「救援の手を差しのべなければ…」

瞬く間に次々と都市に×がつけられ、ハイヴが1つ、もう1つとつくられ…
「25日足らずで陥落、コムネス人類はこの宇宙から居なくなるでしょう」

『1ヶ月以内にエルフが居なくなるか…』

『エロフが…』

「救援部隊ですが惑星ロドニア同様、各国軍の遠征は要請しません。
異世界軍の陸上戦艦を主として派遣しますが、但し救援には現有戦力では足りません」

異世界軍軍の派遣軍の陸上戦艦の隻数を映しだす。

「先の通り惑星ロドニア攻略に全力をあげてるため、抽出できるのは惑星ロドニアから20隻、
地球上の予備艦、警備艦及びロドニア派遣予定艦から18隻、合計38隻です」

惑星コムネス派遣軍の枠を描き、38隻分を移す。

「新規建造を本日からおこなうとして、防衛艦隊定数の150隻満たすのが約2ヶ月後。
その頃には全力で新規建造及び派遣しつつも残り都市数が1つ、コムネス人口が4万に満たないかもしれません」

『文明を維持はできないか…』

「まさか自分も2方面で惑星での地上戦をやるとは思いませんでしたので、
そこまでは手配してませんでした」

『そうだろうな…』


「下手したら大陸防衛失敗してるかもしれません。今現状、彼らに残されてる土地面積がないのです。
地球の友になり得る者を見捨てる訳にはいきません。

そこでお願いですが、陸上戦艦新規生産ドック建造の為の、
広大な土地の購入か、または返却した元ハイヴの返還をお願いいたします」

『フム…』

『日本帝国から対馬を提供致します』

対馬は前にも述べたが侵攻を受け残留していた島民は全滅、
避難していた島民も大阪以東に避難していた者も少なく…
現時点では帝国軍基地があるのみだ。地権も整理しやすいのだろう。

(40隻分のドックは確保できそうかな…?)

統一中華戦線から、
『旧イギリス領香港、新界一帯とマカオ、珠海市を提供します』と提案された。

台湾の西側にある澎湖ではなく、香港及びマカオをだ。

香港…
リアルでは新界が1997年に租借期限が切れて、
本来返す必要なかった植民地である香港島や九龍半島ごと共産党中国に返却した。

イギリスは、1898年の展拓香港界址専条で祖借地となった新界の延長はしたかった。
新界は深センの南側、旧香港空港の北側のイギリス領香港の90%の土地をさし、
ここが返却されると経済の中心地である香港島、九龍半島がなりたたなくなる。
延長交渉に当時の首相が乗り込んだが共産党中国が武力行使や水の供給停止を匂わして徹底的に反発し、
50年は香港を社会主義化しないと明言した為にイギリスが引いた形であった。

マカオはリアルでは99年に共産党中国に返還された。

1966年のマカオ暴動の際にポルトガル植民地ながら、かなり共産党中国の介入が入っていた為にほぼ中国というマカオ…
カーネーション革命時に返却候補として筆頭に挙げられた。

カーネーション革命は74年植民地戦争に明け暮れていた独裁政権に対して軍事クーデターが起き、
クーデターは成功し、すぐさま海外植民地放棄を宣言し戦争終結にむけ現地独立勢力へと主権委譲し、
100万人にも及ぶ移住者を本国へと引き揚げ始めた。

マカオに関しては共産党中国と国交を持ってなかったので返還できなかったが、
国交成立時に即座返還を希望したが、共産党中国から留保を要請され、
主権が共産党中国、行政がポルトガルと負担を強いられる事になり、
香港交渉後に期限でもって返還と条約が結ばれた。


AL4の世界では…香港に関する交渉の立場は逆転した。
駐香港イギリス軍の戦力をいち早く本国に集中させたく、生産拠点としてうまみがなく狭い島である香港、狭い半島である九龍半島を返却したいイギリス、
独自でどうBETAと戦えばよいのかわかってない中国で、戦力の共同開発を打電したい中国。

交渉の結果、香港一帯は中華統一戦線結成86年時に返還された。

同じく中国国内の植民地マカオについては、共産党中国の統治継続要請にも関わらず、
ポルトガルが統治放棄し半ば押し付けられる形で80年に返還された。

AL4世界でも、ポルトガルでカーネーション革命が74年におこって独裁政権が倒れた。
その理由は植民地戦争関連と、
またBETA関連でも国連にも協力する素振りをみせない独裁者であったからだ。

対BETA戦線への本国での軍備の再編がすすめられ、
やはり現地自治化されてたマカオからの撤退を一方的に勧告、
勧告期限でもって統治放棄された。

澎湖に関しては中国本土奪還や防衛戦の為の軍事要塞化が進められたが、戦場となる事はなかった。

返還後の香港やマカオは中国本土からの脱出の為に整備され、あとは歴史通り香港島が96年には陥落している。
よく抵抗できたとは思うが島影からの大量砲撃により抵抗できたとの話だ。

(約1000km^2と…約1500km^2か…)

佐渡島が約850km^2であり、
一気に基地用地が増える計算でもある。


『カシュガルとリヨンには生産施設を作らないのかね?』

先の会議での国連軍との共同管理基地をあげてきた。

「暴走での人類消滅レベルクラスでの兵器を取り扱ってる以上、
技術流出等起きないよう注意は行ってます。
なので共同管理地での戦艦建設はちょっと…」

『ふむ…完全管理地か…』

「入手した以上、流出にはですね…」

例えばマクロス世界の様に多数の惑星に移住済みなら考えたかもしれない。

だが現状多数の惑星に出進できる程人類数は増えてない。たかが10億程だ。

……

「ありがとうございます」

惑星コムネス救援の為に本格的に動き出した…



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