第035話 惑星ドル編04 換金〜惑星ドルの魔法、そして


カオルが冒険者ギルド出張所の中に入っていくと…

「いらっしゃいませ。何かご用件でしょうか?」

正面の受付嬢だと思われる人物が声をかけてきた。
幻影にて一般的な町民の格好してる為、依頼主と思ったかもしれない。

「素材の買取りってできます?」

「はい。買い取りには現物査定が必要になりますができます。
失礼ですがギルトカードはお持ちですか?」

「いえ、ギルドカードは持ってないのですが…」

「査定料金がかかる事になります。
ギルドカード作れば査定料金はかかりませんが作りますか?
街のちょっとした依頼等もありますので全て危険な依頼ではありません」

「手数料は必要です?」

「5万ポン必要になります」

(ポンっていくらだろうか…?)
現地通貨単位だろうが正直わかりはしない。

「ちっと現物置いてあるので、持ってきますので、
カード作る前提で、手数料後払いはできます?」

「……わかりました。査定の結果でマイナスになったら身体で返してくださいね?
肉体労働もありますので」

一瞬マイナスなら公私混同てま食われるんかと思ったがそうではなさそうだ。

「じゃ、持ってきますのでよろしくお願いいたします」

と、1回席をはずして、脇の路地へ…

(問題はどう運ぶかだよな…)

6mの個体は研究用確保で、換金するつもりはないが、
クモの死骸は小型なのが1体あたり、
体重21kg前後で一般人が1人で持てる重さの範囲だが…
刈った数が問題だ。34体ある。
内4体は研究用に残し、残りの30体分。

大きさは足が延びた状態で半身になったのを合わせて、両手で1つしかもてないだろう。
重ねれば氷づけなので滑って落下だ。

(ん〜…)

折り畳み式リアカーを6台だして…
荷台幅60cm長さ90cm深さ31cmのノーパンクタイヤのアルミ製ボディの一般的で、耐荷重は180kgのだ。
勿論それ以上のサイズ、道交法上の軽車両の制限、外寸長さ4m横2m高さ3mの制限一杯のや、
それ以上もあるが、取り回しを考えたらハンドル含めて長さが1.7mになるので、一般的なサイズが一番であろう。
建物に傷をつけたり破壊していれる等考えずにするなら最大サイズを選ぶが…

荷台に冷凍付けのクモの死骸、余った3台に餌繭をのせて、虚数空間に控えてたターミネーターらに引かせて…

再び冒険者ギルドへと…そのままリアカーでいれると邪魔と判断して、外において単独で入り、先程の受付嬢に、
「表に荷車でもって来たのですが…」

「荷車ですか?でしたら案内しますので」

と表に一緒に出てくる受付嬢。顔が一瞬ひきつった…

「ハウンスパイダーの氷づけですか…」

「ハウンスパイダーというんですか…」

特に意味合いは無さそうだが、発見者の名前でつけたかもしれない。

「で、買い取りできます?」

「ええ…できます。ご案内します」

隣の棟に案内され、カウンター奥の男性に声をかける受付嬢、
査定が終わったら受付に戻るようにと…

「まず、買い取り価格だが、解体手数料が2割は頂く。でよろしいかな?」

「まっそうですね…おねがいします」


「なぁ、ところでお兄ちゃん。その荷車って何処で売ってた?」

「あれですか?」

素材をカウンターに載せたリアカーは邪魔にならないよう、ターミネーターらが開いた状態を維持するストッパー部品を外して、
順次コンパクトに折り畳んでいる。

ストッパーはバンドルの引き手棒及び前側横管、及び前仕切り板、後仕切り板の4点。
前後仕切り板は折り畳んだ両サイドの中に収納され、
本体側L字型の引き手棒は本体側に回して収納され、
前側横管はタイヤのストッパーとして本体外側に、
バンドル引き手棒は仕切り板及び本体が開くのを防止の為に上から差し込まれていた。

収納サイズは幅37cm長さ95cm高さ75cm。
20インチ…タイヤ直径50.8cmのノーパンクタイアで、
全体的にアルミ製で全重量が21kgと軽い。

街で使われている荷車は、
ごくごく単調な車軸を使った、車軸を貫く台座の上に平荷台がくるタイプが多かった。
前後と側面のあおりはない平荷台の作りで、車輪の外に荷物が飛び出てもよい作りであった。

だが、それでは重心が高くなり不安定にはなるが為に4輪が多く大型化になりやすい。
小型なのは車輪口径が小さくなりがちだ。
大八車の様に車輪が荷台の上にでて、側面あおりが必要になる作りの荷車はみてない。

そして木製がメインで、スチールで作るのは要所に限られ、
車輪は焼き羽目の鉄輪という構造だ。


折り畳まれていた現代技術のリアカーは、折り畳み技術以外にも、
車輪にはワイヤースポークを使用し、
車体貫く車軸は無しに、ボールベアリングを使って左右独立支持された両輪間に、荷台を落とし込み、重心を下げ、更にはタイヤだ。

またアルミニウム…

自然アルミニウムは存在するが酸素と結び付きやすく単体で鉱物として存在するのは稀で、
ほとんどがボーキサイトから精錬する。
また金属として発見し始めたのが1807年、それ以前はミョウバンの1成分にすぎず、
1825年当時貴重なカリウムを還元剤として単離に成功するも、貴金属として扱いをうけ、
1846年還元剤にナトリウム使用でコストを下げることに成功し、
1886年にアルミナと氷昌石を用いた融解塩電解法を発明し、
ホール・エール法と名付けられたこの方式は現代まで続く唯一のアルミ精錬法で、
大量の電力を必要とするが金属として実用化され、

1888年、ボーキサイトからアルミナを抽出するするバイヤー法が発明され、
現代にも続く中間製法のひとつになる。

基本的に製法からアルミの量産的使用には大量の電力を必要とする。
つまり、アルミは魔法や中世の時代レベルでは大量使用は難しい金属、または未発見の金属といえていた。

地球の金属史では、
1690年代までが金、銀、銅、鉄、錫、鉛、水銀、アンチモン、ビスマス、亜鉛と、半金属の砒素の11種類が金属素材と知られていて、
次の18世紀に12種類の単位金属を発見した。
大体19世紀に多くの単位金属が見つけられる次第で、
魔法の理では反対に地球では未発見のミスリルや、伝説上のオリハルコン等の発見が期待されよう。

アルミ製折り畳み式リアカーは、見る人から見たら最新式を通り越した異物と見えるだろう。
しかも折り畳み工程をみているのだ…

「こちらは自作したもんなので売ってはないですね」

確かに異世界軍のプラントで作られたので、持ち込んだかたちで、惑星ドルでは売ってはない。


買い取りカウンターのおじさんは悩んでいたが…

「……1台、200万ポンで2台売ってくれないか?」

明治時代は村で自作で大八車等を作っていた為に、案外ただの値段になるが、
江戸時代は車屋が1700年は2両2分で新車を納品していた。
風呂は8文、掛け蕎麦16文、1両は4000文なのでまぁ…大体の値段がわかろう。

介入がどうたら、歴史がどうたらの別世界ではなく、
技術的にも普遍的なので、

「まぁ…いいっすよ」

と普通に売り渡そうとしていた。

「で、400万ポンだが…100万ポン4枚で支払いでいいか?」

「貨幣がちとわからないのですが…」

1、5、10、50、100、500、1000、5000、1万、5万、10万、50万、100万、1000万、1億の15種類貨幣が流通していると教えられ、
目の前のカウンター上に出してきた。

「……偽造されやすそうですね」

貨幣の額から低い価値の金属で作るのはある意味常識だが、その差が激しいと偽造がされやすい。

地球の歴史は証明されていて、江戸時代の小判さえも、幕末には薩摩藩が偽造小判を藩あげてつくり、
戦争資金にしたのは有名でもある。

また政府でさえも小判に含まれる金品位をさげて、特に改鋳で出た金の品位の差は出目と呼ばれ、貴重な収入源となっていた。
例えば慶長小判、1601年から1695年鋳造の小判は金86.28%銀13.20%で鋳造されてたが、
元文小判、1736年から1827年鋳造の小判は金65.31%銀34.41%、
更に天保小判、1837年から1874年鋳造の小判は金56.77%、銀42.86%、
と…どんどん品位が下がっていった。

慶長は1両=銀50匁=銭4000文、
元禄の改鋳以降1両=銀60匁=銭4000文と決めていたが、変動制であり両替商が交換していた。
江戸時代後期は6000〜7000文あたりを変動していた。

他に金、銀以外に銭貨として、銅銭、鉄銭が江戸時代は流通した。

ただ製作し始めたのは1636年からであり、それまでは渡来銭がつかわれつづけていた。
1文銭の銅銭となるが、暫くすると銅の生産に不安が出て、1738年、鉄銭に切り替わった。
すると粗悪品の鉄銭が作られたが、1文銭同様に民間では使われる事となる。
いわゆる偽造通貨の使用だ。
本来の鉄銭3.0gの23.4mmだが、粗悪品は最後の行程を省略したり、軽くしたりしてつくられていた。

鉄銭の不人気を打開すべく、4文銅銭を1768年発行した。

幕末1835年、水野忠邦は100文銭新造の策を受け、許可をだすと、
大量の100文銭が発行され国民に好評になった。
天保通宝と言われる銅銭であった。

水野忠邦は大量の献金を受け天保の改革を進めたが失脚し、1845年に贈収賄を暴かれた。

1847年から鋳造を再開し1日10万枚ペースで作られ、
1860年には4文銭も鉄銭に切り替えられると…
寛永通宝4文銭を6枚〜7枚い潰せば、100文の天保通宝になる。
1文銅銭でも10枚い潰せば1枚の100文銅銭になる。
秋田、水戸、薩摩藩では堂々とい潰して天保通宝をつくり、
鉄4文銭も水戸、会津、薩摩も勝手に鋳造し始めた。
その結果大量に発行された銭で、銭が暴落して明治新政府は元年に1両が10000文とするお触れを出すことになる。

更に明治に入ると、まだ貨幣は幕府のを暫く使用していた為に、
旧藩士によるニセ金つくりが横行していた。
明治二分金…小判の半分の価値の貨幣だ。
偽物は真鍮製であり、一目で偽物とわかるが取引にそのまま使用され、
函館の海外との取引で使用されてクレームが政府に上がってきて、
政府は交換に応じる結果となる。
その為、政府は各地に偽金つくり取り締まり強化するおふれを出し、新造貨幣への道を進むことになる…

過去でさえそうだ。
1000万ポン貨幣、1億ポン貨幣等偽造して流通にのせれば一生生活に困らないだろう。

「偽造対策は高額貨幣には魔紋が刻まれています」

「魔紋?」

手をかざし呪文らしきのを唱えると、高額貨幣が光り、紋章が多数空中に投影される。

「これが魔紋で、高額貨幣には刻まれている」

製造所の紋章が映し出されていて、更に高額貨幣には鋳造者の銘及びナンバリングされている。

魔紋は鋳造者の波力が一人一人違い、
言わば紙幣に指紋と銘を刻み込んでいるのと一緒であろう。
シリコンで偽造もできるから魔紋の方がセキュリティは高いとは思える。

「魔紋により、何処の誰が作った、その鋳造所に魔紋者は居ますか?がスムーズにいくしだいです」

「その鑑定魔法がつかえなければ…」

「あっ、これでもわかりますよ」

と出されたのが虫眼鏡っぽいもの。

「なるほど…なら対策は万全なんですね…
あっリアカーはその値段でいいです」

まだ繭等の査定待ちであった…

さて、買い取り値段だが参考に肉の値段を出すと…

牛は宮崎牛の生産者出荷価格1頭135万円〜150万円。
命の買い取り価格はそんなもんだ。そこから更に卸売り業者、小売業をへて、
スーパーでの値段になる。
可食部の重量は200kg、可食部だけでみると生産者には100gあたり、675円〜750円がわたる。
一応枝肉単価でみてみるとkgあたり3,000円超えている。

生体取引している高級和牛でなければ…
というか、生体取引の松阪牛の1頭が3千万とか5千万とか…優勝牛だからわかる気はするが…

さて一般的には食肉卸売り市場での屠畜後の検査された肉の状態、
枝肉での競りで、牛肉は出荷生産者から食肉業者へとわたる。
つまり競りの値段から手数料と市場までの輸送業者手配を差し引いたのが出荷生産者の売上だ。
輸送業者の値段は除外して、牛革は一律2千円、内蔵頭等は処分したり、取引され、
市場委託手数料は総売上の3.5%の値段がかかり、それに屠畜使用料等の経費がかかる。

北海道和牛のA5ならkg単価2,500円より少し上、
120万〜140万の売上だ。B4になると、100万あたり、
そこから委託手数料と経費1頭あたり17,485円さっぴいてが値段になる。

和牛でない国産牛はブランド牛でない限り取引価格が下になる。
F1といって成長育成が楽な交雑種、乳牛等だ。
最高肉品質A5は取りにくくなり、単価は下がるが育成しやすいメリットはある。
単価平均はF1のA4で1,800、C2で1,200。
乳牛になると更に単価下がりC3が最高で千円前後だ。

1頭あたり、枝肉450kgとして、F1種で、81万〜54万。乳牛去勢牛で45万円の売上から手数料と約17千円、消費税がひかれる。

海外牛は更に単価が低いが食肉市場は通らない為に略する。

豚に関しても生体取引してない限り同様な流れになり、
スーパーだと100gあたり値段は部位によって違う。
なので128円計算にしよう。

枝肉単価は極上が550円前後、上が500円〜550円、中が500円前後、並が450円前後、
等級外が300円前後が相場もようだ。
枝肉重量が140kg〜200kgなので、
550の200kgで11万円〜、300の140kgで4.2万円。
そこから委託手数料3.5%と、1頭あたり、2,556円と消費税がひかれる。

平均可食部44kgなので、可食部100gあたり86円〜235円が生産者取り分だ。


鶏に関してはスーパーで2000円以下、1750円前後で買える。
理由としては点数が多く直接食肉会社との取引になり、
食肉会社が加工したのが市場へとながれる。

市場価格がもも肉650円前後、むね肉340円前後、kgあたり単価で、

2.6kgの鶏から可食部が1125g、むね肉364g、もも肉445g、ささみ77g、手羽194g、皮45g、キモ73g、すなきも32gとれ、

生産者の出荷価格は1羽あたり552円…
100gあたり、49円が生産者取り分になり、
鶏が非常に安いのがわかろう。


さて、猪肉だ。
流通にのれば100gあたり300円〜1300円と高価な部類になる。
高くなるのは牧場で、餌を厳選してた高級品もあるが、
それ以外の狩猟品だが…持ち込まれた猪の肉の傷みでの破棄や在庫だぶつき、その為に売れるロース等が高くなるのが実情であった。

高価だから狩った猪を市場に個人で長そうとすると、食肉衛生法が阻害する。

なので個人契約で精肉店やホテル等と契約を結んでの流れで、公開市場はない。
公開市場が成立する程肉がとれないのもある。

害獣被害で色々な商業化を試みてるらしいが…

市場のはおいといて、狩猟者取り分になるが、
まず狩猟報酬…
これは自治体によって違い5千円〜1万5千円。
肉の買い取り…これまた会社や自治体によって違い、
キロ単価200円のところもあれば、1頭5千円のとこもあれば、キロ単価250円〜500円のところもある。
正直場所によりけりで、
個人契約してホテル旅館等に卸している場合は1頭15万円にもなる話だ。

目安として2万円〜というかんじであろう。
ならば売るよりも美味しく食しようではないかと持ち帰る狩猟者も多数。
持ち帰りでも狩猟報酬はでて、流通にながれるのが2%らしい。

鹿…100gあたり330円〜780円あたりとこれまた高価な推移だ。

ただ鹿の報酬については…
まず自治体の狩猟報酬、そして買い取りたが…
1頭8千円のところもあれば3万円のところもある。
伊豆の食肉加工センターでは1頭1万円を上限として買い取りを行っている。

買い取りされるまでは狩猟者にとって鹿は採算にあわない…
100kgの巨体を一回一回解体するより埋めて次を狙うが早いの世界だったらしい。
鹿毛皮が売れないのが過去とは違う話で、
1頭あたり1万円〜が目安のようだ。


大儲けはしにくいが赤字にはならず、肉体労働…という現状だろう。

因みに熊…だが…
これは完全に命を懸けたボランティアといえる。

群馬では熊肉を提供する旅館があるが、
ツキノワグマであり、よりでかいヒグマではない。
それでもツキノワグマは驚いて敵と認識して攻撃してくる事があり、毎年日本だけで100人前後の怪我人、時には死者がでる程力を持つ獣だ。
そして食って人間の肉の味を覚えたら…
2016年6月、秋田県で射殺されたツキノワグマは人体の一部が胃の中から発見された。
すると極上の味と判断して、ありとあらゆる熊避けの手段が逆に人食い熊を呼び寄せてしまう。
なので市街地に出没では害獣駆除とされる。

愛護団体や愛護家達はグリズリーマン、
グリズリー保護愛護家にしてその身体、
魂を恋人ごとグリズリーに文字通り身を捧げた様にあなた自身ができるであろうか…
グリズリーマンは襲われたから反撃してたが…反撃せずに身を捧げられますか?
また自宅で野生のツキノワグマや野生のヒグマを連れてきて、法律云々は別に一緒に生活できますか?
動物園のおねだりする姿は可愛らしいだろう。だが檻や堀の彼等の横立ち生活できますか?抱きつけますか?

過去に麻酔銃にて撤去を試みたが、効きすぎると2度と目が覚めないのは知ってる通り。
適正だと考えうち、動きを止めた熊を撤去使用とちかよると…熊は動きだし手負いになった熊は襲いかかってきた。
射殺する結果になる。

さて問題はヒグマ…
身体も一回りでかく、銃も効きにくいケースもあり、
駆除依頼を受けたハンター達も死者がでるケースもある。

報酬はまず朝晩の見回りで1日千円。

いざ発見し仕留めたら1頭あたり5千円〜3万円になるが、
単独では自殺行為そのものであり、大抵チームを組み、その分分割される。

昔は熊の毛皮が7万円とか富裕層にもてはやされたが、今は逆に邪魔だから引き取ってくれで毛皮は売れず、
ヒグマの肉も時間がたてば独特な味になり売れはしない。

ツキノワグマは穴熊で美味しいと前にあげたが、ヒグマはその巨体により、狩りの難易度が上がり、
またその処理が難しくなってくる…
ウインチ搭載している車がなければ迅速に解体場まで運べず、肉の痛みはすすむ。

結局のところ全射殺数の1割が食べられるヒグマと判断されるにすぎない。

なので普段はエゾシカ狙いで、ヒグマはボランティアというわけであった。
昔はヒグマの肉も我慢して食うといえよう…

動物の肉の日本での報酬をあげていたが、
待っている横で解体済みの狩られた動物の肉、魔物の肉等が次々と持ち込まれていた。
それらを狙うのもおいしいかと考えていて…

査定結果がでて…
餌繭が21個が1個辺り2割引後で24万ポン、
蜘蛛本体30匹分状態きれいで2割引後12万ポン、
計504万+360万+リアカー代400万でしめて1264万ポンとなった。

因みに蚕の繭は50粒1200円、ネクタイ作るのに140粒必要で、
着物だと3000粒、
はく糸の長さ1,300〜1,500mあるがそれほど必要だ。

餌繭からは2着分の糸はとれそうで、そんなもんかなとは思う。
少し命をはった値段からは安いかもしれない。

……

買い取りが終わった後ギルド受付に戻りカード発行の手続きで…
「ではこちらを記入お願いいたします」

書面をみるが…文字はわからず何を書いてあるかもわからず無理な話で…

「代筆お願いできますか?」

「わかりました。まずお名前は?」

「カオル・渚」

西洋式だと判断し告げた。

「名前がカオルっと…次に住んでいる場所は?」

「あ〜…ないですね」

「住所不定、旅人ですね。で、クラス鑑定します」

「クラス鑑定?」

「強さの基準で…よっと。この水晶に両手を当ててください」

「こうです?」

「……凄いです。下級職上位の拳闘士ですね」

「拳闘士ですか?」

身に覚えはないが…

「ではカード作成の間にギルド員のルールについて説明します」

当たり前の様に正当防衛以外や、盗賊等の犯罪行為に対する以外での殺人はご法度、
トレイン行為等も裁判にかける場合もありえる。

街中では拘束具で力を制限するのが義務つけられている。

理由は酔って正常な思考が失った時に暴れたり等で大惨事になるのが一番だ。
街外やダンジョンに潜らなく、冒険などしない者は魔物の魂魄を得て身体は強化されない。

例えばよく極真空手がデモストレーションで行うブロック割り。
心身ともに鍛え上げた者が肘、頭突き、正拳、手刀にてブロックを割る。
試し割用のもあるが基本建築用のが使われ派手さが違う。
で、建築用なのでブロック塀に使われ、きちんとしたのは車が突っ込んでこない限り基本は壊れもしない。削られることはあるが…

ブロック塀を素人や職人が破壊するには鉄筋も入ってる為に最低でハンマーと切断機が必要でもある。
職人により土台からつくられたブロック塀は正拳つきや肘、頭突き、手刀等で破壊できない、崩せないものである。
それくらいの強さを持つ壁を素手の平手打ちで粉砕できるのが惑星ドルの強者達だ。

一般的な中世焼き入れ軟鉄鎧6mm厚も、基本鈍器により何度も殴ればひしゃげるが、
素手の平手打ちで貫通してしまう。

一般的な日用品を考えてみよう…
破壊されるジョッキ、握りつぶれるフォーク、すごい早さで飛ぶ破片…
とてもでないが生活できやしない。

素材強化すれば強度を持つことが可能だが、魔物の素材をふんだんに使うなどでとても一般人には手がだせなくなる。
建築物件にしてもそうだ。ただの木材では粉砕されるのがおちで、
強化した素材を強化された力において建てれば強者は生活できるが、いざ壊すときにどうするの?…って話になる。

そして対一般人…握手すれば手は潰れる事になるだろう…

そこで生まれたのが能力抑制拘束具を発明し…の話らしい。

なので市街地に関しては一般的強度を持つ素材が建材や生活雑貨等に使われている。

他には街外で狩った魔物の数の報告。
他人が受ける依頼との兼ね合いがあるらしい…

等々の説明を受けて、カードが発行された。

……

(資金換金は終わった。ギルドカードもつくった後は…魔法やスキルか…)

惑星ドルの魔法やスキルが使えるのか取得しようとしていた。

サイレントメビウスの世界からついでに手に入れた魔法の因子…
導入を試みたが、発現はするも威力に不安定さが出ている結果となっていた。

惑星ドルのは、
甲殻は貫通は無理だと思うが、精密な誘導で、甲殻と地面の隙間から突入して突撃級の肉体を爆散させる威力の火球。
それがワンオフではなく、120名がすくなくとも量産的使用ができているという話である。

またそれ以外に多重詠唱した合体魔法が炎を白く光らせて、要塞級の甲殻を貫く威力を発した。

更には鎧兵士400名が魔法やスキルにより強化されたのか、
超人的動きをしていて、要撃級1体程度なら圧倒していた。

肉体の負傷ばかりか欠落した部位を修復する魔法も存在は確認できる。

更にはゴーレムを使役する魔法も確認できている。

「と、すみません。魔法ってどうやって使えるようになるでしょうか?」

「魔法ですか?色々種類ありますが…詳しくは魔法屋で伺った方がよろしいと思います。
この篇でお探しなら出張所でて、街中心方向へ向かって、左側7軒先の、メリル魔法屋が近いですよ」

「わかりました。いってみます」

と出張所を後にして魔法屋に…

「冒険者ギルドに紹介されてきました初心者です。魔法を修得したいのですが…」

「一概に魔法といっても様々ありますよ。何を修得されたいのですか?」

「全く初心者ですので…お金はあるんですがざっくり説明お願いできますか?」

「まず、魔法には一般的に攻撃につかわれる黒魔法、
回復をつかさどる白魔法、強化を司る付与魔法、召喚を司る召喚魔法、呪術魔法、
それ以外に精霊魔法等があります。
黒魔法は更に細分化され火、水、風、木、土、闇、光に細分化されますね」

「黒は 7系統って事ですか…どうやって使えるようになるのです?」

「一般的にこちらのスクロールを読むことにより簡単に修得できるようになります」

といってスクロールを手渡してきた。

(ん?…読んでいいのか?と言っても文字はわからないが…)

「まずはどうぞ読んでみてください」
言われるままにスクロールを開らいたが、文字はわからないので何にもおこらない。

「…読めないのですが…」

「ですね。スクロールには全てロックがかかっていて、販売時にロック解除することにより修得できるようになります。
勝手に使われたら商売あがったりですから」

「あっ、文字が読めないから…という訳じゃないんですね」

「はい。文字がわからなくともスクロールには魔法の術式が秘薬によりかかれていて、
記憶に書き込む形になります。修得したらそのスクロールは力を失いますので、リサイクルの為に買い取りいたしますよ。
こちらが使用済みのスクロールになりますね」

使用済みのスクロールを開くとなにもかかれていない。
動物皮紙の巻物としては使えそうだが…

「何も書かれてないですね」

「書かれている魔術の術式は読まれると消えちゃいますから」

(消えるのか…ますますファンタジーだなぁ…)

「スクロールはわかりました。で、魔法を…」

「まずは相性からですね」

「相性あるんですか」

「威力や連発力…何回魔法を放てるかに直結しますので」

(消費MPの問題かな?)

「まずはこちらを…」

とんがり帽子型の透明なクリスタルっぽいのを出してきた。

「検査結晶にて相性をみます。結晶の両サイドに手を当ててください」

言われた通り当てると…

「あっ……残念ながら……万能型です」

「万能型ならよいんじゃないの?」

「連発力延びずに器用貧乏で終わります。
威力を出すには充電魔石が必要になって、赤字になりがちになります」

「なるほど…」

(まぁでも多分関係なさげかな…)

カオルは鍛えられている。元々神の力によって魔力を授けられ、虚無魔法を扱えるが、
過去にニノ国のすっきり珈琲がぶ飲み大会を行い、6時間で402回世界扉を開く閉じる行為を行ったり等、
精神力は余裕がある。数値ではわからないが、感覚的にはかなりの無茶はできよう。

「隣の方は?」

「ああ…」

(T-850は…まず無理だろ)

ターミネーターは知っての通り元はスカイネットが設計した殺人アンドロイドだ。
今ではカオルに洗脳され、プラントで作られる忠実なる異世界軍のアンドロイド戦士である。
科学技術を極めた機械であるが為に、魔力の取り扱いはできはしないだろう。

「購入約束されてますので、ついでに検査しますけど?」

「まぁ…やってみてくれ」

T-850が検査結晶の両側に手をあてると…

「黒魔法の火、水、土、聖と…」

(へっ?使えるの?)

威力は未定ながらも使える…
アンドロイド魔法戦士が生まれそうでもある。

「それで、スクロールの値段ですが…」

魔法スペルごとの値段になり、
見習レベルの魔法で1万ポン〜、
初級レベルで5万ポン〜、中級レベルで100万ポン〜、上級レベルで1000万ポン〜、
最終レベルで1億ポン〜と言われた。

「た、高いですね…」

「致し方ないですよ。巻物の作製値段、運搬費用などもありますが、
消える魔術式に魔物の血液が材料に大半つかわれていて、魔術式ごとに魔物は違い…
しかも濃縮作業などもありという具合です」

「ひょっとしてドラゴンが素材の魔術式があったとしたら…そのドラの血液を濃縮する必要あるのですか?」

「ええ…」

「うわぁ…」

血液なんぞ戦闘でよく失われるもんであり…
また知っての通り血液は凝固したり、乾燥しやすい為に、満足に回収はできやしない。

現代科学では基本動物の血液には用はないが、ウイルス対策の血清作製等で回収することがあり、麻酔をかけた上で行う等が多い。
もっとも抵抗できない小動物に対してであり、トラやライオンに血清ではないが、予防接種を射つことがある。
その際には麻酔銃が使用される。麻酔の変わりにワクチン液を使用してであり、
直接身体を接してではない。
歯の治療も麻酔銃で全身麻酔を施してから行う程である。

そうなってくると、大量に血を必要とする手術を行う場合はどうなるの?と思うかもしれない。

人間は日本では当たり前に輸血が受けられるが、日本赤十字社による血液センターに一貫化された血液バンクシステムによる。

ペットの犬や猫に関しては…その様なシステムはなく、
病院で飼われている供血犬猫や動物病院同士や、代替血液、ドナー登録をお願いしたペットによって賄われている。
犬は8種類の血液型が国際的に認知され、その8種類を複数保有している。
輸血に関して重要なのは輸血される犬がどの抗原抗体をもつかどうか…のチェックが行われ、
また同時にクロスマッチングを行い、輸血可能か判断する。

猫に関しては3種類と少なく、A型が多く、B型が少なく、AB型はかなりすくない。
それぞれの血液型は他の型には輸血はできない為、B型とAB型は輸血集めに苦労はする。

ペット鳥に関しては…体重の1%が献血限界といわれ、手術的にもかなり厳しく、
自己再利用血も考えなければならない。
1回目の輸血は大抵問題なく、2回目からは問題になる。

大型なのにいこう。
馬に関しては、競馬もあるのである程度商業ベースに研究されている。
ただ馬は複雑で…7種類の式にそれぞれの型番がある。
溶血反応を起こすのがA式とQ式のAa抗体、Qa抗体でもつかどうかをチェックしなければならないが、双方持たないのはサラブレット種では僅か0.3%と少ない。

そこで種として8割程がAa抗体及びQa抗体を持たないハフリンガー種が、
ユニバーサルドナー…広く献血できる馬として飼育されている。

牛に関しては…獣医個人の力によってであり、大概が出荷=屠畜されてしまう。
そういった知識を学ぶが、用意するよりかは食肉へと経済性がとられているのが実情ともいえる。
いざっと輸血というときはお隣の牛から全血での輸血だ。
クロスマッチせずに1回目なら問題なく、
ヘパリンを投与して行う。

大型の象に関して、2015年10月、
タイのランパーン象保護センター隣接の象病院にて世界初の輸血を伴う手術が成功と、発表された程だ。


危険な肉食動物については…到底輸血ドナーから安全に採血できなく…
輸血ネタになったが、人間に身近なのしか採血はできないだろう。

基本は血は血抜きの際に川に流すのが常識であり…

さて、危険な魔物からの回収方法は、
殺したあとガラス瓶やペットボトルにて血液をその場で回収できれば…だが、
ペットボトルはまずないから、ガラス瓶や皮袋とかんがえられる。

ただし皮袋は揺すり続けてると乳をいれてると凝乳になり、果汁ならば発酵がはじまる等血をいれてたら化学変化がおきよう。
そうすると残るは割れやすいガラス瓶や水ガメしかないだろう。

必然的に護衛対象戦闘となり、難易度が更に上がるわけだ。

難易度が上がった回収物を使うために値段もあがる訳で…

そうすると…とりあえず今の予算からと考えたが、
検査結晶は販売不可と言われた。
売却報酬からえた予算の関係上、一通り見習級を買って使ってみるしかなかろう。
スクロール以外は詠唱を師事してもらうだが、時間がかかる話にもなる。

「じゃあ…これとこれと…」

……

「毎度ありい」

ロック解除したスクロールは青紐が目印としてつけられている。

内1つをさっそく紐解き、スクロールの紐をといて…
「スクロールは目に正対して見てくださいね」
アドバイスを受けて開いてみると…
「あっ…逆向きですが…まぁ大丈夫ですね」

書かれてあるインクが薄くなると共に、見習級の火球の魔法をしって扱い方もわかり、詠唱もでき、使える自信ができてきた。
本能で食べることを忘れないような…そのような感じだ。

「その使用済みスクロール売ります?」

「いや記念に持ち帰りますよ」

と辞退して…

……

買ったスクロールの同化複製はチャレンジしたが複製は不可であった。

魔法の検証をしなければならないが、街中での魔法での火力がでる攻撃行為はご法度で…
街外にでて練習をおこなう。

"見習 火球"
スペルネイムを唱えると当人にしか見えない魔術式が描かれ、待機状態になり、
"出現 飛翔"
状態スペルで、目標へと火の玉が突撃する。

といっても見習レベル術式は、
ただ単に唱えただけはマッチの火の大きさの火の玉がでて攻撃する為にたかがしれている。
生物に攻撃した際には単発では軽い火傷をする程度。
木に対しては生木には引火せず、枯れ木や落ち葉なら引火するだろう。

初級レベルになると…
"初級 火球 出現"

ソフトボールサイズの火の玉が出現する。
このサイズであるなら、生物が攻撃をうけたなら軽い火傷ではすまないだろう。
生木でも引火してしまう火力がありそうだ。

"指定 飛翔"

明確な目標が銃眼と形であらわれ、飛翔にて放たれる。

先の誘導性はこの指定にて確保され、より精密な誘導、ズーム等の魔法も存在する話だ。

そして…"見習 火球 出現 見習 火球 出現 見習 火球 出現ーー"
次々と火球スペルを唱えて、マッチサイズの火の玉を出していく…

マッチサイズとはいえこう10、20…100あまりも出され、1体に全ての火球が突撃しようものなら甚大な被害をだすだろう。

複数出せるなら複数の目標にと思うが…
銃眼指定式の為に戦闘中に視線を動かす必要があり、
範囲型魔法の方が便利でもある。

戦闘機の様にレーダー及び敵識別信号をコンピューターで自動処理するマルチロックシステムではなく、
目に現れる銃眼を視線で指定する形である。
コマンド指定ではない。

誘導に関しては魔法式に組み込まれているのか自動ともいえ、阻害や直前回避で別目標に命中しない限り100%ともいえるが…

複数の目標に関しては…頭が混乱する事になるが一応可能ともいえよう。
指定しない限り正面に真っ直ぐ飛ぶことになる。

威力に関しては強化可能ともいえるが器がその大きさであり、
初級や中級の方が楽そうともいえていた。

魔法としてはこんなもんであろう。


「ま、一通り使えそうだな…後は他の世界や地球で使えるか…確かめるのと…
ダニー」
虚数空間要員のT-850の1人で、魔法適性があり、スクロールを読んだ1人だ。

「魔法使えるかやってみてくれ」

"見習 火球 出現"
ダニーの目前に火の玉が表れた。

「ほう…」

"飛翔"

ダニーから放たれた火の玉は目標へと命中する。

「使えるか…けど精神力の方はどうなるかだよな」

少なくとも回復に関してカオルはスッキリ珈琲を飲んだり、また睡眠によって回復する。
更に過去に1日何百回も世界扉を繋げる必要もあり、その分の精神力はある。
だが眠る必要の無いターミネーター達は精神力の容量、また回復はどうなるのか全くわからなかった。

「トリーは…他の世界で使えるかでみるか」

別系統を覚えたT-850の名前であり…世界扉を唱えて…

==ターミネーター2の平行化世界==

ターミネーター2で歴史改変前の世界へとでた。

平行化の為に本来の正史には影響せずという形である意味好き勝手にできる世界の1つでもある。

他には宇宙のスティルヴィアのエンディング後、
パワードールのエンディング後以降がばれても問題ないとも言える。

「とっ…久々だな…この荒廃した世界も…」

前回この世界の2030年6月29日頃に出て、
その際にターミネーターらを洗脳拉致し、
機械軍基地を二つばかし制圧と、人工隕石にて破壊した。
好きに無双できる世界であり、魔法の事が誰にばれても閉じた世界内には影響あるが、正史には問題はない。

さっそく魔法を試してみると問題なく発動する。
ダニー、トリーも問題なく…

「他の世界でも問題なく発動か…
ん?…ひょっとしたら育成可能なのか?」

T-850は戦闘経験については学習可能で反映するが、
性能については機械だから、作り替えたり部品交換しなければならなく、
基本は敵を倒すことで身体自体の強化する事はない。

だが、惑星ドルでは魔物の魂魄を手に入れる事により強化すると言われた。
ひょっとしたら…だろう。

他のゲームの理でも強化するのはいる。ドラクエのキラーマシンだ。
仲間にした後経験値を稼ぐとステータスの成長はしにくいが強化していく。

リアルなのでステータスという数値にはでないが、比較検証で成長していくか確かめてもよいかもしれない。

ただキラーマシンは魔法適正はなく、特技でマヒャド切り等を覚え、魔法攻撃扱い技を使う。
まぁなので成長しないかもしれないが、
冒険者登録して…迷宮に潜るT-850達…よいかもしれないだろう。

という事を考えながら…

「ただいま〜」

[マスター、お帰りなさい]

「魔法習得候補者を射撃場に寄越してくれ」

世界扉にて横浜白陵基地に戻ったカオル。

プラント産ターミネーター達だから惑星ドル魔法が使えるようになった…
その点のが否定できない。
地球で使えるかを確かめ、また同時に所属している不特定人員が使えるか確かめ、
当初の考え通りの実験を行うべく…

「元帥殿!!ま、魔法を覚えさせてくれるのですか!!」

「透明化は使えるんですか!」

「バカねぇ…やっぱり百烈拳でしょ」

「爆熱拳できるのよね?」

「ここは秘孔拳でしょ」

魔法を間違った思い込みからの面々…

だが爆熱拳…拳に炎を纒なら魔法でできるかもしれない。

あとは百烈拳…3秒間に50発力の乗った拳を放つ技だが…
案外可能と見えて、ダメージを与える力の乗った拳では不可能な技でもある。

パンチングスピードボールへの手まり打ちならば回数を稼ぐ事は可能だが、
力の乗った拳を放つ場合はボディ打ちでせいぜい1秒間に片手3発程度だろう。
完全に肘を引く打ち方ではとてもでないが3秒間に50発は反動もありうてやしない。

だが虚無魔法の加速であるなら、周囲の時の流れから自らの時を切り離して早く動ける為に可能でもあるが、
今までは他人に習得は無理ではあった。

だが惑星ドルには時の流れから外れて早く動かす魔法があるかもしれない…

秘孔拳は魔法で再現は…難しいとは思える。


揃った面々は、
メデューシン、銀河英雄伝説、OG、PD、大帝国ドクツからの面々、
ミスリル、第六世代達である。
メデューシン等は人員的に陸軍歩兵要員も採用されてるが、ほぼ全体的に能力的に警備要員止まり…
烈火の一般兵用のを着て前線には出てない。
ミスリルは特殊部隊の陸戦隊要員としては活躍はしているがBETAとは対峙してない。
第六世代は烈火を纏ってBETAを駆逐している。

一般兵用烈火の動きは遅いために防御スーツとして緊急用にはと開発したが、というレベルだ。
大体がターミネーター達が歩兵戦闘戦の主役にはなる。

惑星ドル戦のを見て能力成長に時間はかかるだろうが…との思惑だ。
更に香津美因子を投入されたのもいる。

……

検証結果、惑星ドル魔法は問題なく使え、
更に香津美因子は魔法に強化さようがあるのが判明、

また適性無いやその系統無理な場合の現象もみれた。

(となると…能力成長方法だな…)

と考えながら…


惑星ドルへと戻ると…
街中はすっかり夜の帷で夜の商売の時間になっていた。

(とりあえず宿泊して文化度合いを確かめるか…)

宿にとまり…
まず食べ物の料理方法では揚げがまだない。
衣を纏って油な、とんかつ、天婦羅等はなく…さみしい思いだ。
勿論フライドポテトも無い模様…

アルコールはグルート、エール、ミードワイン等はある。ラガーにかんしてはまだ無さげだ。

ベッドはスプリングがまだなさそうだ。
宿には風呂等は無く共同浴場にいってくれとの事。
一般レベルの宿なら致し方ないか…で、

翌日…

1回ダンジョン試そうとダンジョン門へと向かう。

南門側からは街の中心にあるダンジョン門へは5km、スムーズに歩いて1時間15分ってところだろう。

こう街中の日中で人通り盛んな場合、幻影解除の場所に困るのが予想され、
大人しく歩いていた。

庶民の脚なのか…ゴーレム車が客を乗せて街中心へと向かう。
頻繁に通っていて、ゴーレム車は引き手含めて8m弱〜12m程だろうか…

(乗ってみようかな…)

どうのる乗るのかとまどっていると親切にゴーレム車に同乗する人で教えてくれる人がでてきた。

行先経路は荷車の屋根についている看板で確かめる…読めないが、
簡単な3つの文字構成で何となくわかりそうにも思える。
車体横に通る区間の地名が書かれてるが、それは単語になるためまだわからない。

軽く手を揚げると乗り合いゴーレム車が低速になり、
「はい。乗って」
言われるままにのり、

「で、この車両は400ポンを扱い者に渡す」

荷車内は車体幅1.6m超えの車体内にベンチシートタイプが両側にならんでいる為に中央に通路がある。
だが座っている人多数なので直接は渡せにくい…

「運賃〜で、扱い者までリレーでわたすのがルールね。
お釣りがあるならリレーで戻ってくるわ」

「なるほど…どうもです」

車内のベンチシートに片側15人は座れそうな感じだ。
扱い者というかドライバー?はゴーレムに命令を与えているようで動力はゴーレム、エコでもある。

だがサスがないのか振動がくる。シートのクッションで振動を和らげているのだろう。

看板の色で料金は違い、より長いや危険な経路だと高くなるらしい…
この車だと5階層の騎士団前と南門前の直線経路の車で、ダンジョン門を街を通る一般的区間ゴーレム車との事だ。

この下の料金だと街中のみとか、特定階層のみ等らしい…

少なくとも現地人以外、系統マップ等ないとわからねえや…な話でもいえた。
3つの文字の組合わせで600以上の定期経路の乗り合いゴーレム車がこの街内を走っている話だからだ。

例に例えると…東京駅からビックサイトまで定期バスは2系統あるが、それが10系統あり、
横浜駅から高速バスが1系統あるが、更にそれが5系統あるようなもんである。
これだけで25系統で更に通る道程も1系統ずつ違う…
わけわからなくなるだろう。

リアルの東京駅ービックサイト間のバスがどういった経路を通って停留所が何処とすぐ言えるだろうか?

まだ日本ならナビタイム等でバス経路のみ等無茶な検索できる。
だが正直にマップ無しで口頭でどの道を曲がる等説明はいつも使ってない限りまず無理ともいえるのがわかろう。
それで、更に停留所がない状態で…街中で来たバスを止めてのる形がこの街のゴーレム車だ。

つまり案内板等がない…
更にタイのバンコクのバス模様ともいえていて、マップがないと無理だこりゃ…であった。

……

ゴーレム車でダンジョン門に潜ると…

「マスター、ビッグワンとのリンク切断されました」

「ん?…リンク切断?」

「はい」

惑星ドル衛星軌道上周回しているビッグワン、
現状惑星ドルと異世界軍基地との中継局の役割をしている。

カオルからもコバッタへとコール試みるが芳しくない。
少なくとも撃墜されたはなく…

「ダンジョンは異次元か、別世界かか…」

リンクができてないと、惑星ドル上で何かあっても直ぐに急行する事ができない。
他の攻略惑星は安定化している。他に問題は宙域、α宙域は別だが10日は大丈夫だ。

「あ〜、予定変更、先に前線都市に楔打ってからにしよう」

「了解です、マスター」

「すんません、降ります〜」

「あんた、天井を貨幣で叩きな。そしたら低速路線にうつって速度が落ちるから降りると」

言われた通り…完全には停車しないが、路上へと降り…
楔を木陰で打ってから、帰りのゴーレム車に乗り込み、再び街から街門方向へと…

「って…街の外方向へはやはり看板で行先わからないとやばいな…」

降りたのは街の北門近くの終点…リンクで方向がわかっていたが…って話だ。

タクシーらしいのは無さげの様で…行きたい場所あれば乗り合いゴーレム車の経路をわかって乗るか、歩き…
案外レベルが高い…
ひょっとしたらゴーレム車をチャーターしてなのかもしれんが…

「手続きして、前線付近の都市へといくか」

「イエス、マスター」

前線都市へと向かって……



押して頂けると作者の励みになりますm(__)m


<<前話 目次 次話>>

作品を投稿する感想掲示板トップページに戻る

Copyright(c)2004 SILUFENIA All rights reserved.