機動戦艦ナデシコ

〜The alternative of dark prince〜








第六話 『特訓』はほどほどに















ずきん









頭痛がしたような気がした。















あれから一週間。

結果として、俺はホシノ少佐専属ボディ・ガード(仮)兼ナデシコのコック(仮)兼エステバリスパイロット(仮)になった。軍には入らず、あくまでアルバイ トとして。そのへんはルリちゃんが色々と手を回してくれた。

ルリちゃん、君は本当に何者?

ちなみに、寝床はあの部屋を使わせてもらっている。夜中にドアの外でガタガタと音がしたり、気配というか殺気がするのは気のせいだろうか?

エステバリスに関しては、サブロウタさんが「俺がじきじきに鍛えてやる」とか言ってシュミレーターを使った模擬戦でぼこぼこにされている。

畜生。大人気ないぞタカスギ・サブロウタ。

料理の腕はそれなりに認められたのだが、今のところナデシコの出航予定はないらしく、それまでは休業とのこと。

これに関してはルリちゃんの評価がすごく厳しかった。かなり自信なくしたよ、俺。

ハーリーくんは火星丼が気に入ったらしく、俺を睨みながら美味しそうに食べてくれた。……どっちかにしてくれ。

ところで、火星丼って何料理に分類されるのだろうか? 火星料理?

そう言えば、ハーリーくん。本名はマキビ・ハリと言うらしい。ルリちゃんの話によるとハーリーくんもマシンチャイルドなのだそうだ。だから、ルリちゃんに とっては弟のようなもの、だとか。

それと、剣の腕はもう少し、ということでボディ・ガードの訓練の一環として軍の剣術指南役に教えを請うことになった。しかし、剣術指南役っていつの時代だ よ。

そんなわけで、現在は剣術の訓練時間なのだが……。










ひゅん。どごおっ!


「うわっ、うわわわわっ!」


無理矢理上体を反らす。

真横で破壊音。

頬を木刀がかすめ、板張りの床に穴を開けていた。

相変わらず、人間離れした破壊力だ。喰らったらひとたまりもないだろう。

殺す気かよマジで。


「おらっ!」

「くっ」

「おらあっ!」

「ぐっ、くうぅ」


すでに剣筋は見えていない。勘だけで木刀を合わせるだけだ。

段々木刀を持つ指が痺れてきて感覚がなくなりかけている。


「おらおら、どうした! 護ってばかりじゃあ勝てねぇぞ!」

「ちょっ、そんなこと言ったっ、てっ!」

「止めだ! 死ねやぁっ!!」

「ぐあっ」


あ、これはやばい。

と思ったときにはすでに空を打っ飛んでいた。

そのまま壁に背中をしたたか打ちつけ、ずるずると体が落ちていく。


「がはっ」


立ち上がろうにも膝に力が入らない。

朦朧とした意識で目を開けると敵はもう目の前まで来ていた。そして、突きの構えをとって……。

……死んだかな。


がすん


喉のすぐ横に木刀が突き刺さった。










「ったく、お前さんは。護ることしか頭にねーのか?」

「そうは言いますけど師匠、こっちとしては護るので精一杯なんすよ。それに、攻める暇なんてくれないじゃないですか」

「かかか! ったりめーだろ。オレに護らせようなんざ十年はえぇ」


とソウさんは豪快に笑った。

説明すると、ソウさん。男。本名不明。見た目は変なオッサンである。が、滅茶苦茶強い。例の剣術指南役。とは言っても、軍で刀を使うような人は滅多にいな いので本職は整備班なのだそうだ。それをルリちゃんが頼んで俺の剣術指南役にしてくれたらしい。ソウさん曰く「あの嬢ちゃんの頼みを断るわけにゃあいか ねぇからな」だそうだ。

ルリちゃんって顔広いんだなぁ。

補足として、いつも作務衣だとかいう服を着て下駄を履いている。軍にはあるまじき奇妙な格好だ。それと、よくキセルを銜えている。

アンタも何者だよ。

しかしながらこの人、はっきり言って年齢不詳である。目立った皺とかがあるわけではないのだが、無精髭やその喋り方からだいぶ年上なんじゃないか、と思え てしまうのだが……。

一度聞いてみるか?

……やめよう。殺されかねない。


「それじゃ矛盾してますよ」

「つまりだ、出来るか出来ねぇかじゃなくて、そういう姿勢を見せろってことだ。攻める気があるのとないのじゃあ全然違うもんだぜ?」

「はぁ」


一度俺の頭をぱしんとはたいてソウさんは言う。


「なんでぇなんでぇ、しみったれた面ぁしやがって。そんなんじゃいつまでたっても嬢ちゃんの護衛なんか勤まりゃしねぇぞ」

「でも、自信なくしますよ。こうもコテンパンにやられているんじゃあ」

「またそれか」


ソウさんはもう一度頭をはたいた。今度は結構痛かった。


「痛いっす」

「我慢しろ。男だろ」


こういうの何とかニズムとか言うんだっけ?

そこでソウさんは「はあぁぁ」とわざとらしくため息をついた。

そして、俺に睨むような視線を向けた。滅茶苦茶怖い。このあたり、ルリちゃんと似通ったところがある。

俺は反射的に居住まいを正してしまう。


「な、なんすか?」

「あのなぁ、アキ。何度も言ってるが、オレはお前さんの力は認めてるつもりなんだぜ? お前さんは護るので精一杯って言ったけどな、それだって普通の奴 にゃあちぃと無理なことだ。普通なら護る暇なくあの世逝き。お前さんだから出来るんだよ。なんたってオレを相手にしてるんだからな」


相変わらず、自身過剰なソウさんだった。

って、ちょっと待て。普通の人なら死んでるって、やっぱ殺す気満々だったよこの人。


「まあ、そう言ってもらえるとありがたいっす」

「だから、一撃だ。一撃でいいからオレに喰らわせるつもりで向かって来い。まずはそれからだ」

「はい」

「だが、ま、オレを越えるにゃあと五百年は修行が必要だな」

「仙人になれってことすか?」

「かかっ! まあそういうこった。んじゃ、いつも通り修復作業といきますかね」

「……はい」


穴だらけになった道場を見て思う。

コンクリート製にした方が良いんじゃないだろうか?










そのころ……。


びくっ。


「はっ!」

「……どう、したの?……」

「ねえ、今『説明』って聞こえなかった?」

ふるふる

「聞こえたわよねぇ?」

ふるふる

「いいえ、聞こえたわ。聞こえたのよそーなのよ。誰かが私を必要としているわ。行かなくちゃ!」

「……」

「ジャンぐえっ」

「……死ん、だ?……」

「……ラピス、スタンガンは玩具じゃないぞ」

「……知ってる……」

「……………」

ぴくぴく


変な電波を受信していた。














<あとがき……か? これ>

意地があんだろぉ! 男の子にはぁぁっ!

というわけで、こんにちは、時量師です。皆さん、もう覚えてくれましたでしょうか?

まず、ルリさん、リクエストにお答え頂きありがとうございます。しかも三連撃。ぞくっと来ました。そして、黒い鳩さんすみません。つい口が滑ってしまっ て。

あ、アメジストさんはじめまして。時量師と申します。読み方は「ときはかし」です。以後お見知りおきを。ルリさんも良いですけど僕は貴女もとても好きで す。なので、最近は出番が少なめなのが残念です。

さて、前回予告したとおりスクライド話をしましょうか。

テレビ放映当時、僕こと時量師はまだ十代前半のガキんちょでした。

しかし、あのとき味わった興奮は凄まじいものだったとおぼろげながら記憶しています。あんなに燃えたアニメは多分初めてだったのではないでしょうか。

スクライドと言えば、なんと言っても魅力的なキャラクターたちが紡ぎ出す熱い名(迷?)ゼリフの数々。これですよね?

まず、先ほどの君島くんの「意地があんだろぉ! 男の子にはぁぁっ!」(この台詞、あの変態キ○○○科学者さんに叫んでほしかったです。声優ネタですが分 かります?)やカズマくんの「あいよ」「そう思うだろ? アンタも!」「もっと輝けええぇぇぇ!」は言うまでもありません。

でも、僕はやっぱりクーガーくんの早口が一番印象的でしたね。スゴ過ぎです。いやマジで。

そして、オープニングを始め、ボーカル曲はどれも心を揺さぶってくれました。オープニングも良いですが、個人的には”Magma”がお気に入りです。

ここで、ナデシコとスクライドの共通点について考えてみようと思います。

それは、勿論アレです。そう、ヒーローとヒロインの歳の差、ですよね? (TV放映初期の)アキトくんは18歳、ルリちゃんは11歳。そして、カズマくん は16歳、かなみちゃんは8歳だったと思います。ギリギリ犯罪っぽいです。アキトくんはどうか分かりませんが、カズマくんはおそらくロ○コンですよね。

っと、長々とすみませんあとがきでしたねココ。

では、気を取り直して。オリジナルキャラ二人目、ソウさんが出てきました。

謎の人物です。その謎が解き明かされる日は果たして来るのか!? 来ません。

アキトくんには銃が似合うと思うので、対称的にアキくんには刀を持たせて見ました。でも、アクションシーンは難しいので、使うときがあるかは不明です。

次回はまた一人オリジナルキャラが登場するかもです。オリジナルキャラに関しては、時量師の趣味が大分影響しますので皆さんに受け入れられるか心配です。

次回もよろしくお願いします。うわ、長いなあとがき。



感想

本日も時量師さんの作品が見れて幸せであります。 

とうとう悟りの境地ですか、貴方 は…まあ当然と言う気もしますが…もう枯れてしまいましたか…妄想力で持っている様な人間でしたからね…

ぶっ、そこまで言わなくても良いだろ? 一応作品は作ってますからね〜(汗) 現在はリバホの500万HIT記念品の方を…。

光と闇に祝福をはどうしました? (怒)

(汗)大丈夫…大体終わってる、後は脇役好きさん待ちなんだけどね…共作だし。

脇役好きさんだって都合がありま す、大体一ヶ月もあける方が悪いんです!

全くその通りであります。ごめんなさい、自分で言うのもなんですが、色々つまっていて私自身動きが取れないんです。

はあ、何時になったら以前のスピードに復帰できるんですか?


まあ、何とも言えないけど、リバホ500万HITを一本、なぜなにナデシコ祭り用のSSを一本、記念絵を一本あげればどうにか復帰できると 思う。

いつになることやら、そんな自分の 宣伝より感想に行きなさい全く!

ははは…それでは、今回は初の格闘シーンと言う事で気合を入れてくださったようですね、基本的には問題は無いと思います。

戦闘法には特に決まりは無いので、結果だけ書いて一行で済ますのも一つの手だったりします。

・他にも詳細を描写するパターン…これは、二つ条件が要ります。

格闘や戦闘に本当に詳しい事、そして長くなりすぎて戦闘自体が間延びしない事です。難しいですが格好の良い戦闘ができます。

・次に行動描写だけをするパターン、私のや時量師さんのもこれにあたります。

得点は余り詳しい描写ではないので戦闘に関する知識が無くてもそれなりに見れる事。但し、長さが調節し難いため決め所で今一盛り上がらなかったりしがちで す。

ふーん、一応考えてたんですね…た だのバカだと思ってましたが…

…ま…まあ、良しとしよう。最後のイネスさんのシーンはウケました♪ お見事です!

そうですね、例のものに命をかけて いる所がらしいです。

れいのものって、説…

その先は駄目です! 100行追加 したいですか!?

あ、いやすいません(汗)

さて、時量師さん、後書きで色々 言ってますね。

そうだね〜、スクライドのお話ですか、面白かったですからね。キャラの濃さが特に!

濃さって(汗)

主人公もカッコいいですが、基本的には脇役陣が面白いです。でもやっぱり一騎打ちが多いですからね、こういう作品は好きです。テッカマンブレードとかガン ダムWもね。

貴方は一騎打ちがあれば何でも良い んですか!?

まあ、そういうことになるかな? 一騎打ちって、感情のぶつけ合い見たいな所があるから格好良いんだよね。自作のアキトVSオメガもそういった部分が見せ られてると良いなと思うよ。

それはまた大それた事を…(汗)

話がそれまくりましたが、次回も期待しております♪


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