機動戦艦ナデシコ

〜The alternative of dark prince〜








第十五話 タコとこけしと『臨検査察』















「ぬわぁんだ、貴様らは!!」


彼はばしん! と机を叩いた。

酒が入ったように顔を真っ赤にしながら怒鳴るこの男は、統合軍のアズマ准将という人物。

固くて口うるさい。准将は俺の中にある軍人のイメージに凄く近かった。

それにしても。

……何となくタコに似てるな。

俺はアズマ准将の頭部を眺めながらそんなことを思った。勿論口には出さないが。

しかし、何をそんなに怒っているんだ? 臨検査察に来るのはそんなに怒られるようなことなのだろうか。


「地球連合宇宙軍少佐、ホシノ・ルリです」


准将の怒りを飄々と受け流すルリちゃんは流石だ。


「同じく連合宇宙軍大尉、タカスギ・サブロウタ」


サブロウタさんはここでもやはり適当だった。

この人、やる気があるときとないときの差が激しすぎる。もっとも、サブロウタさんがやる気を出しているところなんて、俺はほとんど見たことがないのだけれ ど。

でも、ルリちゃんにはちゃんと敬意を払ってるみたいだし、相手にもよるということなのだろう。

つまり、サブロウタさんにとって准将は敬意に値しないということか。

根っからの軍人という感じがするせいなのか、俺もあまり良い印象は受けない。


「テンガ・アキ。俺は少佐の護衛っす」


しかし、自己紹介くらいはしておくべきだろうと思う。

何せこっちは予告もなしに『アマテラス』の査察に来たのだ。


「そんなことを訊いているのではない!! 何で貴様らがそこにおる!!」


何が気に入らないのか、またも怒鳴り散らすタコ。

ついでに唾も撒き散らす。

わわっ! 唾がっ! 汚いなぁ。

ってルリちゃん、さり気なく俺を盾にした!?

それはそうと、誰かと聞かれてちゃんと自己紹介をしたのに、何故俺たちは怒られなければならないのだろう。

もしかしてカルシウム不足? 食生活が悪いんじゃないのかな。カルシウムを効率良く摂取するためには、あれをああしてこうして……。

はっ。いかん、料理人の血が騒いできた。


「宇宙軍が連合の所有するコロニーに立ち入るのは、問題はないはずですが」

「ぬ、ぬぅぅ。こ、ここは『ヒサゴプラン』の中枢だ!! 開発公団の許可は取ったのか!?」


准将はルリちゃんの理路整然とした正論に一瞬言葉を失いかけたが、何とか反撃をしてくる。

だが、許可は取ってあると提督が言っていた。

ああ、そういえば、提督は厄介者扱いをされるとも言っていたが、本当にその通りになった。流石は提督。こういうことまで予想していたのか。

何て言うか、准将とは器が違う。


「取ったからいるんじゃん」


うわぁ、にべもないなぁ。


「ぐぬぬぬぅ」


青筋を浮かべサブロウタさんを睨みつける准将。

サブロウタさんはそれを涼しい顔で受け流す。

まぁ、ルリちゃんやシノさんに比べたらこの程度は脅威でも何でもない。これも勿論口にはしないが。


「い、いえっ。ただの横浜弁です。じゃんじゃん〜。えへへ〜」


……ハーリーくん、そのフォローの仕方はどうなの?

ジンを連れてきた方が良かったかな? アイツはこういう交渉とかは得意だからなぁ。良い意味でも、悪い意味でも。


「先日の『シラヒメ』の事件において、ボソンの異常増大が確認されています。ジャンプシステムの管理に問題がある場合、近辺の航路並びにコロニー群に影響 があります。これはコロニー管理法の緊急査察条項が適用されますので、あしからず」

「ま、ガス漏れ検査とでも思っていただければ」

「『ヒサゴプラン』に欠陥はない!!」


ばしんっ!


あんなに思い切り叩いて、痛くないのだろうか。


「まあまあ准将。宇宙の平和を護るのが我らが連合宇宙軍の使命。ここは使命感に燃える少佐に安心していただきましょう」


白衣を着た男が突然口を挟んできた。

ん?

こんな人いたっけ? 俺が気付かなかっただけだろうか。

七三分けの髪に垂れ眼。痩せ型の体系。ひ弱というか、オタクっぽい感じがする。俺の苦手なタイプ。その気味の悪いヘラヘラ笑いが不快だ。ネットリとした声 も俺の神経を逆撫でしてくれる。

いや、そんなことよりも。

何だ? この感じ。背中がチリチリする。










背中の傷が―――熱い。

この男――










「アキさん?」

「え?」

「置いてくぞ〜」


あれ? いつの間にかみんな出口に移動している。

いかんいかん。ぼーっとしていたみたいだ。


「ごめん。ちょっと考え事してて」


もう一度白衣の男を振り返ってからその部屋を出た。

気のせいか。


「まったく、しっかりして下さいよ。それより艦長、どうしてアキさんなんですか?」

「サブロウタさんには万が一のためにエステバリスで待機していてもらわなければなりませんので、暇なのはアキさんしかいません」

「それならどうして艦長までそんなことする必要があるんです?」

「向こうがそれを望んでいるからです」

「ま、憂さ晴らしってとこだろうな」

「そんな! 艦長良いんですか? 向こうの言いなりになって」

「今はそうするより仕方がないんです。でも、その間ハーリーくんにやって欲しいことがあります」

「やって欲しいこと、ですか?」

「はい。ハーリーくんはナデシコに戻り、『アマテラス』にハッキングをかけて下さい」

「ええぇっ!? ハッキングですか!?」

「ハーリー、声がデカイぞ」

「あ、すみません。でも、ハッキングなんて、バレたら大変ですよ?」

「バレないようにやんだろーが」

「ハーリーくん、おねがい」

「ハーリー、艦長たっての頼みを断れるのか?」

「分かりましたっ! 頑張ります!」

「単純だな」

「何がです?」

「別に〜」


あ〜、何だか俺を無視して話が進められていく。

俺が暇だって言うけど、別に暇なわけじゃないんだけどな。現に今ここにいるにはルリちゃんの護衛のためなわけだし。

それはそうと、俺のやることって一体何なのだろう?


「あの」

「「「?」」」

「俺はどうすれば……」

「お前、話聞いてなかったのか?」

「はい。すみません。ちょっとぼーっとしてて」

「大丈夫なんですか? そんなんじゃ艦長を任せられませんよ」

「え?」

「アキさんと私は見学ツアーの子供たちと一緒に臨検査察です」















「みなさんこんにちはー!」


挨拶をするのは黄色いこけしのような着ぐるみ。

ええと、『ヒサゴプラン』のマスコットだったかな。さっきの部屋のポスターにそれとなく名前が載っていたような気がするけど良く覚えていない。


「「「「「こんにちはーー!!」」」」」


元気いっぱいに答えるのは見学に来ている子供たち。


「未来の移動手段、ボソン・ジャンプを研究する『ヒサゴプラン』の見学コースへようこそ。ガイドは私、マユミお姉さんと――」


自己紹介をする赤い髪のお姉さん。

あの格好は、確か『アマテラス』に着いたときに出迎えてくれた立体映像の女の人と同じだ。

いわゆるコスプレ、というやつだろう。

……恥ずかしくないのかな?


「ボク、ヒサゴン!」

「「「「「わあああっ!!」」」」」


そうだ、あれはヒサゴンだ。思い出した思い出した。

ところで、そのヒサゴンくんの中にはやはり人が入っているのだろうか。


「なんと、今日は特別ゲストでぇす」

「「「「「わあああっ!!」」」」」


声を合わせて喜ぶ子供たち。

うーむ、君たち本当はサクラなんじゃ……そんなわけないか。


「みなさんと一緒にコースを廻って下さるのは、あの」

「そう、あの!」

「史上最年少の天才美少女艦長、連合宇宙軍のホシノ・ルリ少佐で〜す」

「よろしく」


そう言ってルリちゃんは控えめに右手でピースサインを形作る。


「「「「「わああああああああっ!!」」」」」


子供たちから一際大きな歓声が上がる。

ルリちゃんは子供たちの間でも人気があるようだ。


「そして、もうひとり」


お姉さんは手のひらで俺の方を指す。俺まで紹介するつもりなのか。

だが、俺はただのオマケ。


「あの、俺は別に」

「良いから良いからぁ」


お姉さんは聞いてくれなかった。


「少佐の護衛の人でぇす」


……名前なし。

いいけどさ、オマケだし。


「ねぇねぇ」

「うん?」


声のした方を向くと、ひとりの男の子が俺に何か言いたそうな顔をしていた。


「なんだい?」

「にいちゃんって少佐の彼氏?」

「ええ!?」

「やっぱりそうなんだー」

「ねー」

「らぶらぶ? らぶらぶ?」


勝手なことを言い、騒ぎ始める子供たち。

ここはひとつ、年長者としてきちんと答えて納得させなければ。


「違うよ。俺はただの護衛。彼氏なんかじゃないよ」

「ええぇー。なんだよ。つまんねぇのー」

「「「「「ぶーぶー」」」」」


ちゃんと説明したらこれかよ。


「ぶーぶー」


良く見るとお姉さんまでブーイングを送っていた。

……なんでさ。















「ねぇ、おにいちゃん」

「ん?」


俺の肩越しに女の子が声を掛けてきた。

正しくは、俺の背中におぶさっているおかっぱの女の子が体重を前に移動させ、その小さな顔を俺の顔と並べ、良く通る声でもって俺の耳元で話しかけてきた。

何故彼女が俺の背にいるのかというと――

見学コースを半分くらい廻ったときに、俺の服の端を引っ張る何かがあった。何かと思って振り向くと、今度は女の子が何か言いたそうに俺を見上げていた。お かっぱの可愛らしい子だった。「どうしたの?」と聞くと、「おにいちゃん、あのね。疲れちゃったから、おんぶしてほしいの」と、もじもじしながら言ってき た。まだそんなに歩いたわけではないけど最近の子供は体力があまりないのかな、と不思議に思ったが、俺はそんないに疲れているわけでもなかったし、女の子 ひとりくらいの重量なら何ともないと思って了承したわけでこういう状況になっているのだ。

「どうかした?」

「どうしておにいちゃんは眼鏡を掛けているの?」


子供の感性は鋭いというのはどうやら本当のことらしい。

でも、本当のことを言うわけにはいかない。


「どうしてそんなことを聞くんだい?」


質問を質問で返す。いささか卑怯な答えではあるけど、仕方がないのだ。

ごめんね。


「だって、おにいちゃんは眼鏡取った方が絶対格好良いよ」


いつも掛けていたからそんなこと考えもしなかった。

もしかしたら、ただのカラーコンタクトに見えないこともないのかも知れないな。


「そうかな?」

「そーだよ」

「ちょっとぉ。次わたしなんだから早く変わってよ」


そこへ、別の女の子が俺の前に立ち塞がった。

腰に手を当てて、いかにもここから先は通らせないという雰囲気。

次ってなんだ?


「ええぇ! だめだよぉ。わたしもしてほしいのに」

「あたしも疲れたぁ」

「だめ。おにいちゃんはわたしがおんぶしてもらうの」

「あたしもあたしもー」


俺は女の子たちに取り囲まれた。

何だ何だぁ? みんなそんなに疲れてたのか?

だったらどうしてもっと早くに言わないんだ。そうすればガイドのお姉さんだって休憩くらい取らせてくれただろうに。

しかし、この人数。いくら体が小さいとはいえ、一度に背負うのは無理だ。

ん? そういえば女の子ばかりだけど、男の子は疲れていないのだろうか。


「少佐少佐―」


男の子たちはルリちゃんの周りに集まっていた。

助けは期待出来ないか。


「順番に、ね?」

「「「「「「「はーい」」」」」」」


うん。物分りが良い子たちで助かった。

が。


「わたしがいちばーん」

「ずるいよぉ」

「早い者勝ちー」

「だめだよ。不公平だよ」

「ねぇねぇ、おにいちゃあん」

「とー!」

「わわっ、そんなみんないっぺんにに乗っからないでっ」


女の子たちは一斉に俺に飛びついてきた。

体のあちこちに掛かる女の子の重量×7。

ぐっ。流石に俺は七人乗りではない、ぞ。

そういえば、『千人乗っても大丈夫!』とかいうCMがあったような……あれは何のCMだったかな?

って、そんなことはどうでも良くて。

これでは……動けない。


「はいはーい! みなさん聞いて下さーい!」


それを助けてくれたのはお姉さんだった。


「「「「「「「おにいちゃ〜ん」」」」」」」

「「「「「「「少佐―」」」」」」」


効果はなかった。


「聞いてくれないとお姉さんは怒っちゃいますよー!」

「「「「「「「おにいちゃあん」」」」」」」

「「「「「「「しょーさー」」」」」」」


効果は今ひとつのようだ。


「はーい。クソガキどもー。あんまり大人ナメてると宇宙に放り捨てますよー。体が沸騰して破裂して跡形も残らなくなりますよー」

「「「「「「「はぁい」」」」」」」

女の子たちはしぶしぶといった感じではあったが、俺にしがみついていた腕をほどいてくれた。

ふぅ、肩が外れるかと思ったよ。

男の子たちもルリちゃんから少し離れる。

効果は抜群だ。

って、アンタ子供相手になんてことを! 

ところが、当の子供たちはたいして怖がりもしていない。女の子はキャーキャー笑いながら俺の後ろに隠れる。体力は低いが、精神面はかなり強いみたいだ。


「よしよし。はぁい。以上、超対称性やら難しい話をいたしました」

「分かったかな〜?」

「「「「「わかんな〜い」」」」」

「そりゃそうよねー。みんな聞いてなかったんだもんねー」


顔はニッコリ笑ってはいるが、かなりご立腹のようだ。そういうオーラが感じられる。

お姉さんはそこで「んんっ」と咳払いをした。どうやらもう一度説明してくれるみたいだ。なかなか律儀な人だ。


「要するに、このチューリップを通ることによって――」


ヒサゴンくんの手には一対のミニチュア版チューリップ。その一方の上には模型の戦艦が浮かんでいる。


「非常に遠い距離――」


模型の戦艦がチューリップに吸い込まれていき、もう一方のチューリップから出てきた。


「それこそ地球から火星まで、いっきに移動できるんでぇす」


ぱんっ


チューリップが白い鳩になって飛び立っていった。

凄いな。どうやったんだろう。


「えー、ただしですねぇ。今の段階では普通の人は使えないんですねー。生身の人間がこれを利用すると、ですね。そのぉー。体を、ですね」

お姉さんの言葉はどうも歯切れが悪い。何か言い難いことでもあるのだろうか。


「改造しちゃうんですか?」

「そ、そこまで露骨なものじゃなくて。あー、その、DNAをですね――」

「そういや、テレビでも言ってたよ。『はんじんどうてき』とかなんとか」

「へぇ〜」


俺の近くでヒソヒソ話をする女の子たち。

なるほど、そういうことか。どうりで、さっきからルリちゃんの方をそれとなく伺っていると思った。


「私たちのことは気にしなくて良いですよ」


ルリちゃんは最初から察しがついていたのだろう。静かにそう言った。


「あ、はいぃ。今の段階ではボソン・ジャンプに生身の人間が耐えるには、DNAを弄らないと駄目なんです」

「「「「「ええええぇっ!!」」」」」

「少佐改造人間?」

「すっげぇ。マジだぜ」


わいわいと騒ぎ出す子供たち。

ルリちゃんは顔色ひとつ変えない。それどころか、優しく微笑んでいる。

子供の相手はハーリーくんで慣れているといったところだろうか。


「ああ、でもね。高出力のディストーション・フィールドを使えば、普通の人もジャンプ出来ますよ。戦艦とか」





ルリちゃんの言葉が言い終わるか終わらないかのその瞬間、耳をつんざくようなけたたましい警報音が鳴り響いた。





「な、何だっ!」


いや、落ち着け。こういうときはパニックになるのが一番拙い。現状を確認するんだ。警報が鳴ったということは……考えられるのは敵襲か誤作動か。

敵襲。

脳裏によぎるのは……まさか……。

そんなことを考えながら現状を確認するため辺りを見回す。

そして、見つけた。





―――OTIKA―――





ウィンドウが浮かんでいた。

そのウィンドウはどんどん増える。

大小様々に――

――OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA
OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA
OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA
OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA
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OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA
OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA OTIKA。















…………キト…………















ずきんっ!


「っ!」


……何だ? 今の。

いや、今はそんなことを気にしている場合ではない。


「ルリちゃん! 敵が来る!」

「はい。戻りましょう」


何故かルリちゃんも同じことを思ったらしく、素早く駆け出した。

俺もその後を追う。


シュン


走るルリちゃんの横にウィンドウが開く。現れたのはハッキングをしているはずのハーリーくん。

もしかして、失敗したのか?


『艦長! 僕じゃないですよ! 「アマテラス」のコンピュータ同士がいきなり喧嘩を始めたんです! 信じてください! 僕じゃないんですぅ』


違ったようだ。


「どういうこと?」

『「アマテラス」には非公式なシステムが存在します。今の騒ぎはまるでそいつが自分の存在をみんなに教えてるというか、単にケラケラ笑っているっていう か……』

「そうですか」

『ところで艦長、どうして走ってるんです? アキさんも』

「ナデシコに戻ります。敵が来ますよ」

『ええっ!』


驚くハーリーくん。無理もない。

しかしながら、ルリちゃん足が全然速くない。正直なところ滅茶苦茶遅い。

しょうがない。


「ルリちゃん」

「?」

「ちょっとごめんね」

「え? きゃっ」


ルリちゃんを抱きかかえる。女の子七人に比べなくても予想通りに軽かった。

こちらの方が断然速い。


「あ、アキさん?」

「ルリちゃん急ぐよ。しっかり掴まってて」

「あ、ええ、はい」


一瞬戸惑ってはいたが、ルリちゃんは大人しく俺の首に手を回し、その身を委ねてくれた。

ハーリーくんのウィンドウが俺たちを追いかけながら何か叫んでいるが、聞いている暇はない。


「お〜い!」


俺たちの背後から何かが近づいてくる。

首だけ振り返る。それは、運搬用の蛇のようにたくさん連なった乗り物だった。

運転しているのはガイドのお姉さん。後ろには子供たちが弾き飛ばされないようしがみついて乗っている。


「あ、丁度良かった。乗せてくださ――」

「頑張ってね〜! いろいろと〜!」


……通り過ぎていった。

乗せてくれないのかよ。















そのころ……。


「……往くぞ。ブラック・サレナ」




















<あとがき……か? これ>

こんにちは、時量師です。

前回、黒い鳩さんがボソン・ジャンプに関する講義をして下さいましたが……分かりません。物理や化学は時量師の専門外なのです。じゃあ専門は何かって訊か れても困ってしまいますが。

さてさて、第十五話ですが第一の佳境に入るところですね。

アキトくん……君はいつになったら出て来てくれるんだい?

早く登場させたいのですが、話の進行上致し方ないのです。時量師も辛いのです。でも、次こそは次こそはっ!

ってな感じで次回もよろしくおねがいします。


感想

時量師さんの劇場版第二弾! 前回の予想道理アキトが出てくるところで区切っちゃいましたね。アキ君の行動が光ってます! 

最後にサレナ出撃コメントが入って良かったです。今後アキトさんの活躍が期待される所ですね♪


多分、アキ君と出会うまでは劇場版と同じ行動じゃないかな?

そういう身も蓋も無い事を言っては 駄目です! それに、行動が同じでも心理描写や行動描写でかなり違った物になりますし。大体貴方のサモンはそのままでしょうが!!

全く持ってその通り(汗) アレはアキトの行動量がそのままあの作品のオリジナル部分と言う事になるかな(汗)

まあ、そんな事は良いのですが、アキ君は私を抱えて走っていきましたが…もしかして…お姫様抱っこなのでしょうか…

まあ、抱っこっていうのは、背中から抱えあげるのか、正面から抱えるのか、もしくは横から抱えるのかだけど、腕を回せるのは横か正面。

そして、走る邪魔にしたく無ければ正面から抱き合うのは動きの邪魔だと言う事を考えるなら…残るは…

まあ、仕方ありません、アキトさんにされる予行演習だと思えば♪ アキトさんにベッドまでお姫様抱っこしてもらう時に失敗しないようにするのに丁度良いで す。
 

なんて強引な…(汗)


ボソンジャンプに関する考察コーナーその2です。

前回の感想やこのコーナーは誤字脱 字が酷かったですね…皆さん分ってくれたでしょうか?

いや、時量師さんも分からなかったって…

やっぱり…あんまり変な説明をする からいけないんです。もっと実用的な部分を教えるべきだったんですよ! これだからアンポンタン作家は…

グッ…確かにそうですね、前回のは分りにくい上に実用性に欠けるものでした。反省を生かして、今回は実用編と行く事にします。

とにかく、前回で言いたかったのは、物質を波(電波等と同じ物だと思ってください)に一度変換し、そして波の状態で時間を逆行、

そして基準時間で方向転換、波の状態で普通に移動、目的地に到着後、予定時刻になったら物質化という順でボソンジャンプをしていると考えられます。

予定時間で物質化ですか? だとす ると現れる場所には随分前からその物質を波に変換した物があるわけですよね? それまでに消えたり吹き散らされたりしませんか?

どんなに拡散していようと、イメージをしっかり持っていれば演算装置が物質化させてくれます。

まあ、無理やりかき集める格好になりますが…遺跡は常に波を演算しているので基本的に波が拡散する事は無いはずですしね。

ジャンパーというのは、遺跡にそれらの情報をきちんと伝え、指定時間にその場所に物質を出現させられるもの事です。

なるほど、あてずっぽうの割にそ れっぽい事を語りますね…

まあ、強引な理論展開だとは思いますが、その辺は私の限界ですね。

それで、ネックとなるのは三つです。

また三つですか?

ははは…もっとありますけどね、基本的にはイメージ伝達、体細胞などの物質データの伝達、そして物質と波の状態の変換ロスこの三つです。

いいますとイメージ伝達はA級ジャンパーの仕事ですね。

B級はチューリップ等の機械を使ってしか移動できません、A級は直接イメージできる、B級は機械に移動先を指定してもらわないと飛べないと言う事です。

物質データの伝達は、ジャンパーと一般人を分けるものです。

ジャンパーは肉体を遺跡に完全認識させる事ができますが、一般人は出来ないので時間の途中で投げ出されてしまいます。

しかも全部なら良いのですが、それらは体細胞レベルで起こるので、あらゆる時間に少しずつ物質化するという無茶な状況に陥り肉体を再構成できず死滅と言う 事になる訳です。

物質と波の変換ロスというのは、直接死ぬとかそういう話ではありませんが、ただ大きい物ほど物質から波にまたは波から物質になる時間が長くなると言う事で す。

ですので、人間は一瞬、エステは光って直ぐ(1〜2秒)出現、船はかなり長い時間(とはいっても4〜5秒)かかると言う事です。

私の持てる知識の限界です。(汗)


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