諸注意

本作は黒い鳩様の『光と闇に祝福を』の三時創作です。
本編とは一切関わりありません。
なお、キャラが壊れている可能性大です。
以上をご理解の上、
用法・用量を守って正しくお使い下さい。

 

 

「一番星コンテスト?」
「はい。まぁ、その…色々とありまして」

プロスペクターの顔が微妙に引きつる。
…本当に色々あったらしい。

「ふむ…色々言いたい事もあるが、取り敢えず…
 …何で優勝賞品がコレなんだ?
 コレで参加者が増える事はないんじゃないか?」
「ふぅ…テンカワさんは解ってませんねぇ。
 ・・・何とも、『らしい』んですが。
 …それで、コレの許可を頂けますか?」
「・・・解った。それで進めてくれ」
「有難う御座います。それでは早速準備いたしますので、これで…」

……プロスペクターの去った後、アキトの手元に残された一枚のポスター。
『一番星コンテスト』…その優勝賞品の欄は、例によって1日艦長…
…であったのだが、その横にマジックで書き込みが入っている。

「何でこんな物が優勝賞品に……まぁ、士気を保つのには娯楽の一つも必要か。
 その為ならこの位、別に問題ないよな・・・多分」

 

かくして、ちょっと変わったイベントが幕を開いたのであった。

 

 


シルフェニア 開設祝いSS

機動戦艦ナデシコ 〜光と闇に祝福を(偽)

もしも彼女が○○だったら


 

 

第××話 「一番星は誰の物?」

 

「さて、いよいよ始まりました『一番星コンテスト』開幕です。司会は私、プロスペクターと…」
「……特別審査員のテンカワ・アキトだ。 何で俺がこんな所に
「同じく特別審査員のウリバタケだ、よろしくな。さて、早速だがルール説明からだな。
 抽選を通り、見事会場に入る事が出来た観客兼審査員の98人には、あるボタンが 渡されている」
「では、試しに皆さん押してみて下さい」

会場内で空気が動く…そして、そのボタンが押された瞬間…

《キタ― キタキタ キキキキタ

……会場に謎の――と言うか、かなり嫌っぽい――音 声が流れる。
ボタンが押される度に《キタ―》と流れるらしい。

「これは入場者兼審査員の評価を示す物で、一回押すと1キタ―、2回押すと2キタ―となります」

プロスペクターが人差し指・中指を順に立てて説明する。

「審査員は各出場者につき、20回まで押す事ができ、
 最高得点は審査員・特別審査員併せて二千キタ―となっております」
「出場者には多くのキタ―を集める事で競ってもらう。因みに、
 会場の8割…1600キタ―を集めると審査員特別賞として賞品の銅バージョンが送られる。
 準優勝者には同じく銀バージョン、優勝者には金バージョンが送られる」
「そして、問題の賞品は……これだァッ!」

ウリバタケが進行役用テーブルの下から取り出した物。それは・・・

 

人指し指サイズのデフォルメ・アキト像だった!

 

微妙に可愛いっぽいそれを見たためか、会場の裏側…
出場者待機場所から、何やらアレ気なオーラが漂ってくる。

「ふっふっふ…デザイン・アメルちゃん、鋳造はこのウリバタケの一品だ。
 因みに賞品は全て純金属、このサイズの純金・純銀は結構価値が高いぞ」
「出場者の皆さんは自己紹介の後、水着審査・歌唱審査が待ち受けています」
…本当にこんなの目指して出場者が来るとは……まぁ、程々に頑張ってくれ。ああ、あと……
 優勝者に送られる…き、『金のアキト君』は、チェーンを付けたペンダントになっているらしい」
「はぁい、いらっしゃいませ〜〜」

賞品名に照れたのか、一度どもったアキトに続いてプロスが掲げた『金のアキト君』は、
首から胸の部分だけのマネキンにかけられる…よくテレフォンショッピングで使われるアレだ。
…会場裏からいよいよアレ気なオーラが強くなってきた。アキトはそれを敢えて無視して続ける。

「それでは最初のトリビ…もとい、出場者。あ〜っと…あぁ?! ル、ルリ・ミルヒシュトラーセ、どう ぞ」

ルーミィは、<嘗て>と同じ…あの水着を着てゆっくりとした歩調でステージに出て来る。
・・・水着を今の体型に合わせた時、ある部分のサイズが
殆ど成長していない事に気付き、一人枕を濡らしたのはここだけの秘密だ。

《キタ― キタキタ――

…早くもボタンを押し始める者が続出。ふと、アキトが横を見ると…
あまり高得点を出さない決まりになっている筈の特別審査員…
ウリバタケが既に、8キタ―を出していた。

自己紹介・水着審査が終わる頃には、既に会場の集計は1000キタ―を突破していた…因みにアキトは、
『誰にもボタンを押さないようにしよう』と前もって考えていた為、0キタ―のままだ。
・・・誰かに肩入れすると後が怖い、と言うのは経験から来る危険予測だろうか?

「次はいよいよ歌唱審査ですが…ルーミィさん、既に高得点を出しています。
 これはどう思われますか? ウリバタケさん」
「ふっ…普段大人っぽい彼女だが、同時に少女の顔も併せ持つ……彼女はやはり、萌えだろう。
 そんな彼女の水着姿なら高得点は確実。後が厳しくなるが、審査員の8割はだから…
 まぁ、仕方ないだろうな。後は歌唱審査だが…ここで決められれば或いは賞品に手が届く、という事も…」

そして、歌唱審査……歌うのはアキトの予想通り、『あなたの一番になりたい』だが…

 

…時間もないし、面倒臭いからカット。
……コレ読む人なら誰でも知ってるだろうし。

「そ、そんな…酷いです…」

「彼女、やはりなかなかの素材ね…思わず20キタ―叩き込んじゃったわ。紅玉さんは?」
「サチコさんもですか? アメルちゃんも良いけど、彼女も…着飾ってみたいですねぇ」

・・・審査員の一部で不穏な会話がなされているが、まぁ本筋には関係ない。
結局、ルーミィが歌を歌い終えたとき…一番手から『1714キタ―』を弾き出す快挙を遂げた。

「なんと! いきなり1714キタ―です…え〜、それでは
 特別審査員のウリバタケ氏より特別賞が送られ「却下です」…」

ルーミィからの異議…ではなく、却下発言。

「『全ての賞の授与はテンカワ・アキトの手で行われる』…と、台本に載っていましたが?」
(バカな! 何故それを知っている!? アレは確かに書き換えた筈……
 ! まさか…プロスさんの言ってた色々って、彼女が…?!)

プロスペクターとアキトは慌てて手元の台本をめくる…そこには確かに、アキトが書き換えた筈の項目が復元されていた。

「後がつかえてんだから、さっさと行って来い。
(ちくしょおぉ〜…何で俺じゃないんだァ! 羨ましすぎるぞ、テンカワ・アキトォッ!!」
「ウリバタケさん…声、出てますよ。はぁ…やるしか、ないのか…

渋々、といった感じでアキトが『銅のアキト君』を持ってステージに立つ。

おめでとう、ルリ」

そう言って賞品を渡し、サクッと戻ろうとするが…

「ありがとうございます……それと」
「な、何かな」

ルーミィに呼び止められる。

「アキトさん…甘いです」
「グッ…や、やっぱりこの企画はルリが…」
「いえ、企画をプロスさんに持ち込んだのはラピスです。私はただ知っていただけで…
 あ、優勝者にはアキトさんがネックレスを掛ける事になっています。
 …逃げないで下さいね?」

にっこりと微笑んで言うルーミィにアキトは敗北を悟り、
ガックリと肩を落として特別審査員席に戻るしかなかった。

「さて、受賞が終わったところで次の出場者に行きたいと思います。
 エントリーナンバー二番…おっとこれは、五人組の出場となっています。
 では、ホウメイガールズの皆さん…ど〜ぞ」

 

……飛ばしていこう。

「「「「「お、横暴よ〜」」」」」

 


 

「さて…何やら大幅にカットされた様な気もしますが、残る出場者は2名です。
 彼女達は意外すぎたダークホースの最高記録を打ち破る事が出来るのでしょうか…?」

これまで審査員特別賞は4度出された。
一度は前述の通り、ルリ・ミルヒシュトラーセ。
次はカグヤ・ユリカの艦長タッグ。『金のアキト君(もくてき)』の為 に手を組んだらしい。
グループ参加の受賞は賞品が人数分出る事になってはいるが…仇敵と組んでまで欲しかったのか・・・
ともあれ、彼女達は意外なタッグ・コンビネーションを見せて1818キタ―…ルーミィの記録を100キタ―も上回った。
三度目に出た特別賞は、ホウメイガールズに対抗してかグループ出場した
ホウショウ・タカチホ・ムラサメのカグヤガールズ。
しかし惜しくもルーミィに届かず、1708キタ―……最後から4番目の彼女達がこの結果だったことで
最早優勝・準優勝は決した・・・と思われていた。しかし、次の出場者は途轍もないダークホースだった。

 

 

アイちゃん・フィーバー

 

 

シノダ・アイの出場時、会場には《キタ―》の嵐が吹き荒れた。
もちろん先陣を切って真っ先に20キタ―を出したのは、ママさん事シノダ・ツバキ(ピ〜歳)である。
アイの歌声は、奇麗とか上手いと言う程ではなかったが十分可愛らしく、
その子供っぽさと歌声が会場内をほのぼのとした空気で包み込んだ。

アイのそれは男の保護欲求と女の母性に働きかけ、
約2分半…歌い終わるまでキタ―を稼ぎ続けた。

そして唄い終えた時、得点は…198キタ―だった。
99人分のキタ―を越えた、ということはつまり・・・

「アキト、おまえ…後が怖いからって、誰にも肩入れしないんじゃなかったのか…?」
「…何も言わないでくれ。
 男には、例え何が待ち構えていようとも退けない時がある。
 それが娘か妹か…という子の為なら、尚更な・・・ただ、それだけの事だ」
「アキト、おまえ……だよ」
「…フッ」

・・・そんなやりとりがあったとか、なかったとか。
因みに、アイの着ていた水着は只のセパレートであったのだが…登場時に一部の『道を踏み外したっぽい人達』が加熱し、
ステージに登ろうとして全員アキトに叩きのめていたり……まぁそれは些細な問題だろう。

 


 

さて、そこまでは良いとして次の出場者は・・・

「え〜っと、次の出場者は……ら、ラピス…おまえも出るのか…
 ま、まぁいい。ラピス・ラズリさん どうぞ」

アキトの声でしずしずと登場するラピス…だが、水着ではなく何故かアメジストのようなゴスロリ姿である。
それにも関わらずぼちぼちとキタ―が入り始めているが…

「ラピス・ラズリ、趣味はアキト監察。特技はマシン・オペレート…よろしく」

自己紹介を終え、早速曲が流れ始める…なにか、太鼓の様な音が印象的な曲だ。
ステージの背景では、思兼の協力なのか『アキトを中心とした』エステのシミュレーション映像が流れている。
…どうも、歌の題材は『アキトと戦闘』らしい。

「…ん? この曲は・・・もしかして」
「おや? どうかされましたか、ウリバタケさん」
「いや、ちょっとな…二百年は昔の歌なんだが、まさかラピスちゃんがコレを知っているとは…」

やがて前奏が終わり、ラピスが口元にマイクを持っていく…

 

き〜づつけ〜合う事〜しか〜
安らぎを持つ す べ〜なく〜
  想〜いをー伝えらーれず〜
散り急ーぐモ ノも ある〜

 

そこまで唄ったラピスは、くるりと一回転…
すると服が消えて、ヒラヒラが多い水着で、腰にパレオを巻いたラピスが現れる。
…服に見えていた物は、精密なホログ ラムだったのだ。

 

この愛〜を(よろ)う〜時〜

 

「何…?」
「あれは…思兼?」

アキトとルーミィは驚き

 

想ーいは宇 宙(そ ら)を焦ーがす〜

 

「思兼を味方にするとは…やりますわね」
「い〜な〜…あれ。私もあれやりた〜い」

艦長ズは悔しがり

 

(あま)駆けるしにがーみの舞〜

 

「ラピスちゃん……輝いてるわ」
「ええ…これは魅せ方の勝利ね」

着せ替えが趣味の二人はうっとりとし――

 

怒り〜に 震え〜て 砕く〜

 

更にラピスはもう一度回る。
ホログラムを消した…と見せかけて、変えただけだったようだ。
…今度は本物であろう、ビキニタイプの水着に替わる。

 

《キタ―――》

 

会場はボタンを押す者が続出した。

 

きっと 抗〜う時に 闘〜う時に暗ー闇は必ずー来る〜

護〜る 事を 願〜う 為に 叫〜びになる時〜がー来る〜

嘆〜きの中 希望〜の中 ひか〜りのなかを駆ーけ〜抜け〜

 

「(この歌詞…もしかして、俺……か…?)ラピス…」

流石の鈍感王・アキトも、ばっちり『アキト目線』で唄われれば気付くらしい。
……しかし、次の瞬間

 

子ど〜も 好きの 黒〜いジゴロ 伝〜説が 今はーじ〜まる〜

 

ガンッ!!

「《キタ―》……ハッ! しまった、つい…」
「今更気にするなよ。どうせもうアイちゃんに入れちまっただろうが。
 それに…プッ…ホントの事だろう…ククッ」
「クッ…」

 

…ともあれ、ラピスの魅せ方は好評だったようで、艦長ズを越える1875キタ―となった。
中には最後の部分がウケた・共感したという票がある事も確かだろうが…ともあれ、艦長ズ・脱落。
最後の出場者がラピスの記録を超えない限り、彼女は準優勝となる…

「最後の部分に激しく納得いかないが・・・ともかく
 頑張ったな、ラピス…思兼もお疲れ
「ありがとう、アキト」
【有難う御座います】

 

「…ところでラピス、アキト<監察>って・・・」
「……世の中には、知らない方が良い事もあるのよ」
「・・・(汗」

 

「ラピスさんの受賞も終わった所で…いよいよ最後の出場者にいきます。
 コーラル・ド・マロネージュ・アイドグレーズさん、ど〜ぞー」

 



し〜〜〜〜ん



 

おずおずと現れたコーラルは何故かスクール水着だった。
身長、という面では似合ってるかも知れないが…
ぱっつんぱっつんになった水着は、彼女の一部分を強調している。
その一部分には、お約束というか…ゼッケンが縫いつけられている。
もちろん(?)平仮名だ。『こ〜らる・ど・M・あいどぐれーず』と拙い字で書かれている。

会場が静まり返っているのは……ほぼ全員の視線がその一部分に釘付けになっているからだろう。
冷や汗をかく者、唾を飲み込む者、悔し涙を流す者、生きてて良かった的な涙を流す者・・・
実に様々な反応だが、例外のアキトとプロスペクターを除いて皆一様にフリーズしている。

…と、それまでは賑わっていた会場の静寂振りに気後れしたのか、不安そうに何度もアキトの方に視線を向ける。
アキトが『構わないから、ステージへ』とブロックサインすると、これまた何故か通じたらしく
タタタッ…とステージ中央へと走る。しかし運命の悪戯か、細いコードに足を引っかけてしまう。

「あわ、あわわわっ…きゃ!」

     ずる……ビタァン!

彼女は頭から……ではなく、その不釣り合いに大きい胸から落ちた。

(が〜〜ん(泣))
(ムカッ)
(怒)
(す…凄……)
(う〜…私だってぇ)

会場裏と審査員席の女性から、様々なオ〜ラが立ち上る…
と、同時に男性陣は思わず鼻を押さえる…ナニか熱いモノが吹き出しそうになったらしい。

「ううぅ…痛いですぅ…ごしゅじ〜んさま〜」

コーラルが正座を崩した座り方――俗に言う『女の子座り』――で泣きかけた瞬間…

 

《キタ――――

 

会場は第二の熱狂(フィーバー)を迎えた。

 

「寒い時代だと思わんか」
「胸なんて飾りです! 偉い人にはそれが解らんのですよ!」
「解るはずだ! こういう奴は生かしておいちゃいけないって、解るはずだ! みんな、みんなに解るはずだ!」
「私が手を下さなくとも、(貧)乳タイプへの覚醒で人類は変わる。その時を待つ!」

 

…会場の一部(主に女性)は錯乱したのか、ガ○ダムワールドに突入しているが。
そんな混乱の端で、ひそひそ話が行われていた。

「…よぉ。どしたぃ、テンカワ……もしかして、そのボタンを押したいのかぁ?」
「……クッ」
「へっへっへ・・・正直になりなぃ。アレは…そう、漢の浪漫って奴さ…
 おまえも男なら…否! 漢ならあの巨砲には逆らえまい!!
 さぁ…押すんだテンカワ。なァに、恥じる事はない…漢なら仕方のない事さぁ」
「・・・し、仕方」

      スパ〜ンッ!

軽快な音にアキトが振り向くと、ママさんが物凄い笑顔でスリッパを振り抜いていた。
ウリバタケは…中指と薬指以外を立てた手を伸ばし、突っ伏している……割と余裕っぽい。

「変な洗脳しないで下さい! …アキトさん、解ってますよね

娘の為なら…という事か。アキトが恐る恐るボタンから手を離すと、
ツバキはスリッパを履き直しながら席へと戻っていった。

・・・・・

そうこうしているうちに、コーラルの自己紹介は終わっていたらしい。
既にマイクを手にスタンバっていた…頃合いを見計らって、プロスペクターが音楽をスタートさせる。
が・・・

ジャ ジャッ ジャジャッジャッ ジャッジャッジャ〜

「なにィ! アレを唄うのかッ!?」
「おや、ウリバタケさん…どうされました? 何か問題でも…」
「いや、問題って訳じゃねぇが…」
「? あの歌に、何かあるのか…?」
「……聞いてみない事には解らんが…」

 

君が居ない〜このせ・か・い〜人混〜みに紛れても〜

色が褪せた〜気がす・る・よ早く君に逢〜いたい〜

 

「クッ…やはり……」
「ウ・ウリバタケさん…?」
「コレは『ラ○ブレ●ド』というゲームのオープニング曲だったんだが、歌が無くてな…
 ファンが色々歌詞を考えたりした物だが、その中で『駄作中の駄作』と呼ばれたダメ歌詞がコレ…」

コーラルの意外な美声に加え、この歌詞――

 

傷ついた〜 ツ・バ・サ・ひ〜ろ〜げて〜

捜し続ける きっと いつか

君に出逢える時まで〜〜

 

「そう、脇役好きとか言う『変人物書き』が即興で歌詞を考えた
 伝説の迷バージョン! …なんだが……」

強い《憧憬》が込められた歌詞に、女性陣達も惹かれる物を感じたのか――

 

闇  の  空  に  翼  広  げ
Spread Its Wings On Darkness Sky

君のもとへと 飛〜び立つよ

翼折るまで 羽ばたいて 只求め続・ける〜

 

「コーラルちゃんが唄えば、このヘボ歌詞でも良いって気になるな…何故か。
 元々の曲が良いからってのもあるんだろうが……」

気が付けば、全員がコーラルの歌に聴き惚れていた――

 

輝く 世界へ 羽ばたいて ゆく
Flap Away The Shining Worlds

みんな笑える新世界へ

例え運命(さだめ)が 敵だって

必ず護る〜

『彼等』 への 魂の 誓い
Vow Of Soul for their

 

コーラルが歌い終え、一礼して結果発表を待つ・・・

(ラピスの歌はともかく、コーラルの選曲…まさか
 俺の事を知っているのか……いや、考えすぎだな)

アキトはそんな事を考えながら、アイと同じく5キタ―入れた。
すると……なんと見事にアイと同点、1985キタ―となった。

「……ありゃ。ど〜すんだ、これ」
「ふ〜む…困りましたな。流石にこれは予想外でした」
「なら、決めてもらうか」
「…そうですね。では、テンカワさん…判定は?」
「何! 俺か?!」
「はぁ、あの二人に対してキタ―が残ってるのはテンカワさんだけですから…」
「・・・・・」

 

「おにいちゃん…」
「ご主人様ぁ〜…」

 

「……マジか?」
「大マジです」
「ほらほら、決めちまいな」
「…同率一位は?」
「ああ、それは無理です…『金のアキト君』は一つしかありませんから」

 

 

「……おめでとう、コーラル。明日は頑張ってな

アキトが背後に回って『金のアキト君』をかけようとすると…

    ササッ…

「…コーラル、何故正面に回り込むんだ?」
「男の人にペンダントとか掛けて貰う時は正面から、だそうです〜」
チッ…誰に聞いたそんな事」
「紅玉さんとサチコさんです〜…あ、いた。
 お二人とも〜、コーラル、やりました〜」

コーラルが観客席に手を振ると、二人も左手で手を振り返す。

(…右手で<赤いハンカチ>を鼻に当てているのは…見なかった事にしよう)

そう思うアキトだった。

「仕方ないな、全く…」

そうごちて、コーラルの正面から賞品を掛けようとするアキト…しかし…

…ふにゅん…                ギンッ!

(グ…胸が……強烈な視線が…)

正面から掛けようとすれば当然そうなる。しかも、見ようによっては
『アキトが抱きついている』様に見える為、一部女性陣の視線がきつくなる…

(もうちょっと…よし、これで…)
「じゃ、そういう事で」

コーラルに金のアキト君を掛けたアキトは、全力疾走で逃げ出した。

 

 

 

――翌日・ブリッジ――

艦長席にコーラルが座り、その脇にやや疲れた表情のアキトが立っていた。

「うぅ…僕はいらない副長なのか(半泣き)」

「弾幕薄いです〜! 何やってるんですか〜!!」
「何を言ってるんだ? コーラル……」
「ご主人様知らないんですか〜? 『艦長』と言えばコレだそうですぅ」
「何の知識だ…」

ユリカの艦長服を借り、1日艦長のコーラル。
服はやはり『とある部分』がぱっつんぱっつんだったらしいが…
そのとある部分で、金のアキト君が溺れていたとか。

「ま・負けた〜(マジ泣き)」

「ご・ご主人様大変ですぅ〜!!」
「何? 敵かッ!」

 

「オ、オチがありませ〜ん」

 

終われ

 


<後書く>

オチ…オチは……
アキトの祝辞が全部『黒い鳩さん宛』だったという事でどうでしょう?

HP開設おめでとうございます。これからも頑張って下さい。
・・・お祝いと言いながらこんな物送り付けてしまって済みません(汗)
因みに、彼女が○○だったら…という○の部分には、歌姫でも主役(ヒロイン)で もお好みでどうぞ。

 

●イブ○ードのOPは、某サイトにありましたが…
それを落とすと曲調が解りやすいかと思われます。
英語の部分は…正しいかどうか解りません(爆)

ラピスの方は…手抜きです(滅)

ガン○ムネタが全部(特に一番目が)解った方…通です(笑)

 


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