闇の伝説  Legende of Dunkelheit  第二話 「覚醒」


「っ・・ここは、どこ・・だ・?」

アディエマス・ブランシュケットは自分の背中から来る冷気で目を覚ました。

(・・・確か俺は、森で狩をしていて・・それで怪しい奴等を・・・・
 そうだ!怪しい奴等を見つけてそれで、追いかけて・・)

そこまで考えたところでアディは自分のおかれた状況に気がついた。
アディの体は拘束具で固定され動けなくされていた。

「くそっ!なんだこれはっ!」

アディはそれをはずそうともがいた、だが拘束具は外れるどころか、
緩みさえもしなかった。
その時、ザッザッと足音が響いた。約三十人ぐらいだろうか。
そしてアディの近くまで来た。アディに声をかける。

「おや、目を覚ましてしまったか。」

「きさまら、ナニモンだ!」

「フム、愚民に語る名はないと言いたいところだが、せっかくだ
 覚えておけ・・・いやそう言っても無駄か。まあいい我々は
   『白き預言者』
 だ。」
 
「その『白き預言者』が何でこんなところにいるんだ?」

「こういうことさ!」

「なっ!ぐはっ」

『白き預言者』はアディの腹に剣を突き刺した。

その剣は自分の剣とほぼ同じ物。だが、自分の剣は腰にある。

アディのその考えは自分の体を襲う傷みの前に消え去った。
自分の体に食い込む冷たい鉄の感触、冷えていく自分の体。

(・・・これが・・・・死か・・・・)

「悪く思うなよ。若造。」

その声も聞こえなくなる。アディは自分が闇に包まれたと感じた。
薄れ行く意識の中、アディは声を聞いた。

『生きたいと思うか?』

『力が欲しいか?』

『大切なものはあるか?自分を捨てても守りたいものは・・あるか?』

最初の二つはうなずく事が出来、最後の質問はわからなかった。
だから、こう答えた。

「まだ、守りたいものは見つからない・・・・だから、生きたい・・」

『ならば、力をやろう。』

その声を聞いた後、意識は完全に途切れた・・・





「うっ・・・」

『白き預言者』の前でアディは拘束具を断ち切り立ち上がった。
だが、その目は血の色・・真紅に染まり、髪を纏めていた金具は割れ
髪は銀色に逆立ち、顔には文様が浮かんでいた。

「おお!魔神様の復活だ!!」

『白き預言者』達が歓喜の声を上げる。だが、

「さあ、魔神様我等にちか」

その者は最後まで言葉を続ける事ができなかった。
なぜなら、その者の首は豹変したアディに一瞬で握りつぶされていたからだ。

『コロ・・・セ・・・・コロ・・セ・・殺せコロセコロシツクセェええええ!!!』

豹変したアディは自分の腹から剣を抜き、振る。突く。薙ぎ払う。
空いているもう片方の手で、殴る、千切る、握り潰す。
その場所は、阿鼻叫喚の地獄と化した。

『ククッ・・クックック・・クハ・・クハハハハハハ・・ハーッハッハッハッハ!!』

豹変したアディは肉塊が散らばり血の雨が降り注ぐ中、笑い続けた・・・・



「っ・・・・こ・・こは」

アディは周りを見渡す。周りはまるで地獄だった。

「なっ・・・これは一体?」

そして、アディは自分が剣を持っていることに気がついた。
血にまみれた剣を・・・そして、自分が血だらけだと言う事に・・・

「・・・お・・れが・・・俺が・・・やったのか・・・」

否定する要素が見つからない。自分の姿が真実を表している。

「そ・・ん・な・・・嘘だ・・嘘だ嘘だ嘘だ嘘だぁ!」

それでも、否定したい。その思いが口を動かす。だが、何かが変わるわけでもない。
アディにできる事はその場を離れるだけだっだ・・・・・・


                                    

                            続く・・・・・
































後書き
どうも、こんにちは(こんばんはかな?)槍火です。第二話やっとおわりましたー。
これからもよろしくお願いします。 
え?短いですか?えーとそれではこの後書きなんですが・・・・どっちがいいですかねぇ
こういうのと、対話式と・・自分で考えろ?ごもっともです。ハイ。
あー、ではではまたお会いしましょう。(というか、見てくれる人いるかな)


              
                 闇の伝説  Legende of Dunkelheit  人物紹介その一


アディエマス・ブランシュケット(猟師時)  19歳

身長  175センチ
体重  60kg
髪の色 ブラウン
瞳の色 ブラウン
好きなもの 焼き芋(なぜか、あるこの世界)
趣味  木で彫刻
武器  普通のバスタードソード(正確には自分の家に代々伝わるもの)
特徴  髪を長く伸ばしていて横と後ろを金具で止めている。




アディエマス・ブランシュケット(旅に出た後)19歳

身長  175センチ
体重  60kg
髪の色 ブラウン
瞳の色 ブラウン
好きなもの 焼き芋(なぜか、あるこの世界)
趣味  木で彫刻
武器  刀身が黒いバスタードソードを二本(片方は腹に刺さった物)を
    両腕の盾の裏にしまってある。
特徴  髪を長く伸ばしていて横と後ろを金具で止めている。
    





とりあえず、主人公です。キャラが増え次第追加します。



感想

槍火さん連続投稿です!

前回危機に陥ったアディ君が見事に復活!

魔王だと思っていたんですが、魔神なんでしょうか…

細かい所ですね(汗)

彼は多数の人間を殺めてしまいました、ですが彼の意思ではありません。

しかし、罪悪感は当然あるでしょう、悪人であったとしても殺す事は自分の心を傷つけます。

その彼がこの先罪悪感や殺した自分の中にある意思とどう向き合っていくのか楽しみにしております♪


キャラ設定、前回私が言った事を考えてくださったようですね。

ですが、できれば文中で表現なさる事をお勧めします。

例えば、


痩身の男が丘の上に立ち、髪をなびかせながら眼下の街を見ている。

男の髪がたなびく度、光を反射して金色に輝く…

痩せたその体がそこにあるだけで何か威厳のような物が漂っていた。

それは、男の身なりがくたびれたたび装束であるとしても変わらない。

ただ、そこにあるだけで異彩を放つ存在であった。


と言う風に表現すれば、その人は、丘の上に立っていて、なびく程度には長い金髪で、痩せていて、くたびれたの旅装束を纏っているという事と、

威厳があるという事から、貴族や王族の血筋ではないかとか言う事まで想像出来ます。

こうやって文中で紹介する事によってあまりキャラ設定などを出す必要も無く、そしてどんなキャラなのか想像しやすくなります。

小細工と言ってしまえばそれまでですが、結構重要ですよ。

次回も期待しております!


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