はぴねす!
〜Magic & Fairy Tale〜
  Prologue 過去の夢 後編



   「落ち着いたかい?」



   「う、うん」



   さっきのことが気恥ずかしくて、顔真っ赤にしてたっけ。

   どんな顔してたのかはもう覚えてないけどな。

   それにいつの間にか怪我した腕も治っていた。

   何度も見直したが、傷跡すら残っていなかった。

   あるのは服の袖に怪我を負った証拠である

   血の跡がついていることぐらいだ。

   まったくもって非常識な人だって、いまさらながらに思うよ。



   「で、何を迷っていたんだい?“魔法”に関することかな?」



   「え?」



   何でそのことを?

   そう言う前に答えがすぐさま返ってきた。

   本当に心を読んでるのかと思うほどだったな。

   まぁ、それだけ思考が読みやすかった顔、してたかもな。



   「有体に言えば勘……かな。

    君が魔力を持っていることはわかるから。

    ここからは推測だけど、自分の魔法の事で

    何かに気づいてしまった、あるいは他人から妨害を受けていて、

    そのために魔法使いのとしての壁にぶち当たってしまった。

    そんなところじゃないかな?」



   「そ、そんなこと……。」



   当たらずとも遠からずな発言だったな。

   っていうかこの人は絶対気づいていたはずだ。

   今思うとそんな気さえしてくるけど、

   このときはただ呆然としていたことだけは覚えている。

   本気でエスパーかなんかじゃないかと思ったな。



   「自分でずっと考えているよりも、

    誰かに話を聞いてもらってもらったほうが

    気持ちがスッキリすることもあるぞ。ほら。」



   その満面の笑みに抗えず、かいつまんで

   自分のやってきたこと、悩んでいることを話した。

   離している間も、ずっと笑顔のままで、親身に俺の話を聞いてくれた。

   最初は自分の生みの親以外の魔法使いに話をすることに抵抗はあったけれど、

   話を進めていくうちにそれは気にならなくなった。

   そして、俺の話が終わるとうんうんとうなずいて、

   彼女はこういった。



   「うんうん、なるほど。それで悩んでいたのか。

    たしかに、特別な力ってのはそれを持たない人にとって

    怖いものの何者でもない。それでいじめられていたのか。」



   「う、うん。」



   気にしていただけに、ぐさりと胸を抉られた。

   ダメージは結構大きかったな。

   改めて、自分は見えない凶器を持っていることを思い知らされる。

   だからこそ母さんはきつく

   “魔法を使ってはいけない”って言ったんだろう。



   「力を持っていることは悪いことじゃない。

    むしろ、いい事だってある。

    君は女の子を助けるために力を使って助けたんだろ?」



   「うん。」



   けど、根本的な解決になっていない。

   たしかにいい事もある。

   だけど、俺が力を持っていることには変わりない。



   「う〜ん、そうだな。君には今3つ道があるよ。」



   「3つの道?」



   キョトンとして聞き返す。1つはいわずとも理解している。

   というか、俺にはその時この解決方法しか

   知らなかったというほうが正しい。

   それはきれいさっぱり自分の能力を封印すること。

   絶対に使わないと誓うことだ。



   「うん、そうだね。これが君に与える一つ目の選択肢。

    そして二つ目。開き直ること。

    君が力を持っていることには変わりないのだから。

    簡単に言うと、力をバシバシ使って、嫌われることだね

    そして最後、三つ目の選択肢。

    力を使わず、ほとぼりが冷めるまで現状に耐え続けること。

    力を封印することなく、育て上げ、自分のものにするんだ。」



   「現状に……耐え続ける……」



   三つ目の選択肢はかなりキツイだろうけどね。

   そう付け加えた。人の噂も75日というが、

   俺のこの力も噂になって、人々から忘れられるのだろうか。

   もし忘れられなかったら、一体どうなるのか、それが一番怖かった。



   「まあ、あせらずにゆっくり答えを出すといい。

    君の力なのだから、使い方は君が決めればいい。

    君は自分で答えを探して立ち上がれると思うけど。

    俺はほんの少し可能性を広げただけ。」



   「うん。わかった。もう少し自分で考えてみるよ。

    じゃあ、お姉さん、僕から質問してもいいかな?」



   「おねえさん?それは俺のことかな?」



   「ほかに誰がいるっていうのさ?」



   「ぷっ……あははははは」



   「なっ、どうして笑うの?」



   何で笑ったのかワケがわからなかった。

   突然の状況に?マークが浮かぶだけだった。



   「あははは、いや、ごめんごめん。

    まさか君にも間違われるとは思ってなかったから。」



   マチガイ?一体何を間違ったのか?

   俺はこの人をお姉さんといった。

   それがまちがいだとしたら、この人は……



   「おれはこんななりをしているけど、立派な男だよ。」



   一瞬世界が凍結したような錯覚がした。

   世の中絶対に間違っている。そんな思いさえおこしたほどだ。

   しかしこの後数年後、完璧に女にしか見えない男が

   自分の身近に生息することになるとは、このときはまだ予感さえなかった。









   「まあまあ、さっきの続き。俺に質問だったね。

    いいよ。答えられるものなら何でも答えてあげよう。」



   ずっと疑問に思っていたもの。

   話をしている間にも、頭の隅で考えていたこと。

   恐怖で心臓が早鐘を打つけれども、

   俺は聞かないわけにはいかなかった。それは……



   「さ、さっきの化け物っていったい、なんなの?」



   いっぱいの勇気を振り絞って、さっきの事を聞く。

   思い出したくもない恐怖で押しつぶされそうになる。



   「聞くと、またさっきみたい怖い思いをするかもしれないよ?

    それでも聞くなら、聞かせるけど?」



   再び身体が凍りつくような言葉が耳を貫いたが、

   それを胸に押し込み、身をすくませながら頷いた。



   「あれは、『鬼』っていってね。

    別の世界から迷い込んできたものだよ。」



   それから、いろんな話をしてくれた。

   鬼の話。こことは別の世界の話。

   さっきの空とぶ小人の話。

   (精霊というらしく、さっきでてきたのは火と土の精霊だそうだ)

   他愛のない話なんかして、時間がたつのを忘れていうほどたくさんの話をした。

   そのおかげで日がとっくに暮れていたのに気づいたのは話がすべて終わってからだった。

   そして帰り道。あまりにも遅くなってしまったので、彼が送ってくれることになった。

   話しているうちに俺もお兄さんのようになりたいと思った。

   自分の迷いにも選択肢の3つ目という答えを出した。

   力を使わず、ほとぼりが冷めるまで現状に耐え続けること。

   そして、いまだ扱いきれてないこの力を、自分のものにするために、己を磨くことだ。



   「僕も、お兄さんみたいになれるかな?」



   「ああ、俺みたいになれるかはわからないけど、

    君は立派な人間になれるさ。」



   「じゃあさ、僕にもお兄さんの格闘技みたいなの教えてくれる。」



   「それはどうしてだい?」



   「だって、鬼は僕たちみたいな子供を狙ってるんでしょ?

    僕だって狙われるし、それに他のこが襲われたら、

    助けてあげらるかもしれないでしょ?それに……。」



   「それに?」



   「本当は怖いよ。でも、自分に力があるのに

    今日と同じ立場になって、何も出来ないなんていやだ、

    そう思ったんだ。」



   このとき俺は自分に誓いを立てたんだ。

   助けを求める人がいたら、自分の力の及ぶ限り助けてあげるんだって。

   彼は自分の目をじっと見つめる。

   やがて小さなため息をつくと、説得を諦めた感じでこういった。



   「わかった。決意は固いようだね。俺の技を君に教えてあげよう。

    ただし、いくつか約束事がある。

    これが守れないなら、君に教えることはできない。」



   神妙な顔つきでしゃがみこむと

   俺の目を見ながらささやいた。



   「自分の身が危険に迫ったとき以外使わないこと。

    むやみに暴力を振るったりしないこと。約束できる?」



   「うん。約束する。」



   「よし、じゃあ、俺はいつも公園にいるから、好きなときにおいで。」



   「はい、師匠!」



   このときから俺の中で彼は師匠になった。

   その前に突破しなければならない難関があったが、

   師匠が事情を話してくれたおかげで、

   その日の雷は通常の半分くらいの威力だった。



   師匠はいろんなことを教えてくれた。

   武術だけじゃなく、心のあり方、時には勉強も見てくれたりして。

   このときはイジメがひどかったから、グチも結構聞いてくれた。

   師匠というより、お兄さんというほうが近いかもしれない。



   それから何年かして、高校の合格発表の次の日、

   師匠は退魔の仕事のため、海外へ行ってしまった。

   前々からそんな話があって、中学卒業した日、

   師匠が帰ってくる間、森の番人をして欲しいと頼みに来た。

   このときになると、俺の力のことはほとんど知る人はなく、

   師匠の番人としての仕事を手伝ったりしていた。

   師匠自らの頼みということと、自分の通う高校の敷地内ということもあって、

   俺が断る理由はなかった。



   2年くらいで戻るといって、師匠は旅立った。

   それから、高校に入学して約一年間がたつ。

   最初は魔法科に入ろうかと思ったが、

   これからのことを考えると、進む方針が違いすぎるため、

   俺は普通科という道を選んだ。



   森の番人を務めながら学校に通い、今に至る。

   ちなみに森の番人のことは義妹と母さんには内緒にしている。

   もちろん自分のちからのこともだ。

   時々、鬼と戦ってます。なんて言ったら、どう反応するだろうか?

   見てみたい気がするが、これはこれで問題が大きすぎる。

   それに、むやみやたらに巻き込んだりしたら、それこそ大事だし……。



   強い鬼も何体か現れたけれども、過去の俺とは違い、

   おびえることもなく、苦戦しながらではあるが鬼を払っていった。



   新しい力も手にいれ、それに責任を感じながら、

   俺は人々を守ることをいっそう強く誓う。







   そして視界は白い闇に覆われる。

   新しい一日が始まる。

   



TO BE CONTINUED


あとがきという名の座談会(シルフェニア出張版)

月;久しぶりに投稿するなぁ・・・・・・

ミカエル;ま、たしかに久しぶりね、半年くらい?

月;それくらいになるな・・・・・・ 投稿して大丈夫だろうか・・・・・・

ラファエル;いきなりダメだしとか食らいそうですね
       ま、そのときは改善してください

ウリエル;でも、これ、なんでいきなり投稿なんて決めたの?

ガブリエル;このはんせいかい・・・・・・かわりのひとも・・・・・・
        きっと・・・・・・こまってるの・・・・・・

月;ああ、それは先に連絡してあるから大丈夫だ

ウリエル;なんでこういうときだけ準備がいいの?月兄・・・・・・。

ラファエル;こういうときだからこそ早いのでは?

月;連絡だけはしっかりしとかかないと
   あとで痛い目を見るからな。

ミカエル;そうよねぇ〜。この前それで痛い目見たんだっけ?

月;過去をほじくり返すのはやめてくれ・・・・・・。

ガブリエル;でも・・・・・・かこをふりかえるのは・・・・・・
        とこどき・・・・・・だいじなの・・・・・・。

月;うむ、最近過去を振り返らない
   ばか者が多いからな!!!

ミカエル;ここにも約一名いることだしね。

月;うむ、それもそうだな!!!!

ラファエル;威張って言うことではないとおもいますが・・・・・・。

ウリエル;今回の話一人称だけど・・・・・・。

月;やめろ!!!触れるんじゃない!!!
   ただでさえ文章がズタボロなんだ!!!!
   他の人の小説参考にしながら、
   がんばって書いてみたが・・・・・・
   見るからにひどい文だ。もう最悪・・・・・・。

ガブリエル;そんなことないの・・・・・・きっと・・・・・・
        みんな・・・・・・わかってくれるの・・・・・・。

ラファエル;まあ、努力賞といったところでしょうね。

月;1つわかったことは、俺に一人称形式文は
   性質的に合わないってことぐらいだったな。

ラファエル;ってことは、次のお話からは
       もとの三人称形式に戻るというわけですか

ウリエル;もう既にはじめちゃってるし・・・・・・。

月;ウリエル、勝手に制作中の作品を読むんじゃありません。

ウリエル;は〜い。

ガブリエル;そろそろ・・・・・・おひらき・・・・・・なの・・・・・・♪

月;おっと、もうそんな時間か?

ミカエル;そういえば、次からの座談会だけど・・・・・・

月;こっちは次から彼女・・・・・・げふんげふん
   彼に登場してもらう

ガブリエル;なんで・・・・・・せきこんだの・・・・・・?

月;まあ、一種の催眠操作にかかりそうになったのだ・・・・・・
   あやうく洗脳されるところだった・・・・・・

ウリエル;それってどういうこと?

ラファエル;男の子なのに女の子みたいなんでしょう
       それも、女の子と見間違うほど・・・・・・

月;現実世界にもいるな・・・・・・。
   あれはホントにオトコのかたですか?
   と、つい聞きたくなってしまうな。

ミカエル;で、彼一人でやるわけ?

月;いや、話ではほかにもう一人連れてくる話になっていたが・・・・・・
   実際誰かは聞いていないな・・・・・・。

ミカエル;ほんとに大丈夫なんでしょうね?

月;大丈夫だって、俺に任せろ!!!

ウリ&ラファ&ミカ&ガブ;
   ((((それが一番不安・・・・・・。))))

月;俺の明日は輝いているぜ!!!!


某月某日
  天界合わせ鏡の間より実況中継


押して頂けると作者の励みになりますm(__)m


月(ユエ)さん への感想は掲示板で お願いします♪


1

作品を投稿する感想掲示板トップページに戻る

Copyright(c)2004 SILUFENIA All rights reserved.